【扶桑蒸奇譚・改】蜘蛛の嘆き、夜に満ちて

蜘蛛の嘆き、夜に満ちて 古き夜の悪夢



Story

古き街、南弥(なや)
帝都秋津より西へ遠く離れた先にある、寂れ果てたその街は、ただただ人々から忘れられていくはずだった。
ある夜、蜘蛛が溢れかえるその時までは。
閉ざされた街の中、蒸気の向こうで影が蠢く。
あれは人か? それとも蜘蛛か?
否、どちらであっても同じこと。
刀を、銃を、猟兵を纏い狩人は嗤う。

「どうせお前も、蜘蛛になるんだ」

嗚呼、どこもかしこも蜘蛛ばかりだ。


Regulation

  • 初期作成

World


Handout

貴公、好きに書きたまえよ。

さかぐちPC
「すまない」
あなたの元に、父の字体でそう書かれた手紙が届いたのは、一抹の不安と共にだった。
仕事の都合で家を空けることが多いあなたの父親だが、ここまでの期間帰らないのは初めてだ。……考えてみれば、あなたは父について多くを知らない。どんな仕事をしているか。そして、その名前すらも。
しかし、その温かみを、あなたは誰よりもよく知っている。
届いた手紙の消印は南弥。捜さなくてはと、そう思った時には蒸気列車の最終便に乗り込んでいた。車窓からは、夜の匂いが立ち込めている。


ぶりゅうPC
あなたは"蒼轍の狩人"であった彼女を主人とするドォルだ。…いや、「だった」というのが正しいだろうか。
元はと言えばあなたは「蜘蛛の病」に対処すべく彼女によって創り出された存在だ。時には彼女を助け、また時には彼女に救われ、ともに時間を過ごしてきた。4年前までは。
彼女は、目の前で蜘蛛の群れに姿を消した。守り切れなかった。助けられなかった。残されたのは、彼女と過ごしていた住処、彼女が教えてくれた技術、それと自身の体だけ。
すでに手遅れなのだろうか。だとしても、未だ諦めきれないのはこの機体(からだ)にも幾分かの情を埋め込まれているからなのだろう。幽かであれども可能性があるというのなら、真相を知るまでは動きを止めることはできない。


だんごPC
南弥の街で蜘蛛を狩る。その使命にあなたほど忠実な狩人はそういない。
相方と共に「蜘蛛の病」の断絶を目指し、”対症療法”に取り組むあなたは、慈悲をもって蜘蛛を刈り取る仕事人として名をはせている。同時に、仲間意識を狩人に向ける変わり者とも。
4年前に姿を眩まし、2年前に街に帰ってきてからこの方、どうにも狩人連中へ奇妙な同族意識/慈しみがあるのだ。記憶していない2年間に秘密があるのだろうか。
介錯、哀れみ、約束、赤い月。憶えている限りの悪夢の断片を脳裏に散りばませながら、あなたは今宵も狩り場へ踏み出す。姉の願いを継ぎ、南弥の人々に安寧をもたらすために。


RewriterPC
あなたにはかつて、憧憬と恋慕を向けていた幼馴染がいた。彼女とは時に笑い、時に喧嘩し、毎日を楽しく過ごしていた。「きっと大人になっても、そんな日がいつまでも続く。」そう思っていた。───蜘蛛の病によって彼女を失う、その日までは。

彼女の最後の願いを叶えるために、そして、二度と蜘蛛の病で大事なものを失う人が出ないように、あなたは今宵も夜を歩く。彼女の面影を残した、その妹と共に。


ネギPC
コネクション:「地這の猟犬」千翔(せんしょう) 関係:友情
あなたは友の千翔と揃って蜘蛛の病を発症した狩人だ。自刃も出来ず、異形へ堕ちる身をただひた隠し、誰かに気取られ狩られる日をどうにか半年、一年と先延ばしにしてきた。そうとしか出来ない筈だった。
ある朝、あなたはやけに軽い身体で目を覚ます。口の端引き裂き生えた大顎も、捩じくれ伸びた片腕も、綺麗さっぱり元に戻っていた。残ったものは僅かに二つ。『生きろ』とだけ記された紙片と、額に蠢く異形の眼。これなら或いは隠し逃げ出せたやも知れない。だが。あなたは再び夜へと降りる。友の本意を外れようとも、置いて行ける筈がなかった。

PC

PC「闇夜の祈り手」(PL:さかぐち)
一行設定:父を捜しに来た十字教徒の女学生。匂い立つ闇夜に、それでも朝日を祈り歩を進める。

PC「葬鉄の機従」(PL:ぶりゅう)
一行設定:消えた主を探すドォル。行きつく果てにあるものは希望か、それとも。

PC「魔犬の狩人」(PL:きびだんご)
一行設定:蜘蛛狩りに邁進する狩人。蜘蛛の病と狩人の業の終わりを信じて、闇夜に踏み出す。

PC「」(PL:Rewriter)
一行設定:蜘蛛狩りに邁進する狩人。果たすべきかつての約束を胸に、闇夜に踏み出す。

PC「脚高の典医」(PL:ネギ)
一行設定:蜘蛛の病からひととき立ち戻った医師。友に救われた正気とその身、使い潰すは何が為か。
最終更新:2023年09月11日 21:26
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