ゆっくりいじめ系1618 おてつだいゆっくり

「おにいさん!れいむたちのおしごとのおてつだいをさせてね!」
「・・・・・・は?」

ある初夏の晴れた日のこと。
俺はいつも通り田吾作さんの畑のわりと近くにある自分の畑で仕事をしていた。
すると、人里のゆっくり対策の進んだ最近では珍しい山から下りてきたゆっくりの一家がやって来て、そんな事を言いやがった。
他所の地域では虫取りや他の害獣を追い払うのに役立てることもあるらしいが、ここではそんな習慣はない。
そもそも、人間の役に立とうという殊勝なゆっくり自体が極めてまれな存在だ。

「・・・農作業の手伝いって、お前らに何が出来るんだ?」
「れいむたちはむしさんやはっぱさんをむーしゃむーしゃできるよ!」
「野菜と雑草の区別はつくのか?」
「あたりまえなんだぜ!」

そう言って、ゆっくり一家の両親はゆへんと偉そうに胸(下あご?)を張った。
両親はれいむ種とまりさ種で子どもは親と同じ種族の赤ん坊サイズのものが2匹ずつ。
いわゆるオーソドックスファミリーだ。

「子どもが勝手に食ったりしないだろうな?」
「「「「しょんなことちなにゃいよ、ぴゅんぴゅん!」」」」

俺の言葉に反応した子ども達は反論の後、一斉に頬を膨らませた。
さて、どうしたものか・・・。
さっきの応答や言動・態度を見る限りにおいて、ゲスっぽい気配は無い。
それどころか家族揃ってゆっくりにしてはかなり聡明なようだ。

「ん~・・・」
「おにーさぁん・・・おねがいだよ!」
「・・・で、何が目当てなんだ?」
「ゆゆっ!・・・すごいぜ、れいむ!まりさたちのもくてきはばればれだぜ!」
「ほんとうだね!さすがにんげんさんだね!」
「「「「ゆっきゅちしゅごいよ!」」」」

珍しく殊勝な奴らだと思えばやっぱり見返り目当てだったが、それでも勝手に畑の野菜を食い漁るよりはずっと賢明だろう。
物珍しさにも後押しされ、俺は大根4本と交換で一家の申し出を受け入れることにしてみた。
野菜と雑草の区別が出来ていることを確認してから、柵の中に招き入れ、一家のためにそこそこの大きさの小屋と水飲み場を設置してやる。
こうして、俺とゆっくり一家の共同作業が始まった。



結論から言えばこの一家はいつも俺の予想をいい方向に裏切ってくれた。
ちゃんと雑草と野菜を区別して雑草だけを抜き取ってくれるし、虫の駆除もほぼ完璧。
流石にそれ以上のことは殆ど出来なかったが、虫害をどうにかしてくれるだけでも本当に助かる。
一度だけ子まりさが野菜に口をつけようとした事もあったが、その時には自分の子どもをちゃんと叱りつけていた。
なるほど、これだけ出来のよい個体であればゆっくりであってもそれなりに役に立つ。

それに・・・・・・

「「ゆゆっ!おにーさん、ゆっくりしていってね!」」
「「「「ゆっくちちていってね!」」」」
「仕事があるからゆっくり出来ないっつーの」
「「じゃあゆっくりおしごとがんばってね!」」
「「「「ゆっくちがんばってね!」」」」

何より、間違ってもおうち宣言のようなこっちの神経を逆なでするようなことは言わなかった。
それどころか、仕事の合間の休憩時間の話し相手としても活躍してくれた。
柵では対処しきれない鳥類が作物を荒らそうとしたときには大声で俺を呼んだ。
とにかく、ゆっくり一家は十分すぎるほどに役に立ってくれた。

「れいむぅ・・・とってもゆっくりしてるね~」
「そうだね、まりさ」
「つぎのおにさんはれいむだよ!」
「「「ゆっくちにげるよ!」」」

また、柵と小屋に守られた畑で安全に食料を確保できるこの状況は一家にとって、とてもゆっくりできる環境だったらしい。
子ども達は赤ゆっくりから子ゆっくりへと成長し、餌を食べ終えた後に畑の周辺でよく鬼ごっこをしていた。
好奇心旺盛で俺に人間のことをあれこれ聞いてきたりもした。

「おにーしゃん!どうちでにんげんさんはむしさんをたべないの?」
「いや、食べられることは食べられるし、食べることもあるぞ」
「でも、おにーしゃんはたべないね!」
「虫はなぁ・・・人間には小さすぎるんだよ。あと、見た目がグロい」
「どうちて?おいちいのに?」
「人間の好みじゃないんだよ。さて、仕事に戻るからもう話しかけんなよ?」
「「「「ゆっくちりかいちたよ!」」」」

と、まあ、こんな具合に鬱陶しくも愛嬌のある奴らだった。
たまに引っ掴んで持ち上げてやるだけで「おしょらをとんでりゅみたーい!」と大喜びするので、散歩いらずな分犬よりも手間がかからない。

「おにーしゃん!いもうとたちにもおしょらちてあげてね!」
「「れーみゅもおしょらとびちゃいよ!」」
「「まりしゃもぶれいじんぐしゅたーちちゃいよ!」」

そうそう、そういえば相当ゆっくり出来たせいか、夏の間に家族が4匹ほど増えていたりする。
れいむ種とまりさ種が2匹ずつ。まだ生まれて間もない赤ん坊だが、にんっしんっで産まれたので結構大きい。
1回のにんっしんっで産まれたのは2匹で両種が1匹ずつ。
まずはれいむが産み、その次にまりさが産んだ。
そんなわけでいつの間にかこの一家は両親2匹に子ども8匹と言うかなりの大家族になっていた。
勿論、新しく出来た家族も親や俺の言うことをきちんと守って、虫や雑草を駆除してくれた。

おかげさまで、今年はいつもよりもずっと収穫が多かった。



そして収穫を終えた日の夜。
翌朝には一家に約束の大根を渡し、野に返してやらねばならない。
俺は前々から読者にも伏線すら提示せずに考えていたある計画を実行に移した。

そろーりそろーりと連中の小屋に忍び込むと、夏に生まれた子どもを各種族1匹ずつ捕まえ、いったん自分の部屋へ戻った。
それから、今までは常時開放されていた小屋の出入り口に扉を取り付け、しっかりと施錠も出来るようにした。
仕上げに、残った家族をこいつらの本能に刻み込まれた言葉で叩き起こした。

「ゆっくりしていってね!」
「「ゆゆっ!ゆっくりしていってね!」」
「「「「「「「ゆっくりしていってね!」」」」」」」

いとも容易く目を覚ました一家はしばらくのん気に「おにーさん、どうしたの?」などと言っていた。
が、やがて家族が減っていることに気づくと顔を真っ青にして右往左往し始めた。

「おにーさん!れいむのおちびちゃんがいないよおおおおお!?」
「そりゃそうだ。俺が預かったんだからな」
「どうしてそんなことするんだぜ!?」
「それはね!お前達との取引を無効にしたいからだよ!」
「「「「「「「「ゆゆっ!?」」」」」」」」

俺の突然の宣言に「びっくりー!」とでも言わんばかりに目を見開いて驚くゆっくり一家。
今までそれなりに仲良くしてきただけに、その信頼の全てを根底から覆す言葉が信じられないのだろう。
その証拠に、しばらく唖然していたれいむは我にかえるや否や、頬を膨らませてこう言った。

「おにーさん、じょうだんはやめてね!ゆっくりできないよ、ぷんぷん!」

初めて俺に出会った日から数えると、なんと100日以上もの付き合いがあるのだ。
流石に俺がそんなことをするとは思えない、或いは思いたくないらしい。
しかし、残念ながら全て事実であり、目をそらしても変わることの無い真実。
そのことをれいむ達に理解してもらうために、俺は近くにいた、親に連れられてここに来た1匹の子まりさを踏み潰してやった。

「「「「「・・・・・・ゆゆっ!?」」」」」
「これで分かっただろ?俺は本気だよ」
「ゆああああああああああああああああああああ!?」
「でいぶのおぢびぢゃんがあああああああああああああ!?」
「「「「「ばりぢゃあああああああああああああ!?」」」」」

家族が1匹踏み潰されたことでようやく事態の深刻さを認識した一家は恐怖と絶望に顔を歪め、彼女らの双眸からは涙が溢れ出している。
が、泣き止むまで待つのも億劫なので「ゆっくりしていってね!」を利用して半ば強引に泣き止ませると、即座に用件を伝えた。

「さっき言ったとおり大根はやらん。嫌なら全員殺す・・・理解したか?」
「「ゆぐっ・・・・・・ゆっくりりかいしたよ!」」
「「「ゆえーん!」」」
「おにーしゃんひどいよ!やくそくをやぶりゅなんてゆっくちしてないよ!」
「しょーだよ!ゆっくちできないよ!」

残り7匹のうち、5匹は自分の立場をしっかりと弁えてくれたようだが、2匹だけそうでないものがいた。
1匹は両親に連れられてきた子まりさで、もう一匹は夏に生まれた子まりさだった。
彼女らは「ゆっくりさせてね!」などとのたまいながら、成体一歩手前の体を思いっきり跳躍させて俺に体当たりを仕掛けてくる。
が、悲しいほどに痛くもかゆくもないのでしばらく黙ってその攻撃を喰らってやる。
最初はいい気になって「ゆっくりこうさんしてね!」などと言っていたが、やがて息が上がり、冷静になった頃には己の無力を理解した。

「「どほぢでじぇんじぇんぎがにゃいのおおおおおお!?」」

泣き叫ぶ2匹の呼吸は荒く、また体当たりを繰り返したせいでところどころ青あざが出来ていた。
ぼろぼろになりながら、己の無力をかみ締める姿は可哀想でどこか哀れみを誘うものがあるが、容赦することなくお仕置きを加えてやった。

「うりゃ!」
「―――――――――――――ッ!!?」

サミング、いわゆる目潰しを食らわして子まりさの目玉を両方とも抉り出すと、悲鳴にもならない金切り声が子多重に響き渡った。
両親はガタガタと震えながらも「やめてあげてね!いたがってるよ!」と俺に許しを請う。
その傍では素直に言う事を聞いた殊勝な子ども達が両親にへばりついて泣きながら、歯をガチガチと鳴らして震えている。
そして、当の子まりさは目のあった場所から餡子を漏らしながら床を転げまわっていた。

「ゆっくりにげりゅよ!そろーりそろーり・・・」
「ハイ残念、もう見つかった!」
「ゆゆっ!?やめてね!こっちこないでね!?」

子まりさの惨状を目の当たりにした子れいむもまた涙で頬をぬらしながら、必死に逃げ回っていた。
しかし、普段は開けっ放しの出入り口は閉まっており、この小屋には隠れられるような場所も無く、逃げ場所なんて何処にもなかった。
それでも子れいむは俺から逃げ続けた。俺がわざと泳がせていることにも気づかずに一心不乱に逃げ続けた。
そして、疲労が限界に達し、一歩も動くことが出来なくなった瞬間に彼女は俺によって光を奪われた。



俺は一家に食料の代わりに安全に越冬できる巣、以前から使用していたあの小屋を貸してやることにした。
ただし、扉はしっかりと施錠されているし、他の場所から外に出ることもできない。
勿論、食料をやるつもりは微塵も無いので、このままでは何も食べることは出来ず、飢え死にするのを待つだけである。

「そこで、赤ゆっくりのできる蔦やそれに成っている赤ゆっくりと大根を交換してやろうと思う。嫌なら飢えて死ね!」
「ゆゆっ!・・・お、おにーさんはあがぢゃんをあづめでどうずるの・・・?」
「いい質問だ。俺の家に連れて行ったお前らの子どもに食べさせる。ちなみにそれ以外の餌は与えない」
「「「そ、そんなひどいことちないでよ!?ゆっくちできないよ!」」」

自分たちの立場を理解しているとは言え、流石にこの提案ばかりは呑めないらしい。
必死の形相で抗議し、何とか俺から妥協を得ようと一生懸命媚びへつらったり、泣き落とそうとしたりしている。
が、やっぱり何の意味も無い。

「お仕置きされたいか?」
「「ゆゆっ!おしおきはやだよ!ゆっくりできないよ!?」」
「「「おしおきごわいよぉ~!」」」
「「ゆぎぃ!?お、おぢごぎいやあああああああああああああああああ!?」」

どんなに頑張ってもたった一言ですべてが消し飛んでしまう。
両親は子をかばい、子は両親にすがりつき、既にお仕置きを受けたものは気が狂ったかのように喚いていた。
そんなどうしようもなく無力な一家に向かって更に話を続ける。

「ちなみに家のほうの子どもの食事は君たちと交換した蔦や赤ちゃんだけだからね。ゆっくり理解しろよ?」
「「ゆぐっ・・・ゆ、ゆっくりりかいしたよ・・・」」

それから交換レートについても話し合い、蔦1本=大根の葉っぱ10g,赤ゆ1匹=大根の葉っぱ3gという相場に決定した。
ちなみに、うちで取れる大根1本の重さが1000gの可食部分が900g程度であるから蔦1本に赤ゆが5匹なると仮定して1本=25gである。
つまり、40本の蔦を手渡してようやく1kgの食料を得られるのだ。
一家はその分量を示されたときに少なすぎるとゴネたが、手近な成体間近の子れいむにお仕置きをしてやったら快く同意してくれた。

植物型であっても自分が生きたまま子どもを産めるだけの大きさに達しているのは両親と最初からいた4匹の計6匹。
ただし、子どものほうは蔦を3本も生やせば命に関わるだろうし、連続出産なんてとてもじゃないが出来ない。
勿論、いくら十分成熟している両親と言えど5本以上蔦を生やすと流石に危ないのは言うまでもない。

現在生き残っているゆっくりは7匹。
両親のれいむとまりさ、成体間近の子れいむが2匹と子まりさが1匹。
子ども達に関しては1匹のれいむを除いて全員お仕置きによって目を失ってしまっている。
そして、夏に生まれた子れいむと子まりさが1匹ずつ。
こちらは子まりさの方だけがお仕置きによって目を失ってしまっていた。

「ゆっぐ・・・ほどぢでごんなごどになっだのぉ・・・」
「ゆっぐぢでぎないよぉ~・・・」
「「ゆっぐちちだいよ~・・・」」
「くらいよ~・・・ゆっくちでいないよぉ・・・」

そんな絶望的な境遇の中で苦しみにあえぐ一家を眺めながら俺は小屋の出入り口へと向かっていく。
そして、たった一つだけ希望を与えて小屋を後にした。

「俺の部屋の子ども達は来年の農作業用だから餌以外は最高の環境でゆっくりしているぞ」



れいむとまりさは本当に賢い個体だった。
男の言葉を聞いて、意味するところを、男の意図をきわめて正確に把握していた。
また、ゆっくり特有の希望的観測をせずに自分たちの末路を理解した。

「れいむ・・・ごべんね。まりさがにんげんさんのおでつだいしようなんていったせいで・・・」
「ちがうよ、まりさ!れいむもさんせいしたんだよ!」
「「「ゆっくりできないよぉ~」」」
「もうやだ、おうちかえる!」
「おちびちゃんたち、ゆっくりがまんしてね!はるになったらおうちにかえれるよ!」

勿論、嘘だ。男は「部屋の子ども達は来年の農作業用」だと言っていた。
つまり、来年には子ども達がこの小屋で寝泊りをして虫や雑草の駆除に従事することになる。
その時、自分たちが生きていると余計なことを吹き込んでしまう恐れがある。

「きょうはゆっくりやすもうね!」
「あしたになったらきっとおにーさんもゆっくりできるようになってるよ!」
「「「「「ゆっくりりかいしたよ・・・」」」」」

しかし、その事実を伝えるのはあまりに酷だと判断した両親は何も言わず、ゆっくりすることを提案した。
両親の言うことを聞いて痛みや恐怖を堪えながら、そしてそれらから逃げるように子ども達は眠りについた。
彼女達はそれがこの世界で最後のゆっくりになることを知るはずがなかった。

「そろーりそろーり・・・れいむ、ゆっせーので、でいくよ?」
「ゆっくりりかいしたよ。ゆっせのーで」

あっという間に眠りについた子ども達を起こさないように静かに傍まで這いずって行った両親は掛け声と同時に子れいむに噛み付いた。
その子れいむは夏に生まれたばかりの子どもで、まだ小さく成体2匹にいきなり噛みつかれてはひとたまりも無い。
一瞬にして大量の餡子を失った子れいむは断末魔を残して終らないゆっくりへと旅立って行った。

「・・・もっと、ゆっくちちたかったよ・・・」
「「む~しゃむ~しゃ・・・ごべんねぇ・・・」」

そうして子れいむの亡骸を食べ終えた両親は次に両目を失った子まりさを食い殺した。
言うまでも無いことだが、出来ればこんなことはしたくないのだろう。
悲しみの色に染まった双眸からは涙が溢れ出し、水に弱い頬をふやけさせてしまっている。

夏に生まれた子まりさも同じように殺すと、その亡骸を両目を失った成体間近の子まりさ2匹の口にねじ込んだ。
舌を使って器用に口の奥へと運び、何とかこぼれ落ちないようにする。
その後、両親は我が子に頬をこすりつけていわゆるゆっくりにとっての交尾“すっきりー”をした。
途中で子どもが目を覚まし、「ゆっくりできないよー!」と泣いていたが、それでも無理矢理最後までやり遂げた。

「ごべんねぇ・・・」
「「も、もっと、ゆっくちしたかったよぉ・・・」」
「おぢびぢゃんだち・・・ごべんねぇ」



翌朝、唯一生き残った成体間近の子れいむが目を覚ましたとき、部屋には3本の蔦を頭に生やした両親しかいなかった。
それ以外のものは見慣れた壁と床と、わずかばかりの黒いかたまり、そして、10本の蔦を生やしている黒ずんだ大きな塊だけ。
朝早くにやってきた男は、以前のようにゆっくりしていることは無く、その蔦を全部引っこ抜くと足早に小屋を後にした。

「ねぇ、おかーさん・・・いもうとたちは?」
「れいむ、ゆっくりきいてね!」
「ゆっ・・・ゆっくりきくよ!」

神妙な面持ちの親れいむのただならぬ気配を察知した子れいむも真剣な表情になる。

「れいむのいもうとたちはね・・・・・・おかーさんたちがころしたんだよ!」
「ゆゆっ!?う、うそいわないでね!おこるよ、ぷんぷん!」
「ほんとうなんだぜ。いっぱいいてもごはんがへるだけだからころしたんだぜ!」
「ど、どほぢでぞんなごどずるのおおおおおおおおおお!?」

その残酷な言葉を聞かされた子れいむは泣きじゃくり、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら両親に怒りをぶつける。
が、両親は「しかたなかったんだぜ!」とか「れいむのためだよ!」などと言うばかりで、何一つ納得のいく言葉を口にしてくれない。
やがて我慢の限界に達した子れいむは親れいむに飛び掛るがあっさりと弾き飛ばされ、まりさに取り押さえられてしまった。

「おがーざんのばがああああああああ!?」
「しかたないんだよ!こうしないとゆっくりできなくなっちゃうんだよ!」
「ぞんなのぢらないよ゛!ゆっぐぢでぎないおがあざんなんでゆっぐぢぢね!!」

厳しい自然の中で仲間を失った経験の無いこの子れいむにとって、生存のためでも仲間を切り捨てるなんてことは考えられない。
だから、親の気持ちも知らずに泣きつかれて眠るまでただひたすら呪詛を吐き続けた。

「ゆっくりしね・・・だって」
「おお、こわいこわい」

本来ならふてぶてしい表情で言うはずのこの言葉を、今ばかりは悲しみに満ちた表情で口走る。
ここにいてもいつか殺されるだけなら、いつか脱走を試みなければならない。
そして、そのためにはまず生き延びなくてはならないし、脱走の際に足手まといにしかならないものを生かしても仕方が無い。
そんな個体はよしんば逃げ延びても冬の野原や森で生き残ることなどまず不可能なのだから。
ならばさっさと間引いて一番逃げ延びる可能性のあるれいむだけでも救いたい。
また、きちんと蔦を提供することで、男の部屋の子ども達も何とか生き延びることができるかもしれない。

それが子どもが決して知ることの無い両親の想いだった。
頬を涙でぬらしながらも安らかな表情で眠る我が子の傍で2匹は再び6度に渡ってすっきりを繰り返した。
それが終わるとタイミング良く男がやって来て、さっきの分の餌(大根の葉っぱ650g)を床に置き、再び蔦を引き抜いていった。

結論から言えば両親は、餌には一切手をつけずに命を削って20本近い蔦を提供したが、子どもを逃がす機会を手にすることは出来なかった。
子れいむは両親の本心を理解しせず、度重なるすっきりで疲弊しているところを彼女に襲われたのが両親の死因となった。
小屋に残されたのは世間知らずで、両親ほど賢くもなかった1匹の成体間近の子れいむとおよそ1000g分の大根。
3ヶ月ばかり続く長い冬の間、最初の数日は両親の教えに反発するように適量以上を食べ続け、その後数日は妙な臭いを発する両親の死体で飢えをしのいだ。
が、やがてそれも尽き、2,3週間かけて子れいむはゆっくりゆっくりと飢えて、やせ衰えて、死んでいった。

「もっと・・・ゆっくり、したかったよ・・・」



おわり

善良なゆっくりは心理的な抵抗とは別の次元でも虐待しにくい気がする。
ちなみに、男の部屋の子ゆっくりは男が餌を管理してくれたおかげで無事生き延びました。
で、畑仕事を手伝いながら、10匹の子ゆっくりを授かり、冬には(以下略

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最終更新:2008年12月07日 14:03
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