ヘルヘイムの森

貴虎「分かったか?これが『理由のない悪意』だ」

【名前】 ヘルヘイムの森
【読み方】 へるへいむのもり
【登場作品】 仮面ライダー鎧武/ガイム
【分類】 劇中用語
【名前の由来】 ヘルヘイム

【詳細】

インベスが生息する謎の異世界。

広大な森が延々と広がる世界となっており、ロックシードを解錠することで何もない空間にクラックと呼ばれるジッパーが現れ、それが開いて空間に裂け目が生じインベスが出現する。

インべスゲームではインベスを召喚するとすぐに入り口は閉じるが、何らかの要因によってどこかに自然と入り口が開いてしまう場合があり、その場合は開きっぱなしで普通に人間も入ることが出来る。
一度足を踏み入れたもののそこでビャッコインベスに襲われ森から脱出した洸太は後日同じ場所を訪れたが、既に入り口は閉じており空間のつながる原因と閉じる原因は不明。

現在判明している明確な転移方法は、アーマードライダーが所有する「ロックビークル」で走行し、一定の速度に達するまで加速し続けること。
ただしユグドラシルは高司舞の実が神主を努めていた高司神社の土地を接収し、そこに生えていたご神木に発生したクラックを人為的に固定、そこから出入りしている。
御神木はユグドラシルタワーの内部にあり、ユグドラシルはこの御神木を中心に巨大なタワーを建設したのだと思われる。

この森の内部は摩訶不思議な極彩色の色形をした植物が自生する空間で、インベスゲームでは小さな姿である初級インベスも等身大の姿であたりをうろつき、
更に強力な上級のインべスも存在、ロックシードを介してコントロールが可能なゲームと違い侵入者に対し容赦なく攻撃を加えてくるため、何の装備も持たずに足を踏み入れるのは実際危険。

現在沢芽市に流通するロックシードはこの森に生える果実を戦極ドライバーの効力で安全な形に「加工した」ものであり、戦極ドライバーを付けた状態で果実をもぎ取ると即座にロックシードに変化する(ゲネシスは不明)。
だがベルトをつけずに手にとった洸汰はその果実を見るうち強烈な食欲に襲われており、工場内で発見した作業員も実を見て「とっても美味そうだ」と発言しているあたり何かしら食欲を掻き立てる力がある模様。
その欲求に襲われるまま食してしまうと、対象の遺伝子情報を書き換え、インベスへと変貌してしまう。

その正体は、どこかから突如発生した「ヘルヘイムの果実」に侵食されて崩壊した別世界(ただし、ロシュオの説明によると植物の侵略はあくまで崩壊の発端に過ぎず、
直接的な元凶になったのはとある理由から奢り昂ぶった彼ら自身による同胞の殲滅である)。
具体的な位置情報は不明で、貴虎は「宇宙の片鱗」、あるいは「時間軸の異なる並行世界」と推測しているが、可能性の域を出ていない。

インベスは森に侵食された被害者、と言えるが逆にその侵食を克服し、超越者となった存在はオーバーロードインベスと呼ばれる。
戦極凌馬による仮称であり、本当の名前はフェムシンム(日本語訳で「人間」)といい、ヘルヘイムの森でかつて反映していた地球人に酷似する生命体である。

サガラからオーバーロードインベスの存在を知り、「森の支配者」であることを知った紘汰はオーバーロード達と話をつければヘルヘイムの森の侵食から沢芽市を守れると考え試行錯誤するのだが、
実際は彼らは森の植物を操る「支配者」であるが、彼らの世界もまたヘルヘイムに侵食されてしまった状態で、現在の姿はロシュオから力を与えられたごく数名が今もなおヘルヘイムの中で暮らしているという、
長い間森の中で暮らしていた別種族の生き残り以外の何者でもなかった。

ヘルヘイムの侵食が彼らの意思などではなく、さらにオーバーロード達のほとんどがデェムシュのような破壊衝動の塊だったり、レデュエのような悪趣味極まりない知恵者しか残っていないことを知った紘汰は砲身を転換せざるを得ず、
サガラに再開した際にはそれを問いただすも、彼からは勝手に思い込んだお前が悪い(意訳)として一蹴されている。
サガラの正体はヘルヘイムの森そのもの。男性の姿をしているのは森の意思が地球人に混じって活動しやすくなるように整えられたものであり、
神出鬼没だったりオレンジをロックシードに作り変えたり、当たり前のようにオーバーロードの言葉を操っているのもそのためである。

本任曰く「我らは永遠に蔓延る者、空を越えて茂る者。古き民に変革を促すもの」とのことで、
様々な惑星を渡り、ヘルヘイムの森という試練をその星の住民に与えることでその進化を強制的に促してきた。
地球で活動が活発化したのは2014年付近だが、戦極凌馬の仮説では有史以来幾度となくヘルヘイムと地球は接触しており、神話に残る黄金のリンゴやアンブロシア等の果実の伝承はヘルヘイムが源流であるとしている。

サガラが紘汰に対して肩入れしているのも、未来に誕生する始まりの女であるオルタナティブ舞が干渉した人物の一人が彼だったため。
他には光実、戒斗が該当するが、紘汰と共にいた戒斗と接触した時はともかく、光実に対しては個人的な接触をしていない。

その後極ロックシードを使い続けた紘汰は人間ではなくなり、新たなオーバーロードとして覚醒した末、始まりの女となった舞から知恵の実を与えられそれを摂取したことで始まりの男へと生まれ変わる。
そして地球を侵食していた森の植物、果実、そしてインベスを含めた森にまつわる何もかもを地球とは別の惑星に移住させ、そこで新たな世界を作ることを選択した。

サガラにとって見れば予想外の決着となったが、それでもなお地球とも紘汰らが移り住んだ惑星とも違う、どこかの宇宙の星に現れたサガラはそこでも住民達に対して森の試練をもたらす。

「祝福された世界を追われ、荒野へと去った男と女。新たな創世の神話がまた一つ。さて、次はどんな種族が進化の試練へと向き合うのやら」


鎧武の物語は終わったが、Vシネマや舞台版といった続編は未だに作り続けられている。
鎧武のライダー達は変身する際にロックシードを使うが、解錠と共に限定クラックの奥に見えるのはあのヘルヘイムであり、一体アームズはどこから送られてきているのだろうか…

【余談】

名前の由来は『北欧神話』の「ユグドラシル」の1つ、「死の国」のニブルヘイムと同一視されている「ヘルヘイム」から。

「ユグドラシル」の名を持つユグドラシル・コーポレーションとの関連性を伺わせるが、地球でこの森の存在を知った者たちがユグドラシルになぞらえて命名したか、
もしくはユグドラシル自体が森の存在をどうにかするために、北欧神話になぞらえた命名をしたかのどちらかと思われる。

最終更新:2023年12月27日 01:43