【種別】
自在法

【初出】
短編『クイディティ』

【解説】
色盗人』の首領である“踉蹌の梢”バロメッツが使用する自在法。
植物にとりついて休眠する、特殊な隠蔽と潜伏を特性とする罠の自在法である。
バロメッツが新世界『無何有鏡』へ渡り来た後に”存在の力”が無限に満ちているのを利用して改良した。

初めに『啖牙の種』を指先大の種として新世界各地にばら撒いて、条件付けに引っ掛かったフレイムヘイズや“紅世の徒“たちの“存在の力”の一部をごと無理矢理に本体のバロメッツの元に転移させる。
更にもう一つの自在法『隠羽織』も使用して、『啖牙の種』で奪い取った“存在の力”を吸収せずに保存した状態のまま自他の存在に根付かせることで、“存在の力”の統御限界を継ぎ足す。
この状態の『隠羽織』を、安易に力を欲する“徒”たちに施術する必要条件である「相手の同意」を得た上で施術して、力を分け与えることで寄生させる。
これにより、本人たちに気付かせないまま、被施術者の“徒”たちを自分の分身にして支配し、バロメッツは支配と勢力拡大を続けていた。

しかし、これも自在法である以上、フレイムヘイズ『炎髪灼眼の討ち手』シャナの『審判』の前に潜伏は通じず、本拠地『桃源』の周囲に仕掛けてあった『啖牙の種』はバロメッツを守ることが出来なかった。

【由来・元ネタ】
ローマ神話の農耕と戦争の神マールス(Mārs)ではないかと思われる。
おそらく「種」の部分にかかっているのであろう。

「啖」とは、「貪り喰らう、噛む」の他に「騙す、欺く」という意味がある。「牙」は、「啖」の前者の意味を補強しているように思えるが、おそらく「欺く」という意味を隠すための文字だと思われる。
「種」は言うまでもなく、植物の始まりの状態であり、ここから大きく育っていくものである。全体で、「欺いて噛み付く、大きく育つ種」のような意味かと思われる。

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最終更新:2023年11月23日 18:31