ゆっくりいじめ系2702 たのしいはたけいじり

※俺設定注意










今は五月も末なのだが、少し前の話をしよう。



俺はゆっくり農園というものを経営しており・・・・・・これはもう何度も説明したので省略する。
さて、ゆっくり農園だけに限ったことではないが畑は使う前に土を耕したり肥料を撒いたりしなければならない。
いわゆる畑起こしという奴である。

ゆっくりにとって土を耕すというのは凄まじい重労働だ。
ご存知の通り、ゆっくりには手足が無い。
つまり自然と顔、それも口を使った作業になるのだが、これが様々な困難を引き起こすのだ。

まず、道具が使えない。
一応スコップなどをくわえる事は出来るのだが、それも咬筋力の都合そう長い間くわえ続けることも出来ない。
人間で例えるなら、某三刀流のように口でシャベルをくわえ続けるようなものだ。土台無理な話である。

では、道具を使わずに己の歯で土を耕すのはどうか。
元々ゆっくりは穴を掘って巣を作る。
これならばゆっくりでも土を耕すことは出来るのではないだろうか。

実は、それも不可だ。
ゆっくりは穴を掘る。それは事実だ。
だが、全てのゆっくりが無事に穴を掘れるわけではない。

ゆっくりの歯は脆い。正確に言うなら歯茎も脆い。
土を掘り出すという作業のうち、何本も歯を失ったという(野生の)ゆっくりの姿を俺は見てきた。
無事に巣を掘れたゆっくりなんて者は、その地面が柔らかく石などを噛まずに済んだ幸運に恵まれたに過ぎない。

加えて、うちの畑は広い。
穴をひとつ掘るのとは訳が違う。広大な土地全てを耕さなくてはならないのだ。
一応うちにはそれなりの数の飼いゆっくりが居るが、そんなものは焼け石に水である。

人を呼ぶというのも却下。
うちは里の外れ、どちらかというと妖怪の山の近くにある。
(妖怪や妖精的な意味で)危険であり、わざわざ里からこんな所に来てもらうほどの重要事ではない。

もうこうなると胴付きに頼るしかない。
しかしうちの広い畑を耕すとなるとそれなりのパワーとスタミナが要求される。
その条件を満たす者はゆうかしか居らず、俺とゆうかだけでは少々この畑は広い。最もゆうかはそれでもやる気だろうが。
耕運機なんて便利な物もなく、なかなかに八方塞な状況というわけだ。



とまぁ散々前書きしておいてなんだが、実はこの問題はあっさりと解決できる。
簡単なことだ。飼いゆっくりは駄目でも、それ以外ならOKである。
つまりは野良や山のゆっくり達に有意義な労働をしてもらおうというわけだ。

それではゆっくり達よ、精精頑張っておくれ。










たのしいはたけいじり










三月。

春の先触れ―――にしてはうだるように暑いある日。
燦燦と照らす太陽の下、一面にその土の色を晒す広大な畑があった。

まだ苗どころか種すらも植えられていない、畑と言うよりもただの農地。
去年の冬以降手が加えられていない筈のその場所は、しかし何か様子が違っていた。

穴。
穴、穴、穴。
まるで蜂の巣のように、畑の至る所にバスケットボール大の穴が掘られている。

勿論、風の影響だとか、雨が降ってこんな穴が開いたわけではない。
その穴を拵えたのは―――無数のゆっくり達である。

畑に掘られた穴の底、みればそこに蠢くゆっくり達の姿が確認できる。
ただしその動きは普段に輪をかけてのろく、弱弱しい。
一体これはどういうことなのであろうか。

彼らがこんな所に居る理由。
それは、この畑の主である男に捕まったからに他ならない。
彼らは例外なく捕らえられたゆっくりなのだ。

ゆっくりとは欲の深いナマモノである。
一度人間の食物を摂れば、その味が忘れられずにあらゆる手段で再び人間の食事にありつこうとしてくる。
例えば、畑泥棒などがそれに当たる。

今畑にいるゆっくりは大部分が山や森に生息するゆっくりであった。
何故かは知らぬがゆっくりの本能の中には人間の食料の味が焼きついている。
止せばいいのに彼らはそれを手に入れるため、男の畑にわざわざ足を踏み入れたと言うわけだ。

春の訪れと共に、そういうゆっくりが増えるのもよくあることだ。
ゆっくりは春になれば繁殖し、子を産む。
結果食糧不足となって無謀にもこのような愚挙に及ぶ固体も少なくない。

つまりは、ここにいるゆっくり共は皆生きていてもためにならない屑ゆっくりばかりと言うことだ。
自分の事しか考えられない、自己中心極まるド饅頭。
生まれてからこの方生産的な事など一切して来なかっただろう無能どもだ。

それでは何故そのような屑どもが大人しく穴を掘り続けているのだろうか?
別に土の中に野菜が埋まっているとかではない。
男の命令でこうしているだけなのだ。

男は、毎年春になると大挙してやって来る饅頭どもの扱いについて頭を悩ませていた。
潰しても潰してもきりが無いほどに沸いてくるゆっくり達。
加工所に引き渡すにしても、これほどの数は受け取りきれないだろう。
なんとかしてこいつらを有効活用する方法は無いものだろうか。

そして、閃いた。
これだけ数が居るのだから、畑を耕すくらいには使えるかもしれない。
この広さの畑を耕すのは少々骨が折れる。それをこいつらに肩代わりさせてはどうか。
人海戦術ならぬゆん海戦術。数だけは多いゆっくりならではの利用法だ。

まず彼は捕まえたゆっくりどもに対して凄惨な拷問を施した。
これによって多数のゆっくりが死に、そして更に多くのゆっくり達に恐怖を植え込む。
ここで反抗的なものの大半は死んだ。残ったのは比較的従順な個体と逆らう気が無くなるまで精神を壊された者だけだ。

それから彼はゆっくりたちを畑に解き放ち、こう言った。
「午前中は穴を掘れ。午後になったらその穴を埋めろ」と。
ゆっくり達は一も二も無く従った。
逆らえばどうなるか、解っているのだろう。

そんな過程を経て今この状況へと繋がっている。
今ゆっくり達に許されているのは穴を掘ることだけ。
それ以外の行動は、死を意味していた。

空にはゆっくり達を監視すべく10匹のれみりゃ・ふらんが飛び回っている。
合計40匹を4つに分け、6時間ごとの監視に付く。
ゆっくり達に休憩など無い。朝も昼も、夜も無く働き続けるのだ。

既に太陽はほぼ真上に昇っており、いくら穴を掘ろうときつい直射日光がゆっくり達を苛んでいる。
それでも止まるわけには行かない。
止まればほら、今そこに倒れこんだまりさのように・・・・・・。

そのまりさの口には歯がなかった。
正確に言えば、まだ歯は残っているのだがそれは奥歯だけ。
ほんの少し力加減を間違えただけで、土はその重さを以ってゆっくりの歯茎から歯を根こそぎ抜いていく。
まりさのように口の中を隙間だらけにしているゆっくりはそこらじゅうに居た。

するりと一匹のれみりゃが降り立ち、倒れこんだまりさに噛み付く。
まりさは動かない。声を上げることすらない。
穴を掘っているゆっくり達の体力はとっくに底をついていた。

既にゆっくり達がこの拷問にも等しい労働を始めさせられてから三日が経過しようとしている。
初日はまだ元気があった。だから怯えながらもゆっくり達は生きて帰ろうと希望を持っていた。
そしてそのうちの何割かは脱走を試み、例外なくれみりゃ達に殺されていった。

二日目、つまり昨日は今日とは真逆の身も凍りつくような寒い日だった。
一日中畑を耕し続けて体力の減っていたゆっくり達にとって、その寒さは死を呼ぶ死神の声に等しかっただろう。
実際、体力の無い赤ゆっくりはその日にほぼ全滅した。

そして今日。前述のように、身もうだるような暑さである。
降り注ぐ日差しはゆっくり達のなけなしの体力を根こそぎ奪い取り、今もそこらじゅうでゆっくりの倒れる音が聞こえている。
しかし他のゆっくり達は止まらない。止まれば二度と動けない。
動けば動くほど体力が削られ、集中力の切れは土を掘る道具である歯を根こそぎ失いかねない結果へと繋がる。
途方も無い悪循環だ。

れみりゃがまりさの背中を引き裂いた。
土に汚れたゆっくりの皮など食うに値せぬ、そんな態度だ。
黒々と露出した餡子、その中枢部分を一舐め。最高の甘みだ。れみりゃはご機嫌になる。
一口食べればもう用済み。れみりゃはさっと羽を一打ちして、空へと舞い戻っていった。

倒れ伏したまりさ、その瞳に生命の輝きはもう無い。
結局まりさは一声も上げずに、とても静かに息絶えた。
誰からも見向きされぬ穴の中、そこでまりさは急速に黒ずんでいく。

一般にゆっくりが黒ずむのは子を作り過ぎた時や餓死したとき、つまり衰弱した状態だ。
このまりさも3日に及ぶ重労働の末、衰弱しきった身体で死を迎えた。
まりさの皮は急速にその色を失い、中身の餡子色に染まっていく。

自ら掘った墓穴で土と見分けがつかなくなる程に黒ずんだまりさ。
余談だが、ゆっくりはこの状態で死ぬと土壌にとって非常に良い肥料となる。
まりさもまたその身体を地に還すべく、土と同化していく。

まりさの墓穴の隣では、そんなことに気付かずにれいむ親子が必死になって穴を掘り続けている。
ただし親れいむの目は虚ろで、今にも倒れこみそうだ。
子れいむはそんな親れいむを気遣いながらも口の中に土を掻き込み、そして外に捨てている。
土の中には子れいむの前歯らしき白い何かが紛れていた。

他にも畑を見渡せばこのような光景はいくらでも目にすることが出来る。
ケタケタと狂ったように笑いながら穴を掘るもの。
さめざめと泣きながら涙によって湿り、硬くなった土を穴を必死に掘るもの。
全ての感情を取り払ったかのように無表情で歯が折れてもただひらすら穴を掘るもの。
全てが全て、その顔に絶望をありありと浮かべている。

休もうとすればれみりゃに殺される。
逃げ出そうとすればれみりゃに殺される。
そうしなくとも気まぐれにふらんが殺しに来る。
しかし働き続けていても待っているのは衰弱の末の死だ。なにをやっても彼らに救いなど無い。

太陽が完全に真上に来た頃、れみりゃとふらんは声を合わせて「うー!!!」と叫んだ。
これは作業の変更の合図。
今から12時間後の深夜まで掘った穴を埋めていかねばならない。

穴の底のゆっくり達はそれこそ名前の通りに、ゆっくり、ゆっくりと弱弱しく這いあがってくる。
その際に一匹のありすがふらんに頭を吹き飛ばされたが、誰もそれに驚くことは無い。
もう既に彼らの精神は磨耗しきっているのだ。
穴の中で動かない者も居る。それは既に死んでいる者だ。

自らの掘った穴に、土を被せていくゆっくり達。
埋め終われば隣の穴。それが終わればその隣。それが終われば・・・・・・。
彼らに休むことなどは許されていない。

先程のまりさが入った穴にも、土が被せられていく。
埋葬と言うにはあまりにも手荒く、雑な土の被せ方。
果たして今穴を埋めているゆっくりにまりさの死骸は見えているのだろうか。

こんな光景はそこらじゅうで行われている。
12時間前、つまり前回の穴掘りが開始された時に比べてゆっくりの数は半分ほどに減っている。
自分の掘った穴を埋めれば次は誰かの墓穴を埋めるのだ。これから12時間ずっと。

こうして畑は耕されていく。
ゆっくりが自らの命を削って穴を掘り、そして最後は穴の底で養分と成り果てるのだ。
恐らく生まれて初めての労働。それを以って彼らのゆん正の集大成とする。
彼らが最後に思うことは一体なんであろうか。

今だゆっくりの数は多い。
既に三日、そして衰弱死するゆっくりの数も加速度的に増えてきたのに、まだ畑にはゆっくりが溢れかえっている。
これから先、一体何日でゆっくり達は残らず死んでいくのだろうか。

そんな様子を、男は酷く冷めた目で見ていた。
彼には死んでいくゆっくりのことなどに興味は無い。
ただ自分の畑が耕されれば良い、それだけである。

最初にゆっくりたちを拷問したのだってこうやって従順に働かせるためだった。
そうでなければ、ゆっくりをいちいち拷問する必要などない。
ゆっくりを労働力として使い潰す、一方的な虐殺。それが彼の考えていたことだった。

彼の元に一匹のふらんが飛んできた。
口には子れいむをくわえている。
どうやら彼に差し入れのつもりなのだろう。

男は子れいむを受け取り、ふらんの頭を優しく撫でた。
温かな手のひらの感触に、喜びの声を上げるふらん。
一通り男に撫でられた後、ふらんは自分の仕事へと戻っていった。

男の手の平の上に倒れ伏している子れいむ。
まだ息はある。が、そう長くは持たないだろう。
男は子れいむをじっと見つめる。

やがて、彼の視線に気付いたかのように子れいむは顔を上げた。
生気の無い顔で、口をパクパクさせている。
何かを訴えようとしているのだろうと、男は子れいむの傍まで耳を近づけた。

「ゆ・・・・・・ゆっくり・・・・・・しゃせて・・・・・・」

土に汚れた死にかけの身体で。
か細い声で、ぽそりと。
子れいむはそう言った。

「れ・・・・・・れいみゅたち・・・・・・なんにも・・・・・・わるいこと・・・・・・してないよ・・・・・・」

ああそうかい。
男はそう応え、子れいむを握り締める。
別に悪いことをしていようともいまいと関係ない。
要は畑に近づいたゆっくり達はどうしようもなく不幸だったというだけだ。

「どうちて・・・・・・こんにゃこと・・・・・・く、ぐるちい・・・・・・」

ぶちゅっ。
あっけなく子れいむは潰れた。
男は手を払い、れいむだった皮と餡子を地面に落とす。
子れいむの身体から零れ落ちた眼球が、恨みがましく男を見上げていた。

どうしてこんなことを?
決まっているじゃないか。

男は思い出すように呟く。

ただなんとなくだよ。
なんとなくそうしてみたかったから、そうしただけだよ。
暇だからそうした。ただそれだけだ。

本当にそれだけ。
彼はそれ以外の何も考えていなかった。
ただ、なんとなく面白そうで、役に立ちそうだからこの地獄絵図を作り上げてみただけ。

所詮ゆっくりなど、この程度の存在に過ぎないのだ。
適当に弄ばれ、生殺与奪の権利を握られ、意味も無く大量に殺されていく。
その程度の、どうでも良いもの。それが彼らなのだ。

既に三日繰り返される光景に彼も飽き始めていた。
これだけゆっくりを動員しても、たいした効果は上げられない。深く穴も掘れない。畑を耕すには力不足と言うしかなかった。
やはりゆっくりなどこんなものか。今度はゆっくりなどに頼らず、大人しく耕耘機を買おう。
彼はそう思い、その場を後にする。

そんな彼の思惑を余所に、今も畑のゆっくりは命を削っていく。
終わることの無い地獄。擦り切った精神で救いの無い作業を延々と繰り返すのだ。
まだまだゆっくりの数は多い。全滅するには後どれくらいの時間が必要になるだろうか。
また一匹、狂いだしたゆっくりをふらんたちが血祭りに上げていた。



彼らにとって、この労働は始まったばかりである。










おわり










―――――
書き溜めです。
太陽の下、健康的に畑を耕すゆっくり達の姿が書きたかったんです。やっぱり農作業は最高だね!
と言うのは冗談で、「午前中は穴を掘らせ午後は穴を埋めさせる」という某拷問が元ネタです。
あんまり面白くない。乱文失礼。

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最終更新:2009年05月30日 23:38
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