ゆっくりいじめ系1019 ゆ狩りー1

(異変)
それは突然やって来た。何の前触れもなく。唐突に。

それは人間の様な姿をした生物だった。ただし、頭だけ。遠目に見た姿は正に人間の生首の様。
体は非常に柔らかな作りになっており、その弾力を利用して「ぽよん、ぽよん」と跳ねながら移動する。
更に彼女達(一見、少女の様な顔をしているので、人々はそう判断した)は人語を話す事ができた。
仲間内での意思疎通に言語を用い、また、近づく人々にはこう話しかけた。

「ゆっくりしていってね!!!」

この珍妙な新生物に学者達は『ゆっくり』という名前をつけ、自分達の新たな研究対象にした。
しかしそれは知的探求に熱心な一部の人間にのみ止まり、一般の人は彼女達に気をとめる事など無かった。
当然である。『ゆっくり』達は人里離れた森や山の中に住み、人間と接触を持つ事など無かった。

初めのうちこそ彼女達に注目し熱心に報道していたTVも、一週間もすれば元通り。
日々流れるニュースの内容は、政治、経済、戦争、災害、etc・・・
すぐにゆっくりに対する関心は失われた。そのうち忘れ去られ、存在そのものも消えてしまう筈だった。
かつて幻想の彼方へ追いやられた、妖怪、妖精、神などと同じ様に。しかし・・・


十数年後、彼女達はまた人々の耳目を集める事となる。
新世界の環境に順応し、驚異的な速度で繁殖を繰り返した結果、遂に生息域が人間の生活圏と接したのだ。
ここに来て人々はある決断を迫られる事となった。

新生物『ゆっくり』の増殖に対しどの様な対応を取るのか?

すでにゆっくり達の一部は人間の住む町の中にまで入っていた。
彼女達には人間に対する害意は無く、寧ろ積極的に友好関係を築こうとすらしている様だった。

「ゆっくりしていってね!!!」
「まりさがおうたをうたうよ!いっしょにゆっくりしようね!」
「れいむのかわいいあかちゃんをみせてあげる!だからゆっくりさせてね!」

だが人々は一様にゆっくり達を敬遠する。原因は彼女達のその姿にあった。
人間の生首の様な体、何とも表現しがたいあの笑顔、そして耳障りな「ゆっくりしていってね!!!」の声。
ほとんど本能的に溢れてくるゆっくりに対する嫌悪感。そして日々増殖を続けるゆっくりへの恐怖。
人々のゆっくりに対する感情は自然と一つになっていた。

ゆっくりとの共存は可能か?
否!断じて否!

人間はゆっくりと敵対する事に決めた。目標は彼女達の完全なる駆除。
その繁殖力は万物の霊長たる人類を脅かすものだと認めたのだ。人々は早速行動に移るが一つ重大な問題が発生した。

ゆっくりの数が減らない。

人語を解するとはいってもゆっくりの知能は高いとはいえず、運動能力もとても低い。彼女達を殺すのはとても簡単。
一年もすればゆっくりは全滅すると思われていたが、二年経ち、三年経っても彼女達は一向に減らなかった。
元からゆっくりの驚異的な繁殖力は知られていたが、それにしてもおかしい。
殺しても殺しても、数が全く減らないのだ。一つの地域で全滅が確認されても、しばらくすると元通り。
まるでどこか別の世界から流れ続けてきている様に・・・

人間とゆっくりとの生存領域の奪い合いはまったくの膠着状態に陥った。
人間がゆっくりを駆除し、テリトリーを広げる。しかし、しばらくするとどこからともなくゆっくりがやって来る。
すべては元通り。現状維持。しかも不思議な事に、駆除の手を緩めてもゆっくりの領域が今以上に広がる事は無い。
まるで何か超常の者の意志であるかの様に・・・

事態がここまで至って、人間達の指導者の集まりである政府は、もっとも彼等らしいある一つの決断を下した。

すべての問題を先送りする。

特に対策を取らなくても現状の維持が続くのであれば、積極的に行動に移る必要は無い。
今はまだよく解っていないゆっくりの生態を研究するに留め、事態の解決は次世代に託す。
有効な解決策が出るまでは、ゆっくりの駆除は補助金を出す事によって民間に任せる事にした。
それによってレジャーとしてのゆっくり狩りが始まる事となった。


(ゆっくり狩り)
「おい、奴等が来たぞ。マイクの調子は?ちゃんと音を拾ってるか?」
「問題無い。ばっちり聞こえてるぜ。今、そっちにも回す。」
「先輩、狩りをするのにライフルは解るんですが、なんでマイクが必要なんです?」
「ん?そりゃーお前、悲鳴を聞く為さ。奴等の断末魔こそがこの狩りの魅力だ。」
「そうそう。他の動物じゃこうはいかねぇ。何といってもゆっくりは人の言葉を話すからな。
 それを聞く為にわざわざ奴等が来そうな所にマイクを設置して、気付かれぬ様遠くから狙撃すんだよ。」
「ま、やってみりゃ解るさ。ハマるぜ。ヘッドフォン着けて黙って見てな。」

男達が隠れている狙撃ポイントから少し離れた丘の上。二匹のゆっくりがゆっくりとやって来る。
丘の上に設置された隠しマイクがゆっくりの声を鮮明に捉える。

「ゆー。あったかいね!ぽかぽかだよ!ここならふたりでゆっくりできるね!」
「うん!」

仲の良さそうなまりさとれいむ。二匹はうっとりとした表情で体をすりすりと重ね合わせる。そして・・・

「ねえれいむ。だいじなおはなしがあるの。こっちをむいて。」
「うん。」
「あのね、れいむ。」
「ゆ~?」
「まりさはね、まりさはれいむのことが・・・ずっとまえから・・・」
「ゆ・・・」
「れいむ!まりさといっしょにくらそ「パアン!」」

まりさがれいむにプロポーズをしようとしたその瞬間、男の放った銃弾がまりさの体に命中。
その特殊な弾丸は、まりさの体内に入ると爆発を起こし、まりさの体を爆散させる。
目の前で起こった事態が飲み込めないれいむ。顔中に餡子を浴び目を見開いて呆然としている。
やがて空中に舞ったまりさの帽子が、少し前までまりさだった物の上、餡子と皮の残骸の上に落ちた時、
やっと恋人の死を理解して叫び声を上げた。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!」
「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!と゛う゛し゛て゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!!」

突然の大きな音、そしてれいむの絶叫に、何事かと近寄って来る丘の麓にいた赤ゆっくり達。
うまれたばかりのれいむの妹達にも、無慈悲な銃弾が次々と襲いかかる。

「おねえちゃーん。どうしたの?」
「なんでにゃいてるの?いっしょにゆっきゅりしようにぇ!」
「ゆっきゅりしていっちぇにぇ!」

「パアン!」 「パアン!」 「パアン!」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!」
「ちびちゃんたち!へんじをして!へんじをして!」
「なんで!なんで!ゆっくりしてただけなのに!どうしてこんなことになるの!!!」

「すごい・・・すごいッス、先輩!俺・・・」
「あはは、ハマったか?これこれ、これが堪らねえんだよ。他の動物じゃこうはいかねえよな。」
「そうそう。俺達がハマってる理由が解ったろ。だけど気をつけろよ。銃を使う狩りは金がかかる。
 弾が結構高いんだよ。無駄弾撃ち過ぎるとえらい事になる。ハマりすぎて借金作った奴もいるらしいからな。」
「あの・・・次、俺にも殺らせてくれませんか?」
「おお、いいぜ。丁度いい具合にもう一匹来たな。大きさから見て母親かもしれんな。」
「タイミングを良く見ろよ。奴等の会話の途中に弾けさせるんだ。ただ殺すんじゃつまらんからな。
 殺すのを楽しむんじゃない。奴等の精神をぶっ壊して、奴等が悲鳴を上げるのを楽しむんだ。」

娘の悲鳴に駆け寄って来る母れいむ。泣きじゃくる娘から事情を聴く。
しかし何が起こったのかが解っても、なぜそんな目にあわなければならないのかなど解るはずも無い。
ただただ二匹で、かわいい赤ゆっくりと娘の恋人の死を嘆くだけ。

「ゆぅぅぅ・・・どうして・・・どうして・・・」
「どうしてなの?みんなゆっくりしていただけなのに・・・まりさ・・・ちびちゃんたち・・・」
「れいむ・・・なかないで・・・しんじゃったこのためにも、おかあさんといっしょにゆっくりしようね。」

母れいむは飛び散った餡子と涙でぐしゃぐしゃになった娘の顔を、舌を伸ばしてやさしく舐める。

「おかあさん・・・こわいよ・・・れいむも・・・れいむもこうなっちゃうの?」
「だいじょうぶ。なにもしんぱいいらないよ。おかあさんといっしょにゆっくりしてたらだいじょうぶ。」
「ゆぅぅぅ・・・」
「まもってあげるからね。どんなことがあっても、おかあさんがかならずまもってあげ「パアン!」」

「やべっ!外しちゃった!」
「おいおい、どこ狙ってんだ。地面に当たったぞ。弾を無駄にすんじゃねーよ。」
「あー。でも一応破片は当たったみたいだな。おっきいの方の左のほっぺたが吹っ飛んだぜ。」

「あああああああ!!!おかあさーーーーーん!」
「たいひょうふ・・・たいひょうふ・・・れいひゅは・・・れいひゅは・・・かならひゅまも「パアン!」」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!た゛れ゛か゛た゛す゛け゛て゛え゛え゛え゛!!!!!!!」

「ふぅ・・・今度はちゃんと真中に命中しました。」
「お、悲鳴を聞いて仲間がわらわら集まって来たな。」
「こりゃあお前には無理だな。どれ、貸してみろ。俺の早撃ち見せてやるよ。」

「どうしたの?なにがあったの?」 「なにかおおきなおとがしたね。」 「ないてちゃわかんないよ。」
「わかるようにせつめいしてね。」 「おちついて。ゆっくりしてね!」 「ゆっくりしていってね!!!」

「パアン!」 「パアン!」 「パアン!」 「パアン!」 「パアン!」 「パアン!」 

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!み゛ん゛な゛と゛う゛し゛て゛え゛え゛え゛!!!!!!!!」

「たすけにきたよ!」 「どうしたの!」 「なかないで。ゆっくりしてね!」・・・・・・

「パアン!」 「パアン!」 「パアン!」 「パアン!」 「パアン!」 「パアン!」・・・

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!!!
 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!!!
 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!!!!」


所変わって森の中。まりさの巣の前。男達が巣穴を囲む。
子供達を皆巣の中に逃がした母まりさは、顔をぷくーと膨らませ巣穴の入り口をぴったりと塞ぎ、男達を威嚇する。

「おじさんたち!どっかいってね!にんげんとはゆっくりできないよ!!!」
「へーへー、そうですか、そうですか。別に俺もお前とゆっくりしようとは思っちゃいねーよ。」
「さあ、ちゃっちゃとやっちまおうぜ。まず、こいつを引っぺがせ。」
「あいよー。」

男達は馴れた手つきでまりさを巣穴の入り口から引きずり出す。
そしてまりさを透明な箱の中に入れ、巣穴から数m離れた場所に置く。
母まりさは箱から出ようと暴れるが、当然びくともしない。
男達は巣穴を覗くが、かなり深い穴の様だ。中の様子は見えないが子供達の泣き声が微かに聞こえる。

「ゆぅぅ・・・ゆぅぅ・・・こわいよぉぉぉ・・・おかあしゃーん・・・」
「だいじょうぶだよちびちゃん。なかないで!おうちのなかにいたらあんぜんだよ!」
「きっとおかあさんがたすけてくれるよ!それまでおねえちゃんたちとゆっくりしようね!」

「うーん。やっぱり手が届く深さじゃないなあ。スモークを焚いて燻りだすか。」
「あー、そうだ。そういえば今日の得物をまだ聞いて無かった。今日は何を使うんだ?」
「今日はこれ。地雷・・・の超ちっちゃいやつ。」
「うはっ!こりゃまたずいぶんかわいい地雷だねえ。こんなんで大丈夫なの?」
「さあ?新製品らしい。これを使うのは俺たちが最初なんだって。」
「しかし、別にこんな物使わなくてもよくね?普通に踏んで殺したらいいじゃん。」
「あー。何かよく分かんないんだけどそういうのって駄目らしいよ。」
「そうそう。銃とか爆薬とか毒とか機械とか。そういうの使って殺さないと駄目なんだって。」
「なんでよ?」
「さあ?補助金がどうとか言ってたけど。そうゆうルールなんだ、しかたねーよ。」
「そんな事どうでもいいよ。それよりお前らも手伝え。これ全部埋めるんだ。」

男達は巣の入口と母まりさを入れた箱の間に地雷を埋めていく。
すべてを埋め終えた後に巣の中に発煙筒を投げ込む。後は見ているだけ。

「けほっ!けほっ!けほっ!」
「くるしい・・・ゆっくりできない・・・」
「ゆああああ!!!おめめがいたいよおおお!!!」
「おかあしゃーーーーーん!たしゅけてええええええ!!!!!」

遂に我慢できずに赤ゆっくりが一匹巣の中から出てきた。

「おかあしゃーーーん!どこにいりゅのおおお!おめめがみえにゃいよおおお!!!」
「あかちゃん!こっちにきちゃだめ!こっちにはこわいにんげんがいるよ!おうちににげてね!」
「うわああああん!!!たしゅけておかあしゃーーーーー「パチン!」」

煙にやられて目が見えなくなった赤ゆっくりは、母の声のする方へ駆け出し、地雷を踏んで爆ぜてしまった。

「ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!!!!!」

目の前で起きた惨劇に母まりさは悲鳴をあげる。それを見た男が親切にも母親に理由を教えてやる。

「いいか、よく聞け。こっからお前達の巣までの間に地雷を埋めた。今見ただろ。踏むと死んでしまうんだ。
 パチン!と弾けてな。さあ、次の子供達が出てくるぞ。このままじゃ全滅だ。
 子供達にこっちに来るなと呼びかけた方がいいんじゃないか?」

赤ゆっくり達が巣から出てきた。もう一刻の猶予も無い。母親はこっちに来ない様にと叫ぶ。
それが男達の罠とも知らずに。

「みんなーーー!こっちにきちゃだめーーー!こっちにきたらゆっくりできなくなるよーーー!」
「ゆゆっ!おかあしゃーーーーーん!!たしゅけてえええええええ!!!」

「だめっ!こっちにきちゃだめえええ!!!」 「おかあしゃーーーー「パチン!」」
「こっちこないでね!むこうににげてね!!」 「おめめがみえにゃ「パチン!」」
「どうじでこっちにくるのおおおおお!!!」 「たしゅけてえええええ「パチン!」」
「おかあさんのいうことをきいてえええ!!」 「ゆううううん!ゆうううう「パチン!」」
「こっちにこないでよおおおおおおお!!!」 「どうじでそんなごという「パチン!」」

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!と゛う゛し゛て゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」

ゆ狩りー2へ続く

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最終更新:2008年10月05日 17:48
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