Мы никогда не MetalGear

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 やれやれ、この頃は酷い事ばかり起こる。いや、ロケット開発第一人者から兵器製造に携わる秘密設計局OKB局長となった辺りで、既に私の人生は狂っていたか。
殺し合い?……はは、出来る訳がない。気の利いたジョークで嫌味を言ってやりたい所だが、口に出す気力も無い。
バックの中に紙しか入っていない現状では、家族との再会も期待できない。
ここを無事脱出出来たとして、私がもう一度造りたい物を作る幸せな日々は二度と訪れはしないだろう。
身を守るため使える道具が文字が羅列された紙だと知った時には絶望で思わず泣き言が溢れた、

「こ、これで戦う?馬鹿な!メモ帳で戦えるというなら小説家は最強の兵士じゃないか……」

とね。これが、この程度が精一杯の悪態だ。
正直、もう疲れた。


私は人を傷付ける兵器など作りたくはなかった……!純粋に宇宙ロケットを造っていたかったんだ……
だが、こんなプログラム(実験)が作動してしまってはもう、無理だ……
おそらく、私のような者も参加させられている所を見ると
このプログラムは無力な人間が兵士として駆り出された時を想定して組まれたもののようだ。
私の見立て通りなら、ここに送られた全員が死を身近に感じるような拷問を受けているわけではないはず。
今こうして顔を歪めて項垂れている間にも何人死んでいるだろう。
成果を確かめるためか、ボスや死んだ筈のコブラ部隊もいる。敵国への情報漏洩を防ぐため爆死したと聞いたがブラフだったのか?
それとも質の悪いSFのようにエイリアンに連れ去られ蘇生でもしたのか?
どちらにせよ、私はどんな兵器を渡されようと彼等に勝てる気は微塵も起きんがね。

「くそぉ…………!私達は、メタルギア(替えの利く歯車)じゃない…………っ」


何故望まない研究をしなければならない。何が悪かった、私が研究者だからか?それとも宇宙を目指したのが間違いだったのか?アノ存在してはならない兵器を開発出来る技術を所有したのが悪いのか。
 何れも当て嵌まる事はない。仕方が無かったのだ。私と、愛する家族の命は政府に握られていたのだ。





────ソコロフは戴いた。

政府に。



────私の名はファニーバレンタイン、一国の主とだけ言っておこう。

国に。



────お前達に拒否権はない。

権力を振るう個人に。


 私もきっと近い内に、あの哀れな東洋人達の仲間入りをするだろう。頭だけでは戦士にはなれないのだ。
しかしその前にどうしても、奴等に一矢報いたい……!それに、まだ生きている人々の為にこの首輪の解析を進めなくては。
例え私が参加させられている意味が『会場内で首輪を解除出来るのか否か』を確かめるためであったとしても…………!
言われたんだ。まだ間に合うと、あきらめるなと。
ボスは、THE・ボスは言っていた。兵士には絶対敵なんてものは無い。私達は時代の中で、絶えず変化する相対敵と戦っていると……。
なら研究者達にとって、敵とはなんだ?自分の研究をより良く人に提供するには、何を打ち倒せばいいのか。 科学者はいつも利用され、物品の様に扱われる。それも、殺し合いの道具として。
分かっていても、私に出来る事などたかが知れている。
だが、こんな私だって出来るかもしれない。例え小さな反乱だとしても、私の知識に無い技術が使われていたとしても。恐ろしい兵器を産み出した手で、人々を救う手助けが出来るなら────────

「やってみせる、出来る限りの事は…………!」

そうして、私は一歩を踏み出した。
民家から扉の外へ。
そして……目を見開き立ち止まり、息を飲んだ。
もうもうと湯気を出す巨大な釜。お伽噺のような建物が立ち並び、怒りを顕にした月が、風が吹く度砂を溢す天の裂け目から覗いている。
目前に広がる景観が訴えかけてくるのだ。

その試みには限り無く不可能に近い壁がある、と。


突如目の前の無茶苦茶な現実を、無理矢理納得する為の様々な考察が理不尽に怒り狂う群衆のように私の頭に溢れだした。
ロシアの感知しえない間に、ファニー・バレンタインとやらの治める国でコールドスリープの技術が完成したのか?むしろ、ここは地球なのか?
地球でないならこの惑星に来るまで何年かかったというのか?人類が宇宙服無しで生活できる星など聞いたこともないが……。
あるいはバーチャルリアリティーの技術?いや、それこそまだまだ机上の空論、仮想にすぎない…………現代ならば。
そもそも殺し合いという言葉に気をとられて見逃していたが、あの光…………アレは何だったのだ?
暗示による催眠術か何かで、眠っている間に今居た家に連れてこられたと解釈できないこともない。
だがもしかすると瞬間的に人をテレポートさせる技術かもしれない。

考えに共通するのは1つしかない。その考えもSFじみた飛躍している、馬鹿げた事だ。しかしこれだけの装置、月の彫刻を用意するなど短期間で用意できるものじゃない。
私が狂っているのか、それとも────────







「今は、いったい何年(いつ)なんだ…………?」








【カカ族の村/1日目/深夜】
 【ニコライ・ステパノヴィッチ・ソコロフ@METAL GEAR SOLID3】
 [状態]: 健康、怯え・混乱状態
 [装備]:無し
 [道具]:ランダム支給品(1~3)、基本支給品一式、刀の在りかを書いた紙(不明に・不明、不明) 
 [思考・状況]
基本行動方針:首輪を解除して人々を解放する。
1:今は西暦何年なんだ?
2:とにかく情報が欲しい。まず夢かどうかの確認から始めなくてはな。
3:でも人と接触するのは恐ろしい…………


※月に顔が彫られている(少なくともそう見える)事、巨大設備の設営期間、その他を実現する方法の技術的難度から考えて
 何らかの方法で未来にいるのでは?と半信半疑ながら考えています。



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最終更新:2013年05月03日 19:29