ヒトツ鬼

【名前】 ヒトツ鬼
【読み方】 ひとつき
【登場作品】 暴太郎戦隊ドンブラザーズ
【名前の由来】 人に憑く鬼、一憑き

【詳細】

暴太郎戦隊ドンブラザーズに登場する怪人。

欲望を持った人間に憑依し実体化する怪物。

人に憑く鬼であり、憑依した人間の欲望を暴走させることでその身体を取り込んで実体化するという性質を持つ。
元が人間のため意思疎通はできるが、個体によっては可能という程度でほぼほぼ言葉が通じるような状態ではない。
個体によっては若さに固執している烈車鬼や、「構ってほしい」という思いを垂れ流す獣電鬼のように、ヒトツ鬼になるきっかけを生んだ欲望にまつわるワードを繰り返し叫んでいるものも見られる。

人間に憑依し欲望を暴走させる、とあるのでヒトツ鬼は普段実体を持たない精神生命体か何かと思われるが詳細不明。
実体化前の状態は全体像がぼやけた状態で、その段階で存在を感知できるのはソノイ脳人のみ。
彼らは息を吹きかけることでその人間の額に半透明の小さな扉を作り出すことが出来るが、その扉の向こうに実体化前のヒトツ鬼がいるかどうかを確認できる。
その能力を見せたのはソノニ、ソノザの二人だが、実体化していない限りは粛清対象ではないのか、動物鬼の未成熟体を発見したソノザは即始末せず見逃している。

ドンブラザーズはヒトツ鬼となってしまった人間をもとに戻せるが、脳人にしてみればヒトツ鬼に憑依された時点でその人間も粛清対象であり、ヒトツ鬼ごと容赦のない攻撃で葬ってしまう。
どうやらドンブラザーズの武器で倒すことでヒトツ鬼のみを仕留めることが可能な模様。

ドン1話ではタクシー運転手が変化したベニツ鬼、鬼頭はるかの同級生である吉岡が変化したシソツ鬼
卓球元金メダリストの春日誠がソノイに変化させられた騎士竜鬼が登場。
ベニツ鬼とシソツ鬼は自然発生(といっていいのか現時点では曖昧だが)したが、騎士竜鬼はソノイが自ら作り出したもの。
異なる誕生が同じ話の中で描かれるというのは珍しく、この差異が何を意味するのかはまだ不明。

さらにヒトツ鬼は致命傷を受けることで欲望が暴走、脳人レイヤーへ積み重なることで巨大な体躯を手に入れ、ヒトツ鬼ングと呼ばれる巨大形態へと変化する。
脳人の武器で消滅した場合、ヒトツ鬼ごと人間が消滅するためヒトツ鬼ングになることはないが、行動時間や憑かれる要因となった欲望の強さ、深さにも左右されるのかドンブラザーズに倒されてもヒトツ鬼ングにならない個体も存在する。

ヒトツ鬼は消滅することでどういうわけかセンタイギアをドロップし、ゼンカイザーブラックこと五色田介人はヒトツ鬼が内包するセンタイギアを集めているようだ。
ただドン2話に登場した烈車鬼ングはトッキュウジャーアバタロウギアをドロップしており、センタイギアとアバタロウギアのドロップ率の違いについては現在不明。
そもそも何故ギアをドロップするのか原理も全くわかっておらず、動物鬼のみその場でジュウオウジャーギアをドロップしドンモモタロウが拾った瞬間アバタロウギアに変化。
そのままアルターチェンジに使われたが、ドンモモタロウは全く疑問に思っておらず、他のメンバーも使えるアバタロウギアが増えていることに言及している場面は無い。そもそもアバターチェンジの頻度がそれほど多くない?言うな。ロボタロウ形態が増えたことでアバターチェンジがもっぱらそっちの意味になっている?もっと言うな。

ギアをドロップするヒトツ鬼は巨大化せずとも良いようで、ドン3話ではソノニに粛清された快盗鬼がルパンレンジャーギアをドロップしている。
だがこのパターンは介人曰く「よくない」ようだが詳細は不明。

ソノイら脳人がヒトツ鬼を目の敵にしているのは、彼らが怪物化するに値する「歪んだ欲望」の持ち主であるため。
脳人の世界、脳人レイヤーは人間の持つ波動に支えられた上位世界であり、現実世界とは切っても切れない縁で結ばれている。
だが人間の強い欲望は脳人レイヤーを揺らがせ、消滅の危機に繋がる爆弾のようなもので、ソノイらは自分達の世界を崩壊させる癌になりうる悪性を消して回っていることになる。
これは「アク抜き」と見る視聴者もいるが、そもそも脳人レイヤーのエネルギーになりうるのも人間の欲望であり、文明を発展させてきたその欲望が正しい形でエネルギーとなり脳人レイヤーの世界を支えているわけなのだが、過剰な欲望は世界に歪みを与えるらしく、それがヒトツ鬼になりうる人間ということらしい。

つまりヒトツ鬼はドンブラザーズにとってみれば、無辜の市民が悪鬼に取り憑かれ怪物化したもので被害が広がる前に倒すべき敵であり、同時に守るべき人間の一人なのだが、
ソノイらにしてみれば放置すれば自分達の世界が崩壊するきっかけになる上に、また同じような怪物になりうる存在であるため大本ごと消去する必要性がある存在と言える。

そもそもヒトツ鬼がどういう存在なのかがよくわかっておらず、脳人の仲間なのかそうでないのかも定かではない。
少なくともソノイら3人とは仲間ではないようだが、彼らとは別の一派が脳人レイヤーを崩壊させようと差し向けている可能性も考えられる。
獣人との関連性も不明。

【余談】

身も蓋もない言い方をすれば、戦隊版アナザーライダー
ただそのライダーの外見を大まかに保ちつつアレンジを加えた見た目であるアナザーライダーに対し、ヒトツ鬼はその作品にまつわる様々な要素を詰め込むことで成立しているデザインであるため、
外見からベースとなった戦隊を見抜くのが難しい個体も多い。例えば恐竜のような姿をしているヒトツ鬼が予告に登場してもジュウレンジャーなのかアバレンジャーなのかキョウリュウジャーなのかがわからないといった具合。なお恐竜系戦隊は全て登場済み。
東映公式サイトには次回に登場するヒトツ鬼に係わるワードが文章中紛れ込んでいる場合もあるため、興味のある人は放送終了後に東映公式サイトを見てみるのも良いだろう。

名前の由来は「人に憑く鬼」と「人憑き」からか。

魔進戦隊キラメイジャー邪面師/邪面獣機界戦隊ゼンカイジャーワルド/ダイワルドと2作品連続で、
ベースとなる戦闘員が存在し、固有デザインのパーツを装着することで差別化。巨大戦担当怪人も素体となる巨大戦闘員に相当する存在に同様の処置という、等身大怪人が直接巨大化しないパターンが続いたが、ドンブラザーズでは久々に等身大怪人が巨大化するというパターンが復活した。

ただし素体が共通という点はそのままで、ベニツ鬼らのようにオリジナルの姿を持つ怪人もいれば、騎士竜鬼のように歴代スーパー戦隊をモチーフとした怪人が登場もしており、ドン2話の予告では「列車鬼」という怪人が登場するなど他にも歴代戦隊の要素を持った怪人が登場していく。
なお前作のゼンカイジャーではスーパー戦隊の世界を閉じ込めたトジルギアを使い、その戦隊の力を持つワルドが登場するのではないかと言われていたこともあったが、実際にはスーパー悪者ワルド/ノーマル悪者ワルドくらいで劇中に登場することはなかった。

ネーミングはセンパイジャー要素を持つヒトツ鬼の場合「○○(騎士竜、烈車とモチーフの戦隊の名前)+鬼」、他体の色から「」や「紫蘇」とヒトツ鬼の名前を組み合わせたものとなっている。

ちなみに自力での巨大化能力を持つ怪人は騎士竜戦隊リュウソウジャーに登場するマイナソー以来となる。
ドン1話にリュウソウジャーモチーフの怪人が登場したのはそのつながりなのかも知れない。

全てのヒトツ鬼は篠原保氏がデザインし、複数の怪人のパーツをリペイントするなりしてニコイチ(ニコイチどころではない場合もあるが)したヒトツ鬼も登場している(大鬼の頭部+鳥人鬼の胴体部分→天装鬼)。

最終更新:2023年04月14日 02:38