所変わってこちらは博霊神社。
その入り口で三人の女性が集まっていた。
一人は紫色の魔女を思わせる服に金髪の少女。
一人はこっちも青い魔女を思わせる服に緑色の髪の女性、
そして最後の一人は赤い服に緑糸の髪で更に日傘を持った女性である。
「…神社で派手な爆発が起こったのが見えたから慌てて飛んできたら…。」
「…一体何だい、この惨状は…。」
少女達は神社の境内を見て呆然とする。
あちこちが見事な穴だらけ、
ここだけ戦争でもあったのかと言う惨状だったのだ。
…神社の境内のおくには当然神社があり、出入り口の階段には
紫色の髪の女性が不貞腐れた顔で座っていた。
「…何しに来たのよ、この野次馬どもが。」
境内の奥にある神社の出入り口に座っていた紫の髪の少女が現れた三人の少女に向かってそう言った。
「神社が爆発しているのが見えたから慌てて様子を見に来たってのに冷たいねぇ、霊夢。」
「祟り神を暖かく出迎える趣味は無いわよ。」
緑髪の魔女の言葉を受けて、紫髪の少女――霊夢はそう答えた。
「…じゃああんたの事は置いておいて、隣に居るのは一体誰なのよ。」
今度は日傘をさした少女が霊夢の隣を指差してそう言った。
隣に座っていたのは、眼鏡をかけて裟務依を着た女性――紅里だった。
「まぁ、こいつが諸悪の原因と言うか…。」
「いや、私は何も悪くない、あんたが勝手に暴れただけだし。」
霊夢の言葉に紅里がつっこんだ。
「ちょっと、あたしたちの事は軽く無視かい。」
青い服と紫色の髪の女性が不貞腐れた顔でそう言った。
「…あ、ゴメンゴメン、私は床次紅里、宜しく。」
紅里は目の前にいる三人に対して自己紹介をした。
「あら、意外と礼儀正しいじゃないかい、あたしは魅魔、この神社の祟り神さ。」
「私は魅魔様の弟子の魔理沙よ、よろしくね。」
「私は幽香、この辺では最強と呼ばれている妖怪よ。」
紅里の自己紹介に反応して青い服に緑髪の少女、紫の服に金髪の少女、日傘をさした緑髪の女性がそれぞれ自己紹介をした。
「こいつら、勝手にウチの賽銭箱の中に住み着いていたのよ。」
「は?賽銭箱?」
「いや、違うって、賽銭箱に住み着いていたんじゃなくて、ウチの部屋の出入り口と賽銭箱がつながっちゃっただけだって、ほら。」
そう言って紅里は賽銭箱の蓋を開けた。
「…あれま。」
…魅魔達は賽銭箱の中を除きこんでビックリする。
賽銭箱の向こうには、明らかに人が住んでると思わしき部屋が広がっていたのだから。
「一体何がどうなれば、ウチの賽銭箱が他所様の家につながるのよ…。」
霊夢はそう言って何だか愚痴を言い始めた。
…まぁ、この状況じゃあ愚痴を言いたくなるのも理解できる。
と、その直後、
神社の中から何かがひょんと飛び出した。
「ゆっふっふ、お饅頭発見!」
赤いリボンと黒髪の、顔だけの生き物。
その頭の上には、恐らく神社の中で見つけたであろう、お皿に乗せたお饅頭を乗せていた。
「あ!勝手にウチの饅頭を食うな!」
「こら!人様の饅頭を勝手に持ってくな!」
「フフフフフ、早い者勝ちだよ!」
紅里と霊夢は饅頭を頭に乗っけた変な生き物を追いかけ始める。
一方、魅魔を始めたした三人の女は、突然現れた生き物に目を丸くさせていた。
「……。」
「…ゆ?おねーさん達一体何してるの?」
その生き物はこっちを見ている少女の視線に気づいて立ち止まる。
「隙あり!」
立ち止まったその隙を突いて、霊夢が頭の上に乗っけたお饅頭を掻っ攫った。
「ゆ、ゆがーん!れいむのお饅頭が!」
「黙れ!これは神社のものよ、全く…。」
霊夢はそう言って取り戻した饅頭を食べ始めた。
「悪かったね、れいむにはちゃんとしつけておくから…れいむ!」
紅里はその生き物をれいむと呼んでしかりつけた。
「…ゆう、ごめんなさい。」
れいむはうな垂れながらそう答えた。
「…れ、れいむ?あの顔だけの生き物、れいむって言うの?」
「霊夢と同じ名前なんて、何か関係あるのかい?」
魅魔と魔理沙が霊夢に問い寄る。
「言っとくけど、あれに関しては、あの女のお供って事と、どうやらゆっくりと呼ばれているらしいって事意外全く解らないからね。」
霊夢は半ばどうでもよさげな顔でそう答えた。
一方、霊夢はピョンピョン飛び跳ねて魔理沙たちの方へと近づいていく。
「おねーさんはゆっくり出来そうな人達だね!れいむはれいむだよ!ゆっくりしていってね!!!」
「…え、ああ、あたしは魅魔さ、ゆっくりさせてもらうよ。」
「私も。」
いきなり話しかけられた魅魔達はと惑いながらもそう答える。
「へぇ、こうしてみると意外と可愛い生き物じゃない、ほら、おいで。」
幽香がそう言って霊夢に近づいていく。
「ゆ…。」
何となくれいむは後退りした。
自分から離れた霊夢を見て、軽くショックを受けた幽香。
「アハハ、相変わらず嫌われてるねぇ、幽香。」
魅魔はその様子を見て、笑っていた。
「ちょっとアンタ!私が近づいただけで後ずさりなんて何のつもりよ!」
幽香は思わずれいむに怒鳴りつける。
「ご、ごめんなさい、何だかおねーさんからはゆっくり出来ないオーラが全身から出ているんだよ…。」
れいむは涙目でそう答えた。
…ガサッ。
と、その時、茂みの方で変な音がした。
「ちょっと、今度は誰!?」
幽香がそう叫んで茂みの方を見た。
…茂みに居たのはれいむと同じような生き物だった。
そいつは何だか脅えた目でこっちを見ている。
「…あ、まりさ、何でそっちに居るの!?」
「あれま、今度は私の弟子と同じ名前かい。」
魅魔はれいむが呼んだ名前を聞いて驚きの声を上げた。
「同じ名前だ何て何だか親近感が沸くわねぇ、こっちにおいでよ。」
魔理沙はまりさに向かっておいでおいでをする。
しかし、まりさは震えた目でこっちを見ている。
「もしかして幽香の事を怖がってるの?大丈夫よ、彼女は強いものには容赦はしないけど
弱い生き物には優しいから。」
魔理沙がそう言ってまりさに近づいたその時だった。
「…く、来るな…。」
「え?今なんて言ったの?」
「こ、こっちに来るんじゃない!黒歴史ー!」
カッ!
_,,....,,_ _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''> ゆっくりマスタースパーク!!!<
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
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_,.!イ_ _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7 ,,;;;;;;;;
::::::rー''7コ-‐'"´ ; ', `ヽ/`7 ,,;;;;;;;;
r-'ァ'"´/ /! ハ ハ ! iヾ_ノ,,;;;;;;;; ゝ、::: /_::::
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ ,' ,ゝ,,;;;;;;;; (ヒ_] ヒ_ン )
`! !/レi' (ヒ_] ヒ_ン レ'i ノ ,,;;;;;;;; "" ,___, ""
,' ノ !'" ,___, "' i .レ' ,,;;;;;;;; ヽ _ン:::
( ,ハ ヽ _ン 人! ,,;;;;;;;;
,.ヘ,)、 )>,、 _____, ,.イ ハ ,,;;;;;;;;
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ドォオオオオオオッ!
次の瞬間、まりさの体から極太のレーザーが発射された!
「うわっ!」
「な、何だい!」
「きゃっ!」
「うわわわわ!」
れいむ達を始めとした他の連中は何とかかわす事が出来たが、至近距離にいた魔理沙は避け切ることが出来なかった。
「…。」
魔理沙はものの見事に真っ黒けになってしまった。
「ま、魔理沙、大丈夫かい?」
黒コゲになった魔理沙に魅魔は恐る恐る話しかける。
「…ウフ、ウフフ、ウフフフフフフフ…。」
魔理沙はその場に直立したまま不気味に笑い出した。
そして、魔法の杖を取り出して一言。
「コロス。」
「ちょ!魔理沙マジ切れかい!?」
「上等だ!来いやぁああああ!!」
「ま、まりさ!?何だかいつものまりさじゃないよ!」
「れいむ、今宵まりさは黒歴史を乗り越えて新たな一歩を踏み出すんだぜ!」
「言ってる意味が解らないよ!今はお昼時だよ!」
「美しく残酷にこの世から去ね!」
「それはこっちの台詞だぜ!」
「ちょっと、これ以上神社を滅茶苦茶にする気!?」
境内の方でゴチャゴチャと騒ぎ始めた霊夢達を。
そんな騒ぎを他所に、紅里は色々と冷静に考え事を始める。
(霊夢、魔理沙、魅魔、幽香…もうここは「旧作の世界」で決まりだね、
しかも、この世界にゆっくりっていう概念は無し…か。
まぁ、これは仕方ないかな、PC98時代にゆっくりどころか
掲示板があるかどうかも怪しいし。)
こんな調子で、自分が今置かれている状況を冷静に分析する。
もう様々な世界を渡り歩いてきた身、この位はお茶の子さいさいだ。
さて、そうなれば次はなぜ自分達がこの世界に来たのか、だ。
異変が起きてなければこの世界に来るわけが無い。
ふと、横を見てみるとれいむに拒絶されたのが原因か何だか落ち込んでいる幽香の姿がある。
(丁度いいや、彼女に聞いてみよう。)
そう思った紅里は幽香に話しかけた。
「あの、幽香さん、ちょっと聞きたい事があるんですが。」
「?何かしら?紅里さん。」
「ここ最近、おかしな事はありませんでしたか?」
「おかしな事?ここ最近は平和すぎて退屈なぐらいよ。」
「いや、少しぐらいはあるでしょ、例えば博霊神社に祟り神が復讐しに来たとか。」
「祟り神ならあそこで霊夢と仲良くやってますが。」
「神社の近くに変な遺跡が出来たとか。」
「ああ、あの変な科学者が起こした事件の事?随分前に解決したわよ。」
「じゃあ魔界から魔物たちが出てきているとか。」
「懐かしいわね、そう言えばあれって、魔界の旅行会社が原因だったのよね。」
「…後は、あんたが何か良くない事を企んでるとか。」
「…あなた、吹っ飛ばされたいの?」
そう言って傘を突きつけてきた幽香に対し、紅里は「いえ、滅相も御座いません。」と言って幽香から離れる。
危うく、元祖マスタースパークの餌食になってしまう所だった。
(ふ~む、旧作で起きる事件は解決済みか、こりゃあ霊夢が脇巫女になるまで大きな異変は起きない、って事で良いのかな。
もしそうだったら一体何年待たなくちゃいけなくなるのやら。)
もしそうなら、困った事になる。
異変を解決しなければ、紅里達は次の世界に渡れない。
ゆイタニック号の時のように一ヶ月くらいならのんびり待ちますか、という事で良いとは思うが 「ちょっと…。」
流石に数年単位で異変を待つのは流石に勘弁して欲しい。 「ねぇ…!」
とりあえず、他の人たちにも何かおかしな事は無いか聞いてみるか…。 「そこのあなた、きいてるの?」
「もう!いい加減に私の存在に誰か気づきなさいよ!」
突然聞こえてきたその声に、紅里も、幽香も、激しい争いを続けていたまりさと魔理沙も、それを止めようとしていた霊夢達も思わずその動きを止めてしまう。
「何だ!?まりさ達の戦いを邪魔する奴らは!?」
「鳥居の方から聞こえたけど。」
全員が一斉に鳥居の方を見る。
そこには、小さな金髪の女の子が、立っていた。
「…よ、ようやく気づいてくれた…もうかなり前から呼びかけていたのに、誰も気づいてくれないなんて…。」
そう言った少女のその瞳には、涙が溢れていた。
「あら、あんたは魔界に行ったときに突っかかってきたチビじゃないかい。」
と、魅魔が少女の姿を見てそう呟く。
「ち、チビじゃないわよ!」
魅魔の言葉に思わず反論する少女。
紅里はそんな少女をじっと見つめていた。
「ん?何よ、この辺りじゃあ見かけない顔だけど…。」
「…魔界で小さな少女?…もしかして、あんたの名前はロリスって言うんじゃない?」
「ロ、ロリ…!?」
紅里の言葉を受けて少女は思わず脱力してしまった。
「ちょ、ちょっと!私はアリスよ!ロリス何て名前じゃないわ!」
「ああ、アリスね、ゴメンゴメン、ニコニコ界隈じゃあロリスって名前が定着してるから。」
「ニコニコ界隈って何!?聞いたこと無いんだけどそんな単語!」
少女―アリスは大声で紅里に怒鳴りつける。
「…で?うちの神社まで何しに来たわけ?ロリス。」
「ワザワザ魔界から飛び出してきたんだから、それなりの理由があるのよね、ロリスちゃん。」
「くだらない理由だったら、私も承知しないわよ、ロリス。」
「用が無いならさっさと帰ってね!ロリ!」
霊夢、魔理沙、幽香が次々にアリスの事をロリスと呼んでいる。
最後のれいむに至っては、もはや最後のスまで省略されてただのロリになっている。
「むきぃ~!あんた達、そんな余裕ぶっこいて居られるのも秘密兵器を出すまでよ!」
「…秘密兵器ですって?」
「へぇ、面白いじゃない、また魔道書のようなものでも持ってきたのかしら?」
「フフフフフ…そんな余裕をぶっこいて居られるのも今のうちよ!」
アリスはそう言うと、ポケットから何かを取り出した。
右手に握られてるのは小さなキーホルダー。
左手に握られてるのは手のひら大のウェストポーチだ。
「…あれ?あいつが持ってるキーホルダー何処かで見たことあるような…。」
神社の方から事の成り行きを見守っていた紅里はアリスが持ち出したキーホルダーを見て首をかしげる。
「…何よ、そんなしょぼいキーホルダーとポーチがアンタの言う秘密兵器?」
「そうよ、コイツであんた達をコテンパンに伸してあげるわ!」
「面白い事言ってくれるじゃない。」
そう言って、幽香が一歩前に出る。
愛用の日傘も開いて、戦う気満々だ。
「そんなおもちゃで何が出来るか、やって御覧なさい。」
「その言葉、後悔することになるよ!」
アリスはそう言うとキーホルダーを開き、ポーチに手を突っ込んだ!
ポーチからアリスは、一枚のメダルを取り出す。
「…メ、メダル!?もしかしてあれ…!」
メダルを見て、紅里は思わず立ち上がる!
「変身!」
アリスはそう言ってメダルをキーホルダーにはめ込んだ!
「!?」
次の瞬間、アリスの身体が激しい光に包まれる!
その眩しさで幽香は思わず動きを止めてしまう!
――やがて、光が収まったとき、そこに立っていたのは…。
┃ _,,.. --─┃、..,_
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i ! 'rr=-, レ' r=; ァ,Ti !ハノ ,'
!ヘ ,ハ !"┃ ┃ ┃""イ/ i 〈
ヽ ヘハ 'ー=-' ハ〈 ハ
) | .l、 ┃ / / ノ
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'〈r'k' ∨ ∠、_! /_ン
一匹のゆっくりが立っていた。
「…な、何…その姿…プッ!」
その姿を見て幽香は思わず吹き出してしまった。
「アハハハハッ!何よそのふざけた姿!私をからかってるの!?」
ゆっくりに変身したアリスの姿を見て大笑いする幽香。
「フフフ、笑っていられるのも今のうちだけだよ、お姉さん!」
アリスはそう言ってポーチからメダルを取り出すと、それをキーホルダーにはめ込んだ!
「ユックライドゥ!フフフフフラン!」
キーホルダーを閉じると同時に、キーホルダーから三つの光が飛び出した!
そして、三つの光は三匹のゆっくりへと実体化する!
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「ゆっくりしね!」
現れたのは三匹のふらんどーるだった!
「ふん!そんな生首、蹴散らしてあげるわ!」
「待った幽香さん!あまり舐めてかからないほうが…。」
紅里の忠告を無視して、幽香はフランドールとアリスに襲い掛かる!
アリスは冷静にメダルをキーホルダーにはめ込んだ!
「スペルライドゥ!フフフフフラン!」
「フォー オブ アカインド」
キーホルダーから三つの赤い光が飛び出す!
そして、赤い光がフランドールに重なった途端!
ブルルルルッ!
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「な、何ですって!?増殖した!?」
なんと、フランドールがそれぞれ四匹ずつ増殖した!
元々いたフランドールは三体。
そしてそれぞれが四匹ずつ増殖したので三×四=十二匹!
十二匹に増えたフランドールがありすを守る壁のように立ちはだかる!
「何だかまずそうだけど、加勢したほうが良いのかしら?」
後ろで様子を見ていた霊夢が幽香にそう問いかけてくる。
その問いかけに対し、幽香はニヤリと笑ってこう答える。
「加勢?いらないわよ、こんなのが十二匹に増えた所で物の数では無いわ!」
幽香はそういうと、日傘をフランの群に向けて構えた!
キュウウウウウン…。
それと同時に日傘の先にエネルギーが集まってくる!
「これでも・・・食らいなさい!」
カッ!
幽香は日傘の先から極太のレーザーを発射した!
「おお!凄いぜ!」
「あれが元祖マスタースパークだね!」
「さあ、チリも残さず吹き飛びなさい!」
レーザーはそのまま真っ直ぐフランドールに向かっていく!
…しかし、その様子を見てもアリスは余裕の笑みを浮かべていた。
「・・・フフ、幽香おねーちゃん、あまりこの生き物を舐めちゃいけないよ!」
アリスはそう言うと、また新しいメダルをキーホルダーにはめ込んだ!
「スペルライドゥ!フフフフフラン!」
QED「四九五年の波紋」
十二体のフランが同時に猛烈な弾幕を発射した!
その厚い弾幕の壁に阻まれて幽香の放ったレーザーは消滅する!
「え!?う、嘘ッ…きゃあッ!」
幽香はそのままフランドールたちの放った弾幕に吹き飛ばされる!
「く、くうっ!油断したわ…。」
幽香が起き上がったその瞬間、彼女の表情は固まった。
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<ノ レ^ゝi>.、.,__<ノ レ^ゝi>.、.,____<ノ レ^ゝi>.、.,__<ノ レ^ゝi>.、.,_____,,...ィ´//レ'ヽハ〉レ
起き上がった時点で、いつの間にか幽香は大量のフランドールに囲まれていたのだ。
「ゆっくりして行ってよ~ゆっくりして行ってよ~…。」
そう言いながらゆっくりと幽香に近寄っていく、フランドール達。
さっきまで怖くもなんともなかった生き物に、幽香は恐怖を覚え始めた。
「ちょ、ち、近寄らないで…いやぁあああああああ!」
「ゆっくりしていってね!」
ふらんどーるが一斉に幽香に飛び掛る!
「いやぁあああああああああああ!」
幽香は泣きながら大声で叫ぶ。
幽香の姿は、大量のふらんに埋もれて見えなくなった。
「ちょ、あれまずいんじゃないの!?」
「しょうがないわね…助けに行くわよ!」
慌ててゆっくりの山から幽香を助け出そうとするれいむ達。
「そうはさせないよ!」
アリスはそう言ってキーホルダーにメダルをはめ込んだ!
「ゆゆゆゆユックライドゥ!!」
キーホルダーから無数の光が飛び出し、神社の境内中に無数のゆっくりが現れた!
「ゆっくり「ゆっくり!「ゆっくりしていってね!」」」
霊夢達はあっという間にゆっくりに囲まれた!
「ちょ、ちょっと…!」
「完全に囲まれた!?」
自分達を囲んでいるゆっくりの数に霊夢達は戸惑いを隠せない。
「くそ!やられてたまるか!」
霊夢はゆっくり達に向かってショットを放った!
ドォンッ!
「ゆうっ!」
被弾!何匹かのゆっくりが吹き飛んだ!
「弾が当たった気がしたが、なんともなかったぜ。」
…しかし、吹き飛んだゆっくり達は普通に立ち上がる。
「…あ、あんまり効いてない…。」
自分の攻撃が通用していないことにショックを受ける霊夢。
「予想以上のもち肌だね…普通のショットじゃ効き目は無いのかも。」
「だったらボムよ!こんなふざけた生き物、まとめてふっとばす!」
霊夢はそう言って前に出る!
「そうは行かないわ!みんな!一斉弾幕発射!」
しかし、霊夢よりもアリスの方が早くゆっくり達に号令を出した!
「ゆっくりー!」
アリスの号令と共に、ゆっくり達がれいむ達に向かって一斉に弾幕を発射した!
「ちょ!?ルナテイックどころかEXってレベルでもないわよ!この弾幕!」
「これは万事休すかねぇ…。」
れいむ達は弾幕にやられることを覚悟したその時!
境符「四重結界」
ガキインッ!
突如、霊夢達の回りに結界が現れ、弾幕を弾いた!
「!?」
「え!?」
これで決着が着いたと思っていたアリスは弾幕が弾かれたことに驚きを隠せない。
「よ、良く解らないけどこれって助かった…の?」
何が起きたのか理解できず、霊夢はそう呟いた。
「誰よ!邪魔をした奴は!」
「邪魔をして何が悪いっていうのさ。」
アリスの叫び声に答えるように一匹のゆっくりが現れた。
,.--、_,,....,,__,. -- 、
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,' ヽ_rゝゝ-' ー',.-、- 、イ、 i
i ,.へ_トー'"____,.ィ ! ハ、___ イヽ、イ
r'⌒ r´γ /__,.i i / V__ハ ゝ
〈_,.イ イ ,ィ´(ヒ_] レ´ ヒ_ン`!ヽ! ハ
i i .レイl' " ,___, " ! ハ/ヽ
〉. i i ' ヽ _ン 从 (
i /〈 lヽ, ,.イノ Y
ノ イ /ヽ、| i>r--r,=´/ _ハ,
それは、どこか胡散臭い雰囲気を持った、金髪のゆっくりだった。
「…あのゆっくりが助けてくれたの?どうして?」
「その声…アンタ、もしかして紅里じゃ無いのかい?」
「え!?」
「さすが祟り神、勘は博霊の巫女についで鋭いって訳ね。」
「褒めても何もでないよ。」
「さて、こんなことしてる場合じゃなかったわね!」
そう言って紅里は何処からともなくペンダントを取り出すと、そのペンダントにメダルをはめ込んだ。
「スキルライドゥ!ゆゆゆゆゆかり!」
ペンダントから声がした次の瞬間、霊夢の目の前に隙間が現れた!
「んしょっと。」
「キャッ!?」
スキマから現れたれいむとまりさに霊夢は思わず驚きの声を上げてしまった。
「この隙間を通れば神社の外に逃げられるよ!!」
「ちょっと待ちなさいよ、神社はどうするつもりよ!それと幽香は!?」
霊夢はそう言って、幽香がいる方を見る、
大量のフランに埋もれていて、幽香の安否はわからない。
「幽香の方はおねーさんが何とかするから!それより今は自分の身を案じるべきだと思うぜ!」
どまどう霊夢に向かってまりさがにそう言った。
霊夢は自分の周りを見渡す。
結界に阻まれているお陰で近づけないものの、それでも、ゆっくりに囲まれているという状況は変わらない。
このままではジリ貧なのは確定的だ。
「…仕方ないわね。」
霊夢は仕方ないと言わんばかりにスキマへと飛び込んだ。
「魅魔様が先に!私もすぐに行きますから!」
「それじゃあお言葉に甘えさせてもらうよ。」
続いて、魅魔、魔理沙が順番に飛び込んでいく。
魔理沙が飛び込もうとしたとき、何故かまりさが侵入を阻んだが、れいむの仲裁によって事なきを得た。
後はゆっくりへと姿を変えた紅里がスキマへ飛び込もうとするが…。
その前、チラリとアリスのほうを見た。
「…ゆっくりに変身する人間…もしかして、あなたがディケイネかしら。」
「へぇ、私の名前をごそんじなんだ、もしかして、誰かに吹き込まれたのかしら?
世界を破壊するゆっくりとか何とか。」
「世界を破壊?何のことよ、あなたの事は森で出会った胸のでかいお姉さんから教えてもらっただけよ。」
「で、そのキーホルダーもお姉さんから貰ったわけ?」
「ううん、これはちょっと借りているだけよ。もう少し使ったらすぐ返すつもり。」
「…一つ忠告しておくよ、そのキーホルダーの力はアンタには過ぎた力だ、
あまり調子に乗ってると、痛い目を見るよ。」
「フフ、大丈夫よ、私はそんなヘマをしないわ。」
「…どうだか。」
それだけ言うと、紅里は隙間に飛び込んだ。
自分とゆっくりしかいなくなった空間で、アリスは笑う。
「フフ…勝った、お姉ちゃん達に勝った!…アハ、アハハハハハ!」
~神社近くの森~
何も無い空間に、スキマが現れる。
「…ふっはあっ!やっとでれたぁ!」
「うう、何だいあの空間は、まだ上下の感覚が戻ってこないよ…。」
「魅魔様大丈夫ですか?」
「大丈夫さ魔理沙、あたしゃまだ生きてるよ…。」
「いや、死んでるでしょ、悪霊なんだし。」
そんなやり取りを繰り広げながらまずは霊夢、魔理沙、魅魔が出てきた。
「ゆっくり生還だよ!」だぜ!」
続いて出てきたのは、れいむとまりさのゆっくり二人組。
「…あんたの主人はまだ出てこないの?」
「おねーさんなら幽香を助けてくるって言ってたよ!」
「ああそう…あんな状態になって幽香大丈夫かしら?」
「あら霊夢、アンタが妖怪の事を心配なんて珍しいじゃない。」
「そりゃあ普段ならとにかく、今回は状況が状況だから…。」
ガサッ!
と、その時、近くの茂みで音がした。
「!?」
「何、追っ手!?」
戦闘態勢を取りながら、霊夢達は茂みの方を見る。
ガササッ!
でて来たのは、大きな胸が目立つ一人の少女。
服も髪も乱れていて、身体のあちこちに葉っぱや蜘蛛の巣がくっついている。
まるで、慌てて森の中を突っ切っていたかのようだ。
いや、実際駆け抜けてきたのだろう。
激しく息を切らせているのが、その証拠だ。
「あのこ、何処に行ったのかしら…。」
「…アンタ、一体誰?」
「…え?」
博霊の巫女と愉快な仲間達と、世界を旅するゆっくらいだー、伝子の初めての邂逅であった。
第19話終わり
- ロリスはチノナメコさんか -- 名無しさん (2009-10-11 18:53:13)
最終更新:2009年11月08日 00:10