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「ゆっくりによる裁判」
「ゆっくりいそいでついてきてね」
そんなれいむの声を聞きつけ、声のするほうに向かってみるとそこには数十のゆっくりが集まっていた。
その中にはドスまりさと呼ばれる個体もいたが今はただ目を付しているだけだった。
そこでの話し声を聞くとどうやら、あるゆっくりの裁判を今から執り行うらしい。
「むきゅー。せいしゅくに、せいしゅくに。いまからさいばんをおこなうわ。」
そうして静まり返るゆっくりの群れ。
「これからさいばんをおこなうわ。ひこくのまりさをつれてきてね。」
そうするとあるゆっくりまりさが引き摺られて来る。
「それじゃあはじめるわよ。このまりさのざいじょうをいうわね。
このまりさは、むれにきてまだひがあさかったれいむたちをころしたのよ。
これはじゅうだいなるーるいはんだわ。」
ゆっくりによる同属殺しを告げられると一斉にざわめき始める傍聴ゆっくりたち。
「ゆゆっ!!あのまりさがなかまをころしたの!?」
「まりさはあのまりさがいつかやるともってたんだぜ!!」
「なかまをころすまりさなんてわからないよー。」
「うそよ。まりさはありすにとってもやさしくしてくれたのよ。これはだれかのいんぼうよ。」
「ゆるせないちーんぽ。」
しかしそのざわめきもさっきのぱちゅりーが声を上げる。
どうやらあれが裁判長らしい。
「しずかに!!しずかに!! ごほごほっ。
みんなのはつげんはあとできくわ。
このまりさはもっともしてはならないどうぞくごろしをしたのよ。
むれのおきてではどうぞくごろしをしたばつは、しいがいにないわ。
まりさ、なにかもうしびらきはあるかしら?」
「まりさはわるくないんだぜ。あのれいむはこのまりささまがよくしてやっていたのにいうことをききあなかったんだぜ。
それはばんしにあたいするんだぜ。
それにあのれいむはまりささまのものなんだからどうするのもかってなんだぜ。」
このまりさはどうしようもない下種だったようである。
その自分勝手な物言いに対してまだ擁護をしていたゆっくり達も怒りをあらわにする。
擁護していたおおくのゆっくりはありすのようである。
「なんてひどいまりさなの。まるでとかいてきではないわ。」
「そんなこというまりさなんてしらなかったわ。」
「まりさはありすのことをすきっていってたじゃないいいい。なんでそんなれいむのところにいっちゃったのおおおおおおお・」
「むきゅー、せいしゅくにーー!!まだおわってないわ。
じゃあまりさ。べんごにんがいるならよんでもいいわよ。
でもまりさのbへんごをしてくれるやつなんかいるのかしら。」
「ありす、たすけてくれ。まりさはむじつなんだぜ。べんごしてほしいんだぜ。」
突然振られたありすは吃驚したが、すでに愛想をつかしたありすは冷たい声で言う。
「なかまをへいきでころせるまりさとなんかはなかまでもないわ。
わかったらゆっくりしんでね。」
「ゆっ!! なんでありすはそんなことをいうんだぜ。しょうがいのあいをちかったあいてにそんなこというのはひどいんだぜ。」
「そこまでよ、まりさ。べんごしてくれるのはいないのね。
では、はんけつよ。このまりさはむれのおきてによりしけいだわ。
みんなもそれでいい?!」
「「「「「ゆうううううううううう!!!!!」」」」」
「ゆっくりできないまりさはしね。しね。」
一際大きな声が木霊する。
「はんけつがでたわ。どす、けいのしっこうをしてほしいわ。」
まあ、こんなもんだろと思っていたがあのまりさも救いようがないな。
しかしふとある考えが思い浮かんだためすでに決められた刑の執行を中断させる。
「おいおい、ちょっとまってくれ。」
「ゆ!!! にんげんのおにーさん、どうしたの?!」
「もう少しこのまりさの言い分を聞いてや手もいと思うんだが。」
「でも、べんごするものはだれもいなかったわ。」
「弁護人は僕がしよう、それでいいかな。」
「むきゅーー。いままでけいがきまってからまったはなかたわ。
それなのにじゃまをしようなんてどういうことなの。」
「それは君がさっさと進めてしまうからだろ。僕が弁護しようとおもっちたら勝手に進んじゃうからさ。」
「どす、このわからずやのにんげんにいってやって。」
「ぱちゅりー、でもこのおにーさんがいうこともほんとうだよ。もうすこしまっていたらこんなことにはならなかったはずだよ。」
「むきゅきゅ。わかったわ。どすがそういうならばきいてあげるわよ、にんげんのおにーさん。」
危ない危ない。しかしこのドスが居てくれて助かったな。
まあそれが命取りになるんだけどさ。
いままでわざわざ人間が助けてやるなんて事はしなかっただろうからね。
「じゃあ弁護を開始するよ。
まずまりさに聞くよ。まりさはじぶんがゆっくりできなくなったかられいむをころいたんだね。」
「そーだよ、おにーさん。あのれいむはこのいだいなまりささまのことをないがしろにしたんだからね。」
「そーかい、わかった。それでまりさはれいむを殺してゆっくりできるようになったんだね。」
「そーだよ。あのれいむがいなくなってとってもゆっくりできるようになったんだよ。」
「じゃあ今度はパチュリーに聞くよ。このまりさは死刑らしいけどそれはなんでだ?」
「それはかんたんなことよ。むれのなかまをころしたゆっくりはしけいになるからよ。」
「なんで仲間を殺すと死刑なんだ。」
「そんなやつがいたらみんながゆっくりできないからだわ。」
「ぱちゅりーはみんながゆっくり出来ないから死刑というんだね。」
「そうよ。そんなかんたんなこともわからないの?」
「今ぱちゅりいーは重要なことを言ったんだよ。みんながゆっくり出来ないから死刑だと。で死刑にしてみんながゆっくりするんだというんだろ。」
「それがどうしたのよ。」
「だってそれだったら、ぱちゅりーが言ったことはこのまりさと同じじゃないか。ゆっくり出来ないから殺す。殺したらゆっくり出来ると。
ゆっくり出来ないから殺すというならば、ぱちゅりーも同じ罪じゃないのか?
やっていることは同じなのに群衆を扇動してこのまりさを殺そうとしているじゃないか。
このまりさが何にもやっていなかったとしても、ぱちゅりーがでっち上げればここにたった時点で死は免れはしないな。
もしかしてぱちゅりーはこのまりさのことを恨んでいたりしたんじゃないのかな。」
「ゆゆ!! それはほんとなのかだぜ、ぱちゅりー。」
「そんなことはありえないわ。ぱちゅりーはむれのためをおもってやってるだけよ。」
「そう言っても証拠はないよね。このまりさもちゃんと殺したっていう物的証拠はあったのかい。
たぶん状況証拠だけだよね。だったらぱちゅりーも裁かれなければならないな。」
どう考えても暴論である。
しかし証拠を出すことが出来ないぱちゅりーに対し、傍聴ゆっくり達も声を荒げる。
「ぱちゅりーはそんなひどいことをしていたの!!」
「まりさのれいむもそうやってしけいにしたんだね!!」
「少し待て。たしかにこちらがそういうのも少し無理があるかもしれないがね。
ただこれをするだけでそんな悩みも一気に解決するのさ。」
「おにーさん。それはどんなことなの?」
「簡単なことさ。ゆっくりがゆっくりを裁くなんて事をやめればいいんだ。ゆっくりしたいようにする、ただそれだけさ。
こうなったら誰が悪いなんていわずに当事者どうして話し合えばいい。」
こんな僕の発言にゆっくり一同は首をひねり考え出す。
そうして僕は
選択肢
ニア A「ひゃっはぁ、もうがまんできねぇ。」
B「もう少し様子を見るか。」
Aルート
「みんなまってね。そのおにーさんのいうことをきいちゃだめだよ。」
ドスまりさがゆっくり達の思考をさえぎる。
もうちょい時間があれば自滅したとこであろう。
なにせ「そろーりそろーり。」言いながら動いているやつがいたんだから。
「よく考えるんだ。自由気ままに生きるのはいいことだぞ。何にも縛られないって言うのが本当のゆっくりだ。だから…」
続きの言葉を聞こうとして待っているゆっくり達。
被告のまりさも、もうすぐ自分が助かるんだとアホ面を晒していたがそのアホ面に向かって思いっきり蹴り上げる。
「俺も自由にさせてもらう。」
「ゆべぇ!! お゙に゙ーざん゙どうじでま゙り゙ざを゙げる゙の゙お゙お゙お゙!! ま゙り゙ざを゙だずげでぐれる゙ん゙じゃな゙い゙の゙お゙お゙お゙!!」
「別に助ける気なんか元からなかったさ。少し面白いことになるかと思って遊んでただけだ。」
言い切る前にまりさを踏み潰し、餡片にさせる。
「つーわけで、お前達は俺に殺されても文句が言えないの。文句が言いたかったら俺に勝ってから好きなだけ言え。」
言い終えるとゆっくりの群れに襲い掛かる。
成体になったゆっくりどもは俺を殺せると思っているのか必死に体当たりを仕掛けているがそんな物は屁でもねぇ。
脅威になりえるドスの目に向かってナイフを投擲する。
距離が離れていなかったため寸分たがわず刺さった。
これで脅威も半減だな。眼の見えないやつなんざ恐くもない。そうして死なない程度に痛めつけてやると一箇所に集めてゆっくりの山を築く。
そこにボイスレコーダーを差し込み、その場を後にする。あとはドスまりさが綺麗にしてくれるからな。
お兄さんが帰ってから5分後、ようやく痛みが引いてきたドスまりさの耳に群れの声が聞こえてくる。
「ドズ、だずげでー!!」
「あ゙り゙ずばま゙だじに゙だぐな゙い゙ー!!」
「ペ ニ ス !!!」
「わ゙がら゙な゙い゙よ゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙お゙!!!」
そんな中あの憎きお兄さんの声も聞こえる。
「しかし、ドスもたいしたことがないな。こんなんじゃ殺す価値もないな。
ドスパークぐらい撃たないと迫力すらないぜ。」
「どす、れいむのことはいいからここにはやくどすぱーくをうって。
このままじゃしんでもしにきれないからああああ。」
「このくそじじいをつかまえたんだぜ。はやくどすぱーくを」
「おい、放せ。放さねえと俺が死ぬだろうが。今ドスパークなんか食らったら骨すら残らないだろ。」
「ぞごにいるんだね。ゆっぐりごうがいじでじんでね。」
「ま゙っで、どず。ま゙り゙ざだぢがま゙だ、ごごに゙い゙る゙ん゙だよ゙。ま゙っでね゙え゙え゙え゙。」
「ここにいるまりさたちはながくないからはやくうってね。まりさたちももうもたないよ!!」
そうして溜めた力を解き放つ。ゆっくりで出来た山に向かって。
「むきゅうううううううううううううううううううううううう!!!」
ドスパークを撃ち終えるとあの煩わしかった人間の声が聞こえなくなり、自分達が勝てたことを確信する。
そして群れの仲間に声をかける。
しかしいくら待てども返事が返ってこない。
不安になっていく出すまりさの耳にかすかな声が聞こえた。
「むぎゅうう。ぎこえる、どず? あのにんげんにはがられだのよ。
あのにんげんはとっぐにいなぐなっていだわ。どずがうっだのもむれのながまよ。」
「なんでぞなあごどいうのばぢゅりいいい、うぞだどいっでええええええええええ。」
「ほんどのごどよ、ぱぢゅりーもながくないわ。ごめんね、どず。
あんあにんげんのこどなんがきいだりしではいげなかったんだわ。
もうだめみだい、むぎゅうううぅぅぅぅぅぅぅ。」
そうして最後まで生きていたぱちゅりーも息を引き取る。
ぱちゅりーにしてはよくここまで持ったものだ。
その後眼の見えなくなったドスまりさもついには息絶えてしまう。
またいずれこの地に新たな群れが来るであろう。
そこでまた同じように裁判が行われるだろうがそこに彼の姿もあるだろう。
「ゆっくりがゆっくりを裁くなんてなんて恐れ多いことだろうね」と
Bルート
しばらく様子を見ているといくらかのゆっくりは動き出した。
「そろーりそろーり」なんて口に出してはいるが、まだ考えがまとまらないのか耳に入っていないようである。
そうして一匹のれいむがあるありすの後ろに来たかと思うと思い切り噛み付いた。
「ゆびぃ☆!!」
「れいむのこいびとのまりさをとったありすはゆっくりできないからしね。
しかもれいむにみせつけるようにくるさいていなありすはしね。」
一方的な蹂躙が始まる。
またその声に釣られて様々な恨みつらみが溜まっていたのかゆっくり同志の殺し合いに発展した。
被告のまりさの方をちらっとみると脱兎のごとく逃げ出していた。
しかし逃げ出したまりさに気づいたのか数匹のゆっくりに追いかけられ、そのまま潰されてしまった。
一度視線を戻せばそこは阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。もちろんゆっくりにとってだが。
裁判長の真似事をしていたぱちゅりーも何とか止めようと声を上げているようだが、
あ、餡子吐いて倒れてる。そのぱちゅりーに群がっていくゆっくり達。
よっぽどあのパチュリーが気に食わなかったんだろう。
ドスのほうも自分から裁判に加わらないようにしていたみたいだが、群れの異常事態に色めき立っている。
ドス自体は裁判に加わらないようにしていた理由も、ドスの一言で全てが決まってしまうほどの発言力であったため自重していたんだろう。
ゆっくり達の自主性に任せようとした結果がこれだよ!!!
眺めているとドスがこちらに向かってくる。
敵意はあまり感じなかったため待っているとドスのほうから口を開いた。
「おにーさんはどうしてこんなことをしたの?」
「そんなこと聞いてどうするんだよ。それにこいつらはいいのか? 殺しあってるぞ。」
「よくはないけどさきにおにーさんにはなしをきくよ。
むれのきまりをきめたのはドスだけど、さいばんのほうほうはにんげんのまねをしただけなんだよ。」
「それで?」
ポケットから煙草を取り出し火をつける。
「だったらにんげんだっておなじじゃないの?」
「ああ? 人間に人間が裁く権利があるのかってことか。そんなもん、俺に分かるわけないだろ。
それが決まりだから守る、ただそれだけだよ俺は。
もしそんなこと言ったら笑い者になるだけだな。まだまだ尻の青い餓鬼だなって。
仮に議題になってもこいつらみたいに殺し合いになったりはしないさ。それが本能を抑えて理性で生きるってやつさ。
じゃあ、俺帰るわ。慣れない事して疲れたからな。」
そうしてもと来た道を戻る。
ドスまりさは群れを混乱に導いたこの男が赦せなかった。
しかしここでこの男を殺しても何の解決にならないどころか群れを人間の危険に晒すことになってしまう。
割り切れない気持ちを抱えながら、群れをまとめようと大きな声を上げていく。
果たしてこの群れが再びゆっくり出来るように戻る日は来るのだろうか。
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