その女は、誰よりも背が高く、そしてリボンを沢山、身に着けていた。
「わたし、古関里美(こぜき さとみ)と申します。
仲良くして下さいね」

その女は、誰よりも背が高く、そしてリボンを沢山、身に着けていた。
「わたし、古関里美(こぜき さとみ)と申します。
また同じクラスになりましたね」(PC青キャラの場合?)


「暑い所ですけど、たまに気持ちの良い風が吹く時がありますのよ。
そんな時には目をつぶって、風の精霊を心に思い描くの」
(なんだこのデカ女は?)
巨体に似合わず、夢見がちな性格のようだ…」
(風の精霊?)
「ええ。
珍しい風には、風の精霊がついておりますのよ」


「いい風が、吹いていますね。
暑さを忘れるような、いいえ、暑くても苦にならないような…そんな風が吹いています。
遠くから運んできた緑の匂いがします」
古関は涼やかだ。
巨体を感じさせない……。
リボンが風に揺れている。


「あの……。
わたし、兄弟がいなかったから……ずっと小野君を可愛がっていたんです……。
でも最近、嫌な顔されるようになって…。
もうどうしたらいいか…」
(恥ずかしいだけだよ)
「やっぱり女装させたのがいけなかったのか…」
(距離をおくしか)
「そう……ですね。
それしか……。」

「今日の風は、ヘンですね。」
「きゃっ!あ、ああ……。」
古関は、顔を真っ赤にしている。
「い、いたずらな風が吹いてますね。」

恥ずかしさのため、古関は学校を休みました。
本日は出てきません。

古関は、風にあわせて軽々と巨体を振るって
踊っている。
たくさんのリボンが揺れている。
(よほどの力がないとああは動けないな)
(しぐさはかわいいなあ……)
古関は、恥ずかしそうに笑った。

「隊長は、あんまりわたしを笑わないんですね。
……嬉しいです。」

「……いい風が、吹いていますね。
ずっと抱かれていたいような、そんな風…。
すごく遠くの、すごく大きな、そんな風…。」

「小野君は、マギーって言われているんです。
名前が、真義…マサヨシだから、マギーって。
小学生からの、ニックネームなんです。
病気がちで、鼻づまりで、カエルグッズ
集めるのが好きで……あの……。
いい子なんです。
いじめないでください。」

「あの、小野君は体弱いんで、
無理させないでくださいね。
夜更かしも駄目なんです。
甘いもの好きだけど食べさせすぎると
鼻血出すし、それとあの……
あの、ごめんなさい。
マギーの心配ばかりして。
あなたはあまり、心配がいらない気がして…。」

沢山のリボンを風に揺らせながら踊っている。
古関の動きは軽やかで、巨体をまったく
感じさせない。
(力強い踊りの方が似合うんじゃないか)
「そうですね…。
でもそれだと、みんな、わたしに向いてない事
させそうだから…。」
どうも、本人も似合ってない事は
わかっているらしい。
「……体が大きくて丈夫だからって、心まで
乱暴とは限らないんですよ。
でも人間って、見た目で判断しますよね…。
だから、なんです。
似合わなくても、この格好するのは。
やりたくない事をさせられるよりも、
笑われた方がいいから。
そんな事で言い争いたくないから。
……ごめんなさい。」
(かわいいね)
古関は、急に調子を悪くしたようで、あちこちに
頭をぶつけている。
「……そ、そんな事言われたのは初めてです。
……というか、恥じぃんでやめてください…。
その、ほんとに。」

古関は、いつものようにあなたを見下ろして
微笑んだ後、あなたに近寄った。
というか、近寄りすぎてぶつかった。
(いたっ、あれ痛くない)
…けど、息が出来ない。
顔を上げると、古関が顔を真っ赤にしている。
PC「ご、ごめん……。」
「い、いえ…わたしもその、無防備というか…、
あ、あの距離が近づきすぎましたよね。
アハハハ……。」
(ご、ごめん……)
「い、いえ…わたしもその、無防備というか…、
あ、あの距離が近づきすぎましたよね。
アハハハ……。」

「あ……ああいや……その……。」
古関は、顔を真っ赤にしてあちこちに頭を
ぶつけている。
うわあ、すごいわかりやすさで意識されてる…。

※PC女性限定
「わたし達、親友……だよね。」
(ええ)
「うん。
私、隊長の役に立つように頑張る。」
(……)

古関は、額から血を流しながら何事か
つぶやいている。
(だ、駄目……このままでは頭をぶつけすぎて
死んじゃう…ど、どうしよう…どうすれば…。
そうか……!)
古関の目が光った。(田島がいる場合:"古関の目が田島のように光った。”)
「目をつぶればいいのよ!」
そして盛大にこけた。
あなたに覆いかぶさる。
髪の毛があなたの顔にかかって何も見えない。
(おとなしくしてる)
(口をあわあわさせている。)
「……あ、あの、そ、それは…。
いや、もっとあのそこは……。
……。」
古関は、いそいそと離れるとリボンを直して、
その後、深呼吸した後、きゃーと言いながら
すごい勢いで走っていった。
壁をパンチで突き破っていく。
(暴れる)

その日の夜
古関は、以前あなたが触った所を押さえて
顔を真っ赤にして眠ろうと努力している。
「ね、眠れないよう……。」

古関は、眠そうだ。
そのせいでやっぱり頭をあちこちにぶつけている。
あなたに気づいた。
「わたし、あの、すごい無様ですよね。
ただでさえ似合わない格好してる上に…。
こんなんじゃ…。」
古関は泣きそうだ。
(かわいいと思うけど)
「……わたしをいじめて、楽しんでるでしょ……。」
涙を浮かべて古関は言った。
そして、走り去っていった。
(その前に怪我、怪我)

(こういうのって、ほれた方が負けって言うけど
…きっとわたし、完敗だな……。)
古関は、そう思うと、それでもいいかと思った。

古関の沢山のリボンが風で揺れている。
「……急に、風が吹いてきましたね。
珍しい、風……。
感じませんか?どんな風の精霊なんだろう。
軽やかな、速い、めまぐるしい、踊るように…。
……緑の丘を、広い海を、いろんな世界を、
渡って来た……?」

「……なんだろう……不思議な風…。
この風は……???
隊長は、何で不思議そうな顔を
してるんですか?
……こんな風……わたし知らない…。」

「相変わらず不思議な風が吹いていますね。
なんだろう……。」
(前から気になっていたが、風って?/今、無風だけど)
「……あ、あの。」
古関は、恥ずかしそうにしている。
「人の心には、風が吹いていて、
わたしを揺らすんです……、多分。」

「優しい風もあれば厳しい風もあります。
温かい風も、冷たい風も、上に昇る風も、
海を行く風も、山を渡る風も。
数多くの風の中に、一つ風の王様がいるそうです。
その風の名前は希望。
多分、あなたと同じ名前の存在。」

「希望というものは、人の心に春を呼ぶための、
ただそのためだけのシステム。
それがどこかにあって、それが負けていないと
言うのなら……それは本当に負けていないし、
まだ終わってもいないのでしょう。」

「風の行く先には、希望の故郷があるといいます。
風の厳しい、そこは心の寒いところだとか。
なんでそんな所で、希望が育つのでしょうね。
優しい所から優しい存在が生まれるのは
わかります。
でも…なぜ悲しみと寒い中からそれが
生まれるんでしょう…。」

「……あなたの横顔を見ていたら……。
希望がなぜ生まれるのか、わかりました。
それはきっと、誰かわからないけれど、
きっと神様みたいな存在が、諦めるなと、
そう言いたいからでしょう。
場所が希望を育てるのではなく、何か、
もっと大きな何かによって、希望は
生まれるのでしょう……。
駄目だな……涙出てきちゃった……。
あなたは、どこかに行くのね。
これまでのように、いつものように…。」

「あなたの事を、いつも祈っています。
あなたは強いから、きっと負ける事はないと
思うけど、でも心は、無敵じゃないと
思うから。
だから、祈ります。
あなたの心が、守られるように。
この島を離れるまでもう少しだけど、
頑張ってくださいね。」

数学は、苦手だったんです。
でも、あの時だけは、一生懸命勉強しようと
思いました。

       父島守備隊、生き残りの証言。

…島を離れるその日。
あなたは古関と二人で、
誰よりも早く船に乗り込みました。
(島、見て回らないでよかったの?)
「…隊長と、二人きりになるのと、
島に別れを告げるのと、私がどっちを選んだか、
これでわかるでしょ?」→※
(早くつきすぎたかな)
「いえ。
私としては計算済みです。
今だけは、二人きりです。」→※


(なるほど、それで?/それって……)
「…それだけです。
ただそれだけを、
思い出にしたかったから……。」
古関里美は、港の方を見ました。
貴方も並んで、港を見ます。
二人「……。」
(何か言う/待っている)
「……あの。」
古関里美は少し屈んで、顔を寄せました。
みんなの声が、聞こえてきました。
古関里美が悲しそうな顔をしたので、
貴方は笑って、続きは船の中でと言いました。

古関里美 通常 / 提案 / 派生 / シナリオ

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2010年11月09日 23:04