ゆっくりいじめ系2262 悪意2

※罪無しゆ死ぬ
※ゲス人間注意報
※ドス出現




         悪意2

             作者:古緑




『ゆあぁぁぁぁ!!ごわいよおおぉぉぉおおぉおぉ!!!』


『お母さん助けてだと!?フザケやがってお仕置きを受けろ!!』

顔を真っ赤にしたあの男がおちびちゃんを掴み上げ
今にもその拳に力を込めて握りつぶさんとしているのが
普段よりもゆっくりと、ゆっくりと見える
助けて上げたいのに距離が遠過ぎる
やがて男は頬を釣り上げながらその拳をゆっくりとー


「ゆ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!!やべで!!おぢびぢぁん!!まりざぁぁぁ!!!」


絶叫と共に視界が見慣れたものに変わる
れいむとまりさとおちびちゃん達のお家だ
随分長い事眠っていたようで
もう太陽は昇り切り、春の日差しが巣に入り込んでくる


「れいむ…だいじょうぶ…?」

柔らかい葉のベッドに横たわるゆっくりれいむは
その声でようやく気を落ち着かせる事が出来た

ゆっくりれいむを突然襲った悪夢は昨日の事
もうおちびちゃん達やまりさはこの巣には帰らない
巣の外のお墓の中でこれからずっとゆっくりするのだ

「…ぱちぇ…………だいじょうぶだよ………もうだいじょうぶ………
 ドスはもう……?」

「ドスはもうむらにむかったわ
 あのおとこにきびしいばつがくだるといいのだけど…」

「…そうだね……ぱちぇ、れいむはまたねむるよ…
 ドスがかえってきたらまたおこしてね…」

当然だ
あんな人間が許されて堪るか
厳しい罰どころか…!殺したとしても生温い
ゆっくりれいむはあの男が苦しんで殺される姿を想像しながら
傷を癒すためまた眠りについた










ドスまりさは体高40cm程の大きいゆっくりまりさを
10匹近くも引き連れて村と森の境に着こうとしていた
予め村長とは「村と森の境の広場」という
村と森の間でいざこざがあった際に平等に話し合える場所を設けてある

「ゆふー…ドスとまりさ達はあそこでちょっと休憩だよ…」

それにしても狭い道である
ゆっくり出来る広場へ繋がる道の中で唯一整った道とはいえ
体の大きなドスにとっては狭くてゆっくり出来ない

とりあえず少し休憩、何せ昨日の今日だ
ひとまずまりさを何人か村まで遣って言伝を頼まなくてはならない
村長さんが来るまでここでゆっくりしてよう
今日来てくれるのが一番良いのだが

「ゆっ?ドス!ひろばににんげんさんがいるよ?」

ドスまりさのそんな心配は杞憂に終わった
なだらかな坂の上で村長が手を振っている
まだ連絡もしていないのに何故あそこで村長が待っているのか?
ドスは不審に思った
あの男が伝えたのだろうか?
偽りの報告をしてはいないだろうか?

見たところ村長は人間を四人しか連れてない
もしもそんな事になっても自分がいれば対処出来るはずだ
あちらにも話をする意思はあるようだし
事を荒立てたくないのはあちらとて同じ筈だ

「村長さん!今からそっちに行くからそこでゆっくりしててね!」

そう大声で村長に伝えるとドスまりさは緩やかな坂道を急いで登り始めた
まず群れのゆっくりを殺した村の男の処分について話し合いたい
その意思を自分の口から伝えよう


そう考えながら急いで坂を跳ねるドスまりさは
その途中で薄い木の板を割るような音と共に
地面が沈む感触をその底部に感じた










「ゆっくりしていってねー!ゆっくりしていってねー!」

遠くから聴こえる聞き覚えの無い声で
ゆっくりれいむは眼を覚ました
ぱちぇりーがいないがきっと傷を覆う葉を取り替えるために
一旦自分の巣に戻っているのだろう
声はだんだんと近づいて来る
巣の前でその声が大きく響くとゆっくりれいむはゆっくりの本能から
ゆっくりしていってねと痛々しい声で返事をした

「うぉっ!ホントにいたよ!声がした!」


「一度巣を見ればもう掛け声も要らなくなりますよ
 ほら、不自然じゃありませんか?この巣を覆ってる枝も、葉も」


ゆっくりれいむは体を握りつぶされたような気持ちになった
『あの男』の声だ
『あの男』が巣の前にいる


「この辺の巣はコレだけみたいですので○○君は○○さん達と一緒に
 さっきの入り口の方を探してきて下さい
 よく知ってる所だからって決して子供だけで
 ウロウロしてはいけませんよ?」


「分かってる分かってる!じゃまた後でね!」

「ええ」

でも話し方も声の雰囲気も昨日とは全然違う
もしかして違う人間?何をしてるの?
れいむは息をするのも忘れて巣の入り口を睨みつけた
カサカサと音を立てて巣に入って来る陽が増えていく
巣に入る陽を邪魔するものが無くなった瞬間
歪んだ笑顔が巣を覗いた



「よぉクソ饅頭…生きてるみてーだな」

「……あ…あぁ……」

「見ろよ…テメェが昨日ギャーギャー騒いでくれたおかげでこの様だ
 腕は固めなきゃなんねーし熱まで出てんだぜ…フザケやがって…!!」


「ーーーあ”あ”あ”あ”あ”あ”!!ばぢゅりぃ!!ばぢゅりぃぃぃぃぃ!!!」


口の中の傷が開くのにも構わず力の限り声を張って助けを呼ぶ
男が目の前で真っ青な顔を五月蝿そうに顰めた

「むきゅ!? れ…れいむから離れなさい!!」

綺麗な葉を銜えて巣の近くまで来ていたゆっくりぱちぇりーは驚いた
昨日ドスに痛めつけられたあの男が懲りもせずにまたここに来ているからだ
だがこの男が弱っているのは間違いない
左腕は使えないようだし足元もゆらゆらと安定していない
倒す事は出来なくとも追い返す事ぐらいは出来るかもしれない

太ももに衝撃を受けた男はすっくと立ち上がり足元を見下ろす
その先にはふくらはぎに体当たりを繰り返す紫色の髪の毛が見えた

「むきゅ!森から!出て行きなさい!」

男はぼすんぼすんと足から伝わる衝撃が熱を持った頭まで伝わり
頭痛とともに狂う程の怒りがまた湧いてくるのを感じた




「何のつもりだ?てめえ…!!」















「うぎぃ!!ぎぎ…!!いだい!いだいいいぃいぃぃぃ!!!」

ドスまりさは不自然に崩れた足場の正体を理解した
口元が隠れる程度の深さもないが
これは紛れも無い落とし穴だ
重い自分が乗る事で初めて機能するよう細工されていたのだ

しかも子供騙しのモノではなく穴の底には
『返し』のついた杭が何本も突き出ていた

「ゆっ?ドスがあなにおちてゆっくりできてないんだぜ!
 みんなでひきあげるのぜ!」

「「「「えいえいゆー!!」」」」」

「ま”っ待っで!引っばらないで!痛いよおぉおぉ!!!」

「がまんだぜドス!ゆーえす!ゆーえす!」

ゆっくり達がドスを穴から引き上げようと無駄な努力をしているうちに
村長の近くにいた4人の男達が鎌を持って近づいて来ていた

「このゲス共が…本当に村へ向かってきやがったな…!!
 先生の言った通りだ!!」

「ゆ”っ!?」

ドスまりさだけがその言葉を聞き取る事が出来た
この落とし穴を掘ったのは人間達に間違いない
なのにゲスとはどういう事だ?裏切ったゲスはあの男だ

「ゆ”っぐり待っでね!ばでぃざ達は…!!」

「死ねぇ!!」

ドスの髪の毛を引っ張っていた大きなまりさの内の一匹に鎌が突き立てられる
ゆっくりまりさは鎌が突き刺さった事に気づかず少しの間動き続けていたが
直ぐに「ゆ”っゆ”っゆ”っ」と不気味な鳴き声を上げた末動かなくなった

「ゆ”あ”あ”あ”!?ばでぃざあ”あ”あ”あ”!!」

とっさの判断でドスまりさはキノコを帽子から出そうとしたが
足を失った経験の無いドスまりさは足の動き無しに上手く帽子を揺らす事が出来ず
そうこうしている内に髪の毛を伝って登ってきた男に帽子を奪われてしまった

男の怒号を合図のように他の男達もゆっくりまりさ達に鎌を突き立て始める
このまりさ達は群れの中では屈指の実力者であったが
凶器を持った人間にはなす術も無く
まるで雑草を刈るように殺されていく仲間達を見ても
嵌められた穴の中から叫びを上げる事しかドスまりさには出来なかった

「やべろ!!話をぎげええぇえぇぇぇ!!!」

ドスまりさは叫び続けた
間違いなく人間達は誤解をしている
約束を破り群れの仲間を殺したのは村の男なのだ
あの男が村に何か嘘を絡めた報告をしたに違いない
自分達をゲス扱いした一言からドスまりさはそう推測した

「だずげで!!だずげでよドず!!ゆぶっ!!」

人間が近くにいるとはいえせっかく見つけたゆっくりプレイスなのだ
このまま誤解を受けたままでは仲間が、群れの皆が殺され尽くしてしまう
ドスは誤解による争いで群れを滅ぼしたくはなかった
仲間を殺されるのは許せないがこの男達も騙されているだけだ
話せば分かる

「ドズ達は何もじでまぜん!あなだ達は誤解しでるだげなんでず!
あの男がでいぶを殺じだんでず!!」

「…ッこの…よくもぬけぬけと!」
「放っとけ、只の命乞いだ」

ドスまりさは心が折れそうになった
男達は全く自分の叫びには耳を貸さない
ゆっくりせずに逃げ回るまりさ達を鎌で追い回し続けるのを止めない

ふとドスまりさは村長がすぐそばにいるのを眼の端で捉えた

もうこの殺戮を止めてくれる人間はこの男しかいない
初めて会った時はあんなに快く森に住まわす約束をしてくれ
僅かではあるが食料までくれた本当にゆっくり出来る村長さんだ
真剣な態度で真実を伝えればきっと理解してくれるはず


「村長さん…お願いだよ…まりさを信じて…!
 あの男が先に群れの仲間に手を出したんだよ…
 何もしてない…れいむの家族を…皆殺したんだよ…!
 まりさはそれを止めようとしただけなんだよ…!!」


「知っとるよ」


ドスまりさは頭の中が真っ白になった
ドスまりさにだけ聴こえるような小声でそう告げた村長の顔は
つい先日見たあの男の顔と同じ類いのモノだったのだ
村長は呆然としたドスまりさの顔を満足そうに眺めると
その脇を通って丁度ゆっくりまりさ達を皆殺しにした男達に何かを告げて去っていった

『どうせもう助からない』と言い男達はドスまりさに止めを刺す事はしなかった
「バラして穴ごと土を被せる」だの何かゆっくり出来ない事を
話していたような気がするがもうよく分からない
声一つ出す事も出来ずドスまりさは去っていく男達の背を
ずっとずっと、ただ眺めていた












どれくらいの時間ここで放心していたのだろう
春風の吹く坂道でドスまりさは何かが顔にぶつかる事で気を取り戻した

「………ゆ…………」

どうせもう自分は助からない
底部には癒す事の出来ない程の傷を負い
動くどころかこの穴から抜け出す事も出来ない

村長はゆっくりの事など何とも思っていなかった
あの男一人を裁くぐらいなら群れを滅ぼす事を選ぶ
約束を守らない卑怯者だった
…あの約束は一体何だったのだろう?

群れは自分を失った事で人間だけでなく
森の生き物達にまで食い物にされるだろう
だが、もう自分にはどうする事も出来ない
せめて最後ぐらいは一人でゆっくりしたい

「……ごめ…なざい……めんな…い……」

聞き覚えのある声
いつもこの声を聞いていた気がする
ドスまりさは失意の中その声に癒しを求めるように
声のする方向に意識を向けた

「……ごめ…い……ごめんな…い……」

「…ぱ…ちぇ…?」

そこには紫の髪の毛を斑に引き千切られ両目を抉られた
ボロボロのゆっくりぱちぇりーが誰に対してなのか謝り続けていた


「よぉ化け物饅頭!わざわざ来てやったぞ!元気か?」


「…ぱちゅりぃ…?ばぢゅりぃ…!?お前がばぢゅりぃを…!!」

この姿を見て的はずれな質問を投げかけて来たのはあの外道だった
昨日痛めつけてやったにも関わらず怪我人とは思えないような笑顔だ

「お土産持ってきてやったのになんて顔してンだよ?
 ホレ見ろ!結構集まったろ?村で喰う饅頭だ!
 重くってキツいからからデカイのは殺しちまったけどな」

「ゆあぁあぁぁあぁぁおがあしゃあぁぁぁん!!!」

「どす!?ドスだぢげでえぇえぇえぇええぇえぇえ!!」

「ハハ…助けてっつってんぞ?」

男は降ろした手提げから器用に子れいむを取り出すと
おもむろにその顔の下半分を齧りとった
そしてドスまりさを見つめる眼を残した上半分の子れいむを
ドスまりさに向け差しだす
「お前もどうだ」と言わんばかりに

「れいむやぱちぇだけじゃなく群れの子供達まで…!!
 どれだげ…!!どれだけお前は…!!」

ドスまりさがそこまで言うと足元のゆっくりぱちぇりーが
パニックから気を取り戻したのか

「ドス…?ドズなの…?にんげんがむれをおそっているの…
 ばちぇはもうだめだよ…みんなをたすけてね…」

森にドスが帰ってきたと勘違いしているのだろう
少しの希望を含んだ声でパチェリーはドスまりさに懇願した

「ばぢぇ…!!ばぢぇぇ………!!どうじで…?どうじでごんなごどに…?」

涙を流しながら事の理由を求めるドスまりさのその問いに
男は戯れに答えてやる事に決めた



「どうして?何で自分よりも俺みたいなヤツを
 村の連中が信じたのか知りてーのか?
 俺は村じゃ『いい子ちゃん』なんだよ
 『子供達に教えを授ける先生』なの。分かるか?」

「………………ばぢぇぇ………!!」

「『僕』が山菜を採ってたら群れのモノを勝手に持っていくな!って
 『ドスまりささん』が約束をお忘れになったのか急に襲いかかって来た
 って言っといたんだよ
 よく入る森にそんなドゲスがいたら村の連中も見逃せねえよなー
 ま…ジジイも随分ご無沙汰だったしそろそろ適当な口実が欲しかったんだろ」

「………………………!!」

「俺の言う事だから村の連中も簡単に信じてくれてよ
 奴等ゲスにはいっつも容赦がねーんだよな
 …まぁゲスじゃなくても結果は同じか
 そのうちお前等は狩られる事になってたんだよ」

「…………………………ゆっぐ…!!」

「ン?そういや仲間の饅頭共が心配そうだったな?
 昨日の紅白饅頭だったら今さっき
 巣の横の墓から出したガキの死骸
 全部喰わしてやったら泣いて喜んでたぜ
 家族の元へも行かしてやったし今頃ゆっくり出来てんじゃねーの?」


「ゆがあ”あ”ぁぁぁぁ!!!ごろず!!ごろじでやる!!」


「おおー怖い怖い!流石『ドゲスまりさ』だな!
 こえーから俺は愛する生徒達の待つ幸せな村へ逃げるわ
 あの世で饅頭どもにヨロシクな」

「ぎざまぁぁぁぁ!!待で!逃げるな!!ごろじでやる!!」

「…っとぉー、頭ボーっとしてて忘れるトコだった
 コイツは昨日のお礼だ…じゃあな!ドゲスまりさ!」


男はドスまりさの頬に渾身の力を込めた拳を突き入れると満足したのか
黒い餡が付着した手を服で拭い
殴った時の衝撃で痛みだした左腕を抑えながら
ふらふらと村へと戻っていった



頬が窪んだドスまりさの怒りの叫びは
その命が消えるまで途切れる事はなかった







「ぜんぜえええ!!○○君があだじのお饅頭どる~!!」

「こらこら駄目ですよ○○君、ホラ、返してあげなさい
 お母さんが見に来てるからってはしゃぎ過ぎちゃ駄目だぞ?」

「面倒見のいい先生よね~それに真面目!
 この前なんて骨折したばかりなのに休まずに
 饅頭狩りの遠足に一緒に行ってくれたんですって!」

「子供好きなのね~!
 なかなか出来る事じゃないわ~」

「よ~しいい子だ!ご褒美に先生の分のお饅頭を上げよう!」

「ぜんぜえー!!今度は○○君がぁぁあぁ!」


「こらこら!言う事聞かない子は『お仕置き』だぞ?」





                  ー完ー

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最終更新:2022年01月31日 03:02
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