射命丸×ゆっくり系1 カラス

原作キャラ登場嫌いな人は回れ右


―――――
「ゆっゆっゆ~♪」

お母さんれいむとお父さんまりさに連れられ4匹の可愛い子ゆっくり達が川岸の道ををリズミカルに跳ねている
長く降り続いた雨もようやく上がり空は雲ひとつない快晴である
「さあついたよ!みんなできょうりょくしてごはんあつめてね!」
「ゆ~!」
 木の実や虫も豊富なこの時期に食糧を集めにきたのは、先日の長雨で食糧庫にため込んでいたストックがだいぶ減ってしまったからだ
だがしばらく巣に籠城していても数日くらいは持つ分量はある、食糧は有り過ぎても困るものではないし不測の事態に備え
晴れている内に集めておくことにした。
「ばったさんまって~♪ゆ?なにこれ?きれいないし~!」
「ゆ~!おひさまぽかぽか~!」
「ちょれ~!くらえ~!」
「きゅ~ちゅべた~い!」
 ゴハンを集めるに用に言われた物の長い間巣の中にいた退屈さから解放されたので、すぐに4匹の子ゆっくり達は
虫を追っかけたり、姉妹で小川に飛び込んじゃれ合い始めた
「しかたないわね。あかちゃんたちはふふ...」
「ゆ、このこたちもがまんしてたんだよ!きょうくらいゆっくりさせてあげようね!」
「うん!かわいいこたちのぶんもがんばってごはんとってきてあげようね!」
「まりちゃ~あっちいってみよ~!」
「あんまりとおくいっちゃだめだよ!こわいにんげんさんやどうぶつさんがいるかもしれないからね!」
「「は~い!」」

 親ゆっくりのエサ探しも特に障害もなく順調に進んだ。
予定より早く集め終わりそうなので、巣にいる間こどもが居て二人っきりになれなかった分久々に二匹で『ゆっくり』したのは別の話である
日も高く昇り、正午を知らせる鐘楼の鐘の音が里の方角から響く頃には親ゆっくり達は目的の半分位の餌を集め終わっていた
「そろそろおひるごはんにしよう!まりさはこどもたちをよぼうね!」
「もうちょっとれいむとゆっくりしたいよ」
「えっち!そんなこというとこんどゆっくりしてあげないよ!」
 膨れてプンプンしてるがまんざらでもなそうなれいむ。
ほんと御馳走様である
「あ!おかーーさん!」
 一匹の子れいむが親の元へ走ってきた
親を探してアチコチ走っていたらしく息を切らしているが、目を宝石にのように輝かせて親を見ている
「どうしたの?そろそろおひるごはんにするからみんなよんでてきてね!」
「おかーさんきてきて!れいみゅたちしゅごいものをみちゅけたよ!おかーしゃんもおとーしょんもよろこぶよ!」
子ゆっくりにせかされて親ゆっくりが河原の堤防を越えて人里へと続く寂れた街道の方へ向かうと3匹の子れいむ達が
大きな木の下に集まってのが見えた
「あ~!おか~しゃんだ~!」
「おと~しゃんも~!」
「きてきて~!まりちゃたちがみつけたんだよ!」
 親れいむ達が子ゆっくりの居る木を見上げると、そこには枝もたれ下がる位ずっしりと身をつけ
真昼の太陽の光を取り込んだかのように黄色く熟した大橘がたわわに成っていた
「ゆ!これはたべられるきのみだよ!たべるととってもあまくておいしいよ!」
「よくみつけたね!みんなえらいよ!」
「ちょうぜんだよ!まりちゃをゆっきゅりほめてね!」
「ちゃきにみつけのたはれいみゅ~!」
「けんかしちゃだめだよ!これをおひるごはんにしようね!」
「でもれいみゅたかくてとれないよ…。」
「だいじょうぶ!おとうさんにまかせてね!」
 まりさは手頃な低木の枝を咥えるとそれを引っ張ってしならせ、枝が張りつめた所でそして加速をつけてジャンプする
するとまりさの身体が宙を舞い大橘の太い枝の上に見事着地した
「ゆっ!」
「おとーしゃんちゅごーい!」
「おとーしゃんかっこいー!」
「いまからきのみをおとすからゆっくりはなれてね!」
 まりさが枝の上で跳ねると数個の実がたっぷりの果実がゴトリと音を立てて落ちる
「わーい!ごはんごはん!」
 子れいむ達がワラワラと大橘に群がる。しかし
バサッ バサッ!
「ゆーっ!」
突然子供を吹き飛ばして黒い影が舞い降りた。
「クァーッ」
「ゆ!カラスさんだよ!」
 カラスはまりさが果実を落とす所を見てたらしく、それを横取りする腹積もりだったのである
嘴を大橘の皮に立てると中身をひっぱり出してそれを食べ始めた
「それはれいむたちのゴハンだよ!ゆっくりはなれてね!」
しかし、カラスはゆっくりの方向を一瞥するとまた何事もなかったように果実をついばみ始めた
「ゆー!それはれいみゅたちのー!」
しびれを切らした子れいむがカラスに向かって突進する。しかし、カラスはそれを軽く飛んでよけると
見事に子れいむは転倒した
「ゆぎゅ!」
食事を邪魔されたカラスは不機嫌なのか一声唸ると、子れいむに向かって嘴でついばみ始めた
「ゆ゛っ!いちゃい!いちゃい!」
「やめてぇー!れいむのあかちゃんー!」
れいむが子供を助けようと飛びかかるがカラスは子れいむを咥えてからかうかの様に、フワリフワリと
飛んでさける
「おかーしゃーん!こわいよー!たちゅけてー!」
「おねがいー!れいむのあかちゃんかえしてーーー!」
カラスはれいむ達の家族の届かない枝に飛び乗ると赤ちゃんを咥えた頭を上げ、クエックェッと高笑いの様な
鳴き声を上げた、その時だ...!
カラスの上から黒い弾丸が疾風の様に圧し掛かりカラスともども地面に勢いよく落ちてゆく
ドサッ!
地面に叩きつけられたカラスの上にお父さんまりさが乗っていた。
まりさが飛び降りるとカラスは羽をバタつかせて慌てて逃げさっていった
「まりさ!あかちゃんは!?」
「だいじょうぶまりさがちゃんとたすけたよ!」
すると帽子の上から子れいむが姿を出した
「ゆぅーーん!おかーしゃんこわかったよー!」
「あかちゃんがぶじでよかった!まりさありがとう!」
「おとーしゃんありがとう!」
「おとーしゃんかっこいい!」


 お父さんまりさの活躍で救われた子れいむは身体に多少穴があくと言う被害以外は致命的な傷もなく
薬草を傷口に当てて治療をすました。
その日のお昼はお父さんまりさの活躍を肴においしい大橘をみんなで分け合ってすました。
残った大橘は巣に持ち帰ることにした。これだけの量があれば当初の予定より食糧のストックにも
大きな余裕ができると言う事で親ゆっくり達も満足しながら帰ることにした
家族は葉っぱで作った急ごしらえの風呂敷を頭に載せて個の橘を転がしながら道を進む
帰途の中ほどまで来ると湿った生暖かい風が吹き始めた
「ゆゆ?かぜがふいてきたね。あめがふるかもしれないからいそいでかえろうね!」
「おもいよー!ゆっきゅりいこー!」
「だめだよ!おおあめがふったらおうちでゆっくりできないよ!」
ぐずるこどもをせかして進行を急がせる。だが風は数分もたたぬうちに強くなっていき
晴れた夏の日にそぐわぬ強い風となった
「なんでかぜがつよいのーー?こんなのしらないよー!」
「れいむはうしろについてきて!まりさがまえをすすむよ!あかちゃんもゆっくりついてきてね!」
まりさが風除けになり必死に前進もうとするが、強風はもはや突風となり進むことすらままならなくなった
それだけではないこの突風をまともに浴びれば子ゆっくりは間違いなく吹き飛ばされる
「ゆゆゆー!とんでちゃっうよー!」
「あかちゃんはおとーさんとおかーさんにつかまって!」
子ゆっくり達はそれぞれ両親の髪に必死に捕まるが、風に翻弄されやがて浮き上がり始めた
両親は下ろしたくとも地面にしがみつくだけで精いっぱいだ
「もうおくちがちゅかれるよーー!ゆっ!ゆーーーー!」
一匹の子れいむが耐えきれず吹き飛ばされた。だが次の瞬間風が突然ピタりと止んでまた元の静かな空気の流れに戻った
「れ...れいむのあかちゃんは!?れいむのあかちゃんはどこなのー!?」
「おねーちゃん?おねーちゃんどこにゃのー?」
「お探しの子はこの子ですか?」
突然ゆっくり一家の正面に団扇もった、白いシャツと黒いミニスカートの装いの、一本歯のゲタを履いた少女が立っていた
その手にさっき飛ばされた子れいむが握られていた
「おねーさんだれ?そのこはれいむのあかちゃんだよ!」
「まま、そう怒らずに。私妖怪の山で新聞記者をしています烏天狗の射命丸 文と申します。どうかお見知り置きを」
天狗と言う言葉を聞いてれいむは凍りついた。いつかゆっくりパチュリーから聞いた話では天狗と言うのは
とっても強い妖怪と聞かされていたからだ
「だからなんなの?まりさはいそいでいるんだよ!ゆっくりできないひとはあかちゃんをおいてかえってね!」
まりさはそう言う事もつゆ知らず子れいむを握って弄んでいる天狗に非難の声を上げる
「おやおや手厳しいですね。実は貴方達にお話があるので少しばかりお時間を頂けないでしょうか?」
「ゆ!さっさとしてね!」
苛立って声を荒げているゆっくりの態度にも笑顔を崩さず対応する文。
笑っている物のそれは作り物でありその真意はつかめない
「え~実は先ほど貴方様がたが、私の部下になんでも暴力行為を働いたと聞いているのですが?」
「だれ?そんなひとしらないよ?まりさはらんぼうなことはきらいだよ!」
「あ、すいません語弊がありましたね。人ではありません文々丸という私のアシスタント兼使い走りの烏の事です」
「もしかしてれいむのあかちゃんをいじめたカラスさんだね!」
「れいみゅたちのごはんをよこどりしようとしたわるいとりさんだよ!」
「アラアラ...うちの下の者がそんな無礼を働いていたんですか。
 ですがあなた達は文々丸に大けがを負わせてしまったですよ。これは過剰防衛と言うやつです
 こちらにも非もありますが、貴方様もやりすぎということで痛み訳ってことしてくれませんかね?」
 天狗は社会性の強い妖怪である、彼らは強い縦横の組織関係を妖怪の山で築いており
一人でも末端の者が問題を起こせばそれは組織全体の問題となる。
その為体面と言うものを天狗は非常に気にする。
例えどんな些細な事でもだ
「おねーさんばかなの?なかまがわるいことしたらあやまるのはとうぜんだよ!」
「ちょうだちょうだ!」
「はぁ…そうですか、出来るなら穏便に済ませたいのですが交渉の余地は無しというわけですか…」
「はなしあいのじかんはおわったよ!こどもをかえしてあやまってね!」
「ちてね!」
「そう…不肖の部下の尻ぬぐいでお前らの様な下等な饅頭に頭を下げたなんて物笑いの種になるのは我慢ならないから…
と言う訳で貴方らには消えてもらう事にするわ」

そう言うや先ほどまでの文の作り笑いは消え、まるでゴミを見るかの様に目つきでゆっくりを見下ろす
団扇をもった手を上げるとそのまま軽く仰ぐように降った
ヒュンッ!
一陣の突風が吹き抜ける
「ゆゆ!なんなの?まりさはそんなのじゃおどろかないよ!」
すると、まりさの体に斜めに一文字の線が走るとそれにそって身体がズルりと横滑りしながら分たれた
切断面はまるで鋭利な刃物で切ったかのごとく綺麗に平面となっている
「ゆ?ゆ?ゆゆゆゆゆう?」
まりさの視界が徐々にズレてゆき痛覚だけを残して感覚が失われてゆく
「い"…い"た"い"よ"おぉーーー!か"ら"た"か"は"な"れ"ち"ゃ"った"よ"ぉぉぉ」
「まりさ!しっかりしてれいむがいまなおすよ!」
れいむは必死にまりさの身体を支えて元にくっつけようとするが、綺麗に切断された為皮と餡の接着が
うまくいかずズルズルと離れてゆき真っ二つになる
「えぎ...ぎゃ...く」
別れたまりさの頭部は口を不揃いに不気味にパクパクを動かすと目を見開いて事切れた
「ま"り"さ"あ"あ"あ"ぁぁぁ!な"ん"て"こ"んな"こ"と"す"る"の"ぉぉーーーー!」
「なんでって?こっちが下手に出て貴方達に譲歩してあげたのに聞かないからでしょ?」
「あ"あ"あ"あ"あ"!」
掠れた呻き声の様の何かを上げて呆然と立ちつくすれいむ。
「おとーぢゃんをかえちぇーー!」
文の手に握られていた子れいむが指を渾身の力で噛みつく
その姿に勇気づけられたのか無謀にも他の子ゆっくり達も飛びかかる
「わりゅいてんぐなんかちねーーー!」
しかし子ゆっくり達の攻撃など蚊に刺されたほども感じない。
文は手の子ゆっくりを投げ捨てると今度は団扇を下から上と仰ぐ
すると、周辺の空気が一カ所に集められつむじ風が出現した
「力も無い癖に」
「ゆ!?」
「ちゅいこまれるーーー!」
吸い込まれた子ゆっくり達は空気の渦になすすべもなく翻弄され
巻き上げられた木の枝や小石石に身を削られてゆく
「いびゃい!おかーぢゃんたぢゅけッ!」
「まりちゃのからだがぁあーーー!」
「ち"に"た"く"な"い"ーーーー!」
渦の中心に吸い込まれた子ゆっくりは中心部の風圧で身体を押しつぶされ餡子周囲にをまき散らし絶命した
子供の叫び声にもれいむは目を見開いたまま恐怖で固まったまま動く事が出来なかった
見捨てて逃げ出さないだけマシとは言えるかもしれないが
「私も鬼じゃありませんから、先ほどの話を飲んで頂ければ前言を撤回して貴方の命を奪ったりしませんよ?
 それと今度から烏には手を出さないようにお仲間に伝えて貰えませんかね…って聞こえてないか?」
もはやれいむの心は目の前で立て続けに起きた事態を認識するのを放棄していた
口から涎を垂らし何かを呟きながらかつての伴侶だったものを虚ろな目で眺めている



教訓:黒服を着た怖い人とはかかわっちゃいけません


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最終更新:2011年07月29日 18:17
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