「ふー」
家に帰ってきて一息、すこし休んだところで買ってきたものを台所の上に広げる。
今日買ってきたのは冷凍ちびゆっくり12個パック、甘さ控えめなもの。
生まれたてのあかちゃんを瞬間冷凍で凍らせもので加工所で売っている。
用途は主に食用だが、他の目的で買っていく人もいるかもしれない。
食べるにしてもなんにしても、まずは解凍する必要がある。
解凍は、真空パックされた袋を切り口をいれる。
中に空気が入ると中の発熱剤が反応してゆっくりと暖められていくのだ。
「…ゆー!」最初に目覚めたゆっくりが声をあげる。
「ゆー!」次に目覚めたのも同様に声を上げ、全員が目を覚ますと、
「「「「「ゆっくりー!!」」」」」みんなで声を揃えてお目覚めの挨拶をする。
「おかーさん!おなかすいたよ!!」
「ごはんにしてね!!」
「ゆー!ゆー!はやくしてね!!」
目を覚ますことなく袋づめされたゆっくりたちにとって、
今、目の前にいる自分物こそが母親である。
「おはよう、みんな!さっそくだけど、みんなこの穴の中にはいってね!
はいったらご飯にしようね!!」
そう言って、ゆっくりたちの前に丁度同じぐらいの大きさの穴が開いた板を置く。
「ゆー♪ごはんだよー♪」
「ごっはん♪ごっはん♪」
「れいむがいちばんだよ!いっぱいちょうだいね!!」
「ずるいよ!!そこはれいむがはいろうとしていたとこだよ!!」
「ゆっくりしたけっかがそれだよ!ゲラゲラ!!」
「ゆー!!!もういいよ!!れいむはこっちのあなにするよ!!!」
こうして12匹のゆっくりは6×2個の穴にすっぽりと収まる。
すっぽりとはまりすぎて、あたまから入ったまま動けなくなるゆっくりもいるので
今のうちに直して全員上を向くようにしておく。
「さあ、ごはんだよ!いっぱいおたべ!!」
そういって小麦粉をミルクで練っただけのものを与える。
かすかにミルクの甘味があるだけの塊だがゆっくりにとってはご馳走だ。
食べやすい大きさでちぎってゆっくり達の口にいれてやる。
「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」
「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」
「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」
「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」
「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」
「む~しゃ♪む~しゃ♪」「む~しゃ♪む~しゃ♪」
「「「「「「しし♪♪あわせ~~~♪♪♪♪」」」」」
順番に口に入れてやることでゆっくりたちの輪唱が聞こえてくる。
「おいしいよ!もっとちょうだいね!!」
「もっと♪もっと♪」
「れいむにも~!!もっとたべたいよ!!!」
「はいはい、お腹一杯食べさせてあげてるからね。」
「やったー!!ゆっくりたべるよ!!!」
「「「「ゆっくりたべさせてね!!!!」」」」
ごはんを心行くまでたべたゆっくりたちはうとうととお昼寝を始める。
そろそろコンロに火をつけよう。
「はい、これデザートね!一人一個だよ」
産地直送のまだピクピクと動いているたこの足を、
ゆっくりたちが食べられるように一口だいに切り分ける。
「zz…ゆゆ!なにそれ!!はやくたべさせてね!!!!」
眠気をどこかに吹き飛ばし、目をきらきらとさせて期待のまなざしでこちらを見つめる12匹のゆっくりたち。
切ったたこの足をさっきと同じように順番に口に入れてやる。
「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」
「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」
「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」
「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」
「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」
「む~…むぐぅぅ!!」「む~…むぐぅぅ!!」
先ほどと同じようにゆっくり味わおうとするゆっくりたちであったが今度はそうはいかない。
新鮮な蛸の足は吸盤がまだ生きていて、口の中に張り付いているのだ。
突然の出来事に驚いたゆっくり達は目を白黒させて、吐き出そうとしたり飲み込もうとしたりする。
だが強力な吸盤の力をゆっくり達どうにかすることは出来なかった。焦って吐いたり飲んだりを繰り返していたせいもあるかもしれない。
ゆっくり達がそうこうしているうちに、ゆっくり達が入っている穴もゆっくりと熱を帯びて行く。
やがてジューという音がするほど熱くなるが、蛸の相手に精一杯なゆっくり達は気づく余裕がなかった。
そんな中、ゆっくり達の一匹が異変に気づく。
それにつられて他のゆっくりも悲鳴をあげ始める。
ゆっくり達が入っている穴はどんどん熱くなるが、そこから逃げることは出来ない。
さっき心行くまでご飯を食べ、少し膨れたゆっくりたちは穴にすっぽりと嵌ってしまったのだ。
鉄で出来た板はどんどん熱をあげ、ゆっくり達の皮に焦げ目をつけていく。
最初は全力で悲鳴をあげていたゆっくり達も随分静かになってしまった。
そろそろいい頃合だ。太い針のような棒を使ってゆっくり達をひっくり返す。
まず、鉄板から剥すために穴に沿って焦げ目を削る。
次に、次に棒を下の方まで差しこんで、クルリとまわすようにひっくり返す。
ひっくり返したらしばらくそのまま。
ピクピクとした震えが止まったら丁度いい頃合。
同じ要領でもう一度ひっくり返す。
白目を向いて焼きあがっているゆっくり達が見えたら、はい!完成!!
あとは、ソースやマヨネーズをお好みでどうぞ
あとがき
後半はどうみても手抜きです本当にありがとうございました。
ゆっくりの台詞をひらがなで打っているとIMEがどんどんゆっくりになっていきます。
本当にありがとうございました。
最終更新:2008年09月14日 05:51