ゆっくりいじめ系1307 ゆーろ

最近、ゆっくり関連商品販売で圧倒的なシェアを占める「ゆっくりカンパニー」がゆっくり専用紙幣“ゆーろ”を発行した。
もっとも、紙幣と言っても利用可能なのはゆっくりカンパニー系列の店舗のみであり、正確には引換券のようなものなのだが。
系列店で買い物をして、500円ごとにスタンプを一つ押してもらえるカードのスタンプを20個集めると100ゆーろ10枚と交換してもらえる。
この“ゆーろ”は1ゆーろ1円相当の価値があり、系列店利用者の多くがゆっくりを飼っていることを考えると事実上の1割還元だ。
一部の人々からは「紙の無駄。それなら1割値引きしろ」という声も上がっているが、このサービスはおおむね好評だった。

しかし、何よりもこの“ゆーろ”の最大の成果は「野良ゆっくりに与えることが出来る」という点だろう。
第一次ゆっくりブームの最盛期ごろから徐々に問題化しつつあった捨てゆっくり。彼女らの多くは人間と生活していたために貨幣の価値を理解していた。
そして、その多くは頑張って歌などを聞かせてお金を恵んでもらおうとするのだが、脆弱なゆっくりにお金を与えると、大抵は人間に巻き上げられてしまう。

だが、“ゆーろ”はゆっくりか、ゆっくり同伴の人以外は一切使用できず、また(表向きは)換金も出来ないため、人間に奪われる心配が大幅に減少。
結果として拾って飼う事は出来ないが紙幣を与えることで「ゆっくりを助けた」という満足感を得られる。
最も安い餌は3日分(1匹分)が100円で買える事もあって、この仕組みによって何とか日々の糧を得ることの出来たゆっくりは少なくない。
そんな便利な紙幣がゆっくり達の間でも十分な知名度を得ると、野良ゆっくりの暮らし向きは大きく変わり始めた。



「ゆゆっ!おねーさん、これとごはんをゆっくりこうかんしてね!」
「えっと、確認すると・・・アンタはこのお金をあそこの通りで自分の歌で稼いだんだな?」
「ゆゆっ!そうだよ!おねーさんもれいむのおうたきく?」
「いや、お仕事中だから。それよりも、これ」

満面の笑みを浮かべるれいむが差し出した100ゆーろ紙幣3枚を受け取った女性店員は、丁寧に箱から取り出し、封を切ったゆっくりフードをれいむに渡す。
このれいむはこの店の常連と言ってもいいゆっくりで、誰に飼われているわけでもないただの野良だが、非常に歌が上手いため人間からゆーろを貰って何とか生計を立てている。
彼女は稼いだゆーろで買ったゆっくりフードを袋ごと咥えると、元気良く飛び跳ねて家路を急ぐ。

「ゆっ!おきゃーしゃんがかえっちぇきたよ!」
「「おきゃーしゃん!ゆっくちおかえり!」」
「あかちゃんたち!ゆっくりしていってね!」

さっきの店を後にしてから30分後、れいむはようやく可愛い赤ちゃん達の待つダンボールで出来たボロい我が家に到着した。
赤れいむ3匹と赤まりさ2匹はとてもゆっくりとした笑みを浮かべて元気良く挨拶や返事をしながら、跳ね回って母の帰宅の喜んでいる。
それから母の持ち帰ってきた餌を見て「これでゆっくちできりゅね!」と言いながら、家の中に入っていった。

「ゆゆっ!さあ、あかちゃんたち!ゆっくりたべてね!」

家に中に入るとれいむはすぐに貰ってきたばかりの餌を租借してから、吐き出す。
そうして柔らかくなったそれを赤ちゃん達に食べるように促すと、赤ちゃん達は元気良く飛びついた。

「ゆ~、ちゅごくおいちいよ!」
「「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇ~!」」
「「うみぇ、こりぇみっちぇうみぇ!」」

隙間風の入ってくるあばら家。保温用の枯葉や紙くずなどもあまり多くはなく、少し寒い。
それでも一家の心は暖かく、ゆっくり出来て、とても幸せだった。
もう片親のまりさが居ないのは少し残念だけど、それでもやっぱり幸せだった。



「ゆ~ゆ~、ゆゆんゆ~♪」

翌朝、れいむはいつもと同じように人の多い大きな通りで自慢の歌声を披露する。
かつての飼い主の歌の大好きなお姉さんに色々指導してもらったれいむの歌唱力は本物で、時々人間が足を止めて聞き入るほどのものだった。
野良のまりさとすっきりしてにんっしんしてしまって捨てられたけれど、この歌声のおかげで子ども達を養っていけるのは紛れもない事実。
だから、れいむは今でも彼女に感謝している。
それと同時に、れいむはどこかに消えてしまったまりさにも感謝していた。
捨てられた原因はまりさとすっきりしたからで、「こどももれいむもまもってあげるぜ!」と言っていたのに失踪した事は今でも少し腹立たしい。
けれど、赤ちゃんに囲まれて、お歌で生計を立てる暮らしに満足感を覚えている今なら「あかちゃんをくれてありがとう」と言えそうだ。

「ゆ~ゆ~ゆ~~・・・♪」

パチパチパチ・・・
歌い終わったれいむにはまばらながらも拍手が送られ、空き缶にゆーろが放り込まれる。
覗いて見るとその額はなんて500ゆーろ。今までに稼いだ中でも1回で得られた報酬としては最高の額だった。
それはつまり、れいむのお歌が人間に相当高く評価されたということ。その事実がれいむはとても嬉しかった。
もっとも、実はゆっくりカンパニーは5000円以上お買い上げの客を対象にしたキャンペーンを行っていたため多額のゆーろ所持者が一時的に増えたからに過ぎないのだが。

「わ~い、きょうはすごくたくさんのおかねがもらえたよ!」

人々が行きかう通りの隅っこで、誰に話しかけるでもなく叫んだれいむはその喜びを笑顔と跳躍を用いて全身で表現する。
それからも頑張って歌い続けて最終的に2300ゆーろを稼ぎ、大喜びで家路に着いたれいむが彼女を見つめる邪な視線に気づくことはなかった。



ゆーろに救われたのはれいむだけではない。他にも沢山の野良ゆっくりがゆーろのおかげで何とか生活できている。
例えば、れいむが食べ物を貰いに行くゆっくり商品専門店の前にダンボールを敷いて、そこに座っているぱちゅりー。
ひ弱で、多少知能が高いとは言え所詮ゆっくりレベルの彼女は本来ならば人間の庇護を失った時点で死を待つ以外に道はなかった。

「むきゅ~・・・おにぃさ~ん、おねぇさ~ん・・・ぱちゅりーにゆーろをめぐんでね~!」

そう言って媚びた、それでいてやや卑屈な笑顔を浮かべる彼女の目には涙が浮かんでいた。
自分の力ではまともに餌を集められないことも、他の手段でゆーろを得ることもできないことを自分自身が一番よく理解している。
それと同時に、なまじ知能が高いため変にプライドも高く、自身を見ず知らずの誰かより下に置く行為に屈辱を感じているのだ。
だからこそ、今のみすぼらしく、その上尊厳のかけらもない自分の姿が悔しかった。

「ふ~ん、あそこのれいむみたいに歌を歌ったりしないのか?」

尋ねるのは頭にゆっくりありすを乗せた、今しがた店から出てきた男性。
この手の質問は今までにも何度か聞かれたことがあり、ぱちゅりーはその度に答えている言葉を口にした。

「ぱちゅりー、にんげんにしてあげられることなんてなにもないのぉ・・・」

そう言いながら俯いて落ち込む。若干演技も混じってはいるが基本的には本当に落ち込んでいる。
もちろん、奉仕精神が云々というような高尚な理由ではなく、ただ一方的に恵んでもらうだけの自分の惨めさゆえ、だが。
しかし、どのような理由で落ち込んでいようと、ゆっくりが好きな人にとって彼女の哀れっぽい姿は十分に同情を誘うもの。

「そうか。じゃあ、こいつを使えよ」
「ゆゆっ!おにーさん、ありすのおかしかってくれるっていったのに!」

頭上のありすは抗議の声を上げるが「同じゆっくりが困ってるんだからそれくらい我慢しなさい」の一言で一蹴されてしまった。
しゅん、という音が聞こえてきそうなくらい悲しげな表情で俯いて落ち込んでいるありすにもどこか同情を誘うものがあるが、流石にお菓子では同情できない。
当然ながら、ありすの飼い主の男性は目の前の食うや食わずのぱちゅりーにゆーろを手渡した。それもありったけの1000ゆーろを。

「むきゅ~・・・ありがとう、おにいさん!」

そう言ってぱちゅりーは元気良く、しかし他のゆっくりと比べれば弱々しく跳ねて去ってゆく男性に感謝の意を表した。
その後、一部始終を見守っていた店員にゆーろと餌を交換してもらうと、寝床にしている近くの建物の床下に帰っていった。



他のゆっくり達も各々何とかゆーろを得ることに躍起になっていた。
通りではせいぜい物乞いやダンス、歌唱程度だが、裏通りに入ればゆっくりの商いは遥かに多種多様なものになる。

「ありずううう!いぐよおおおお!いっぢゃうよおおおおお!」
「まりぢゃあああ、ぎでえええええ!」
「「んほおおおおおおおおお!すっきりー!」」

例えばこのゆっくりありす。
珍しくレイパーでない個体なのだが、不運にも繁殖目当ての男性に飼われたために非レイパーであることを理由に捨てられてしまったのだ。
そうして野良ゆっくりになった彼女が手を付けた商売は俗に言うところの売春だった。
非レイパーのゆっくりありすはネコとして極めて人気が高い。
理由はいくつかあるがとにかく感じやすいのでテクニシャンになったような優越感を味わえることと、
ありす種の美しい容姿、なまじ都会派淑女気取りなのでゆっくりが嫌がることの多いネコに徹するなどが主なところだろう。

「ゆふぅ・・・ありす、きょうもさいこうだったぜ?」
「ゆぅ・・・し、しごとでやってるだけなんだからっ!」
「ゆーろはここにおいておくんだぜ?」

そう言うとまりさは1回300ゆーろであるにも関わらず、100ゆーろだけ置いてどこかに去ってしまった。
しかし、ネコを受け持ち、さらに茎と赤ちゃんに餡子を奪われたために疲労感でいっぱいの彼女にそのまりさを追いかける体力はなかった。
そのまま眠りについた彼女の頭上では、生まれる前に間引かれる運命にある赤ちゃん達が無邪気な笑顔を浮かべて体を揺らしていた。



「「おきゃーしゃん、やめちぇ!やめちぇよおおお!」」
「うるさいよ!れいぱーのこどもはぎゃくたいされるべきなんだよ!」
「お~、いいプレスだ。そうだそうだ、もっと罵れ!」

そこに居るのは2匹のゆっくりありすの赤ちゃんとその親と思しきゆっくりれいむ、そして虐待お兄さんだった。
そう、このれいむはありすに強姦された結果生まれた赤ありすを虐待し、それを見せ物にしてお金を得ているのだ。
もちろん相手が虐待お兄さんである以上、上手くいかないことも多い。
しかし、まれに「ゆっくりが人間のシステムに従い、ゆっくりらしさを失う姿に快感を覚える」と言う理由で惜しげもなく1万ゆーろを差し出すもの好きも居たりする。
そんな訳で、今となっては母れいむはノリノリで我が子を虐待していた。

「ははは・・・面白いショーだったよ。500ゆーろで良いか?」

虐待ショーを満喫した虐待お兄さんは足下に置かれていた空き缶に500ゆーろをねじ込むと、母れいむの虐待の余韻に浸りながら家路に着く。
しかし、お兄さんが去っても相変わらず母れいむは虐待を続けていた。
体当たりで弾き飛ばし、噛み付いては皮を千切り、圧し掛かっては苦悶の声を上げる子ありす達に「さすがれいぷまのこどもだね、こたないこえだよ!」と罵る。
そうしてひとしきり2匹の子ありすを嬲り終えたところで、れいむは500ゆーろを咥えて、愛する子れいむの待つ我が家へと急ぎ、
母れいむから遅れること10分、ようやく動けるようになった子ありすは痛む体を引きずって、自分を散々痛めつけた母の後を追いかけた。

「ゆぅ・・・ありす、きょうもゆっきゅりがんばったよぉ・・・」
「しょうだね・・・これでいもうちょ・・・れいみゅたちがおなかしゅかせじゅにすむね・・・」

ありす達は信じていた。きっとお母さんは日々の糧を得るために仕方なく自分を虐めているのだ、そしてその役目を引き受けるのが自分なのは信頼されているからなのだと。
そして、いつの日にか沢山のゆーろを集めてこれ以上お仕事をする必要がなくなった暁には今までの分も自分に優しく頬ずりしてくえるに違いないと。
その証拠におうちに帰ればちゃんと入れてくれるし、ご飯だって他の家族より少ないけれどちゃんとくれる。
だからおうちに帰ったら、ちゃんとご飯を食べて、ゆっくり眠って、明日のお仕事に備えよう・・・そんなことを夢想しながら、ありすは家路に着いた。
彼女が母れいむが本当に自分を全く愛していないことに気づく日はきっとありすにとってこの世界で最後の日になるだろう。



とにかく全ての野良ゆっくりが「ゆーろを手に入れるために何をすればいいのか」と言うことばかりを考えて生きている。
それによってゴミを漁ったり、人間の物を盗もうとするゆっくりが減ったのも、人間に飼われているゆっくりが襲われることが減ったのもゆーろの成果だろう。
しかし、それによって今までの野良ゆっくりの社会では見られない変化が生じていることに人間はまだ気づいていなかった。

それだけならさほど問題ではないのだが、重要なのは貯金という安定して食料を確保するための手段であってしかるべきそれが、目的になってしまったものが居ると言うことだろう。
たとえば、このダンスの得意なゆっくりれいむ・・・

シャンシャンシャン!
「ゆっ~、ゆゆっゆっゆ~・・・」
「「「おお~・・・!」」」
シャララララララララ!シャン!
「ゆんっ!ゆゆ~!」
「「「あのれいむ、やるなぁ・・・」」」

飼い主が自分を捨てたときに一緒に持たせてくれたタンバリンを上手に鳴らしながらくねくねと体を動かす。
その動きにはゆっくりらしからぬ機敏さがあり、時には人間で言うところの側転のような仕草を見せ、天高くタンバリンを放り投げたりしている。
彼女はこの辺りでは有名な野良のゆっくりの踊り子れいむで、なんと1日に3000ゆーろ以上を軽く稼いでしまうほどの実力派だった。
ちゃんとした飼い主が居たならば面白ペットとして有名になっていたかも知れないし、ゆっくり関係の店でダンサーとしての仕事を得る機会もあったかもしれない。
もし、人間に生まれていたら星の数ほどの人を魅了するダンサーとして名をはせていたかも知れない。
それほどに彼女の踊りは素晴らしく、「ゆっくりらしからぬ」という言葉がふさわしい代物だった。

その後、更に2,3度ダンスを披露したれいむは3200ゆーろを稼ぎ、意気揚々と住処にしているダンボールハウスに帰って行った。
住処に戻ったれいむは部屋の奥の空き缶に詰め込まれた大量のゆーろを眺めながら頬を緩める。
その額なんと32万8600ゆーろ。しかし、食べ物に換えるでもなくただ大量に集まったゆーろを見てれいむはニヤニヤしている。
そう、ゆーろの浸透によって現れた変化の一つは「貯金を趣味とするゆっくりの出現だった。
食費を切り詰めてでもゆーろを溜め込むゆっくり達の姿は今までのゆっくりのイメージからはあまりにかけ離れていた。

「「「ゆっくりしていってね!」」」
「ゆっくりしていってね!ゆゆっ!こんなよなかにどうしたの?」
「ゆっへっへ・・・れいむのゆーろをもらいにきたんだぜ!」

真夜中にれいむの住処に押しかけてきたゆっくりまりさとゆっくりありす、そしてゆっくりちぇんの3匹は突然おうち宣言ならぬ強盗宣言をすると、
なんの断りもなしにれいむの住処に置いているものを片っ端からなぎ倒しながら物色し始めた。

「ゆゆっ!なにするの!?やめてね!ゆっくりやめてね!!」
「うるさいんだぜ!ゆっくりしないでゆーろをよこすんだぜ!」
「いやだよ!れいむがもらったゆーろだよ!!」
「ごちゃごちゃうるさいんだぜ!」
「ゆぎゅ!?」

業を煮やしたまりさは体当たりを仕掛け、れいむを弾き飛ばす。その間にもありすが住処の入り口付近に置かれている元飼い主に貰ったタンバリンをひっくり返し、
ちぇんがゆーろの入った空き缶のある住処の奥のほうへとぴょんぴょん跳ねながら進んでゆく。
それに気づいたれいむが痛みを堪えてよたよたと起き上がり、「やめてね!そっちにいかないでね!そっちにはなにもないよ!」と叫ぶが逆効果。

「こっちにあるんだねー、わかるよー!」
「ゆっへっへ・・・」
「あら、もうみつけちゃったのね!だったらありすすっきりしてもいい?」
「かまわないんだぜ!れいむとすきなだけすっきりするんだぜ!」

それだけ言い捨てるとれいむに対する興味を失ったまりさはちぇんと一緒に部屋の奥へ向かい、多額のゆーろを見つける。
れいむは「やめてね!もっていかないでね!それはれいむのゆーろだよ!」と必死に叫ぶも、ありすに圧し掛かられてとめに入ることはおろか身動き一つ取れず、
ただありすが乱暴に体をゆするたびに与えられる快感と苦痛の表情をゆがめながら、気色の悪いありす汁の海の中で無意味な抵抗を続けるばかり。

「でいぶううう!ぎもぢいいよおおおおおおおお!!」
「やべでね!はなぢでね!!」
「づんでれでいぶがわいいいよおおおおおお!!」
「ゆううううう!やめてよおおおお!すっぎりぢだぐないよおおおおお!?」
「ぞんなごどいって、がんぢでるぐぜにいいいいいいい!!」

案の定、すでに発情モードのありすに何を言っても暖簾に腕押し。
ちぇんとまりさがれいむが必死になって集めたゆーろを持ち出す光景をただ陵辱されながら見つめることしかできなかった。
そして、ゆーろを運び出したまりさとちぇんがれいむの住処に戻ってくる頃にはれいむは無数の茎を生やした黒い塊になっていた。



「・・・情報収集ぅ?」
「そうだよ!れいむたちはゆっくりたんていだんなんだよ!」
「そうかそうか、じゃあおうちに帰っていつまでもゆっくり推理してなさい」
「ゆゆっ!おねーさん、まりさたちのおはなしをきいてね!」
「今仕事中」
「ぢーんっぼ!?」
「んあ?強盗?」

早速だがとりあえず状況説明から始めたいと思う。
私は近くの大学に通うごく一般的な女子大生だ。
敷いて違うところをあげるとすればペットのゆっくり曰く「おむねがどす」と言う点らしい。

「おーい、サボってないでレジに入れ!」
「みょんの接客代わってくれるんなら行きますよ!」
「すまん、俺が悪かった!」

現在はゆっくり関連商品を専門に取り扱うゆっくりショップの店員として生活費を稼いでいる。
最近、この店の母体のゆっくりカンパニーが最近ゆーろなるものを取り扱い始めたせいで私や他の従業員はゆっくり相手に接客せねばならなくなった。
饅頭に向かって笑顔でいらっしゃいませなんてとてもじゃないが正気の沙汰とは思えない。

「みょん?ちーんっぽ!?」
「ん?ああ、何か知らんけど判るんだよ」

その中でも最も接客しづらいのがゆっくりみょんと呼ばれる種だ。
理由は簡単でゆっくりのくせに人語を喋れないから。
にもかかわらずこっちの言葉は理解できるらしく、目の前で迂闊なことを言うと突然怒り出す。

「ゆゆっ!みょんのことばがわかるなんて、おねーさんゆっくりしてるね!」
「とってもゆっくりしてるよ!」
「で、用事はなんなんだよ?え、何も無い?何となく呼んでみただけ?そうかそうか、じゃあ暗くなる前にさっさと帰れ」

喋れないってだけなら「れみりゃ」や「めーりん」など他にも数種類ほど確認されているのだが、みょん種のように鳴き声が卑猥出ない分大分マシ。
何せみょんと話していると道行く人々が「なあにあの女?ちんぽちんぽ鳴く変な饅頭と漫談してるわ」とでも言いたげ目で見てくるのだ。
で、何故か知らんがゆっくりとのコミュニケーション能力が異常に高い私は頻繁にこの貧乏くじを引かされる羽目になった。

「「ゆゆっ!ゆっくりまってね、おねえさん!」」
「・・・はぁ、ゆーろの引き換え以外は基本的に相手にしないんだ。さっさと用件を言わないなら締め出すよ?」

・・・・・・10分以上かけて聞いた話をまとめると、こういうことらしい。

  • この辺(この店から半径2kmくらい)でゆーろを狙った強盗が多発している
  • 犯行時刻は主に夜間
  • 被害ゆは軒並み死亡している
  • 被害ゆはどこぞの軒下の物乞いぱちゅりー、ダンスれいむ、お歌れいむ
  • 近くには他のゆっくりもおり、これらの被害ゆだけが狙われた理由は不明

まりさ、れいむ、みょんの3匹は犯人の凶行を食い止め、事件を解決しようとしているらしい。
で、今はそのための情報収集を行っていて、被害ゆの多くがこの店でゆーろ交換を行っていたことからここに事件解決の鍵があるとにらんだそうな。
愛好家の人なら「なんて正義感に満ち溢れたゆっくりなんだ!」とか言って付き合ってやるんだろうけど、残念ながら私は愛好家でも何でもない。

「ここらへんは夜になると結構な数のれみりゃが徘徊するし、この店にも来るからさっさと帰んな」
「ゆゆっ!れみりゃがでるの!?ゆっくりできないよ!?」
「れいむたちはゆっくりかえるよ!!」
「ちーんっぽ!」

そんな訳で、これ以上「じじょーちょーしゅ」とやらにつき合わされるのも面倒なのでれみりゃの名前を出して半ば脅すような格好でお引取り願った。



「ねえ、まりさ!きいた?れみりゃがいるんだって!」
「だったらふつうのゆっくりははんにんじゃないね!」
「ちーんっぽ!」

結論から言えば事情聴取は大成功だった。
と言うのも、犯人を追い詰める上で重要な情報が入手出来たからだ。
夜にはれみりゃがこの辺りを徘徊しているとなると普通のゆっくりは犯人になりえない。
また、ゆっくり関連の店でしか使えないゆーろを奪うメリットの少ない人間も除外して良いだろう。
もちろん、ゆーろを使用できない犬や猫は最初から論外である。
となると、犯人は決まったも同然。

「はんにんはれみりゃだね!」
「きっとそうだよ!ゆっくりできないおばかだもん!」
「ちーんっぽ!」

その後、このゆっくり探偵団は手近な石や木の枝で武装してれみりゃに挑み、当然のごとく返り討ちにされた。



‐‐‐あとがき‐‐‐
ゆラディエーターでゆっくり用の通貨と言うのを見て思いついた即興ネタです

ちなみに真犯ゆのまりさ達はあの店のある店員の飼いゆっくりで、飼い主が裏で手引きをしていました。
  • 被害ゆは比較的ゆーろ収集能力が高く、貯蓄していた
  • ダンスれいむのタンバリンは野良やれみりゃにはまたとない玩具で、持ち帰らないことに違和感を覚える
  • 店でゆーろの入手方法を確認しており、不自然な言動をするものがいれば把握している
  • 店から2kmくらいというのはその範囲内に巣を構えるゆっくりにとってこの店が最も行き来しやすい範囲
 (それより外側に行くともっと近くに他のゆっくり専門店があったりする)
などの情報を元にゆっくり達が犯人を突き止めて、やっつけようとするも返り討ちに遭うわ、
なおかつ、野良饅頭を潰しても法的に罪は無い、人間に害を及ぼした饅頭はすぐに処分が通例
という理由で保健所に連れて行かれるわでゆっくり探偵団が悲惨な目に遭う話になる予定でした。

が、俺にそんなものを書く文章力はねぇ!と言う理由でこんな形に・・・

byゆっくりボールマン

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最終更新:2008年10月31日 00:54
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