東西学園 運動場
さて、取材のネタを探しに来て見た訳だが……。
この学園はスポーツ強豪校だけあって、この時間はそれぞれの部活員が走ったり飛んだり一生懸命にやっている様子で、
こちらから声をかけて呼び止めるのは少々難しそうだ。
宗次「む、これはシャッターチャンスか!?」
近くの部活員へ取材のアプローチをかけるわけでもなく、俺は反射的に手で持っていたカメラをそこへ向けた。
宗次「こっ、これはたまらん! ……まさに絶景かな……」
ファインダーの先に映る情景は、男なら確実に釘付けにされるだろう。テニスをしている少女達の健康的な太ももから
フリフリなスカートを通してちらつく、魅惑の布が!
宗次「これも取材の為だよな、うん」
すかさずシャッターを下ろすが、可能な限り下アングルからの撮影を開始した。
パシャッ パシャッ パシャッ
うーむ、素晴らしい。よく見てみると、スポーツウェアじゃなくて生パンの娘まで居るな。
これはまさにパラダイス!
??「ちょっとそこの殿方! 何を撮っていらっしゃるの?」
ん? 俺と同じような事やってる奴が居るのか。
ファインダー越しの画面からは、その声の主が映らないので気にせず撮影を続けるとしよう。
それにしてもずいぶんと間抜けな奴が居るもんだ。
??「ほら、そこのあなたですわよ! あ・な・た!」
そいつは気がついてないのだろうか、ばれてるなら早く白状するか逃げればいいのにな。
お、もうちょっとだ、もうちょっとめくれ……
ガッ!
宗次「いってー! って、俺かよ!?」
??「その通りですわ。他にわたくし達を撮影している人なんていませんわよ?」
いかん、どうやらあまりにも夢中になりすぎて、俺しか撮影している人がいない状況すら気がつかなかったようだ。
更に、俺を注意してきたドリルヘアーのお嬢様っぽい人の目つきは、明らかに怪訝そうだ。
どうする、どう言い訳して逃れようか? 考えるんだ俺! 去年の成績結果でワースト10に入った俺の脳みそで可能な限りの可能性を!
宗次「あ、い、いや……これも新聞記事の為なんだ。そ、それにテニス部の方々が可愛い人だらけだったので、つい男の性が出てしまった訳で……えっと……」
??「新聞記事の為? ああ、そう言えば廃部にするとかそんな噂を聞きましたわね」
宗次「そうなんだ。で、特集組めそうな部活動を探してたんだ」
??「ふーん。それはいい目の付け所ですわね。今回の件はわたくしを注目していたと言う事で、先生方への報告だけは見逃してあげましょう」
宗次「お、それはラッキー」
??「ただし!」
あ、やっぱ条件あるのね……とんでもない事要求されたらどうしようか。
たとえば、このお嬢様っぽい人の奴隷にされるとか……いや、そう言うのって逆にラッキーか!?
??「このわたくし。百花乱 繚子の試合を徹底的に取材しなさい。それに、今月のインターハイは優勝間違い無しのこのテニス部を取材すれば、
スクープ間違いなしじゃありません事? あなたもこのわたくしと知り合えた事を幸運に思いなさい。
おーっほっほっほ!」
宗次「あ、ああ……とりあえず今日はこれで退散させて貰うわ。じゃあまた明日って事で」
繚子「ええ、カメラのメモリーを大量に用意して来る事ですわ」
とんでもない事に巻き込まれた様な気がするが、とりあえずメモリーを没収されずに撤退成功。
今日はこの画像で楽しませて貰うとして……とりあえずテニス部の取材は明日以降にする事にしよう。
最終更新:2007年04月01日 20:30