塩豚基本の作り方

豚のブロック肉に塩をすりこみ、冷蔵庫で熟成させるだけです。
熟成がすすむと旨みが増し、塩漬け肉独特の香りがうまれます。

  • 豚の部位
豚バラのブロック肉を使う例が多いです。水分が抜けると赤身部分が小さくなるため、赤身の多いバラ肉を使ったほうが良いでしょう。
(初めてなら、断面を見て、赤身が半分以上占めているものが無難)
ヒレや肩ロース、モモなど部位はどこでも構いませんが、脂肪分がある程度あったほうが料理に使いやすいかもしれません。
また、赤身が多いとドリップが増えるので少し注意が必要です。

  • 塩の量と種類
塩は肉の重量の5%くらいが目安です。3日から1週間程度で食べきる場合は3%ほどでも十分です。
2週間以上熟成させる場合は、防腐効果を高めるため5%~10%にすると良いでしょう。
なお、塩の一部を砂糖に置き換えたり、ピチットシートを使用したりすることで減塩もできます。
使う塩は食卓円や海塩でも特に問題はありませんが、岩塩が推奨されています。
岩塩に含まれる成分が発色を良くし、熟成香を強くする作用があるとされています。

  • 保管方法
ラップで包んだり、ジップロック(ビニール袋)に入れて冷蔵庫で保管します。
はじめの2~3日はドリップがでるので、こまめにふきとりましょう。
ドリップ対策としてキッチンペーパーに肉を包む方法があります。最初の3~4日は毎日、以降は様子をみながらペーパーを交換をします。
やや高価ですが、ピチットシート(脱水シート)を使う方法もあります。
また、チルドルームなどで保管するとゆっくりと熟成がすすみます。

  • 熟成具合(食べごろ)
使う肉や保管方法にもよりますが、5日目くらいから塩漬け肉特有の熟成香(ハム香)がでてきます。
熟成のあまり進んでいない時期だとただ塩辛い豚肉ですので、もう少し熟成を進めたほうが良いでしょう。
腐敗のリスクを考えると、1週間から3週間程度が一般的な食べごろです。
味の好みもありますが、1ヶ月ごろまでは保管日数と味が比例するという報告もあります(おけばおくほどおいしくなる)。

  • 腐敗・劣化対策
ドリップを放置しておくと、肉の中に再び戻っていきます。
そうなると腐敗のリスクが高まり、また豚の臭みの強い塩豚になります(あえてドリップをそのままにしておく作り方もあります)。
さらに、ジップロックやビニール袋で保管する場合は中の空気を抜いておくと、肉の劣化をおさえることができます。
なお、長期間の熟成を目指すなら、ペーパーやシートの交換時に食品用アルコールや焼酎(スピリッツ類)を肉に吹きかけるなどの工夫も大事です。

  • その他の香辛料や調味料
塩に加えて胡椒やハーブ類をまぶす漬け方もあります。
料理にあわせた風味付けもアレンジのひとつです。
また、ハーブ類には防腐・殺菌効果があると言われており、風味付け以外の効果も期待できます。
ただし、腐敗のサインを見逃す可能性も捨てきれないので、初めての方にはおすすめしません。
報告は少ないものの、コンソメなどの調味料を使う人もいるようです。

  • 塩抜き
漬けた塩の量や料理の種類によって、塩抜きが必要なこともあります。
塩が3%ぐらいだとそのまま焼いて食べてもさほど塩辛くありません。ポトフなどのスープの具材に用いる場合は塩抜き不要です。


その他の漬け方・保管方法

  • ソミュール法(たて塩漬け)
塩を直接まぶすのではなく、10~15%の塩水(ソミュール液)に漬けこむ方法です。
塩豚基本の作り方(乾塩法・ふり塩漬け)よりも塩分が均一に浸透するのが利点で、燻製肉を作る場合によく使われます。
ただ、この方法は保存よりも調味を目的としているため、保存性については乾塩法に劣ります。

  • ピックル法(改良たて塩漬け)
ソミュール液の一種で、漬けこみ液に香辛料(胡椒・ハーブ類)や調味料(しょうゆ)、香味野菜(たまねぎ・セロリ)などを用いる方法です。
生の野菜は酵素を含んでいるため、いったん煮立たせてから使います。
ピックル液は好みや工夫で色々な味を作り出すことができますが、そのぶん少し手間がかかります。

  • スノコタッパー法
保管に100均などで売っているスノコ付きタッパーを用いる方法です。
数日間ジップロックで塩漬けしたあと、スノコの上で熟成させていきます。
冷蔵庫内でタッパーの蓋を開けておけば、肉の水分をとばすことができます。
におい移りや冷蔵庫内の衛生に気をつける必要はありますが、乾燥をすすめることで味が濃縮され、食感も変わります。

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最終更新:2018年02月20日 04:43