遠き山に日落ちずとも -あるいは命堕ちる家路- ◆devil5UFgA




口笛を吹きながら、ジョーカーは人の目から避けるように裏通りを歩いていた。
ざわざわと沸き立つ街中。
誰もが視線を崩壊した建物が沸き上げる煙へと目をやる。
ジョーカーは黒手袋を外し、ポイ、と投げ捨てた。
いずれ浮浪者が手袋を回収してくれる。
生きるだけに必死な、みっともない人間はどこにでも居るものだ。
ジョーカーは機嫌よさげに笑みを作る。

「楽しいなぁ、ギーグ」

どこかに居るはずの無形の怪物、バーサーカーのサーヴァント――――ギーグへと語りかける。
ギーグはジョーカーのつぶやきに応えない。
釣れないねぇ、とつぶやきながらも、ジョーカーは言葉とは裏腹に笑みを深めた。

「なんというか、やっと相手が見えたって感じだな。
 どいつもこいつも、シャイで参っちまってただけに、嬉しいとは思わないか?」

ギーグへと語りかけるも、応えはない。
それでもジョーカーは笑みを作り――――目前に不可思議な『モノ』が飛び去った。
『モノ』は風に吹かれて舞う『物体』ではない。
『モノ』は自らの意思で宙を舞う『生物』だ。
しかし、『モノ』は『生物』と呼ぶには、あまりにも異様な存在だった。

「……鳥?」

ジョーカーは小さくつぶやき、すぐに心中で自身の言葉を否定する。
目の前の『モノ』は、不可思議な『モノ』だった。
『鳥』というよりも、『宙に根を張る植物』といったほうが近しいのもかもしれない。
球根のように膨らんだ頭部と、根を張るように不格好に形作られた身体。
ジョーカーは生物学者ではない、不明の一市民だ。
一市民だが、それは一目で構造上からして合理的でないと思わざるを得ない『モノ』だった。
生命と呼ぶのも憚れる、あやふやな『モノ』だ。

『キシャアアアア!』

甲高い声で鳴く鳥のような何か。
『合理的』『現実的』といった言葉からはかけ離れた生命は、その在り方にふさわしく『非合理的』で『非現実的』な行動を起こした。
炎が生まれたのだ。
まるで口の中にライターでも仕込んでいたかのように、その非合理的なモノは炎を『吐き出した』のだ。

『ア、ア、ア、ア、ア、ア』

しかし、その炎はジョーカーに届く前に、ギーグの超能力によって掻き消される。
ジョーカーは先ほどの戦闘を経て、ギーグが自身を他者の攻撃から守るように動く理由が分かりかけていた。
すなわち、ギーグは『勘違い』をしているのだ。
魔術的な『パス』によって繋がったジョーカーを、ギーグ自身と誤って認識しているのだ。
本来ならば、そのような勘違いは起きるはずはない。
人であるかぎり、離れた場所にある『物体』を『己自身』であると思うわけがないからだ。
だが、ギーグは例外だ。
ギーグは、無形と呼ぶにふさわしい、空間を侵食するような存在。
ギーグ自身がギーグという存在を破壊したために、『どこからどこまで』がギーグ自身なのか判断がついていないのだ。

「よーし、良い子だ」

ジョーカーは掻き消された炎が残した熱さに目を細めながら、ギーグをなだめるように褒める。
そのまま、ギーグは再び動いた。
ジョーカーが無形であるはずのギーグが動いたと認識できたのには、二つ理由がある。
一つは、衝撃にも似た不快感――――すなわち魔力供給が行われたため。
もう一つは、『鳥』と称すべき何かが内側から爆ぜるように肉片と化したため、だ。

「whew……」

ジョーカーはその余りにも呆気無い破壊に口笛を鳴らす。
やはり、ギーグは内側から破壊している。
でなければ、肉片が一方ではなく四方に散ることはない。
つまり、柔らかい部分を爆破させているのだ。
これは硬いものを破壊するよりも容易い、故に、超能力としての消費も抑えることが出来る。

「よーし、よし。食べていいぞ、ギーグ」

赤ん坊をあやす様に、ジョーカーは許可を出した。
同時にジョーカーの身体を走っていた、倦怠感のようなものが薄れる。
ギーグを現界させるための魔力供給が、ギーグ自身が魔力を取り込んだことによって薄らいだのだ。

「おっ、こりゃいいな……」

魂食い。
そう、その鳥には魂があった。
本来、鳥はデータに過ぎない。
このデータというのは、正真正銘、奇跡の宿らない数字の羅列だ。
数字の羅列に魂を載せた存在ではない。
存在ではないはずなのに、そこには魂があった。

『鳥』の名は『陰摩羅鬼<オンモラキ>』。

経を読むことを辞めた生臭坊主・破戒僧とも呼ぶべき存在の前に現れるとされる妖鳥。
すなわち、導かれることなく大地に眠り続ける死者の魂の澱み。
東京の大地には、魂が眠っている。
電子のはずの空間に、観測されるはずのない空間に。
聖杯戦争の参加者ではない、蹂躙された者達の魂が眠っているのだ。

「少し食事の時間と行くかい?」
『アー……』
「HAHAHA! 試合前のボクサーじゃねえんだ、たんまり食えよ」

相槌とも呼べないうめき声に、ジョーカーは一方的な言葉を返す。
集団の中で知られずに蠢く闇。
すなわち、ジョーカーの同種。
すなわち、ギーグの同類。
歩むべき『正史』に、統べるべき『正道』に、まつろわぬ者達だ。
すなわち、ある局所的な情報において、絶対の事実『しか』記録していなかったムーンセルすら上回る情報。
人の噂、想い、あるいは、霊魂。
そんな『あやふや』なものに影響を受け、事実とは異なる変化をした『闇』。
ここに満ちる魂とは、不定形の『闇』の塊である、魔人の固有結界によって生まれい出たものだ。
現在、この聖杯戦争は独立していない。
幻想と空想と真実と虚偽が入り混じれる、『帝都物語』の一節に内包されているのだ。






「リエンスか」

総合商社『鰤天』における企画部第ニ課のロット課長は怒りに満ちていた。
その原因、重役出勤を行った直接の部下であるリエンス係長の威圧めいた視線を向ける。
『十一人のプロジェクトチーム』の一員であるユリエンスやブランデゴリスは遠巻きに眺めていた。
今のロット部長は危険だ。
リエンスは酔っているのだろう、近頃酒の量が増えていると社内でも評判だった。

「ロットよ」
「敬語を使え」

傍若無人なりエンスの言葉に、ロット部長はこめかみを引くつかせる。
ユリエンスは顔を覆い、ブランデゴリスはしめやかに席を立つ。
ロットは肩を下ろし、息を吐いた。

「何度も言うが、入れぬぞ」
「何がだ?」
「どんな理由つけて話しかけてきても、我ら『十一人のプロジェクトチーム』には入れぬ、と言っておるのだ」
「フ、ハハハ!フハハハッ!!
 馬鹿め!
 このリエンスが、何時までもそんな小さなことに拘っていると思ったか!」

リエンスはロットの言葉を一笑に付し、立派な部長机に手を打ち下ろした。
叩きつけられた机の上には、一枚の封筒があった。
封筒には文字が記されている。
ロットは目を細め、封筒を眺めた。

「……なんだこれは?」
「ふん、文字も読めんのか?」

リエンスの気取った顔に、ロットは怒りを溜める。
怒りを溜める――――が、同時に奇妙なまでのリエンスの態度に戸惑っていた。
リエンスに従うように、封筒へと目を向けた。
そこには『辞職願』と達筆にかかれていた。

「辞表だ」
「……見ればわかる」
「本当に文字が読めんのかと思ってな」

リエンスは厭味ったらしくつぶやき、言葉を続けた。
シャワーの後で義理に、とリエンスが書き連ねた退職願。
何も言わずに無断欠勤を続けても良かったが、これをロットへと突きつけたい、という欲望に駆られた次第だ。

「俺は辞めるぞ、この会社を」
「……何を言っている?」
「『こんなお遊びも飽きた』と言っているのだ、どうせ貯金額も七桁はある。
 戦争の期間中にこれ以上金額が減ることもなければ、逆に大きく増えることもないのだ。
 いや、金がなくとも、消耗戦になれば奪い取ればいいのだ」

目の前のロットが、眉をひそめる。
明らかにリエンスのことを狂人としてしか見ていないのだ。
リエンスは目の前のロットが『ロット』ではないことを確信する。
ロットは言葉を選ぼうとして、リエンスの狂気が見え隠れする顔を見てソレを放棄する。

「……お前のそういったところが、我ら『十一人のプロジェクトチーム』に入れなかった理由だ。
 自分だけは優れていると勘違いしている、誇大妄想狂め。
 現実を受け入れられず、頭でもイカれたか」
「イカれているのはお前たちだ。自分が何かも知らず、偉そうにふんぞり返りおって」
「自分が全てを理解していると思っている尖っているやつよりはマシだ」
「貴様が自分を理解しているというのならば、なぜこんなことをしている」

ロットの突き返すような言葉に、リエンスは鼻を鳴らして応える。
何を言おうとも、右から左だ。
リエンスにとって、目の前の存在は現実ではないのだ。
それでも、巧妙な演技である可能性も捨てきれない。

「殺すなら今だぞ。もしも、俺がお前がならば、必ず殺す。
 先手を取るチャンスなのだぞ」
「リエンス、病院へ行け……頭の、だぞ。
 それまでこれは私のところで留めておいてやる」
「ハハハ! 何も知らぬバカどもめ!」

バサリと、外套を翻しながら振り返る。
もう、こんな会社に価値はなかった。
記憶を失っている頃、何よりもこの会社で成り上がることを目的としていた。
しかし、そんなものは偽りの情熱だ。

『鰤天』――――すなわち、リエンス王にとっての『ブリテン』の代替品。

真実のブリテンを手にするため、リエンスが向かう場所は偽りの会社ではない。
真の熱をそのままにリエンスは霊体で側に立つダッジャールのサーヴァント、カオスヒーローへと念話で語りかける。

「俺はやるぞ、ダッジャール」
『やり過ぎだ、馬鹿が』
「ジョーカーなど、所詮は王である俺の敵ではない。
 問題はバーサーカーのサーヴァントだ……まあ、とはいえ、ジョーカーを殺すだけでいいのだから話は簡単だがな。
 マスターを失ったサーヴァントは消滅を待つだけとなれば、まともに戦うなどバカのやることだ」

リエンスは過度の飲酒と、常より溜まっていたロット部長に対する鬱憤を晴らしたことにより気が大きくなっていた。
しかし、そのリエンスでもサーヴァントに対する恐怖は抱いていた。
自身のサーヴァントであるカオスヒーローは、別格だ。
それは『サーヴァントとして別格』という意味ではなく、『サーヴァントという存在が別格である』という意味だ。

『さて、どうしたものか……何をするにしても、敵の居場所を掴まなくては、な』
「貴様は気配察知に類するスキルを持っていないのか」
『俺の戦いは、襲い掛かってくる敵を斬り捨てるか、立ちはだかる強者へと向かっていっただけだ。
 潜伏するものを見つけるなど、その手の索敵は得意じゃない』

そう言いながら、会社を出る。
すると、すぐ後に爆音が響いた。
音の方向へと、リエンスとカオスヒーローは鋭い目つきで視線を向ける。
ガス爆発だろうか。
いや、ジョーカーという無法図な存在を把握している以上、爆発事件という可能性が先に頭に過る。
いずれにせよ、何かしらの火種だ。
リエンスが戦闘を求める以上、一も二もなく向かうべきだ。

「行くぞ、ダッジャール!」

高揚する戦意を隠そうともせず、リエンスは駆け出す。
しかし、従者であるカオスヒーローはそのリエンスの首根っこを掴み、強引に引き戻した。

『罠だ』
「罠、だと……? 馬鹿が、虎穴に飛び込まずに戦果が得られるか!」
『ジョーカーを殺す前に、便乗した奴らへの挨拶が先だろう』

カオスヒーローの言葉に、リエンスは視線をずらす。
ビルとビルの間、昼だというのに作られる闇。
威光を知らしめるように天へと伸びたビルが作った闇の中に、化け物がいた。

「こいつは……!」

リエンスは身構える。
煤のような真っ白な髪。
赤黒く滲んだ皮膚。
眉間に備えられた、見開いた単眼。
太い、太い、一本だけの脚。
異形の民、敗北し排斥され、実のない噂話によって吹聴された風評の末、『まつろわぬ民』。
魔人の固有結界、『帝都物語』に招かれた魂を持つ化け物へと堕ちたもの。

『ドンコウか』
「ド、ドンコウ……?」
『ドンコウ、『呑口』と書く……読んで字の如く、人を食らう悪魔だ。
 一本足で河と関係の深い妖怪となると、タタラ場で働いていたまつろわぬ民の末路と言ったところか』
 ここが日本であることを考えると、一本ダタラが出てきたほうが自然なのだがな。
 ……俺達に対する敵意と、けしかけたサーヴァントの意思によって人喰いの化け物としての性質を持ち、変質したか』

河、すなわち水は鍛冶や製鉄にとって必要不可欠なものだ。
一本足は、タタラ場での片足で踏み込みながら行う製鉄活動を意味し、片目は火傷による負傷を意味する。
タタラ場で生活していたものが、大和朝廷に追われ、まつろわぬ民として妖怪へと貶められた。
そこにけしかけたサーヴァント――――加藤保憲の悪意によって、人喰いの化け物としての性質も得た。
よって、この悪霊の如き存在は変質し、人喰いの妖怪であるドンコウとしての霊格に変質させたのだろう。
しかし、リエンスは顔をしかめて、怒声を放つ。

「俺にわかるように説明しろ!」
『……お前は、理解しようとしていないだけだろう。
 不自然な単眼は火を扱う過酷な作業から生まれた事故による消失。
 片輪の身体は物を押しつぶす作業から生まれた事故による消失。
 もはや、以前のように仕事をこなすことも出来ず、しかし、敗者であるために安寧を貪る事もできない。
 遂には、勝者によって人間であることさえ放棄させられた――――』

勝者を称えるために化け物として貶められる、『敗者の末路』という奴さ。
カオスヒーローは吐き捨てた。
その有り様に、己を重ねたからだ。

『所詮は『敗北者』として堕ちに堕ちた終端。
 同種でありながら英霊として畏れる余地を残した俺や、真っ当な他のサーヴァントにとっては敵ではない。
 ……が、お前には荷が重いか?』

カオスヒーローはそう言うと、この世に顕界する。
その鋭い瞳はリエンスを見据えており、リエンスはわずかにたじろいた。
リエンスとカオスヒーローの目前に現れたドンコウは、全部で四体。
カオスヒーローの言葉は誇張ではなく、サーヴァントにとっては敵とも呼べない戦力だ。

「馬鹿にするなと、何度言えばわかる」

そう言うと、カオスヒーローから長刀を受け取る。
カオスヒーローはマスクに隠した口元から、フッ、と笑みを零す。
リエンスは不快さを隠そうともせずに顔をしかめた。

「お前の言葉は全て虚構……強がりだ。
 粋がるのは勝手だが、死んでしまっては元も子もない……精々、気を張るといいさ」

篭手に包まれた両手を開手し、徒手空拳でドンコウと向き合う。
一匹のドンコウが迫り来る。
そのまま、前足を勢い良く突き出し、一蹴りで吹き飛ばす。
宙に高く、高く舞い上がったドンコウの一匹を無視し、カオスヒーローは駆け出す。
群れていた一匹へと向かってピンと伸ばした手刀で叩きつける。
傘とシルエットが酷似しているドンコウは、まさに傘そのものといった手軽さで粉砕される。
開手で硬い肉を安々と両断し、ドンコウは何も出来ずに二つに割れた。
まず一匹、ドンコウが息絶えた。

『亜羅……羅羅……!!』

続いて、カオスヒーローの両脇を抜けるようにして二体のドンコウが雄叫びを上げながら駆け出す。
英傑であるカオスヒーローには敵わない、ならば、せめて奥のリエンスを殺す。
憎悪すらも生存本能が前提にあるその様に、カオスヒーローは『弱者め』と心のなかで呟いた。
脇を駆け抜けようとする右側の一匹の肩を握りつぶすように掴み、逆側に投げ飛ばした。
その瞬間、最初に蹴り飛ばしたドンコウが目の前まで降り立って来て、その頭部を掴み、壁へと叩きつけた。
頭部は西瓜のように粉砕され、二匹目のドンコウは地に脚をつけることなく息絶えた。

「くっ、こ、こいつ……!」

その背後ではリエンスがドンコウを相手に切り結んでいる。
慣れない獲物ということもあり、手こずっているようだった。
しかし、カオスヒーローは目も当てない。
目の前で背後を見せて逃げようとするドンコウを逃そうとはしない。
損得による感情ではなく、ただ、カオスヒーローにとっての戦いはそういうものだ。
強者が弱者を殺すものだ。

――アギ――

小さく唱えた、ワンアクションの呪文はドンコウを焼き払う。
単純な火炎を引き起こすだけの魔術。
しかし、カオスヒーローの魔術師としての資質と内に眠る魔術によって規格外の威力を引き起こす。
ゆっくりと、ドンコウの肉を焼き払い、骨を炭へと変えていく。
時期に死ぬ。
唱えた瞬間から分かりきっていたために、カオスヒーローはすでにドンコウから目を切っていた。
そして、振り返り、もう一度呟く。

――アギ――

小さく唱えた、ワンアクションの呪文はドンコウを焼き払う。
すでにリエンスの斬撃を受けていたドンコウは突如現れた炎を回避することも出来ない。
そのまま、魂を焼失させていった。

「ふ、ふん!」

リエンスはカオスヒーローに対して特別な言葉は返さなかった。
カオスヒーローにしても、興味なさげにリエンスに目を向けるだけだ。

「これが、この化け物が、ジョーカーの召喚したバーサーカーの能力なのか?」
「その可能性もある……が、他のサーヴァントによる妨害の線が色濃いだろうな」
「妨害?」
「ジョーカーを殺すことで生まれる報酬を、俺達に渡さんとする主従が居るということだ」

さして興味もなさそうに、カオスヒーローは呟いた。
瞬間、わずかに期待はした。
このまつろわぬ民を使役しているものは、自身の仇敵/●●である『救世主』ではないか、と。
しかし、それは違った。
このドンコウには契約された悪魔特有の動きを感じ取れなかった。
この妖怪という名の貶められた悪魔は、はぐれだ。

「そう、上手くはいかんということか」
「ふん! どんな奴でも殺せばいい!
 これはそう言った戦争だ!」

カオスヒーローのポツリと漏らした声を、リエンスはバーサーカー以外の障害の存在に対する警告と受け取った。
リエンスは太刀を翻した後、投げるようにカオスヒーローへと渡した。
カオスヒーローはリエンスへと視線を向けず、しかし、その太刀を受け取る。
今のカオスヒーローに、一人の偽救世主と一人の救世主以外に関心を持つことはない。
ただ、夢の終わりに想いを馳せながら、手慰みのようにリエンスに付き従うだけだ。
救世主と出会うまでは、一種の真っ当な英雄として振る舞ってもいいと、カオスヒーローは考えているのだ。


【A-3/渋谷/1日目 昼】

【ジョーカー@ダークナイト】
[状態]魔力を消費。
[令呪]残り2画
[装備]不明
[道具]不明
[所持金]不明
[思考・状況]
基本行動方針:この世界流のジョークを笑って、自分なりのジョークを見せる。
1:楽しい。
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の全てを把握しています。
※渋谷凛をマスターとして認識し、ヒトラーの容姿を把握しました。
※島村卯月をマスターとして認識し、マーズの容姿と宝具の一部を把握しました。

【????@????】
[状態]??
[装備]??
[道具]??
[所持金]??
[思考・状況]
基本行動方針:??????
1:????????
[備考]
※??????
※??????
※??????
※??????

※ギーグの宝具が発動しているため、ギーグの状態表を閲覧できません。



【B-3/港区・総合商社『鰤天』周辺/1日目 昼】

【リエンス@実在性ミリオンアーサー】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]尖りすぎる鎧、尖りすぎる剣
[道具]なし
[所持金]普通(一般サラリーマン程度)
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を手に入れる
1.ジョーカーを討伐しに行く
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
 少なくとも彼らの現在位置については掴んでいるようです。
※ジョーカーが起こした爆破事件を知りました。


【カオスヒーロー(ダッジャール)@真・女神転生Ⅰ】
[状態]健康
[装備]無銘の剣
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:リエンス王には特に興味はないが、救世主が己を救えたのか知りたい
1.ジョーカー討伐に付いて行く
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
 少なくとも彼らの現在位置については掴んでいるようです
※ジョーカーが起こした爆破事件を知りました。




所を、魔都東京を魂の渾沌へと変えた魔人へと移す。
かつて退魔であった忍と、魔そのものである魔人は静寂に満ちた空間の中で向かい合っていた。

「この壺がそうか」
『蟲毒壷だ。
 蟲毒の末に生まれた毒は、同じものを作ることの出来ぬ新種の毒。
 触れるでないぞ、呪術とは理を超えて、純粋に生命を恨むものだからな』

キャスターのサーヴァント、帝都を憎む魔人、加藤保憲が厳重に蓋を閉めた壷を掲げる。
この壺は蟲毒壷。
毒を持った蟲を詰め込み、丁重に封をする。
壷の中では餌もない毒蟲たちが蠢き、生きるために他の毒蟲を食らう。
蟲たちはお互いに喰らい、喰らい、喰らい続ける。
その末に生まれるものは、一匹の強大な毒蟲だ。
その身体に異なる毒蟲を食むことで数多の毒を溜め込み、その魂に異なる生命を殺したために数多の憎悪を溜め込む。
よって、『純然たる呪い』としても『純然たる毒』としても秀でた毒蟲が生まれるのだ。

『憎悪と呪いの込められたこの毒は、解呪の法を持ってしなければ解毒できぬ。
 また、解呪の法を持ってしても蟲が本来持っていた人体に有害な毒は消えない。
 すなわち、解呪と医学的な治療を行わければいけない』

こともなさ気に加藤は毒の効用を解説する。
呪術、すなわち呪いに関しては加藤は超一流の魔術師だ。
蟲毒にしても、ただ毒蟲を集めればいいというものではない。
ある一定の段階を踏む必要があるのだ。

『と言っても、キャスターでなくとも一定以上の魔術となれば解呪できるがな。
 解呪という魔術そのものが医学的な意味も持っているのだからな』

そう言って、壷を懐へと納めた。
この毒もいつかは使う。
使うが、そのためには情報が必要だ。

「マスター一人を殺すために使うのも馬鹿らしい。
 使うのならば、有効的に使わなければいけない」
『単体を消すよりも、芋づる式に複数の主従の戦力を大きく低下させるのが有効打というものだ』
「……そんなものはわかっている。教師のように諭す口ぶりはやめろ、不愉快だ」

マスターを見つけて、毒蟲の毒を仕込む。
しかし、仕込むにしてもタイミングというものがある。
マスターの異変はサーヴァントにも大きく影響するのだから。
戦闘の起こっていない際に毒を仕込むよりも、乱戦の最中に毒を仕込むほうが、他の主従にも影響が現れる。
すなわち、毒を埋め込まれたマスター以外の主従にも、何かしらの効果が生まれるということだ。

「二十に届く主従、ならば、共闘の関係も出来ることも否定は出来ない」
『情報戦にはなるだろうな』
「ならば、毒を一つの手段になる。蟲毒は複数できるのか?」
『同じものを作ることは不可能だ、しかし、異なる毒蟲ならば幾らでも作れる』
「構わん、毒の種さえ分別は……『毒物A』なり『毒物B』なり適当に名前をつけてやればいい。
 名前など問題ではないのだからな」
『フ、フ、フ……浅はかだな。『名』とはそう単純なものではない』

加藤はふうまの言葉を一笑に付す。
ふうまは不快げに眉をひそめるが、加藤は言葉を続けた。

『名が変われば身体は引きずれるように変化し、姿形が変われば別の名称で呼ばれる。
 わかるか、貶めるにはその名前の意味を変えてやればいいのだ。
 己のものではない名は心を蝕み、変化した心はやがて身体を侵す』
「……」
『そういうものだ。この地に眠る『魔』とされたものも、そうやって名前を変えられた。
 名前とはな、そういうものなのだよ』
「戯言だな、俺には関係のない話だ」

ふうまは吐き捨てるように言った。
その言葉に、加藤は笑みを深めた。
加藤は『ふうま』の根幹をすでに察知していた。
恐らく、日本に存在する魔に関わるものならば、この男の知らぬことはない。
この男が推理できないものはない。

『気づいておるまい、小童よ。
 貴様の『ふうま』が何の意味を持っているか……
 退魔の使命を帯びておりながら、魔に染まった野望によって、同じ対魔忍に討たれた貴様ら。
 文字を失った貴様は、気づいておるまい』

『ふうま』と音を同じくする『風魔』という一族が居た。
日本でも指折りの知名度を持つ草の者――――俗にいう、忍者だ。
『風魔』のルーツは単なる『風間』であった。
警備や諜報、そういった仕事を一手に引き受ける北条氏に仕える風間の一族が、北条氏滅亡の末に野盗へと堕ちた。
やがて、彼らは『風間』ではなく『風魔』と呼ばれるようになる。
これが堕ちるということである。
『風間』として築いた栄光から遠ざけることで、背景を所持しない単なる野盗へと貶める。
敵対者を貶めるために後に記す歴史に名称を変えることは、珍しいことではない。
邪悪な意図を持つ名前に当てはめ、勝者の正当性を高める。
そう言った意図を持った、一種の政治工作だ。

では、邪視を持つこの忍の者のルーツは『風間』であり『風魔』の一族であるか。

恐らく、この忍の血を辿れば異なる存在が現れるだろう。
『風魔』の影に隠れた、真の『ふうま』。
ふうまに伝わる最大の邪眼、異能を無効化し奪う、『魔門』の効力を考えれば。
ふうまとは『風魔』ではなく、すなわち――――

『【封魔の一族】……』
「……どうした?」
『フ、フ、フ……なんでもないさ、ふうまの小童』

奉られし守護神の、荒ぶる魂の一面。
加藤とはすなわち『魔』の一側面。
その加藤を使役する『ふうま』の一族。
東京に真なる混沌を持ち込んだ魔人は、嗤った。
混沌に包まれ、穢れを封じきれない魔都。
昇華されることなく地に穢れを溜め込んでいく東京。

「フ、フ、フ……」









BLACK CURTAIN
うた:ふうまの御館&加藤保憲


<<伴奏>>


◆何一つとして残されず 倒れていく物語があった。

◆生命が昨日また一つ 幻想へと堕ちていった。

◇愛の中に憎しみを 育みながら

◇終わりが今日また一つ 事実へと昇っていった。

◆俺たちはなんだ。

◇なにが俺たちだ。

◆◇誰かがつけた名前は 俺たちなのか。

◇◆俺たちがつけた名前は 俺たちなのか。

◆いつの日か、俺たちは自分を撃ちぬく。

◇いつの日か、俺たちは答えを撃ちぬく。

◆そこにあるのは光。

◇そこにあるのは答え。

◆◇俺たちが闇で隠したくせに、俺たちは闇がなんなのかも知りはしない。







「……さて」

ふうまは妖しく笑う加藤へと警戒心を強める。
キャスターとは、すなわち裏切りのサーヴァント。
英傑まで上り詰めた魔術のエキスパートが、己よりも劣る魔術師に従うことを是としないためだ。
そして、この魔術師の究極とも呼べる英雄たちは令呪や聖杯戦争のシステムに対する理解も早い。
ルールの間隙を突き、『マスターを必要としない』別の方法を見つける可能性も0ではないのだ。
反乱のための材料はこれでもかという積み重ねられている。
ふうまは純然な魔術師ではないため、上の条件には当てはまらない。
しかし、警戒を解くほどの信頼はない。

「俺は仕事に移るか」

ふうまは窓にかけた暗幕を外す。
外は騒々しい。
一人ひとりが声を潜めようとも、その潜めた声が重なって喧騒を生む。
それほどの人数が外に集まっていた。
外――――『東京第一高校』の校庭に集まった生徒達は、訳もわからずに集団下校の準備をしている。

「まさかここまで派手に暴れるとはな」
『気狂いの類だ、何かしらの策があるとは思えんな』

加藤は飛ばした式から発見した惨害を遠視しながら呟く。
戦闘の痕跡は、爆破によって大雑把に処理されている。
ひと目で分かる、これは神秘の秘匿が目的ではない。
これは、ただ、爆破したかったから爆破した。
そう言った目的の爆破だ。

「……全く」

ふうまは呟きながら、空き教室から立ち去った。
早足で校庭へと向かう。
ふうまは東京第一高校に務める非常勤職員として、校舎内に残った生徒が居ないか見回っていた。
なぜ、まだ太陽も高いこの時間に見回りを行っていたのか。
答えは単純だ。
ジョーカーによる爆破事件。
このテロリズムかどうかもわからない事件のために、午後の授業を行わずに早期に下校を行うためにしたのだ。
校庭に集まっている生徒は、集団下校のために集まっているのだ。

『逃げればいいのだろう、お前のストックしていた『催眠術』ならば何の問題もない』
「怪しまれるのは御免だ。
 俺がマスターと知られる可能性の芽は少ない方がいい」

ふうまは加藤と念話を交わしながら、早足で歩を進める。
校庭へと出る。
そこに立っていた姿を見て、ふうまは背筋が凍った。
反射だ、単なる反射に過ぎない。
ふうまは心を落ち着かせる。
あそこに居るのは、本物ではない。
それをはっきりとさせるために潜入したのだ。
ふうまは背筋を伸ばしたまま、『校長』へと報告を行う。


「……『井河』校長先生」

「山田先生」

校長――――『井河アサギ』はふうまを『山田』と呼んだ。
『山田』とは、ふうまが潜入の際によく使う偽名の一つである。
陳腐と思われるかもしれないが、凝った偽名を用いてもしょうがない。
しかし、それにしてもだ。
目の前の『東京第一高校・校長』という役割を与えられた人物。
十中八九、『NPC』であるその人物はふうまの御館も畏れる『井河アサギ』であった。
最強の対魔忍と呼ばれ、魔に連なる野望を持つものならば、その名前だけで震え上がる。
最初に目にした時には、心臓が飛び出る思いだった。

「東棟に生徒は残されていませんでした」

彼女が『マスター』というプレイヤーだったならば――――それは卑怯というものだ。
しかし、可能性は0ではない。
ふうまは事実を調べるために、『山田』という偽名と、ある対魔忍から奪ったままであった『催眠術』の異能を持って潜入した。
その結果、彼女はほぼ間違いなくNPCと確信出来た。
それでもまだ、反射的な恐れがあった。

「そうですか……点呼も問題ないようでしたし、下校へと移りましょう」

ふうまは額から汗を流しながら、報告を行った。
アサギという校長は柳眉を潜めながら、頷く。
万が一にも生徒に被害があれば『こと』だからだ。
こうして、日の高い内に集団で帰らせるのは合理的といえるだろう。

「第一小学校と第一中学校も居るんですね」

ふうまの記憶よりも生徒の数が多い――――そして、明らかに十に届かない児童も居た。
恐らく、隣接する『東京第一小学校』と『東京第一高校』の児童と生徒であろう。
なるべく集団で下校でさせようという考えか。

「やはり、なるべく大勢で帰ったほうが安全でしょうから、ええ……」

ふうまの思考を肯定するように、アサギは口を開く。
心中で舌打ちをする。
これでは下校を促すまで時間がかかってしまう。
さっさと抜けだして、ジョーカーの後を追う腹だったというのに。

『フ、フ、フ、つまらぬ潜入などするからだ』
「黙れ」
『対魔忍の育成学校……五車学園だったか?
 その幻影でも見たか?』
「聖杯によって『役割』を与えられるのならば、対魔忍どもは『学園』に潜んでいる可能性は高い。
 馬鹿げた考えだとは言わせんぞ」
『まあ、いいさ。式の話では、ジョーカーの周辺に居るまつろわぬ民が倒されているそうだぞ?
 フ、フ、フ……急がねば、先に首が取られるかもしれんな』

ふうまは舌打ちをした。
それでも、変に促すことはしない。
アサギが『マスター』ではなかったとしても、どこで別のマスターが見ているとも限らないのだ。

「それでは、早速生徒を下校させましょうか」
「はい、では、区域ごとに……」





爆破事件。
その文面を見た時、衛宮切嗣は、ゆっくりとテレビの電源を切った。
衣服を整え、外へと向かう。
右肩が疼く。
己の切り捨ててきたものが、穢れが右肩に溜まっていることを切嗣は知らない。

「ラーマ……」

同居人の名を、小さく呟く。
テレビに流れていたニュースは、爆破事件を知らせるニュースだ。
街ビルの一つが爆破された。
これはガス管との事故ではなく、明確な爆弾が扱われていたとのこと。

「……ジョーカーか」

切嗣は小さくつぶやき、玄関先へと向かう。
下手人は恐らく管理者側が討伐令を出したバーサーカーの主従だろう。

「……」

玄関を出ると、一つの封筒が届いていた。
陽が中天に登る時に、死亡者の発表が行われるという『情報』が埋め込まれている。
その伝達の術がこの封筒なのだろう。
冬木の聖杯戦争と異なる、『マスター』ということがバレやすいシステムだ。

「……いや、むしろ、バラそうとしているのか」

切嗣は感情を表に出さず、つぶやき、その封筒の中身を覗いた。
その封筒は余白が殆どだった。
死亡者なしの文字が、小さく書かれている。
つまり、ジョーカーは死んでいないということだ。
そして、ジョーカーはマスターであろうがそうでなかろうが、関係なく人を襲う。

「……」

切嗣はその脚を動かした。
向かう先は、小さな同居人が通う東京第一小学校だ。
午後の授業は中止になる可能性は十分にあり得る。
その際に、ラーマを一人で返したくなかった。




「気まずいなぁ……」

遠目から校舎を眺めながら、羽藤桂は呟いた。
あの後、常守朱が立ち去った後、たっぷりと喫茶店で時間を潰した。
だけど、何も思い浮かばず、さりとて遊ぶという気にもなれず。
ついには足は、学校へと向かっていた。
桂の頭に残るのは、一つの言葉。

『不正参加の嫌疑』

とんだ言い草だ。
連れてきたのはそっちなのに、こちらから来たように言うだなんて。
ひどい、としか言いようがなかった。

「学校はなにか慌ただしいし……やっぱり午後の授業だけでも、なんて思うじゃなかったかな?」

そうした悶々とした感情を抱いたままでは、慣れない『サボり』にも身が入らず。
ならば、いっそ午後の授業だけでも受けてみようか、と思った。
思ったのだが、どうにも学校が慌ただしい。
隣接している小学校や中学校からも高校の敷地へと人が入っていっている。

「うーん……今から入るのはさすがに無理かなぁ……」
『そのまま遊んでたらよかったのに……というか、マスターってなんか、遊びなれてないっぽい?
 せっかくの花の帝都だよ?』
「……ひとりだと、さびしいというか」
『あ、それ、一緒に遊ぶってお誘いっぽい?』

どこからか声が響く。
その声は、すなわち聖杯戦争において桂と命運を共にサーヴァントの音無き声だ。
アーチャーのサーヴァント白露型駆逐艦四番艦『夕立』はウキウキとした言葉で応える。
桂は曖昧な笑顔で応えた。

「一番いいのは、さっきの人ともう一度話したいけど……どこに行けばいいんだろ……
 なんで、わたしのこと『不法参加』だなんて……そっちのせいなのに」
『なんていうか……『奴』らも一枚岩じゃないっぽいからね』

『奴』と、どこか芝居がかったように言う夕立。
戯れの色が多分に含まれた言葉だ。
しかし、それが感じ取れたからと言ってどうなるのだ。

「とにかく、もう一度、話をしたいけど……」
『ルーラーと干渉するのってどうするかわかんないねー』

そうだ、一方的なコンタクトだ。
こちらから向こうに語りかける術を教えてもらっていない。
こちらから会いに行こうと思っても、どこに行けば会えるのかも分からない。
わからないことだらけだ。

『マスター怒ってるっぽい?』

そう考えると、なんだかむかっ腹が立ってきた。
勝手だ、桂はそう思った。
勝手に呼んできて、なのに、勝手に疑いをかけてきて。

――――勝手に、わたしの前にお母さんを出してきて。

勝手だった。
こっちの事情など、なにも考慮していないように思える。

「……よし!」
『遊ぶ?』
「……帰ろう」

ズコっと、夕立は霊体のままずっこける。
母のことを考えると、母の姿が見たくなった。
こうも勝手に押し付けられることが続くと、せめて、自分の意志で出来る事がしたくなった。
桂はくるりと振り返り、校舎に背を向ける。
そして、歩き出そうとした時、目前に一人の和装の男性が居た。
その男性は柔らかく微笑み、桂へと声をかけてくる。

「……少し、聞きたいんだけど」
『油断しないほうがいいっぽいよ、なんか、この感じ……ちょっと危ない』

和装の男――――衛宮切嗣は桂へと語りかける。
背後からは夕立からの警戒の言葉。
聖杯戦争に参加したマスター、その言葉が桂の脳裏に過る。
駆逐艦といえども索敵機能を持った夕立。
その彼女は、スキルとして載るほどではないにしろ、他のサーヴァントよりも多少は異常な気配に敏感だ。

「ひょっとすると、東京第一小学校の子どもたちは帰ってしまったのかな?」
「え、あ、いえ、その、まだ帰ってないかと……」

チラリ、と背後を見ながら応える。
そこには東京第一高校の校庭に集まる小学生の姿があった。
どのような意図があって、校庭に集まっているのかわからない。
しかし、まだ下校は開始されていないはずだ。

「ありがとう、君も気をつけて……」
「は、はい……ありがとうございます……」

桂は警戒を解かずに、立ち去っていく切嗣を眺める。
敵意は感じなかった、少なくとも、桂には。
夕立が居るであろう背後へと視線を移す。

『さっきの人、なんかいやーな気配。
 大きくなくて、見逃しちゃいそうだけど、こっちを見ちゃってるからわかっちゃうというか……
 暗すぎて夜の中から覗いてるみたいだから、私には逆にわかっちゃう感じ』
「そんな嫌らしい感じはなかったけど……」
『……なんか上手く言えない感じかなぁ。あの人がっていうより、あの人の……うーん、なんて言えばいいんだろう』

夕立が言葉に悩むように唸る。
唸っていたが、ある時、すっとうねりを止めた。
先ほどの警戒の言葉よりも、真剣味を帯びた声色で夕立から桂へと語りかけられる。

『なんか新しく、もう一匹、急に出てきたっぽい。
 今度は、凄く分かりやすい……他のサーヴァントが居たら、気づいちゃうかも、ってぐらい。
 すっごい、『魔っ!』って感じかな?』





午後の授業を休止した上での、急な集団下校。
そんな唐突で予定外の出来事が起こった。
起こったにもかかわらず、桐山和雄は七原秋也を視界に入れずに、七原秋也を殺す方法を考えていた。
集団で集まり、人混みへと逃げられることで今は殺しにくくなった。
NPCへと無闇な被害を与える行動はジョーカーの例を考えるならば避けるべきだ。
とは言え、殺しにくくなったが、ただ、それだけだ。
七原を殺す、それは『方法』の問題ではない。
桐山は七原はマスターだと確信した。
『だから』、殺す。
そう言った今後の『方針』だ。
今は『殺しにくくなった』だけだ。
殺さないでいい理由にはならない。
隙さえあれば、七原を殺す。

「悪魔を一匹、七原に」
『……』

遠く離れた場所に控えたザ・ヒーローへと、桐山は念話で合図を出す。
ザ・ヒーローは何も言わずに『悪魔召喚プログラム』を起動させた。
召喚した悪魔は校舎の屋上に現れた。
『悪魔召喚プログラム』は、あくまであらゆる悪魔召喚の儀式をプログラミングした装置に過ぎない。
そこに魔力の本流はない。
悪魔が現れる場所に邪悪な気配が湧き上がり、あくまでマグネタイトなどの対価は悪魔に直接渡す。
隠密性に長けた宝具でもあるのだ。

「……仕掛けられても放置だ」
『……』

これには目眩ましの意味も持つ。
『そこに超常の存在が居る』という事実を植え付けることで、相手の反応を伺う。
無視をするか、攻撃を仕掛けるか。
どちらにしても、囮だ。
仕掛けきたとしても、本星の主力であるザ・ヒーローが控えている。
いわゆる『後の先』が取りやすくなる。

『……』
「今は、目立つ行動は控える」

事務的な会話を続ける二人。
ザ・ヒーローは悪魔とともに移動を開始する。
悪魔は気配を残したまま街へと隠れ、ザ・ヒーローは桐山との距離を詰めた。

「では、皆さん。一人になることのないよう、また、一人にすることのないよう気をつけて下校を開始してください」

集団での下校が開始する。
と言っても、ニュースを見たのか、何人か保護者とともに帰っていく児童、生徒も見える。
そうでない生徒にしても電車通学の生徒も多い。
完全に最後まで一人にならないということは不可能だろう。

「よろしくお願いします、お兄さん」
「……ああ」

そんな中で、一人の児童が桐山へとペコリと頭を下げた。
松下一郎という児童だ。
帰宅する方向が同じであるために、桐山とともに下校することとなったのだ。
桐山は人を殺すための一手を打った直後とは思えない能面のような顔つきで児童と向き合う。
松下一郎――――悪魔くんのぎょろりとした目と、桐山の無感動な瞳が一瞬交錯した。

「……」
「……」

お互いに何も言わなかった。
お互いに、確信には遠いが、少し気にかかった。
ザインは桐山をじっと見つめた。
ザ・ヒーローは、感情を忘れたように黙し続けた。




「早く帰れると思ったのに、集団下校って……何年ぶりだよ」
「文句言うなよ、アツロウ」

谷川柚子は、木原篤郎と峯岸一哉の会話を聴きながら、呆けるように立っていた。
この二人が何事もないように会話をしているなんて、まるで夢の中のような出来事。
悪魔が居ないというだけで、こうまでも違うのか。
それを気にしている自分が場違いのようだ。

「柚子」
「……」
「柚子っ」
「……えっ、あ、な、なに?」

そんな気持ちを抱いていたからか、柚子は一哉とアツロウを見ながら、話しかけていることに気づいてなかった。
五里霧中、心ここにあらず、といった有り様だ。
一哉は演技がかった仕草で肩をすくめた。
その一哉を見て、柚子は『違う』と反射的に感じた。
目の前の峯岸一哉は、柚子の知る峯岸一哉と少し差異があった。
すなわち、偽物の峯岸一哉。
峯岸一哉以外によって再現された『NPC』なのだろう、そう柚子は思った。
そんなことお構いなしに、一哉は口を開いた。

「言ってやれ、アツロウ」
「あ、お、俺?
 えっと、まあ、ソデコ! 心配すんなって、警察も大きく動いてるらしいぜ?
 Twitter見るだけでも、なんか結構大事になってるみたいだし……逆に、それって安全だろ?
 警官の前で襲ってくるような犯罪者なんかいないって!」

柚子の考える通り、柚子の前に居る峯岸一哉は峯岸一哉ではない。
しかし、それだけでは50点だ。
目の前の峯岸一哉は峯岸一哉ではないが、同時にNPCでもない。
峯岸一哉のサーヴァント、バビル2世の従者、不定形生物『ロデム』が峯岸一哉を演じているだけなのだ。
その事実を柚子は知らず、柚子のサーヴァントであるアサシン――――明智光秀も気づいていない。
柚子は一哉が見せる違和感を、NPC、すなわち本物ではないからこそ生まれるものだと認識した。
気配察知のスキルを持たない光秀はロデムの気配遮断を見破れない。
故に、二人は目の前の存在が敵であることに気づいていなかった。

『マスター』
「……なに?」
『何かが現れた』

そんな中で、光秀が沈黙を破った。
滅多なことで話しかけてこない、生真面目な光秀をおざなりに扱うことはしない。
今から紡がれることは、間違いなく忠告の言葉だからだ。
光秀はそう言ったサーヴァントだ。

『邪悪な気配、ね』

悪魔の気配を、明智光秀は感じ取っていた。
悪魔を連想させる名を聴き、谷川柚子の鼓動は高まった。
東京は未だに、魔に支配されていることを、柚子は今、再認識した。






七原秋也の周囲には複数の主従が居る。
アーチャーのサーヴァント、白露型駆逐艦四番艦『夕立』とそのマスター、羽藤桂。
ランサーのサーヴァント、獣の槍とそのマスター、衛宮切嗣
ライダーのサーヴァント、ザインとそのマスター、悪魔くん。
アサシンのサーヴァント、明智光秀とそのマスター、谷川柚子。
キャスターのサーヴァント、加藤保憲とそのマスター、ふうまの御館。
ザ・ヒーローのサーヴァント、ザ・ヒーローとそのマスター、桐山和雄。

重要な事は二つ。
七原秋也はこのいずれの主従の正体を知らないということ。
七原秋也はこのいずれの主従をも殺す覚悟をしたということ。

定まった出来事は二つ。
ジョーカーの手によって、街中は警察が大勢でパトロールしているということ。
桐山和雄の手によって、一匹の悪魔が現れ、それは英霊ならば感じ取れるものだということ。

七原だけが知っていることは一つ。
中学校の付近にはキャスター、操真晴人の使役する使い魔が周囲を探っていること。

七原が知らないことは一つ。
桐山和雄はすでに自分を殺そうとしているということ。

不確定要素は、無限。
ジョーカーの存在、リエンスの存在、あるいは、ソレ以外のマスターの存在。
ギーグの存在、カオスヒーローの存在、あるいは、ソレ以外のサーヴァントの存在。
ひょっとすると、ルーラーであるシビュラシステムの介在もあり得るかもしれない。

確定された未来は存在しない。
未来は神のみぞ知る世界。

さて、七原秋也の運命は――――


【A-2/新宿・東京第一高校/1日目 昼】

【七原秋也@バトル・ロワイアル(原作小説版)】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]ベレッタM92F
[道具]エレキギター(メーカー指定なし)等
[所持金]少なめ(ただし、施設と中学で暮らしているので生活には困らない)
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を得る。
1.クラスメイト(特に桐山和雄)に対して危機感を覚えている。
2.学校以外の時間は音楽で不満をぶつけていく。
[備考]
※桐山和雄と同じ中学校(少なくともクラスメイトの構成は城岩中学校3年B組と同一)のクラスメイトです。ただし、クラスメイトは全員、東京都民に改変されています。
※夜は施設を抜け出して駅前でストリートミュージシャンとしての小遣い稼ぎする事を目論んでいますが、初日の段階で一銭も入っていません。
※ジョーカー討伐クエストについて把握しているかしていないかは、後続のSSにお任せします。
※東京第一中学校に通っています。

【操真晴人(キャスター)@仮面ライダーウィザード】
[状態]健康
[装備] 『呪文詠う最後の希望(ウィザードライバー)』
[道具]プレーンシュガーのドーナツ
[一時的に召喚している道具]マシンウィンガー
[所持金]少しある?(小遣い程度)
[思考・状況]
基本行動方針:マスターの「最後の希望」になる。
0.七原を彼の住んでいる場所まで連れていく。
1.七原の学校生活には注意を向けておく。
[備考]
※外出している為、まだジョーカー討伐クエストの連絡を受けていません。
※七原の通う中学校に、「使い魔(プラモンスター)」を偵察させておく予定です。
 特に、警戒している桐山和雄の監視は学校外でも欠かさないようにするつもりです。
※ジョーカー討伐クエストについて把握しているかしていないかは、後続のSSにお任せします。

※ザ・ヒーローが召喚した悪魔はサーヴァントもしくは魔術師ならば感じ取れるものです



【桐山和雄@バトルロワイアル(漫画)】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]イングラムM10サブマシンガン
[道具]制服
[所持金]中学生にあるまじき大金
[思考・状況]
基本行動方針:皆殺し
1:放課後辺りに七原秋也を暗殺する。
2:図書館へ行きたい。
3:魔術的知識を得て、悪魔召喚プログラムを完成させる。
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
 情報の精度については、後続の書き手さんにお任せします。
※ジョーカーが起こした爆破事件を知りました。
※東京第一中学校に通っています。

【ザ・ヒーロー(ザ・ヒーロー)@真・女神転生Ⅰ】
[状態]健康
[装備]無銘の剣、イングラムM10サブマシンガン、悪魔召喚プログラム
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:皆殺し
1:どうでも良い
[備考]
※悪魔を召喚しました、どのような悪魔かは後続のSSにお任せします。

【羽藤桂@アカイイト】
[状態]やや精神的に不安定
[令呪]残り3画
[装備]通学用鞄
[道具]なし
[所持金] 数千円
[思考・状況]
基本行動方針:戦わず聖杯戦争から脱出したい……はず
1:勝手に連れて来られて不正参加の疑いってどういうことなの……
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細及びジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
※東京第一高校に通っています。

【夕立@艦隊これくしょん】
[状態] 健康、霊体化中
[装備] なし(装備を実体化させていません)
[道具] なし
[所持金] なし
[思考・状況]
基本行動方針:桂の言うとおりに動く
1:マスターは願いについていろいろ考えてみてもいいっぽい?
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細及びジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
※ザ・ヒーローが召喚した悪魔の気配を感じ取りました。
※索敵能力の関係と、至近距離に接近することで、切嗣に嫌な気配を感じました。


【谷川柚子@デビルサバイバー オーバークロック】
[状態]健康、憂鬱
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]なし
[所持金]不明
[思考・状況]
基本行動方針:方針はない。
1:悪魔……
[備考]
※峯岸一哉がロデムだと気づいていません。
※ジョーカーが起こした爆破事件を知りました。
※ザ・ヒーローが召喚した悪魔の気配を光秀から知らされました。
※東京第一高校に通っています。

【アサシン(復讐ノ牙・明智光秀)@戦国コレクション(アニメ)】
[状態]健康
[装備]銃、日本刀
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:方針はない。
1:行動方針は柚子に任せる。特別な行動を起こすつもりはない。
[備考]
※峯岸一哉がロデムだと気づいていません。
※ジョーカーが起こした爆破事件を知りました。
※ザ・ヒーローが召喚した悪魔の気配を感じ取りました。


【ロデム@バビル2世】
[状態]健康、峯岸一哉に変身
[装備]なし
[道具]なし
[所持金]不明
[思考・状況]
基本行動方針:峯岸一哉とバビル2世に従う。
1:このまま峯岸一哉として振る舞う。
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
 情報の精度については、後続の書き手さんにお任せします。
※ジョーカーが起こした爆破事件を知りました。
※東京第一高校に通っています。

※ザ・ヒーローが召喚した悪魔はサーヴァントもしくは魔術師ならば感じ取れるものです

【松下一郎@悪魔くん 千年王国(全)】
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備] なし
[道具] なし
[所持金] 不明
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を手に入れ、千年王国を完成させる。
1:ザインの宝具である『封印されし半身<セト>』を目覚めさせる。
2:ジョーカーの討伐報酬は魅力的に感じています。
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
※ロウヒーローを聖杯戦争に参加しているマスターと考えています。

※ザ・ヒーローが召喚した悪魔はサーヴァントもしくは魔術師ならば感じ取れるものです

【ライダー(ザイン)@真・女神転生Ⅱ】
[状態] 健康
[装備] テンプルナイトとしての装備
[道具] なし
[所持金] なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を手に入れ、千年王国を完成させる。
1:自身の宝具である『封印されし半身<セト>』を目覚めさせる。
2:今の自分ではジョーカー討伐は難しいと考えています。
3:ロウヒーローに対して、複雑な感情を抱いています。
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
※ロウヒーローを聖杯戦争に参加しているマスターと考えています。

※ザ・ヒーローが召喚した悪魔はサーヴァントもしくは魔術師ならば感じ取れるものです


【衛宮切嗣@Fate/Stay Night】
[状態]ダメージ(極小)、疲労(中)
[装備]獣の槍
[道具]和装
[所持金]ほどほど
[思考・状況]
基本行動方針:確固とした方針を定められていません。
1:ただ、憎しみを唆す想いだけが募る。
2:ラーマを迎えに来た。
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
 情報の精度については、後続の書き手さんにお任せします。
※カーズをサーヴァントと認識しました。
※アマテラスをサーヴァントと認識しました。
※ラーマを迎えに東京第一高校に来ました。
※ジョーカーが起こした爆破事件を知りました。

※ザ・ヒーローが召喚した悪魔はサーヴァントもしくは魔術師ならば感じ取れるものです


【獣の槍@うしおととら】
[状態]なし
[装備]封印の赤織布
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:憎しみ
1:憎しみ。
[備考]
※今は衛宮邸の土蔵の中にあります。


【ふうまの御館@対魔忍アサギ 決戦アリーナ】
[状態]健康
[令呪]残り3画
[装備]忍者刀、苦無
[道具]なし
[所持金]不明
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を手に入れ、『ふうま』を再興し、この暗黒の世界の支配者となる。
1:ジョーカーを討伐し、報酬を手に入れる。
2:このガイア教の裏にいるサーヴァントを調べあげ、宝具・スキルを邪眼で奪い取る。
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
※『ガイア教』という悪魔崇拝の宗教の集団に潜入できます。
※ジョーカーが起こした爆破事件を知りました。
※ザ・ヒーローが召喚した悪魔はサーヴァントもしくは魔術師ならば感じ取れるものです

※邪眼・魔門によってストックしてある能力は催眠術系統の異能です


【キャスター(加藤保憲)@帝都物語】
[状態]健康
[装備]関孫六
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:大和を、『東京』を滅ぼす。
1:加藤の中にあるものは『東京』を滅ぼす、その一念だけである。
[備考]
※ジョーカー討伐クエストの詳細を把握しました。
※ジョーカー&バーサーカー組の情報を把握しました。
※ガイア教の裏に居るサーヴァントが『第六天魔王』の呼称を持つ、もしくは親しい存在であると考えています。
※ジョーカーが起こした爆破事件を知りました。

※ザ・ヒーローが召喚した悪魔はサーヴァントもしくは魔術師ならば感じ取れるものです








017:僕らは■■のなかで 投下順 019:GOSSIP→PERSONA
015:禍々しくも聖なるかな 時系列順 019:GOSSIP→PERSONA

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015:禍々しくも聖なるかな ジョーカー&バーサーカー(ギーグ 024:名前のない怪物(前編)
004:王の試練 リエンス王&ダッジャール(カオスヒーロー
003:夏の十字架 七原秋也&キャスター(操真晴人
007:一人×2 桐山和雄&ザ・ヒーロー(ザ・ヒーロー
016:Who is it that she was summoned? 羽藤桂&アーチャー(夕立
009:誓いの爪痕 松下一郎(悪魔くん)&ライダー(ザイン
012:私の鳥籠の中の私 (ロデム)峯岸一哉&ライダー(バビル2世
012:私の鳥籠の中の私 谷川柚子(ユズ)&アサシン(復讐ノ牙・明智光秀
006:俺たちは闇から光を見ている 衛宮切嗣&ランサー(獣の槍
009:誓いの爪痕 ふうまの御館&キャスター(加藤保憲

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最終更新:2015年10月27日 00:12