アリス×ゆっくり系4 UNIQQLI

「ゆっくりしていってね!!!」
ドンッ
ビリリッ
なんとお気に入りの服が破れてしまった。朝着替えた直後にゆっくりがじゃれついてきて、尻餅をついた結果がこれだよ。
「ゆゆっ!おねえさんころんでる!!おっかしい!!ゆっくりころんでいってね!!!」
「―――黙りなさい」
調子に乗って騒ぐゆっくりを黙らせる。流石に都会派は格が違った。
「あーあ、これじゃまるで霊夢ね」
見事に腋が丸見えだ。一部の奇矯な趣味を持った者ならそれもファッションとして受け入れられるのだろうが、私には無理だ。
都会派でセレブな私的に腋丸出しというのはおへそを出しているのより恥ずかしい事だ。ぶっちゃけ半裸のようなものだ。
しかもこの服は母(のような人)がわざわざ繕ってくれた大事な一品だ。
当然、このような事をしたゆっくりにはしかるべき罰を与えねばならない。
「ねえゆっくり。あなた、無残に破られたお洋服の気持ちが分かるかしら?」
「わからないよ!わからなくてもゆっくりできるよ!!」
「そうよねえ。でもゆっくり。お洋服って、とってもゆっくりしている物なのよ。あなたも、なりたくない?」
「ゆっくりできるの!!?ゆっくりしたい!!まりさもゆっくりしたいよ!!」
「分かったわ。準備するから少し待ってなさい。ふふっ」
我ながら天才的な閃きだ。今まで何百匹もこいつらで遊んできたけど、これは今までに無い発想だ。
早速人形を作る作業場へ向かい、準備をしてゆっくりを呼びつける。
「じゃあ、そこの台でじっとしていて」
「ゆっくりするよ!!」
「上海蓬莱、お願い」
「シャンハーイ」「ホウラーイ」
「ゆゆっ!くすぐったいよ!!」
二人にゆっくりを押さえてもらう。
そして、以前リュウグウノツカイと遊んだ時にヒントを得て新しく作った人形を呼び出す。
「じゃあお願いねカッキー」
「イヤッホーゥ!」
カッキーは上海や蓬莱よりも一回り大きい人形で、可変ギミックを内蔵してある。
その全身には、ドリルが内蔵されている。今回のような作業にはぴったりだ。
「ギィィィガドリルブレイクゥゥゥゥ!!」
「ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!!!」
べちゃべちゃと激しく餡子を撒き散らしながらゆっくりに穴を開けて行くカッキー。
無論、都会派な私は帰り餡など浴びていない。その為の雨合羽です。……可愛くない?雨合羽。
頭まで掘り進んだ所で一旦止めさせる。まりさは激しくもがいているが上海蓬莱の握力は108㌔あるのでほどけない。
「パンツアカイッス!!」
「シャシャシャシャ、シャンハーイ!!!」
「あらあら駄目よカッキー。女の子にそんな事言ったら。上海に謝ってね」
「イ、イヤッホーゥ」
「シャ、シャンハーイ」
「ゆぐっ……どおぢで、ごん゛な゛ごどずる゛の゛お゛ぉ゛ぉ゛……」
「だって、あなたお洋服になりたいんでしょう?だからわざわざそうしてあげてるんじゃない」
「ま゛、ま゛り゛ざお゛よ゛う゛ふぐな゛ん゛がい゛い゛!ゆ゛っぐり゛じだい゛い゛ぃ゛ぃ゛!!」
「お洋服がいい?そうね分かったわ。じゃあカッキー。次お願い」
「イヤッホーゥ!!チョウギンガ!ギガドリルブレイクゥゥゥゥ!!」
「ゆ゛っっっぎい゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!?ぃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛!!!」
次にさっきとは違う方向に穴を掘らせる。結構な量の餡が飛び散っているが、この程度で死なないことは確定的に明らかだ。
貫通した所でまた止めさせる。とりあえずカッキーの出番はここまでだ。
「もういいわ。お疲れ様カッキー。お風呂場で汚れを落としたら休んでいいわ」
「パンツアカイッス!!イヤッホーゥ!!」
「ホホホホ、ホウラーイ!!!」
「まったくしょうがない子ねカッキーは。まだ小さいから仕方ないのかしら」
「ホウライ!ホウラーイ!」
「ふふ、ごめんね蓬莱。後でちゃんと言い聞かせておくから」
「ゆ゛っぐ…ゆ゛っぐい゛…じだい゛よ゛ぉ゛……」
穴を空けられ餡子も減ってペラペラになったゆっくり。その声にも張りが無い。
次は内側の加工をしないと。一応その前に補給をしておいた方がいいかな。
「上海、オレンジジュースをあげて頂戴。蓬莱は貯蔵庫から皮を持ってきて」
「シャンハーイ」「ホウラーイ」
「お゛、お゛ね゛え゛ざん゛……ゆ゛っぐり゛、ざぜでよ゛お゛ぉ゛」
「だから、私はあなたの言う通りにしているだけよ?何がそんなに不満なのかしら」
「ゆ゛っぐり゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛……」
「うふふ、かーわいい」
「シャンハーイ」「ホウラーイ」
「二人ともご苦労様。じゃあゆっくり。オレンジジュースをあげるわね」
「ゆ゛っ!ジュースのみたい!ゆっくりのませてね!!」
途端に元気になるゆっくり。先程までのは大袈裟に痛がっていただけなのだ。
こいつらは人形程の知恵すら無い癖にそういった媚の売り方だけは心得ている。それは私が一番知っている。
「はいどうぞ」
「ゆぶっ!っぶは!もっとゆっくりのませてねぇっほ!!ぶほっ!おえっほ!!」
「あらあらそんなに慌てて飲んじゃって、元気がいいのねえ。何か良い事でもあったのかしら」
1リットルほど口に流し込む。これで次の処置にも耐えられるだろう。
死なれてしまっては、元も子も無いのだから。
「じゃあ蓬莱、上海と一緒に皮を中へ入れて」
「シャンハーイ」「ホウラーイ」
「ゆ!それはなあに!?なんなのおねえさん!!!」
「それはゆっくりまりさの皮よ。あなたのお母さんだったかしら。一緒になれて良かったわね」
「お゛、お゛があざん!!?お゛があ゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!」
「そんなに喜んで貰えて嬉しいわ。わざわざ保管しておいた甲斐があるというものね」
言いながら、ゆっくり同士の皮を縫い合わせて行く。丁寧にやらないと癒着しないので非常に難しい。
多分こんな事が出来るのは私くらいのものだろう。それとも永遠亭の薬師ならできるのだろうか。
「ゆぐぐぐぐぐぐ!!や゛め゛で!!はや゛ぐや゛め゛でね゛!!ゆ゛っぐり゛ざぜでよ゛!!!」
そんな声に構っている余裕は無い。もし癒着しなかったら全てがパアだ。そうなったらなったで、別のおしおきをするだけだが。
三十分も経っただろうか。とりあえず縫合は終えた。ゆっくりはもう体力が残っていないようでぐったりしている。
まあ、ジュースにでも浸しておけばいいだろう。随分と疲れたし、とりあえず仮眠をとることにする。
「二人ともお疲れ様。そこの皿にジュースを注いでそいつも入れておいて。逃げられないように糸で固定するから」
「シャンハーイ」「ホウラーイ」
「…………」
喋る気力も無いのか。まあいいや。疲れたのは私も同じだ。
これで相手が魔理沙ならもう少し素敵な展開も想像できるのだけれど。

仮眠を終えて作業室に向かう。見ればもう傷口が塞がっている。広げてみると、きちんと服の体裁をなしていた。
流石私。手術はとりあえず成功ね。後は細かい作業だけだ。
眠っているゆっくりを皿から取り出して台に置く。そして細かい成型を済ませ、棒で中身を均一にすれば完成。
ゆっくりまりさウェアである。眠っている間に試着してしまおう。

寝室に入ったアリスはゆっくりをそっとハンガーにかける。そして服を脱ぐ。いわゆる脱衣。
まず胸元のリボンを外してケープを脱ぎベッドに置く。次にボタンを上から順に丁寧に外して行き、両袖の紐を緩める。
そして腰のベルトを外してから上着を脱いでゆっくりの隣のハンガーに。
次に下に着ている薄手のシャツを頭から脱いで、その白くて滑らかな美しい肌を外気に晒す。
そして背中に手を回してブラジャーのホックを外し、右手左手の順で手を抜く。
女神の彫像すらも霞んで見える程美しい上半身を(見る者も居ないが)惜しげも無く晒し、ハンガーにかけられたゆっくりへと近付く。
一歩歩く度に、上半身の前側にある程よい大きさの二つの丘が地震を起こすのだが、この部屋には誰も居ないので被災者0である。
そしてかの幻想郷の守り手に勝るとも劣らない輝きを誇る腋を存分に(相手は居ないが)見せつけ、ゆっくりをハンガーから降ろす。
この世界全ての美術品にも勝る白き曲線は、饅頭色の餡子衣服によって再び包み隠される事となった。

「ゆっくり。ほら起きなさいゆっくり」
「ゆぅ?…ゆっ!ここはどこ!?どこなの!?」
「ここは私の家よゆっくり。忘れた訳じゃないでしょう?」
「だれもいない!おねえさんもいないよ!!ゆっくりできる!!ゆっくりしていってね!!!」
「ちょっと……あんた聞こえてないの?私ならここにいるじゃない」
「ゆっくりー!ゆっくりー!まわってくー!!ゆっくりできるのってたのしい!!!」
どういう事…?このゆっくり、本当に私の声が聞こえてないのかしら。
まさかこいつ、着た人間を認識できないようになってるの!?……試してみる価値はあるわね。
「ゆ!はやいはやい!!まりさはやいよ!!ゆっくりいちのはやさではしれるよ!!」
やっぱり…!こいつ、明らかにゆっくりを越えたスピードに何も疑問を抱いていない。
これは新しい発見だわ。ちゃんと記録しておかないと。それにしてもちょっと汗かいちゃったわね。
久しぶりに激しく動いたし、今日は暑いからなぁ。
「ゆ゛ぅっ!かゆい!かゆいよおぉ!!ゆっくりできないよ!!」
突然ゆっくりがもがきだした。勿論、どこぞの平面蛙の様な事にはならないが。どうしたというのだろう。
「かゆいかゆい!!かゆいいいいいいいいいいいい!!だれかゆっくりたすけてね!!!」
「ひょっとして、汗……!まさか塩分に?」
もしやと思い、キッチンへ行き塩の入ったビンを取り出す。
まさか饅頭だからってこんな馬鹿げた性質なんて……
「えいっ」
「~~~~~~~!!!がゆ゛い゛よ゛お゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!ゆ゛っぐり゛、でぎな゛い゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」
馬鹿げた性質だった。
これも大発見だわ。まさかゆっくりが塩分に弱いなんて……ゾクゾクする事実だ。
つまりこいつを着て、運動するだけでこんなに可愛らしく鳴いてくれるって訳ね!?
何て素敵!やっぱり貴方達は最高の玩具だわ、ゆっくり!!

それからしばらくの間、アリス・マーガトロイドはスポーツウーマンになった。
おかげで魔法使い共通の弱点である体力の無さも克服され、しかも彼女自身嗜虐の悦びだけでなく運動の楽しさにも目覚めたという。
美容と健康に良いだけでなく、ストレスも発散できて大変良い事である。
この日、都会派にして七色の魔法使いは肉体派にして七色の格闘魔法使いへとクラスチェンジした。

MUSCLE END

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最終更新:2008年09月14日 10:52
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