ゆっくりいじめ系1535 都会派ありすの消失_01

※この作品はfuku4152「都会派ありすの溜息」の続きです
※ぺに設定ありですが、精子餡などの設定はございません






扉を閉ざされれば冷蔵庫内は暗くなる。
透明な箱の中に入れられ、冷蔵庫内にしまわれたありすは、当然その暗闇に包まれ何も見えなくなる。
だというのに。

どうして、なんで。
ありすは何度も何度も、呪詛のように呟きながら目の前のそれを見る。
自分の子供だったもの。今は生ゴミとなったもの。
自分やれいむの名残が僅かに見られる、少量の皮と髪と飾り。
自分の目の前、透明な箱にこべりついたそれが、何故か見える。

赤ん坊の怨念か、ありすの子供への執着心のせいなのか。
暗闇で見えないはずなのに、何故かそこだけぼんやりと、薄明かりのように見える。

「ありずの゛っ……あり゛ずのあがぢゃん……」

せめて、元が何であるか分らない程グチャグチャになっていればと思わずにはいられない。
中途半端に原型が何であるか分るから、嫌でも認めざるをえない。
目の前にあるゴミが、自分の子供だということを。

「どぼぢで……あがぢゃん……ゆっぐぢ、じだい……」

冷蔵庫内の冷気によって徐々に冷やされるありすの体。
寒さで震え始める体。朦朧としていく意識。ゆっくりは凍死などしない。眠るか死ぬ時以外に気を失うことなどない。
一晩中、寒さで眠れぬ夜をありすは過ごすこととなる。
かつて我が子だった生ゴミと共に。

「あがぢゃん……ざむぃ……でいぶ……ざむい゛……」










翌朝。

「ありす~、おはよぉ~」

快活な声をあげながら、女性が冷蔵庫の扉を開ける。
ありすは数時間ぶりに見る光と自分以外の者の声に、緩慢に反応する。
返事をしようと口を開こうとするが、寒さのせいで上手く喋れない。

「ありす~、寒かったでしょう? 今暖めてあげるからね」

優しくありすに語りかけながら、女性はありすの入った透明な箱を台所に置く。
その際、何気ないとても自然な手つきで、透明な箱に付着していた生ゴミをゴミ箱に捨てた。
ありすは、自分の子供が捨てられる様を二度直視した。

「お仕置き辛かったよね~? はい、これでポカポカだから」

透明な箱の蓋を開ける女性。
ようやくこれで、辛い寒さともお別れだ。お姉さんにお風呂に入れてもらい、ドライヤーで髪を乾かしてもらおう。
そう朦朧とした頭で考えたありすに、女性は箱の中に注ぐように寒さとは対になるものをぶっかけた。

沸騰するまで温めた、ヤカン内の熱湯を。

「……あ゛、あ゛ぢゅい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!」

冷たかった体が一気に熱せられる。
一気に端から端への体感温度ワープ。人間ならば火傷必須の熱湯が、滝のように降り注ぐ。

「ゆびぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!!」

逃れようにも、逃れられない。
箱の中に注がれた熱湯は、逃げることなく箱の内部にたまりありすを熱し続ける。
上に逃げようにも直上からは百度の滝が降り注いでいる。

やがてありすの口元まで熱湯が溜まった。女性はありすが溶けないように、ありすを透明な箱の中から取り出すと、流し台の中へありすを入れる。
そのありすに、逃げられる前に間髪入れず箱の中に溜まった熱湯をぶっかけた。

「ゆぶびぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

蒸し饅頭になるのではないかという程に熱せられたありすは、最早寒さなど遠いどこかへ置いてきたかのように、熱さに身悶える。
ゴロゴロと流し台の中を転がりながら、三角コーナーにぶちあたって頭に生ゴミをかぶった。

「あぁあ、ありすきったな~い♪」

女性は嬉々としてそう言うと、手が汚れるのも構わずありすの頭にかぶった生ゴミを、ありすの口の中に押し込んだ。

「はい、朝ゴハン。ありすは食いしん坊だね」

否定の意志すら思わせる間もなく、無理矢理生ゴミを押し込む女性。
全部押し込んだ後、頭を叩いて無理矢理咀嚼、嚥下させるとありすを流し台に放置したまま、ヤカン内に残った湯でコーヒーを淹れた。
ありすが復帰するまで、ゆっくりと朝食を楽しんだ。
ありすの呻き声をBGMに。











ようやくありすが元の状態になるまで回復した頃には、既に女性は家を出なければならない時間になっていた。
女性はすぐさま今日の分の虐待準備を始める。

「ゆっ、おねえさん! どぼじでごんなごど──」
「はいはい、ごめんね。今急いでるから」

ありすの言葉に取り合わず、ありすの髪にビニール紐を結んでいく。
千切れないように三重にしたビニール紐を、嫌がるありすの髪の毛根部分にしっかりと結びつけた。

「やべでっ!! おねえさん、こんなのとかいはじゃないわ!」

返事は無い。
女性はビニール紐のもう一端を人間用ベッドの足に結びつけると、ありすをカーペットに置く。
これでありすは行動範囲を制限されることとなる。

「はい、もういいわよありす。お昼ごはんはここに置いておくわね」

小皿に缶詰の餡子を盛っただけのありすの昼食を、ありすから少し離れた所に置く。

ありすは女性と話がしたかった。
最近の女性の行動、ないし昨日の赤ん坊の摘出の事。
お仕置きにしても度が過ぎている。過去に女性がしたお仕置きとは天と地ほども違う。
なんで、優しい女性があんな酷い事をしたのか。もう一度ちゃんと問いただしかった。
昨日の「ありすが可愛いから」というのは、まるで理由になっていないと思えたからだ。

「じゃあね、ありす。もう時間やばいから」

だというのに、女性はありすと会話したくないかのようにそそくさと家から出て行こうとする。

「ゆっ! おねえさん、まっで! ありすとおはなし──」
「今日はお土産買ってくるから」

少しだけ、申し訳なさそうな言葉だけを残し、バタンと扉が閉まった。
ありすは溜息をつき、虚脱した。女性と話し合いと思っていたが、仕事ならば仕方ない、と。
夜、帰ってきたらちゃんと話し合おうと。

そこまで考えてから、ありすは自分の腹が空いていることに気付いた。
昨夜は夕食は食べず、今朝は少量の生ゴミを無理矢理口に詰め込まれただけである。
腹が空くのも無理は無い。
ありすは昼食時まで我慢しようとしたが、三十分もして結局耐え切れずに女性が用意してくれた昼食を食べようと決めた。

「ゆっ、すこしはやいけど、ゆっくりらんちにするわ」

ぽよんぽよん跳ねて、餡子が盛られた小皿に近づこうとする。
が、小皿に辿り着く直前にそれは止められることとなる。ありすの髪とベッドを結ぶビニール紐によって。

「ゆびっ!? いぢゃいぃ!!」

ビン! とビニール紐が張って、結ばれたありすの毛根を引っ張る。
それによりありすは毛が抜けるのではないかという痛みを覚えた。

「ゆぐぅ……どぼじでぇぇぇ!?」

ありすは何があったのかと後ろを振り向こうとするが、限界までビニール紐が張った状態で振り向こうとすれば、当然毛根は引っ張られる。
ベッドを動かす力もないゆっくりであるありすならば、当然であった。

「ゆ゛あ゛ぁぁ!! ありずのがみがぁぁぁぁぁぁ!!!」

幾度か試行錯誤して、ようやく少し後退すればいいことに気付いたありすはようやくその仕組みに気付くことができた。
ありすは今や、鎖に繋がれた犬のようにベッドからビニール紐が届く範囲にしか動くことが出来なくなっているのだ。
ビニール紐はありすの力で千切れるようなものではない。毛根には決してほどけないようにきつく結んである。

「ゆぐっ……どぼじでおねえざん、ごんなごどずるの……?」

もう出ないのではないかと思われた涙が、まだ零れた。
ありすはなんで女性がこんな仕組みをしていったのかまるで理解できぬまま、昼食用の餡子を食べようと苦心する。
が、どう頑張っても餡子には届かない。餡子がありすの目前というところまでは行けるのだが、それ以上はビニール紐に引っ張られて行くことが出来ない。
なんとか髪の痛みをこらえつつ限界まで前に出て、口を精一杯開いて全力で舌を伸ばすことで、少量の餡子を舐めることが出来た。
だがそれだけである。舌先にごく僅かな甘みを得るだけで、腹いっぱい食すことは出来ない。
ありすは惨めな思いを味わいながらも、なんとか食事をしようと涙を堪えて一日中頑張った。
その様子は、女性が残していったカメラに映像としてしっかりと保存されていた。














「ありす~、ただいまぁ。お土産買ってきたよ~」

もう日々のありすとの触れ合いが楽しみでたまらなくなったありすの飼い主が、朗らかに帰ってきた。
その手には酔っ払いが手に持ってそうな包みがある。

「なんと今日の晩御飯はお寿司だよ、お寿司」

そう言いながら女性がリビングに入ると、そこにはボロボロと涙を零しながら全力で舌を伸ばして餡子を舐めようとするありすの姿があった。
餡子の量はまるで減っていない。
女性はそんなありすの愛くるしい姿に胸がきゅん、となるのを感じると一旦カメラを止めてありすに近づくと、ありすを自分の胸に抱き寄せた。

「ありすっ、ただいまぁ」

そんな飼い主の愛の抱擁は、

「ゆぐびぃ!? おねえざん、あだまが、がみがいぢゃいぃぃぃぃぃぃ!!!」

ありすに痛みしか与えなかった。

「あっ、ごめんごめん忘れてた」

女性はありすの髪を掻き分け、ビニール紐の結び目を見つけるとそれをほどこうとした。
したのだが、ほどけない。どうやら固く結びすぎたようで、容易にほどけなくなっているようだ。

「うぅん、ごめんね、ちょっと時間がかかるかも」
「ぞんなぁぁぁぁぁ!! ありずおながづいだぁ……」
「あっ、そうだご飯ご飯」

女性はありすの言葉に思い出しかのように、持って帰ってきた包みを取り出す。
中から出てきたのはお土産用の寿司詰め合わせだ。
女性は小皿を持ってきてそこに幾つか寿司を乗せると、それをありすの目の前に置いてやった。

「はい、晩御飯。お寿司なんてありす初めてでしょう?」
「ゆゆゆっ、おすしだなんてとってもとかいはだわ!」

ありすは女性に言いたいことがあったのを忘れて目の前の美味しそうな寿司に目を輝かせた。
今回は餡子のように届かぬ位置ではなく、ちゃんとありすが食べられる位置にある。
ありすは口を近づけると、一つをまるごと口に含んだ。

「む~しゃ、む~しゃ、しあわ────」

幸せそうに寿司を咀嚼し、いつもの食事時のセリフを言おうとしたありすが、ピタリと止まった。
女性は予想通りの展開に口の端を吊り上げると、直後の展開に胸躍らせた。
そして案の定、

「がらい゛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!! おいぢぐない゛ぃぃぃぃぃ!! ゆべっ、ゆべぇぇ!!」

顔を真っ赤にして涙目になり、必死で口に含んだ寿司を吐き出した。
一度咀嚼しグチャグチャになったものを吐き出したありすは、必死に舌を出してその苦しみから逃れようとする。
何故こんな行動をありすはしたのか。簡単な話、寿司に入っていたワサビである。

「こら、だめじゃないありす。食べずに吐くなんてもったいないでしょ」
「ゆぶっ、だっで、だっでごのおずじゆっぐぢでぎないわ゛ぁぁぁぁぁぁ!!」
「何言ってるのよ」

女性はそう言うとありすの目の前で、寿司を一つ手にとって食べてみる。
女性が何事もなく咀嚼し、嚥下するのをありすは見ていたが、なんで平気なのかまるで分らなかった。

「ね? 美味しいわよ」
「ゆっ、ゆぅ……」

女性が美味しそうに食べるのを見て、ありすはたまたま美味しくないのに当たっただけだと思い直し、別の寿司を一つ口に含んだ。

「む~しゃ、む~しゃ、し────がらい゛ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

だが結果は同じ。
全ての寿司にワサビが入っているのだから当たり前なのだが。

「こぉら!」

女性はありすが再び寿司を吐き出そうとするのを、頭を拳骨で殴って阻止した。
「ゆべっ!」と痛みと吐き出そうとした反動で舌を噛んでしまったありすは、ただでさえ辛味で痛い舌を更に痛めつけた。

「いぢゃい゛っ、いぢゃい゛ぃぃぃぃぃ!!」

ボロボロと涙を流して痛みを訴えるありすに、

「ほらほら、ちゃんと食べないと。ありすお腹空いてるでしょ?」

と言い聞かせながら女性が次々と寿司を放り込む。もちろん、全てワサビ入りである。
その度にありすは吐き出しそうになったり身悶えたりするが、女性が口を押さえて頭を叩いているため飲み込まざるをえない。
やがてありすの分の寿司を全て口に放り込み終えた女性は、舌を出して呻くだけのありすを見ながら、ゆっくりと自分の分の寿司を食べた。













ゆっくりにとって毒にもなる辛さに苦しんでいるありすに水を与え、ようやく通常通りの状態にまでありすを回復させた女性は今日の目的を行なうことにした。

「と、その前に紐なんとかしないと」

ありすの髪に結びつけたビニール紐をなんとかしなければ、と女性は思い悩む。
簡単には解けそうにもない。
ならば、

「抜いちゃえ」

なんの躊躇いもなく、ビニール紐が結び付けられた髪を力ずくで引き抜いた。
思いっきり引っ張られた髪は頭皮を引っ張り、ブチブチと嫌な音をたててありすの体から離れていく。
それによって生じるは、ありすの自由と

「ゆぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」

痛み。
女性は残ったビニール紐とベッドに結んだ部分は後回しにし、先にありすの処置をすることにした。

「ありずのどがいはながみがぁぁぁぁぁぁぁ!!」

ありすはほぼ毎日女性に手入れしてもらった髪が大の自慢だった。
テレビに出てくる飼いゆっくりにも負けないほどの綺麗な髪だと自負していた。
その髪は、他でもない飼い主の手によってあっけなく抜かれてしまった。

痛みと悲しみに慟哭するありすを、女性は心情を無視するかのように行動を起こした。
いや、実際は無視しているわけではない。ありすの涙が痛みだけではないことを理解している。
理解していてなお、ありすの涙顔が見たいがためにあえて踏みにじっているのだ。

女性は泣いているありすを手に持ち、持ち上げる。
片手でありすを下から支えるように持ち、もう片手で落ちないように頭を押さえる。

「ゆゆっ? ゆ~、おそらをとんでるみたいだわ~♪」

ありすは高い所からの眺めが好きだったが、今は関係が無い。
女性はありすの底部を持っていた手を小刻みに振動させる。それに連動してありすの体も小刻みに揺れ始めた。

「ゆっ? ゆっ、ゆっ、ゆふっ……」

上下だけでなく左右の振動も織り交ぜてありすの体を振動させていくと、どんどんとありすの顔が赤くなっていく。
発情しているのだ。頬を上気させ、息も荒くなっていく。
女性は充分と判断できるまでありすを発情させると、ありすを床に置く。
ありすは顔を真っ赤にして、床に置かれた瞬間女性の腕に体をこすりつけてきた。すっきりしようとしているのである。

「ゆふゅ、ゆふっ、んほぉぉぉ!」
「こぉら、めっ!」

バチン!

ありすに女性が生涯で放つ三度目のビンタが繰り出された。
ありすは興奮によって痛みがある程度緩和されているが、それでも痛いものは痛いし、飼い主に振るわれる暴力は悲しい。

「ゆぐっ、ゆえぇぇぇん……」

と、顔を赤くしながら泣くという奇妙な状態にあるありすの下顎を、女性は手で探る。
そして産道のあったあたりを中心に、ありすの下顎の皮を外側へと引っ張った。まるでそこにある何かを浮き彫りにするかのように。

すると、にょきっ、と小さい突起が出てきた。
ありすの口と底部の真ん中あたりに、赤ん坊の小指ほどの突起が現れたのだ。
顔だけの饅頭であるゆっくりの下顎に、小さい突起がぽっちりと。

「まぁ、可愛らしい」

女性は思わず漏らしてしまった。
ありすはその言葉でようやく自分の下顎に何かが出てきたのを察すると、視線を下に移す。
そこにあるものが何であるか。ありすは本能的に理解し、それを飼い主の女性に見られていると理解すると、発情とは違う赤みに頬を染めた。

「ゆぅ……おねぇさんありすのぺにぺにみないでぇ……」

恥かしさに身を捩らせるありすの様子を、女性はデジカメで撮影する。
撮影した後、女性は念のためもう二、三ありすを振動させると、つまむようにありすのぺにぺにを掴んだ。

「ゆゆっ!? おねえざん、はずかしいからやめてね!」

顔を真っ赤にして怒るありすを可愛らしくも思いながらも、今日の目的────去勢を行なうためにぺにぺにを掴んだままありすを持ち上げた。
それにより、ぺにぺにが最上にくるようになり、ありすの全体重は、ぺにぺにに集中することとなる。

「ゆびゅっ!? いぢゃいぃ!!」

ゆっくり達が呼称する『ぺにぺに』とは、一見生殖器のようなものに見えるが、別にこれを使って子作りをするわけではない。
どういう原理かはまるで分かっていないが、普通ゆっくりは互いの頬をすり合わせて子供を作る。
ではこの『ぺにぺに』とは何か。
これもまたどういう原理かは分かっていないが、これはゆっくりの子作りの印ともいえるものだ。
これが体に浮き出せるゆっくりは、もう子供を作れるまでに大きくなったゆっくりだ。
そして、この『ぺにぺに』を失ったゆっくりは、子作りが出来なくなる。つまり去勢が出来るのだ。

「おねえざん、やべでっ! ごんなのどがいはじゃないわ゛っ!」

つままれたぺにぺにだけで宙に浮くありすは、一点に集中する痛みに、ここ最近枯れんばかりに流している涙を零す。
女性はありすを持ち上げている指に、グッと力をこめる。
ぺにぺにがわずかに変形し、つぶれかかる。

「ゆ゛ゆ゛ゆ゛っ! おねえ゛ざん、ゆっぐぢやべでっ! なにをずるのっ!?」

ありすは一部に感じる痛みに恐怖を覚え、女性に必死に懇願する。
女性はそんなありすの顔を見て微笑みながら、指に込める力を緩めない。

「やべでっ! おねえざん、やべで! ありずの、ありずのぺにぺにがっ!!」

『ぺにぺに』とはゆっくりが子作りをするためには必要不可欠なもの。これを失ったゆっくりは子供が作れなくなる。
ありすは家族が欲しかった。昨日は子供を掻き出されたが、子供が欲しいという気持ちに変わりは無い。
そんなありすの願いを女性は知っている。知っていて、

ブチュリ

ありすの『ぺにぺに』を潰した。

「ゆびゅぎぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!?」

自分の体の一部が潰され、激痛に絶叫するありす。
支えを失って落下し、後頭部を床に思いっきりぶつけてしまう。
だが、床にぶつかった痛みよりも下顎の痛みが勝る。
そして痛みよりも、悲しみの方が遥かに上回る。

「ゆぐっ、えぐっ、あがぢゃんが…ありずのあがぢゃんが、でぎっ、なっ、あがぢゃん、ほじっ……」

床に倒れ、しゃくり上げるありすの声は途中から言葉になっていない。
ただひたすらに、自分にはもう子供が出来ないという事実を噛み締めている。

ずっと、夢見ていた幻想。
子供の頃からテレビで見たゆっくり親子の幸せな姿。いつしかそれに自分を当てはめて見ていた。
ありすはずっと、子供が欲しかった。家族が欲しかった。ゆっくりの、家族が。

そんなありすの夢は、もう叶わない。
ありすは、もう二度と子供を作ることも身ごもることも出来ない体になってしまった。

その後のありすはただ泣きじゃくるのみで、女性が何をいっても返事をしなくなった。
女性は手についたカスタードクリームを舐め取ると、「うん、美味しい」
仕方なく泣きじゃくるありすを透明な箱に入れて、カチューシャを奪って部屋の片隅にありすを置いた。
一連の処置にもありすは気付くことなくひたすらに泣いていた。日付が変わるころ、ようやく泣き疲れて眠りについたが。
が、ありすは翌朝、女性が既に仕事に出た時間に透明な箱の中で目を覚ますことになる。









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最終更新:2022年01月31日 03:27
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