ゆっくり加工場系23 ゆっくり達の生涯 『加工場脱出編』(中編)

前編 

~ゆっくり達の生涯『加工場脱出編』(中編)~

 第4話 ~3匹のゆっくりアリス~

「みんな!そとにでられるわよ!」
 ここは野生のゆっくりアリスのみを閉じ込めてある檻。
 なぜゆっくりアリスのみかというと、ゆっくりアリスは通常種の中では非常に性的欲求が強い種であり、他種と同じ
 檻に入れてしまうとゆっくり魔理沙から優先的に襲い掛かり強制的に妊娠させてしまう可能性が高いからである。
「こんなところとかいはのありすがすむばしょじゃないわ!」
「そうよそうよ!とかいははもっとごーじゃすなところにすむのよ!」
「みんなでとかいはプレイスをめざしてだっしゅつするわよ!」
 ゆっくりアリス達は荒れ狂うゆっくりウェーブと化し檻から次々と逃走を計った。

 檻が設置されている部屋から出ると目の前にはゆっくりアリス以外の通常種が必死に前へ進む光景が広がっていた。
 その光景を見た何匹かのゆっくりアリスは己の目的を忘れゆっくりウェーブに飛び込んだ。
「「「まりさあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !だいすきい ぃ ぃ ぃ ぃ ぃ !」」」
 狭い部屋に長時間閉じ込められストレスが溜まっていたのでゆっくり魔理沙が目に映ると一気に発情したのだ。
「いやあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!ごないでえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
「はずかしがらないでいいのよぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !ありずのあいをうげとめてぇ ぇ ぇ ぇ ぇ!」
 ゆっくりアリスの合流によりゆっくりウェーブはカオスと化した。
「はぁはぁはぁ、まりざあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」
「やめでえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
 運悪くゆっくりアリスに捕まったゆっくり魔理沙は強制的に交尾させられていた。
 そして次第に体の振動を強くし絶頂に達しようかという時、ゆっくりアリスは突如ゆっくり魔理沙から離された。
「ずっぎりざぜでえ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
 ゆっくりアリスを持ち上げたのは加工場の職員だった。
 逃げようともせずその場で交尾をしているゆっくりを捕まえることなど簡単なことだった。
 周囲からは次々とすっきり出来ないまま捕まるゆっくりアリスの悲痛の叫びが響き渡った。
 もちろんゆっくりアリスに犯され白目を剥いて痙攣しているゆっくり魔理沙もあえなく御用となった。

 そんあカオスと化したゆっくりウェーブの中をぎりぎり理性を保ち、駆け抜けるゆっくりアリス3姉妹がいた。
「まったく、あんなこうしゅうのめんぜんですっきりしようだなんてやばんだわ!」
「そうよね!あんないなかものはこわいにんげんにつかまっちゃえばいいのよ!」
「こんなところでつかまったらにどとすっきりできなくなることもわからないなんてまったくいなかものだわ!」
 ゆっくりアリス3姉妹は己のの欲望に従った結果捕まった哀れな仲間を囮にしながら必死に逃げ、このまま進んでも捕
 まるだけだと判断し、とある部屋へ逃げ込んだ。
(以下、年長ゆっくりアリス:年長アリス 次女ゆっくりアリス:次女アリス 三女ゆっくりアリス:三女アリス)

「ここでこわいにんげんをやりすごしましょう。」
「どあがすこしだけあいててたすかったわね!」
「ありすたちにかかればあんなどあかんたんにあけられるのよね!」
 ゆっくりアリス3姉妹は協力して少しだけ開いている扉を開け中に入ることに成功した。
 また、檻からかなり離れた部屋であったため逃げ出したゆっくり達を捕まえる職員に運よく見つからなかったのだ。
 3匹が逃げ込んだ部屋は壁際に大きな机と数台の椅子が置かれており、こざっぱりとしていた。
「なかなかとかいてきなへやね。」
「さっきまでいたいなかもののへやとはおおちがいだわ。」
「あら?なにかつくえのうえにあるみたいよ。」
 一番大きな年長アリスが机の上に何かがあるのを発見した。
 3匹は椅子を経由して机の上に飛び乗った。
「「「とかいてきなあんてぃーくだわ!」」」
 この瞬間3匹の頭の中から現在居る場所が加工場の中であるという思考が消え去った。
 3匹の目の前には魅力的な様々なグッズが置かれていた。
 初めに目に留まったのがゆっくり魔理沙の絵が描かれたベッドだった。
 中心部分は少し凹み、ちょうどゆっくりの体が収まるようになっていた。
「これはありすのまいはうすにほしいわ!」
 年長アリスはすぐにベッドに飛び乗った。
「なかなかいいねごこちね、これはきょうからわたしのものよ!」
 年長アリスの発言を聞くとすぐに妹2匹は文句を言った。
「おねえちゃん!いつもわたしのものをよこどりするんだからこれはわたしにちょうだいよ!」
「ゆ!これはわたしがもらうべきだわ!にばんめのおねえちゃんはこのまえわたしのまりさをうばったじゃない!」
「なにいってるの!ねんちょうしゃのわたしのものにきまっ・・・。 」

 ビシュ!

「「?」」
 突如年長アリスが静かになった。
「どうしたの?」
「ねぇねぇだまってないでしゃべってよ。」

 べちゃっ!

 年長アリスの体は5枚に下ろされ中身のカスタードクリームがどろっと流れ出した。
「「おねえち゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん!」」
 2匹はすぐに近寄るが時既に遅し、年長ゆっくりアリスは昇天していた。
 こうして年長アリスはゆっくりアリス専用ゆっくりスライサーによって5枚に下ろされその生涯を閉じた。

「いいきみね!いつもわたしたちのものをよこどりしてるからばちがあたったのよ!」
「そうね!これでゆっくりできるわね!」
 身内が死んだというのに2匹は毒舌を吐いていた。
「「ゆ!あれはまりさ!?」」
 2匹の目の先には等身大のゆっくり魔理沙の絵が壁に飾られていた。
「すばらしいげいじゅつね!これこそわたしのまいはうすにかざるのにぴったりだわ!」
「ゆ!おねえちゃんばっかりずるいよ!」
「そのうちかしてあげるからしずかにして!まりさぁだいすきぃ・・・・・?」
 絵に頬ずりする次女アリスは異変を感じた。
「どうして!?なんで!?」
 次女アリスの頬は絵にくっついてしまっていた。
「とれないよおぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !おねがいたすけてぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
「いいきみだね、おねえちゃん!そのひらぺったいまりさといっしょうゆっくりしてればいいのよ!」
 次女アリスは妹に泣きながら必死に助けを求めるが、妹は姉の情けない姿を見て笑っているだけであった。
「おねがいたすけて・・・もうあなたのものをよこどりしたりしないから・・・ぐすん。」 
 次女アリスは弱々しく助けを求めた。
「・・・ほんとうにはんせいした?」
「うん、はんせいしたよ、だからたすけて・・・ぐすん。」
「しょうがないわね、たすけてあげるわ!」
 三女アリスはさすがにこのままでは姉が可哀想だと思い助けることにした。
(ふふふふふ、あまいわね!とかいはのえんぎにだまされるなんてまだまだいなかものね!たすかったらおしおきよ!)
 次女アリスの考えていることなど知らない三女アリスは姉の頬を口で掴み思いっきり引っ張った。
「ゆゆゆゆゆっ!」
 三女アリスはめいいっぱい力を入れて引っ張ったがなかなか姉の体は剥がれない。
「ひはいひはいもふっほゆっふりひっはっへ!(いたいいたいもっとゆっくりひっぱって!」
 何を言っているのかわからない次女アリスの言葉は妹には届かなかった。
 次女アリスの体は引っ張られ、どんどんひしゃげた形に近づいていった。

 ブチッ!

 三女アリスは突然机から投げ出された。
「ゆーーー!ゆ゛っ!・・・・・いったいわねもう!」
 たいした高さではなかったので潰れて死ぬことはなかった。
「いやあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!ありすのくりーむがあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」
 机の上からは次女アリスの悲鳴が聞こえてきた。
 すぐさま三女アリスは机の上に戻ると悲惨な光景が広がっていた。
 次女アリスの頬は絵に張り付いたままで皮が弛(たる)んでしまっていた。
 さらに三女アリスの引っ張りに耐えられなくなったもう片方の頬は無残にも千切られ穴が開きどろどろと命の源であ
 るカスタドクリームが流れ出ていた。
「まだじにだぐないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !だずげで ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
 次女アリスへ妹ゆっくりアリスが近づいていく。
「おねがい!わたしのくりーむをとめで ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
「もうだめね、たすからないわ。おねえちゃんはゆっくりしんでね!おねえちゃんたちのぶんもわたしがまりさとゆっ
 くりしてあげるわ!」
「ぞんなごどいわないでぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」
 次女アリスは泣きながらひたすら助けを求めていたが、しばらくすると致死量のクリームが流れ出て静かになった。
 こうして次女アリスはゆっくりアリス専用ゆっくり取り紙から逃れることが出来ずその生涯を閉じた。

「あーあ、まったくおねえちゃんたちはとんだいなかものね!」
 三女アリスは死んだ姉2匹に対して毒舌を吐いていた。
「じゃまなおねえちゃんたちがきえたおかげでみつけたものはすべてわたしのものだわ♪」
 ご機嫌な三女アリスは軽快に跳ねていると布が掛けられた大きな物体を見つけた。
 すぐさま駆け寄り、布の端を口で掴むと思いっきり引っ張った。
「ゆ!こ、これはおおきなまりさのおきもの!?あぁなんてとかいてきなの!」
 三女アリスの目の前には口を大きく開いたゆっくり魔理沙の巨大な(ゆっくり比)置物が現れた。
 あまりの大きさに呆然としている三女アリスはであったが、置物の口が扉になっている事に気が付いた。
「どあがあるってことはこれはおうちなのかしら?」
 三女アリスは警戒しながら扉を開けて中へ入った。
「うわぁ~。なんてひろいのかしら!きょうからここはわたしのまいはうすにけっていね!」
 中はとても綺麗でゆっくりアリス風に言えば都会的だった。
 さらに成体のゆっくりが優に10匹は入れるほどの広さであった。
「おなかがすいてきたわ。・・・そうだ!おねえちゃんたちをたべればいいじゃない!あいするいもうとにたべられる
 なんておねえちゃんたちはしあわせものね!」
 姉達の亡骸を食べに行こうとした三女アリスは異変に気が付いた。
「あれ?どあがあかないわ?」
 口でつかめる取っ手がない上に押したり体当たりしてもびくともしなかった。
 そして三女アリスは理解した、自分はこの何もない置物の中に閉じ込められたのだと。
「だ、だ、だれがあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!ごごがらだじで ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」 
 必死に助けを求めるが部屋には三女アリス1匹しか残っておらず当然誰も助けてはくれない。
「もうわがままいわないから、いながものでいいがらだずげでぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」

 1時間後、部屋の中が何やらうるさいと様子を見に来た職員が机の上の惨状に気が付いた。
「なるほど、逃げ出したゆっくりアリスがよりによってこの部屋に逃げ込んだのか。」
 閉じ込められた三女アリスは無事(?)に外に出され職員に掴まれたまま部屋をから連れ出された。
 この部屋の扉にはプレートが掛けられ文字が書かれていた。
《 ゆっくりアリス対策グッズ試作品展示室 》

 その後、三女アリスは天然ゆっくりカスタードシューに加工されその生涯を閉じた。

 ※補足

 Q:ゆっくりアリス3姉妹が引っかかった対策グッズはどんなものなの?
 A:それでは3種類のグッズについて詳しく説明いたします。

  ・ゆっくりアリス専用ゆっくりスライサー(略してアリススライサー)
   最近発明されたゆっくりスライサーにゆっくり魔理沙の絵をプリントし、ゆっくりアリス対策に特化したグッズ。
   特徴として、ある程度の重さの物が乗せられると自動的にスライサーの刃が振り下ろされる仕組みになっている
   ということです。動作する重量は調節が可能なので、工夫次第では様々な使用方法があると考えられます。
  (作成者の方へ
   ロダに上がっていたゆっくりスライサーを勝手に使わせていただきました。もし不快に感じられたのならこの場
   を借りてお詫びいたします。)

  ・ゆっくりアリス専用ゆっくり取り紙(略してアリス取り紙)
   ハエ取り紙を見て思いついた対策グッズ。  
   紙にゆっくり魔理沙の絵をプリントすることによってゆっくりアリス対策に特化させました。
   特徴として、様々な場所へ貼ることが出来るということです。  
   ゆっくりアリスがよく出没する地域の木や壁などに張っておくと非常に効果的です。
   河童のにとり氏の協力によりそのまま放置してもゆっくりと自然に帰る素材で作られています。
   なお、接着剤はゆっくりの肌に非常に引っ付きやすい物を使用していますが、その他の生物に対してはたいした
   粘着力は持っていません。 

  ・ゆっくりアリス専用ゆっくりホイホイハウス(略してアリスホイホイハウス)
   イニシャルGのホイホイハウスから考え出されたゆっくりアリスに特化したグッズ。
   ゆっくりアリスを生きたまま捕獲したい場合に非常に効果的です。
   構造はいたってシンプルで、ゆっくり魔理沙を模したハウスの口の扉は中からでは絶対に開けられないようにな
   っています。取り出す場合はハウスの上部が開くようになっている(鍵付き)のでそこから取り出してください。


 第5話 ~仲良し~

 注意:作者は卑猥な言葉が好きではありません。そのため私の書くゆっくりみょんは普通の言葉をしゃべります。

「ちぇん!かぎがあいたよ!これでだっしゅつできるみょん!」
「わかるよーわかるよー!だっしゅつできるんだねー!」
 ゆっくりちぇんとゆっくりみょんの2種は巷ではあまり知られていないがとても仲が良い。
 なぜ仲が良いのか様々な説があるが、最も有力な説は中身が同じチョコレートクリームだからというものだ。
 ゆっくりちぇんは茶色のチョコレートクリーム、ゆっくりみょんはホワイトチョコレートクリームだ。
「ちぇんはからだがちいさいからおしつぶされないようにみょんのあとについてくるみょん!」
「わかるよーわかるよーしんぱいしてくれてるんだねー!さぁ脱出するよー!」
 2匹は荒れ狂うゆっくりウェーブに加わり檻から脱出した。

「わかるよーわかるよー!みんなひっしなんだねー!」
「しっかりついてくるみょん!」
 檻の設置してある部屋の外はゆっくりアリスの合流もありカオスと化していた。
 通常種最強の戦闘力を持つゆっくりみょんの先導もあり、2匹は発情したゆっくりアリスや捕まえようとする怖いお
 じさんを躱し前へ突き進んだ。
 このまま進んでも捕まるだけだと考えていたゆっくりみょんの目に廊下に面した少々高い場所に位置する窓が開いて
 いる光景が飛び込んだ。
 すぐに跳躍力の優れたゆっくりちぇんを先に窓のサッシの上に飛び乗らせ、垂らした尻尾に噛み付き引き上げるとい
 う少々手荒な方法で部屋の中に入ることに成功した。

「いたいよーいたいよー、しっぽがいたいよー!」
「すまないみょん、すこしつよくかみつきすぎたみょん。」
「わかるよーわかるよー、しかたないよー!おこってないからあんしんしていいよー。」
 ゆっくりちぇんが怒っていないとわかり安心したゆっくりみょんはすぐに逃げ込んだ部屋の探索を開始した。
 2匹の目にみょんな物体が映っていた。
 その物体は複数の層に分かれ外側には壁がなく、足の部分には丸いものがついていた。
「にんげんのつくったものはきけんみょん!ちかづかないようにかべぎわをすすむみょん!」
「わかるよーわかるよー!」
 2匹はみょんな物体を警戒しながら壁際を伝ってゆっくり部屋の奥へ進んでいった。
 しばらく進むと2匹の前に開けっ放しにされた大きな扉が現れた。
 先導するゆっくりみょんは恐る恐る扉の中を覗いた。
「ざんねんみょん。なかはちいさなへやでいきどまりみょん。」
「ざんねんだねー。」
 大きな扉の中は小さな小部屋になっており、壁には小さな穴が複数あいていた。
 外につながる扉ではと期待していた2匹はがっかりしていた。
「きをとりなおしてすすむみょん!」
「すすむよーすすむよー!」
 再び意気込み進もうとした時だった。

 コツコツコツ 

「にんげんのあるくおとみょん!いそいでかくれるみょん!」
「いそぐよーいそぐよー!」
 2匹は先ほど見つけた小部屋へ駆け込み、隅の方で息を殺した。
 小部屋の中で2匹は必死に震えを押さえ、怖い人間達がいなくなるのを待った。
 恐怖のあまり時間の感覚も狂い、外で人間が何やら話しているがまともに聞く事すら出来ない。
 もう助からないのではと考えたその時だった。
 突如先程のみょんな物体がゆっくりと小部屋の中へ入ってきた。
「わからゅぅ・・・。」
 悲鳴を上げようとしたゆっくりちぇんの口をゆっくりみょんが直ぐ様塞いだ。
 幸いゆっくりみょんの判断が早かったため人間達に気付かれなかった。
 みょんな物体が小部屋へすべて収まると扉が閉められ暗闇につつまれた。
「とじこめられちゃったみょん・・・。」
「どうしよーどうしよー!とじこめられちゃったよー!」
 途方に暮れている2匹の耳(の機能を持つ部分)に悲鳴が飛び込んできた。
「くらいいぉぉぉ!」
「こわいよぉぉぉ!」
「おかあしゃぁぁぁん!」
「ここからだちてぇぇぇ!」
「おうちかえりゅぅぅぅ!」
 みょんな物体に大量のプチゆっくりが乗せられていると気が付いたその時、壁の穴から高温の白い煙が噴出した。
 みるみるうちに小部屋の中は白い煙で充満していき、高温に包まれた。
「いやぁぁぁ!」
「ぴぎゃぁぁぁ!」
「あちゅいよぉぉぉ!」
「たちゅけてぇぇぇ!」
「ちにたくないよぉぉぉ!」
 小部屋の中は地獄と化した。
「あ、あづいみょん・・・。」
「あづいよー!」
 体の小さなプチ達は次々と力尽きていった。
 中身が熱に弱いチョコレートクリームの2匹も例外ではない。
「も、もうだめみょん。ちぇんごめんね・・・。」
「わ、わかるよー・・・」
 そして2匹に最後の時が訪れた。
「てぃむぽお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」
「わからないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !
 小部屋の中に2匹の絶叫が木霊した。


 -15分前(職員視点)-

 2匹が隠れるとすぐに複数の職員がダンボールを抱え部屋の奥から現れた。
「みんな急ぐんだ。隣接の饅頭屋から追加の注文だ、テキパキと作業を開始してくれ。」
「しかし班長、自分達は逃げたゆっくりの捕獲に加わらなくて大丈夫なのですか?」
「うむ、あちらは任せておけば大丈夫だ。彼らはゆっくりを捕まえることにおいてはプロフェッショナルだからな。」
 班長と呼ばれた職員が答えると他の職員は各自近くの作業台にダンボールを置き、作業を開始した。
 作業台の上には底に小さな穴がたくさん開いた大きめの金属タッパー、大きな薄い紙、小麦粉、ボール、水が置かれ
 ていた。
 初めにボールに小麦粉と水を入れ、ネバネバになるまで掻き混ぜた。
 次に金属タッパーに大きな薄い紙を敷き、等間隔に先ほどネバネバにした小麦粉を少量置いていった。
 準備が整った所でダンボールの中身を開ける、中には怯えるプチ霊夢が大量に閉じ込められていた。
 ちなみに、他の職員のダンボールの中にはプチ魔理沙が入っており、合計で大凡(おおよそ)2種の数が同じになる
 ようになっている。
 職員は適当にプチ霊夢を選び掴み上げた。
「やめちぇぇぇ!こわいよぉぉぉ!」
 掴まれたプチ霊夢は先ほど置かれたネバネバ小麦粉の上に軽く押し付けられた。
「ゆ!いたいよ!はなちて!」
 すぐに手は離されたがプチ霊夢は体の異変に気が付いた。
「ゆ!うごかない!からだがうごかないよぉぉぉ!」
 ネバネバ小麦粉の粘着力にプチ霊夢の力で勝つ事は不可能だった。
 職員は無言のまま次々とプチ霊夢をネバネバ小麦粉の上に押し付けていった。
 すべてのプチ霊夢を乗せ終えると金属タッパーを持ち上げ、蒸し台の一番上の層に乗せ入れた。
 他の職員も作業を終えると上から順番に金属タッパーを乗せ入れた。
「よし、これで数はそろったな。急いで大型蒸し機に入れるんだ。」
 蒸し台はゆっくりと大型蒸し機の中へ入って行き、扉は閉められた。

「よし、そろそろ時間だ開けるぞ。」
 扉が開けられると白い蒸気がもわ~っと外に飛び出した。
 職員は手に厚い手袋をし、蒸し台を取り出した。
 蒸し台の金属タッパーの上には苦痛にもがく表情のプチゆっくり蒸し饅頭が蒸しあがっていた。
「うむ、いい出来だな。急いで箱詰めして饅頭屋に運ぶんだ。・・・おや?」
 蒸し機の隅に何やら塊があるのを発見した。
「これは・・・ゆっくりちぇんとみょんか?」
 蒸し機の隅で2匹は口からチョコレートクリームを流し絶命していた。
 2匹の口から流れ出たチョコレートクリームは混ざり合い、見事なマーブル模様を描いていた。
 とっても仲良しだったゆっくりちぇんとゆっくりみょん。
 死んだ後もそれは変わらないのであった。

 こうしてゆっくりちぇんとゆっくりみょんは蒸し機の中に迷い込み蒸し焼きにされその生涯を閉じた。

 ※補足

 Q:蒸し台ってどんなの?
 A:金属ラックに近い形状で足の部分にはキャスターがついています。

 Q:大きな薄い紙ってどんな用途?
 A:金属タッパーに直接小麦粉を乗せるとくっついて後々面倒でしょ?

 Q:何で2匹は蒸し台に潰されなかったの?
 A:隅で震えていたため、運よく潰されずに済みました。




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年09月14日 05:52
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。