ゆっくりいじめ系88 美味しく食べていってね!

「ゆっくりは食物である」
 これが俺の持論だ。

 動くから、小憎らしい面構えだから、言動にイラつくからといった理由から虐待して無駄に潰している人が大半だが、俺は彼らに間違っていると強く訴えたい。

 魚に例えてみたら分かりやすいだろう。
 魚の面が憎らしいからという理由で踏み潰したり、肥料にするか?
 しかも、それが美味い魚だったら、色々と調理して食べるのが正しいだろう。

 以上の理由から俺はゆっくりを見つけたら必ず食べる事にしている。
 ゆっくりは美味しい食べ物だ。
 そして、美味いものは、美味しく食べなきゃ損だ。



 夕方、家でゴロゴロしていると、何やら騒がしい声が聞こえてきた。
 これはゆっくりだろうと見当をつけ、声の聞こえてくる方へと歩を進めると、早速ゆっくりを見つけた。
「ゆっゆっゆ~♪」
 赤いリボンを揺らしつつ跳ねている後ろ姿を見て、よだれがこぼれそうになった。
 このゆっくりは、一般にゆっくりれいむと言われている種類だ。
 だが、俺は食材の種類に興味はないので、全てのゆっくり○○を一律にゆっくりと呼んでいる。

「ゆっくり~♪ ゆっくり~♪」
 いくらこっそり追いかけていたとはいえ、真後ろまで来たのに気付かないというのはどうなんだろうか。
 まぁ、そのおかげで簡単に食えるから、文句はないが……。
「ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしていっでぇぶぎゃ!」
 返事を最後まで聞かずに、持っていた木の棒で殴りつける。
 食材と仲良く会話する趣味はない、そのまま背負っていたカゴに入れた。

 そのまま焼いて食うか、ちょっと手を加えるか、それとも汁粉が良いか……。
 どう調理するか楽しく考えながら家路についた。



 次の日、畑を耕していると、勝手に作物を食い荒らしているゆっくりの親子を見つけた。
「「「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー!!!」」」
 普通の農家ならこのままクワを叩き込むところだが、俺は違う。
 加工場に渡せば損失はほぼゼロ、場合によってはプラスになるんだから、肥料にするには上等過ぎる。

「こんにちは、ゆっくりしていってね」
「「「ゆっくりしていってね!!!」」」
 一斉に振り向くゆっくりを、笑顔で眺める。
 ひのふのみの……大きいのが2匹に、小さいのが3匹の、合わせて5匹か。
 とりあえず、手近にいるのを何匹か捕まえた。
「ゆ? 遊んでくれるの?」
「まりさの次はゆっくりれいむとも遊ぼうね!」
「まりさもあそぶー!!!」
「れいむもー!!!」
 やたら大声を出すので若干イラつくが、食材にイラついても仕方が無いので笑顔で話しかける。
「ここじゃゆっくりできないから、お兄さんの家で皆一緒にゆっくりしようね」
「「「うん! ゆっくり遊ぼうね!!!」」」
 どんなゆっくりポイントかなぁ、楽しみだねーなどとのんきな会話を交わしつつ、ゆっくり一家が後をついてきた。
……速攻でクワを振り下ろす人の気持ちが、ほんの少し分かった気がする。


 その日の昼飯は、汁粉とちょっと平べったい饅頭2個。
 食後のお茶を楽しみつつ、ゆっくりは美味しい食べ物だと改めて思った。




 次の日もゆっくりの親子を見つけたので、家に連れてきた。
「おじゃまします!」
「「「お兄さんの家でゆっくりしていくね!!!」」」
「はいはい、ゆっくりしていってね」
 やたら礼儀正しいゆっくりだ。
 親ゆっくり2匹と、赤ちゃんゆっくり5匹という、ごく普通のゆっくり一家のはずなんだが。
 不思議に思いつつも、ゆっくり一家を全て家に入れて鍵を閉めた。準備完了。
 一匹一匹をどう調理するか……ここからが腕の見せ所ってところか。

 何が楽しいのか、ぶつかり合ってはきゃっきゃと笑う赤ちゃんゆっくり5匹をまとめて持ち上げた。
「もっとゆっくり出来る様に、赤ちゃん達をお風呂に入れてあげるよ」
「お兄さんありがとう!!! ゆっくりおふろにいれてね!!!」
 小さくても5匹なら、美味しいお汁粉が出来るだろう。


「ちゅめたーい!」
「からだありゃうのきもちいいよ!」
「「「ゆっきゅりからだをありゃってね!」」」
 適当に返事をしつつ、丹念に洗う。
 野生のゆっくりは加工場のものより美味しいが、ゆっくりの体には、構造上汚れがかなり付いている。
 そのため、食べる前に洗わなければ腹を壊してしまう危険性があるのだ。
 子供達は体を洗われるのが気持ち良いらしく、全く抵抗はない。
 その様子を微笑ましそうに眺めている親を尻目に、洗った5匹を水を張った鍋に放り込んで火をかけた。

「あっちゃかーい!」
「おふりょきもちいいよ!」
「「「ゆっきゅりちゅからしぇてね!」」」
 火をかけてから5分、10分と経つ内に、段々親の表情が変わってきた。
 何かおかしいぞ、ひょっとして……いや、まさか……
 そんな葛藤が起こったらしい。食材のくせに生意気な。
――というか、なんでこいつらはここまで人を信じるんだろうか?
 浮かんだ疑問を頭から消して、鍋をそのまま火にかけ続けた。


「おにーしゃん、あちゅいからもうゆっきゅりだしてね……」
「おふろもういいよ、あしょぼうよ……」
「ゆっきゅりのぼしぇちゃったよ、ゆっきゅりだしてね……」
「「お兄さん!!! そこだとゆっくりできないから今すぐ出してあげてね!!!」」
 鍋に火をかけてから20分、5匹はぐったりとしてきた。
 2匹は既にアンコが染み出しており、多分もう死んでいるだろう。うん、美味しいお汁粉になってくれそうだ。
 親2匹はもう俺をクロだと断定したらしく、何やら叫びながら足にぶつかってきているが、痛くも何とも無い。

「お兄さん! 出して――」
「お母さん達がうるさいから、ちょっとそこでゆっくりしていてね」
「「ああああ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁぁ!!!」」
 親ゆっくりが何か言いかけたが無視して鍋のフタを閉めた途端、2匹同時に物凄い形相になって突っかかってきた。
「あがぢゃんがぁぁぁぁ!!! 出してあげてぇぇぇぇ!!!」
「なにずるのおおおぉぉぉぉ!!!」
「何って、食べるんだよ」
「「やべでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」
 顔をよだれと涙でぐちゃぐちゃにして鍋に向かっていくが、ゆっくりの背では届かない。
「あ”がぢゃんがぁぁぁぁぁ!!! れ”い”む”のあ”がぢゃんがじんじゃうぅぅぅ!!!」
「い”や”ぁぁぁぁぁぁぁ!!! ごども”だべな”い”でぇぇぇぇぇぇ!!!」
 食べないでと言われても、こいつらは食材だしな。
 鍋の前から振り払おうとすると、こっちを向いて頭を下げる動作をしてきた。

「「れ”い”む”どま”り”ざはだべでも”い”い”でずがら”、お”ね”がい”でずがらごども”はだずげでぐだざい”ぃぃぃぃぃ!!!」」

 聞き違いかと思った。
 だが、もう一度「おねがいじまずぅぅぅ!!!」という必死な願いを聞いて、聞き間違いじゃないと分かった。

 ゆっくりという生物は、自分の命を最も重視し、飢餓に陥ったら自分の子供さえ食ってしまう最悪の生物であるというのが、幻想郷に住む人の一般的な認識だ。
 だが、目の前の2匹は自分は食べられても良いから、子供は助けて欲しいと必死に頼み込んでくる。
 そんな2匹を見て、食材に対してではない感情が芽生えてしまった。

 当然、助けるという方向の感情ではない。

 確か、絶望だか恐怖だかを味合わせたゆっくりは、甘くなるって聞いた事あるな。
 今回だけはちょっといじめてみるかな、甘くなるかどうかの確認をするために虐待してみるだけさ。
 ニヤケ面を抑え切れないまま、俺はゆっくり2匹を持ち上げた。
「そう言われてもなー……ほら、もうこんな事になってるし」
 フタを取って鍋の中身を見せると、美味そうなお汁粉が出来ていた。

「ごばんはい”ら”な”い”がら”あ”がぢゃんがえ”じでえぇぇ」
「お”ね”がい”じま”ず、あ”がぢゃんがえ”じでぐだざい”ぃぃ」
 自分の子供が汁粉になったとは認識出来ないらしく、泣きながら更に頼み込んでくるゆっくりども。
「もう、お前らの子供はいないんだよ。お汁粉になっちまったのさ」

 沈黙。

 同時に、2匹は泣き喚きだした。
「「びゅどぅおおおおうぼぉ!!!」」
「ぐ……あぶね」
 凄まじい勢いで手を振り払い、そのまま鍋に飛び込もうとする2匹を全力で押さえる。
 こいつらはお汁粉にはしたくないし、まだ洗ってないから鍋に入れさせるわけにはいかない。
「あ”がぢゃんはどご!!! どごにい”っだのぉぉぉぉぉ!!!」
「ゆ”ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!! ま”り”ざのあ”がぢゃんどごぉぉぁぁぁぁぁ!!!」
 無論、こっちの都合はおかまいなしに涙とよだれのアンコを撒き散らしつつ鍋に向かおうと必死にもがく2匹。
 いい加減腕が痛くなってきたので、2匹を黙らせる事にした。

 まずは洗浄。
 2匹同時に流し台に置き、一匹ずつごしごしと洗う。
「がえ”じでえ”え”え”え”え”ぇぇぇぇぇぼぼぼぶげぇぇぇぇ!!!」
「ごぶぼぉぉぉぉぉ!!! あ”がぢゃんがぁぁぁぁ!!! あ”がぢゃんがあぁぁぁぁ!!!」

 続いて、切断。
 髪と思しき皮の部分から横に切り取る。
「ゆ”ぎゃあ”ぁあ”ぁあ”ぁ!!! あ”だま”が! れ”い”む”のあ”だま”がぁぁぁ!!!」 
「れ”い”む”ぅぅぅぅ!!! や”べで!!! や”べでぇぇぇぇぇ!!!」

 中身のアンコを取り出して……と。
 もう一匹は別の料理にするため、縄で縛り付ける。
「ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”ゆ”!!! ゆ”ゆ”! ゆー、ゆっゆっ……ぶぎゃ」
「ゆ”ぶっ! あ”、あ”んごどら”な”い”でぇぇぇ!!! れ”い”むがじんじゃう”よ”ぉぉお”お”おぉぉ」

 汁粉をそのまま入れていく。
「reぃ……ぁka……ゃ……n」
「あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁ……れ”い”むがじんじゃっだぁぁぁ」

 そのまま氷室に持って行き……。
「れ”い”む”をがえ”ぜ!!! あ”がぢゃんをがえ”ぜ!!! じね”ぇぇぇ……」

 適度に冷やすと、ゆっくりシャーベットの出来上がり、と。

 もう1匹は、丸焼きにするかな。
「ゆ”っぐり”じね”、じね”ぇぇぇぇぇぇあ”あ”あ”あ”あ”あ”がぁぁぁぁぁ!!!」

 もはや、ゆっくりとは思えない形相で叫んでいるゆっくりに串を刺し、そのまま焼く。
 まりさ種にしては珍しく、最後まで命乞いをせずに俺を睨み続けていた。


 さて、明日はどんなゆっくりが食べられるかな。
 大小合わせて8個分の饅頭で一杯になった腹をさすりつつ、次の料理の事を考えて幸せな気分になった。










5スレ549の「IDがゆっくりの悲鳴っぽい」ってのがツボにはまったので使わせてもらいました。
ゆっくりしすぎた結果がこれだよ!!!

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最終更新:2008年09月14日 05:23
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