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「フォトンベルト・ストーリーの真実」(2011/11/15 (火) 19:08:25) の最新版変更点
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#size(25){{{&bold(){ フォトンベルト・ストーリーの真実}}}}
#size(17){{{
最近、2012年人類滅亡説、マヤの予言、フォトンベルト、アセンション(次元上昇)
…などといった耳慣れない怪しげな言葉を、よくネットやTVでで見かけるようになった。
普通に考えれば一顧だにせず嘲笑される程度の他愛ない代物だが、
にも関わらずこれだけメディアに露出しているのは、
それだけこうした教義に注目が集まり、それを信じる者もまた増加してきたという事である。
中にはこれらの教義をエサにして、信徒に財産を貢がせ、
アセンション後の安定した生活を約束し、避難用のシェルターを作っている教団もあるという。
では、これらの話はどれだけ信憑性があるのであろうか?
それについて、これらの言葉の核ともいえる&bold(){「フォトンベルト」}についてまず見ていこう。
✧
1981年8月、オーストラリアのUFO研究会の雑誌第12号に
シャーリー・ケンプという女子大生が怪しげな仮説を掲載。
これが今日までも続く「フォトンベルト・ストーリー」の発端である。
内容をかいつまんで話すと以下の通りだ。
「電子と反物質の陽電子が衝突すると、そのエネルギーがフォトンとなって放出される。
さて、宇宙にはそのフォトンが局所的に集中している空間がある」
「銀河系はプレアデス星団を中心にして2万4000年周期で大きく回転している。
それと直行する形でドーナツ状のフォトンエネルギーのリング
“フォントベルト”(マナシックリングとも言われる) が存在している」
「銀河系が一周する間に2回、地球はこのベルトへと突入し、約2000年間で突き抜ける。
この間フォトンベルトの中においては、空は炎のように輝き、
フォトンエネルギーによって全ての分子と原子は励起し、光を放つようになる」
「一方で地上は氷河期となり、北緯40度まで氷床が広がり、
食糧生産は激減し世界は大混乱に陥る。
これはフォトンベルトを抜けるまでの間2000年間続くだろう。
地球全体が寒冷化するのだ」
「太陽系はもう少しでフォトンベルトに本格的に突入しようとしている。
ここのところ頻繁にUFOが姿を見せてきているが、
彼らは太古の昔から人類を見守ってきたのであり、
現在はフォトンベルトへの突入を警告するために
あえて目に触れる形で出現しているのである」
「ちなみにUFOのエネルギー源もフォトンである」
…という他愛のないストーリーだ。
✧
10年後、オーストラリア版「ムー」とも呼べる雑誌・ネクサスにこの作り話が掲載され
多くの耳目を集め、海外でも知られるようになる。
その後この話が様々な尾鰭がついて広まってゆく。
一例として以下のものがある。
フォトンベルトを発見したという天文学者ポール・オットー・ヘッセは、
これを「ゴールデン・ネビュラ」と名づけた。
その後1996年にハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたペガサス座
メンカリナン銀河の光の帯に注目した思想家・ロバート・スタンレーが
「これこそがゴールデン・ネビュラに違いない」と主張し、注目を集めるようになる。
さらにチャネリングによって「銀河系中心から発するテレパシー」を受信したという
バーバラ・ハンド・クロウが「プレアデス銀河の夜明け」を著す。
ここからフォトンベルトストーリーは&bold(){“アセンション”}という言葉と相まって、
人類の劇的進化というキーワードとともに語られるようになり
2012年のマヤ暦の終わりと結びついた一大予言ムーブムントへと成長する。
そして環境の激変や社会的不安からの逃避もあいまって、
それについて世界的に一部の層からの注目が集まっているのが現状である。
これらの神話のそもそもの発端は、オーストラリアの女子大生が作り出した
「フォトンベルト」という概念である。
逆に言えばフォトンベルトの有無が、これらの神話の真偽を示しているといえる。
✧
では、果たしてフォトンベルトは存在するのか。
結論から言おう。&bold(){フォトンベルトは存在しない}。
ストーリーの “全て”が&bold(){虚構}である。
そもそもが女学生が書いたジョークに近いSFである。
まず、最初にフォトンベルトを発見したとされるエドモンド・ハレーだが、そのような事実は無い。
次に彼の研究を引き継いでフォンベルトを発見したというポール・オットー・ヘッセだが
天文学者ではなくSF小説家である。
1961年にゴールデン・ネビュラを発見したと言われているが、
その当時そんな遠くの銀河を観測できるだけの技術は無い。
フォトンベルト・ストーリーにも書かれているように、電子と陽電子が結合すれば
強力な電磁波が生じ、その一波長が粒子の形を取ったものが光子(フォトン)である。
…が、これに質量は存在しない。質量が存在しないからこそ光速で移動できる。
逆に言えば停止できない。よって、光子が一箇所にとどまる事など有り得ない。
つまり巨大な帯状にフォトンが分布する事など科学的に有り得ないハナシである。
フォトンベルトなどというものはそもそも存在しないのだ。
銀河系がプレアデス星団を中心に回転しているなどという事はない。
プレアデス星団自体が回転する銀河の中の天体の1つでしかない。
フォトンベルト・ストーリーでは銀河系は2万4000年かけて一周していると書かれているが
まったくもってそんな観測的事実は無い。
地級が銀河系を一周する時間は2億2600万年であり、オーダーがまるっきり違う。
フォトンベルトの証拠のひとつとして掲げられるハッブル望遠鏡の写真は
フォトンが帯状に分布しているわけではなく、あくまで天体やガスが光を発しているだけである。
✧
フォトンベルトとやらに突入した時の状況も全くもってナンセンスである。
なぜなら、我々は既にして、毎日太陽から降り注ぐフォトンの海の中にいるからだ。
長く日に当たっていると日灼けや皮膚癌になるかも知れないが、それだけである。
現在流通しているタイプのフォトンベルトストーリーでは
高エネルギーの光の海の中に入ると人類が劇的に進化するとあるが、とんでもない話である。
紫外線、マイクロウェーブ、X線、ガンマ線といった高エネルギーの電磁波を
非常に強く浴びる事を「被曝」と言い、それが長時間続けば
進化どころか放射線障害によって人類は死滅してしまうだろう。
惑星直列により地殻変動や大地震など天変地異が起こるのではないかという説もあるが
実際のところ完全なものではないとはいえ、惑星直列は1982年や2002年にも起こっている。
無論、何事もありはしなかった。
天文学的にはたとえ地球以外の惑星が綺麗に一直線に並ぶような事があったとしても、
それらの重力が地球に与える影響など微々たるもので、
無視して構わない程度の代物なのである。
ちなみにマヤ暦は2012年で終わるわけではなく、
そこからまた新しい暦が始まるだけである。
…と、このようにいちいち批判していくとキリがない。
そもそもフォトンベルトストーリーは発端、土台からして虚構であり
その後その上につけ足された、アセンションだの2012年滅亡説だのをはじめとする
数々の発展型ストーリーも含め、全てがただの都市伝説の類にしか過ぎないのである。
✧
ちなみに広く喧伝されている、マヤ暦の最後を指すという
『2012年12月22日』という日付についても書いておこう。
これはイギリスマヤ学者のJ.エリック.トムソンが、
16世紀スペインの宣教師ディエゴ・ランダの記録に基づき、
現在の大周期の始まりの日付を『紀元前3114年8月13日』と
勝手に推定した事に由来するものである。
では、この暦の信憑性はどうなのだろうか?
マヤの最高神官ドン・アレハンドロは
2008年に来日した際、「マヤの長期暦からグレゴリオ暦への変換が
正確に行われたとは言えない」とコメントしている。
別の神官カルロス・バリオスも、
「人類学者たちは神殿や遺跡を訪れ、碑文を読み、
マヤについての物語を“創り上げる”。
だが、彼らはそれを正しく読んでいるわけではない。
それは彼らの“空想”に過ぎないのだ」
「マヤの名を用いて予言についてあれこれ語る者もいる。
彼らはこの世界が2012年に終わると吹聴している。
マヤの長老たちはこれに対して憤慨している。
世界は終わらない。ただ、“変容”するのだ。
また、マヤの暦を所有し、それを正しく解釈できるのは外の者ではない。
マヤ人なのだ」
と、やはりその&bold(){解釈を否定}している。
要するに、「2012年12月22日で世界が終わる」という予言解釈は、
かなり強引かつ牽強付会で、根拠が曖昧なものと言わざるを得ないのである。
(尤も、意図的にこの偽終末予言をバラ撒き、日付に合わせて
大きな行動を起こそうとしている組織もあるらしいのだが)
✧
こうした終末的観念や教義については、紀元前からしばしば発生し
その都度社会の底辺にいる者たちによって妄信されてきた。
彼らは自らの人生と、ひいてはこの世界に対して根深い絶望感を抱いており、
さりとて現状を変えるだけの能力も、
社会を変革するだけの力を持ち合わせているわけでもない。
それゆえその無力感からこうした愚かな妄想に逃避し、
自身を今のような状況に追い込んだ社会に対する不満や憎悪もあいまって
深層心理においてその破滅を冀(こいねが)うのである。
終末予言と呼ばれるものが何ら根拠のない風説であるにも関わらず
社会情勢の悪化した時代に広く信者を集めるのは
そうした無力な者たち、人生の落伍者たち、妄想癖のある者たちにとって
最後の心のよすがとなる、便利な逃げ場所であるからだ。
プラズマ・フィラメントによってヘリオスフィアが活性化し
それによって太陽系の各惑星の環境が
徐々に変わりつつあるのは観測から導き出される事実である。
また海流の停止・変化に伴う地球上での環境変化も今後益々顕著になっていくだろう。
といってそれが2012年に突如壊滅的な破局を齎すなどという可能性は無い。
そもそも太古から地球環境は何度も変わりつづけてきたわけであり、
我々の時代にもまた、現在進行形でそれが起こっているというだけの話である。
それ以上でもそれ以下でもありはしないのだ。
そしてその都度地球上の生物たちはそうした変化を乗り越えてきた。
人類が滅亡するほどの大異変などではないのだ。
ましてやUFOだの霊的進化だのという、根拠皆無のトンデモ論と結合した
飛躍しまくった妄想には何ら説得力はありはしないのである。
(以上、2008年刊ムーブックス 『太陽の謎とフォトンベルト』 などより)
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最近、2012年人類滅亡説、マヤの予言、フォトンベルト、アセンション(次元上昇)
…などといった耳慣れない怪しげな言葉を、よくネットやTVでで見かけるようになった。
普通に考えれば一顧だにせず嘲笑される程度の他愛ない代物だが、
にも関わらずこれだけメディアに露出しているのは、
それだけこうした教義に注目が集まり、それを信じる者もまた増加してきたという事である。
中にはこれらの教義をエサにして、信徒に財産を貢がせ、
アセンション後の安定した生活を約束し、避難用のシェルターを作っている教団もあるという。
では、これらの話はどれだけ信憑性があるのであろうか?
それについて、これらの言葉の核ともいえる&bold(){「フォトンベルト」}についてまず見ていこう。
✧
1981年8月、オーストラリアのUFO研究会の雑誌第12号に
シャーリー・ケンプという女子大生が怪しげな仮説を掲載。
これが今日までも続く「フォトンベルト・ストーリー」の発端である。
内容をかいつまんで話すと以下の通りだ。
「電子と反物質の陽電子が衝突すると、そのエネルギーがフォトンとなって放出される。
さて、宇宙にはそのフォトンが局所的に集中している空間がある」
「銀河系はプレアデス星団を中心にして2万4000年周期で大きく回転している。
それと直行する形でドーナツ状のフォトンエネルギーのリング
“フォントベルト”(マナシックリングとも言われる) が存在している」
「銀河系が一周する間に2回、地球はこのベルトへと突入し、約2000年間で突き抜ける。
この間フォトンベルトの中においては、空は炎のように輝き、
フォトンエネルギーによって全ての分子と原子は励起し、光を放つようになる」
「一方で地上は氷河期となり、北緯40度まで氷床が広がり、
食糧生産は激減し世界は大混乱に陥る。
これはフォトンベルトを抜けるまでの間2000年間続くだろう。
地球全体が寒冷化するのだ」
「太陽系はもう少しでフォトンベルトに本格的に突入しようとしている。
ここのところ頻繁にUFOが姿を見せてきているが、
彼らは太古の昔から人類を見守ってきたのであり、
現在はフォトンベルトへの突入を警告するために
あえて目に触れる形で出現しているのである」
「ちなみにUFOのエネルギー源もフォトンである」
…という他愛のないストーリーだ。
✧
10年後、オーストラリア版「ムー」とも呼べる雑誌・ネクサスにこの作り話が掲載され
多くの耳目を集め、海外でも知られるようになる。
その後この話が様々な尾鰭がついて広まってゆく。
一例として以下のものがある。
フォトンベルトを発見したという天文学者ポール・オットー・ヘッセは、
これを「ゴールデン・ネビュラ」と名づけた。
その後1996年にハッブル宇宙望遠鏡で撮影されたペガサス座
メンカリナン銀河の光の帯に注目した思想家・ロバート・スタンレーが
「これこそがゴールデン・ネビュラに違いない」と主張し、注目を集めるようになる。
さらにチャネリングによって「銀河系中心から発するテレパシー」を受信したという
バーバラ・ハンド・クロウが「プレアデス銀河の夜明け」を著す。
ここからフォトンベルトストーリーは&bold(){“アセンション”}という言葉と相まって、
人類の劇的進化というキーワードとともに語られるようになり
2012年のマヤ暦の終わりと結びついた一大予言ムーブムントへと成長する。
そして環境の激変や社会的不安からの逃避もあいまって、
それについて世界的に一部の層からの注目が集まっているのが現状である。
これらの神話のそもそもの発端は、オーストラリアの女子大生が作り出した
「フォトンベルト」という概念である。
逆に言えばフォトンベルトの有無が、これらの神話の真偽を示しているといえる。
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では、果たしてフォトンベルトは存在するのか。
結論から言おう。&bold(){フォトンベルトは存在しない}。
ストーリーの “全て”が&bold(){虚構}である。
そもそもが女学生が書いたジョークに近いSFである。
まず、最初にフォトンベルトを発見したとされるエドモンド・ハレーだが、そのような事実は無い。
次に彼の研究を引き継いでフォンベルトを発見したというポール・オットー・ヘッセだが
天文学者ではなくSF小説家である。
1961年にゴールデン・ネビュラを発見したと言われているが、
その当時そんな遠くの銀河を観測できるだけの技術は無い。
フォトンベルト・ストーリーにも書かれているように、電子と陽電子が結合すれば
強力な電磁波が生じ、その一波長が粒子の形を取ったものが光子(フォトン)である。
…が、これに質量は存在しない。質量が存在しないからこそ光速で移動できる。
逆に言えば停止できない。よって、光子が一箇所にとどまる事など有り得ない。
つまり巨大な帯状にフォトンが分布する事など科学的に有り得ないハナシである。
フォトンベルトなどというものはそもそも存在しないのだ。
銀河系がプレアデス星団を中心に回転しているなどという事はない。
プレアデス星団自体が回転する銀河の中の天体の1つでしかない。
フォトンベルト・ストーリーでは銀河系は2万4000年かけて一周していると書かれているが
まったくもってそんな観測的事実は無い。
地級が銀河系を一周する時間は2億2600万年であり、オーダーがまるっきり違う。
フォトンベルトの証拠のひとつとして掲げられるハッブル望遠鏡の写真は
フォトンが帯状に分布しているわけではなく、あくまで天体やガスが光を発しているだけである。
✧
フォトンベルトとやらに突入した時の状況も全くもってナンセンスである。
なぜなら、我々は既にして、毎日太陽から降り注ぐフォトンの海の中にいるからだ。
長く日に当たっていると日灼けや皮膚癌になるかも知れないが、それだけである。
現在流通しているタイプのフォトンベルトストーリーでは
高エネルギーの光の海の中に入ると人類が劇的に進化するとあるが、とんでもない話である。
紫外線、マイクロウェーブ、X線、ガンマ線といった高エネルギーの電磁波を
非常に強く浴びる事を「被曝」と言い、それが長時間続けば
進化どころか放射線障害によって人類は死滅してしまうだろう。
惑星直列により地殻変動や大地震など天変地異が起こるのではないかという説もあるが
実際のところ完全なものではないとはいえ、惑星直列は1982年や2002年にも起こっている。
無論、何事もありはしなかった。
天文学的にはたとえ地球以外の惑星が綺麗に一直線に並ぶような事があったとしても、
それらの重力が地球に与える影響など微々たるもので、
無視して構わない程度の代物なのである。
ちなみにマヤ暦は2012年で終わるわけではなく、
そこからまた新しい暦が始まるだけである。
…と、このようにいちいち批判していくとキリがない。
そもそもフォトンベルトストーリーは発端、土台からして虚構であり
その後その上につけ足された、アセンションだの2012年滅亡説だのをはじめとする
数々の発展型ストーリーも含め、全てがただの都市伝説の類にしか過ぎないのである。
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ちなみに広く喧伝されている、マヤ暦の最後を指すという
『2012年12月22日』という日付についても書いておこう。
これはイギリスマヤ学者のJ.エリック.トムソンが、
16世紀スペインの宣教師ディエゴ・ランダの記録に基づき、
現在の大周期の始まりの日付を『紀元前3114年8月13日』と
勝手に推定した事に由来するものである。
では、この暦の信憑性はどうなのだろうか?
マヤの最高神官ドン・アレハンドロは
2008年に来日した際、「マヤの長期暦からグレゴリオ暦への変換が
正確に行われたとは言えない」とコメントしている。
別の神官カルロス・バリオスも、
「人類学者たちは神殿や遺跡を訪れ、碑文を読み、
マヤについての物語を“創り上げる”。
だが、彼らはそれを正しく読んでいるわけではない。
それは彼らの“空想”に過ぎないのだ」
「マヤの名を用いて予言についてあれこれ語る者もいる。
彼らはこの世界が2012年に終わると吹聴している。
マヤの長老たちはこれに対して憤慨している。
世界は終わらない。ただ、“変容”するのだ。
また、マヤの暦を所有し、それを正しく解釈できるのは外の者ではない。
マヤ人なのだ」
と、やはりその&bold(){解釈を否定}している。
要するに、「2012年12月22日で世界が終わる」という予言解釈は、
かなり強引かつ牽強付会で、根拠が曖昧なものと言わざるを得ないのである。
(尤も、意図的にこの偽終末予言をバラ撒き、日付に合わせて
大きな行動を起こそうとしている組織もあるらしいのだが)
✧
こうした終末的観念や教義については、紀元前からしばしば発生し
その都度社会の底辺にいる者たちによって妄信されてきた。
彼らは自らの人生と、ひいてはこの世界に対して根深い絶望感を抱いており、
さりとて現状を変えるだけの能力も、
社会を変革するだけの力を持ち合わせているわけでもない。
それゆえその無力感からこうした愚かな妄想に逃避し、
自身を今のような状況に追い込んだ社会に対する不満や憎悪もあいまって
深層心理においてその破滅を冀(こいねが)うのである。
終末予言と呼ばれるものが何ら根拠のない風説であるにも関わらず
社会情勢の悪化した時代に広く信者を集めるのは
そうした無力な者たち、人生の落伍者たち、妄想癖のある者たちにとって
最後の心のよすがとなる、便利な逃げ場所であるからだ。
プラズマ・フィラメントによってヘリオスフィアが活性化し
それによって太陽系の各惑星の環境が
徐々に変わりつつあるのは観測から導き出される事実である。
また海流の停止・変化に伴う地球上での環境変化も今後益々顕著になっていくだろう。
といってそれが2012年に突如壊滅的な破局を齎すなどという可能性は無い。
そもそも太古から地球環境は何度も変わりつづけてきたわけであり、
我々の時代にもまた、現在進行形でそれが起こっているというだけの話である。
それ以上でもそれ以下でもありはしないのだ。
そしてその都度地球上の生物たちはそうした変化を乗り越えてきた。
人類が滅亡するほどの大異変などではないのだ。
ましてやUFOだの霊的進化だのという、根拠皆無のトンデモ論と結合した
飛躍しまくった妄想には何ら説得力はありはしないのである。
(以上、2008年刊ムーブックス 『太陽の謎とフォトンベルト』 などより)
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