【あらすじ】
ことーしことし…
鬼頭はるかは現役女子高生でありながら、売れっ子漫画家。
…だったのだが、受賞した作品が突然盗作疑惑を掛けられ連載は打ち切られた挙げ句、これまでチヤホヤしてきたクラスメイト達は一斉に手のひらを返して「トウサク」呼ばわりし、バイト先の客すらも自分の顔を見るなり盗作の話題を口にする始末。
――――鬼頭はるかの社会的な名誉は一瞬にして消え去った。
意気消沈する彼女だったが、はるかの不幸は更に続く。
突然現れた謎のサングラスを身に着けたことではるかは
脳人の侵略を知り、謎の男から「桃井タロウを探し忠誠を誓え」と告げられる。
謎のサングラスと、突然現れるドンブラスターを使い、オニシスターへとアバターチェンジし戦うことになったはるか。
桃井タロウを探しつつ、超俺様なドンモモタロウに困惑しつつもヒトツ鬼と戦っていく彼女は知らなかった。
探し求める桃井タロウこそドンモモタロウであることを。
これは、はるかとタロウの出会いから始まりそれに終わる、――――縁を紡ぐお話。
スーパー戦隊シリーズ第46作目。モチーフとなったのは童話「桃太郎」。
「革新的な作品を目指す」というスローガンのもと作られた作品で、メインライターは鳥人戦隊ジェットマン以来戦隊作品では31年ぶりとなる井上敏樹氏が担当する(
仮面ライダーキバでもメインを担当したため、そこからは14年ぶり)。
井上節とも称される氏のアクの強い脚本構成は健在であり、序盤から飛ばしまくる展開はついてこれるかというよりも、これについてこいという意思の現れを感じる…(?)。
戦隊メンバーはお互いの正体を知らずに出会い、その後少しずつ把握していったものの、指名手配犯として追われていたイヌブラザーの正体が判明するのは終盤となった。
また戦隊シリーズのお約束でも有る名のりなども回数が少なく初めてが配信作品であったあげく、真の意味で全員が揃って名乗り上げたのは最終回となってしまった。
前作
機界戦隊ゼンカイジャーのアイテム、設定など世界観の一部が引き継がれており、
センタイギアと同じコンセプトの
アバタロウギアや、ゼンカイザーこと五色田介人と同名のキャラクターが登場するなど一年ごとに作品が変わるたびにリセットされてきた従来のシリーズ構成とは異なる作り方となっている。
変身アイテムであるドンブラスターは前作品のギアトリンガーと同じタイプでギアを共通して読み込むことが出来る(アルターギアなど一部アバタロウギアは不可能)。
巨大ロボも前作のゼンカイジュランとドンモモタロウの専用メカであるエンヤライドンと合体したドンゼンカイオーが初期の巨大船を担当するなどスローガン通り戦隊シリーズの作品としては「革新的」な要素が目白押し。
他特徴的な設定としては「アバターチェンジ」がある。
変身時の掛け声でもあるが、外見や能力をドンブラスターにセットしたギアの戦士に変化させるいわば「豪快チェンジ」や「カメンライド」と同タイプの変身能力。
バックルがドンブラザーズ固有でそこだけ変わらないものの、セットしたギアの歴代戦隊ヒーローにチェンジできる。
ただ自分と同じカラーリングの戦士にしか変身できず、対応するカラーが存在しない場合そのギアは使えない、
特命戦隊ゴーバスターズのレッドバスターの弱点(鶏を見るとフリーズする)をそのまま引き継ぐ等独自の特色を持っている。
クリーチャーデザインは篠原保氏が担当。前作では
ボッコワウスやトジテンドパレスのデザインを担当していた。
戦隊版アナザーライダーとも言える
ヒトツ鬼、
ヒトツ鬼ングが登場しているが、篠原氏はアナザーライダーのデザインを担当していた上、歴代戦隊作品の多くにもクリーチャーデザイン等で関わっているため正しく適任。
なおライダーの外見をベースにしているアナザーライダーと違い、ヒトツ鬼(ヒトツ鬼ング)はその戦隊にまつわる様々な要素を複雑に盛り込んで再構成した形になっているため、どの戦隊モチーフなのかの判別が難しいという、怪人の名前宛を楽しみにする要素も持つ。
最終更新:2024年03月06日 00:53