真の仲間

今回の炎上で真っ先に問題視された単語「真の仲間」に関する情報、それに関する考察等をまとめてあります。

「真の仲間」とは、以下の会話から発生した単語

ライラ  「ロゼさんを私たちの旅に誘いませんか?」
スレイ  「え、何?突然」
ミクリオ「僕も同意だ。スレイのいい仲間になると思う」
スレイ 「ミクリオまで……」
ミクリオ「ジイジが言ってた、『同じものを見て、聞くことのできる真の仲間』だよ」
スレイ  「真の仲間か……」
エドナ  「良いんじゃない?」
ライラ  「ロゼさんの霊応力はスレイさんと比肩するほどのものです」
    「アリーシャさんの時のように従士の代償でお互い苦しむこともないと思いますわ」
エドナ  「それに人間がスレイだけだと時々面倒なのもわかったし」

まず、『同じものを見て、聞くことのできる真の仲間』という言葉は、
ミクリオの発言からも分かる通り元はジイジの発言であり、以下がその内容である。(物語序盤のイベントで聞くことが可能)

ジイジ 「この地に禍をもたらすだけだ、人間は」
スレイ 「オレも―人間だよ」
ジイジ 「お前はワシらと共に暮らしてきたことで、ワシらの存在を捉え、言葉を交わす力を育んだ」
    「普通の人間には出来ぬことじゃ」
    「この大きな違いがわからぬお前ではないじゃろう」
スレイ 「確かに……あの子(※アリーシャの事)に霊応力はないみたいだった」
ミクリオ「それでもスレイにとって初めて出会った人間だったんです」
ジイジ 「だが、同じものを見聞き出来ねば、共に生きる仲間とは言えん」

以上の内容からミクリオが『真の仲間』の意味を聞いたままを使用していることがわかる。
このミクリオとライラの発言から霊応力の低いアリーシャを切り捨てるようなニュアンスに感じてしまう人もおり、
また出会って間もない霊応力の高い人物を『真の仲間』としてすぐに迎え入れる様から、能力主義と捉える人も少なくない。
テーマである『情熱、共存』がこの一連の展開によって崩れ去っていく。

ちなみにアリーシャ自体の設定では才能は多少あるものの、導師であるスレイの力を借りなければ天族達の姿や声を感知することができない。
しかし、感知できなくとも長年天族の存在を信じており、スレイ同様天異見聞録をよく読んでいた描写もある。
また、物語を進めるとアリーシャはスレイの従士として契約することにより、
導師の力を源に天族の声が聞こえるようになり、憑魔と戦う力を得ることができる。
そして、スレイが導師の力に目覚めていくと、天族と言葉を交わすだけでなく、姿も見えるようになる。
ここまでは『真の仲間』の条件を満たしていた。
そんな途中で、『従士契約の負担によりスレイの右目の視力が失われている』事が発覚し、仲間内の空気が一変する。
そこでアリーシャは、スレイの身を案じて自分から離れる道を選んだ。

上記発言時点においては、アリーシャは既にパーティを離脱している。
この状況から、才能や資質という当人の努力だけではどうしようもないものを口実に、
メンバー全員が共に戦ってきた仲間に対して陰口をたたいているという印象をプレイヤーに与えることになった。
『才能の有無で能力の低い仲間に見切りをつける』、『当人に非がないのに陰口を言っているような発言』は、
テイルズオブシリーズ史上においてゼスティリアが初めてである。

また、天族の言いなりのように特に擁護などせず、流されるままのスレイの腰砕け的な対応も、批判の一要因である。

更に言うとこの発言の場面でのアリーシャは、敵国との関与の疑いがあると捏造され自国の評議会により拘束されており、
導師であるスレイと知り合いであり共謀しているのではと疑われていることもあってかなり危うい立場に立たされている。
スレイは戦争の勝利を条件にアリーシャを開放すると約束されたものの、プレイヤー視点では彼女の安否は全く不明な状況である。

戦争後、スレイはアリーシャの安否の確認もせず発見した遺跡探索をし、更には彼女の祖国と戦争している敵国に出かけるという暴挙を行っている。
下手を打てば彼女の立場を更に危うくする事態であるが、真の仲間ではないからなのかそのことを気にかける描写はほとんどない。
(たまに思い出したように名前を出しては「きっともう大丈夫なんじゃないかな」とかなりいい加減な推測をして話を終える)
アリーシャを助けたいのか助けたくないのか不明瞭なままストーリーは続いていくこととなる。

結論として天族にとって、人間はいかに簡単に切り捨てられる存在であるかを嫌になるほど身に覚えるシーンでもあり、
共存どころか反対方向へ猛ダッシュしている。

ゲーム発売日まで様々な公式絵でもスレイの隣に描かれる、フィギュア化など、宣伝やアニメではヒロイン的な立ち位置にあった彼女だが、
ゲーム内では『仲間ですらない』という酷い仕打ちが待ち受けていたのである。


そして、数日間の月日が流れた


フラゲ情報によりアリーシャとロゼの話を描いた後日談が2月12日から1300円の有料DLCとして配信される事が判明した。
時期から考えると最初から用意されていた以外ありえない早さ。
スレイの物語ではないので切り離したのかもしれないが、有料DLCで分割して出すとなっては設定を悪用した汚い販売方法でしかない。
元々炎上していた各所の怒りがさらに激化し、DLC判明後数時間で公式twitterが一定期間無料になると発表した。
しかし後日談で本編での出来事を修正できる考え自体がどう見ても筋違いであり、やはり炎上は止まらなかった。
むしろ最初から用意されていて、スレイではなく、真の仲間のロゼとの話なので、
アリーシャへの更なる追い討ちではないかという、ユーザーから心配の声も盛り上がった。

そしていざ蓋を開けてみれば多くのユーザーの不安が的中する内容であった。
ロゼは何でもできるすごい(さらに本編よりパワーアップ)、アリーシャが蚊帳の外という流れは健在で
なんと旅の最後にアリーシャが「みんなと仲間になりたい!」と叫んで終わる衝撃のオチ。
ここまで来るとアリーシャをはっきりと仲間じゃない扱いしていて
もはや公式でアリーシャ仲間外れをネタにしてるんじゃないかと逆に笑ってしまう・・・わけがない。
さらにスレイに付けてもらった『笑顔』という意味の真名を、ロゼによって『そぞろ涙目』という意味の真名に書き換えられてしまう。
契約自体はロゼとアリーシャが本当に仲良くなる前だったので仕方ないが、それにしても酷すぎる。
ただし後日談内でのヒロインらしさは間違いなくアリーシャのほうが上であり、むしろロゼはかなり男らしくなっている。
より本編でアリーシャと冒険したかったという気持ちが湧いてきて不満が増す結果となった。
おまけに「伏線張りまくりの描写」「to be continued」を出しておきながら
公式攻略本のインタビューでは「続きを作る予定が無い」という追い討ちがかかる始末。
幾ら胸糞な内容とはいえ、しっかりと完結させすらしなかった事で一層反感を集めている。。
最終更新:2015年06月28日 14:26