ゆっくりいじめ系2888 理不尽な仕打ち

まりさは焦っていた。早く、早く逃げないと。アイツが戻って来る前に。今がチャンスなのだ。
すぐ目の前に森が見える。あそこまで逃げれば、森に入りさえすれば逃げ切れる筈だ。
なのに一向に前に進めない。きっとアイツが魔法をかけたんだ。いくら跳ねても後ろに弾き飛ばされる。

後ろで物音がした。まりさが恐る恐る振り返ると・・・いた。アイツが。不気味な笑みを浮かべて。
動けない。まるで蛇に睨まれた蛙の様に。来ないで!こっちに来ないで!
その長い腕で掴まれたまりさ。天高く持ち上げられると、正面にはバケモノの口が。

あああ!食べられる!食べられちゃう!助けて!誰か、誰か助けて!!!
身をよじり何とか逃げ出そうとするまりさ。しかし、必死の抵抗も虚しく、口はもう目の前。

「いやああああああああああああああああああああああああ!!!!!」



(遭遇)
バケモノに捕まる前、まりさは森の奥深くに棲んでいた。大樹が茂る鬱蒼とした森の中、
ぽっかりと開いた小さな空間。その日当たりの良い原っぱがまりさ達のゆっくりぷれいすだった。

そこはとても不思議な場所で、ゆっくりを捕食する動物達も森を出てゆっくりぷれいすに入ろうとはしなかった。
お陰でゆっくり達は毎日、平和なゆっくりらいふを満喫していた。アイツらが現れるまでは・・・

最初に気が付いたのはまりさだった。まりさは皆から離れ一匹で散歩をしていた。
何かの視線を感じ、森の方へと目をやるまりさ。いる、森の中に、何かいる。
それはまりさが今まで見たどんな動物よりも大きく、二本の足で直立し、こちらの様子を窺っていた。

まりさは不安に思い皆の元へ戻った。群れに戻り、今見たバケモノの事を皆に話す。
群れの大人達が集まり、まりさが見たのは一体なんであろうかと話し合っているその時、
そのバケモノ達は森を出て、のしりのしりとまりさ達の方へと近寄って来た。

「ゆっ!!!」

長のれいむが警戒の声を発する。群れの皆が素早く集まり、子供達を中にして円陣を組む。
初めて見るバケモノ。敵か味方か分からない。しかし、とてもゆっくりできる相手には見えない。
大人達は一斉に顔をぷくっと膨らますと、侵入者を威嚇し始めた。

「でてってね!でてってね!」
「こっちこないでね!こっちこないでね!」
「ゆっくりあっちにいってね!ゆっくりあっちにいってね!」

それでも怯む事無く歩み寄って来るバケモノ達。ついに一匹のれいむが奴等に捕まえられてしまった。

「ゆっ!ゆううううううっ!!!はなしてっ!はなしてねっ!!!」

まりさ達の頭上でバケモノにいじくり回されるれいむ。
ひっくり返され、体のあちこちを触られ、無理やり口を開けられ、口の中を覗かれる。

「やめてね!やめてね!」
「いやがってるよ!やめてあげてね!」

まりさ達の声はバケモノには届かない。れいむを離したバケモノの手はまた次のゆっくりへ。
次々と捕らえられるゆっくり達。しかし、逃げる訳にはいかない。
子供達がいるのだ。逃げ足の遅い子供達を置いて逃げる訳にはいかない。
バケモノに為すがままにされるゆっくり達。バケモノ達は大人達を一通り捕まえて弄ぶと、
飽きたのか森の中へと戻っていった。

「ゆうううううう。きもちわるいよ。」
「れいむたち、いったいなにをされたの。」



(異変)
バケモノ達がやって来てから数日後。群れに異変が起きた。最初の犠牲者はありす。

「ねえ、ありす。ほっぺにごみがついてるよ。とってあげるね。」

「ありがとう、まりさ。」

「ゆぅ?とれないよ。なんでだろう?」

ありすの頬に黒い小さなシミができていた。最初は気にも留めていなかったが、シミは日に日に大きくなった。
そして顔の半分が真っ黒なシミに覆われた頃には、ありすの様子もおかしくなり始めた。

まず言葉が上手に話せなくなった。そして高熱を出し、体はぷるぷる震え、満足に動く事もできなくなった。
ありすの様子がおかしい事に気付いたゆっくり達は、懸命にありすを看病する。
怪我をした時の様に、悪い所を皆でぺーろぺーろする。しかし、一向に良くなる気配が無い。そしてついにある日・・・

「ククク!コココ!キキキ!」

「ありす、しっかりしてね!」
「どうしたの!なにがあったの!」
「ありすのようすがおかしいの!」

「うひゃひょひょひぇひゃひゅひゅひぇひょ!」

「どうしたのありす!しっかりしてね!しっかりしてね!」
「ゆっくりしてね!ゆっくりしてね!」

「くぁwせdrftgyふじこlp!!!!!!」

訳の解らぬ奇声を発し、餡子を大量に吐き出し、ありすは絶命してしまった。
ゆっくりの群れに恐怖が広がる。ありすと同じ様に顔にシミのできたものが多数いたからだ。

こんな事は初めてだ。普通ゆっくりが死ぬ時は、皆に見守られながらゆっくりと眠る様に逝くのだ。
皆に送られて安らかに逝く事で、あの世でも永遠にゆっくりできる筈なのに。

これじゃああの世でゆっくりできない。どうしてこんな事に・・・
ありすはとてもゆっくりとした良いゆっくりだった。ありすは何にも悪い事をしていないのに。
だったらなぜ?そうだ、アイツらだ。アイツらが悪いんだ。きっとありすにゆっくりできなくなる呪いを掛けたんだ。



(被虐)
日に日に数が減っていくゆっくりの群れ。昨日はれいむが、今日はまりさが、明日は・・・
そんなある日、例のアイツらがまたやって来た。流石のゆっくりも今回はちゃんと対策を講じていた。
まず大人達がバケモノの前に集まり、奴等の注意を引いている間に子供達を逃がすのだ。

計画通りに事は運んでいる。奴等は子供達に気付いていない。しかし、どうも様子がおかしい。
一向に襲ってくる様子が無い。集まって来たまりさ達の姿に驚き、仲間同士で顔を見合わせている。
どういう事だろう。呪いを掛けた筈なのに、まりさ達がまだ生きているので驚いているのだろうか。

「ゆーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!」

遠くから声がする。子供達を先導していたぱちゅりーの声。子供達の退避が完了した合図だ。
そうとなればもう長居は無用。大人達は散り散りに逃げようとするが、時既に遅し。
バケモノ達の方が一瞬早く動き始めていた。奴等の長い腕が次々とゆっくり達を捕まえていく。

「いやああああああああ!!!」
「はなしてええええええ!!!」
「だれかたすけてえええ!!!」

必死に逃げ回ったが、結局まりさも捕まってしまった。
バケモノ達はゆっくりを両脇に抱え、ゆっくりぷれいすを後にする。
まりさは泣き叫びながら逃れようともがくが、まりさを挟んだ腕はビクともしない。
そのうち、まりさは泣き疲れて眠ってしまった。


目を覚ました時、まりさは今まで見た事も無い不思議な場所にいた。
周りは一面真っ白。木も草も生えていない。おそらも見えない。その代り頭上に見えるのは丸くて光る不気味な物。
なんだか怖い。酷く落ち着かない。ゆっくりできない。早く逃げないと。

ガチャ、という音に驚き後ろを振り返るまりさ。そこにいたのはまりさを捕まえたアイツ。
手に何やら不思議な物を持ってまりさに近付いてくる。何を考えているのか解らない不気味な笑みが怖い。
バケモノは逃げ回るまりさを捕まえると、無理やり口を開け手に持った物をまりさに咥えさせる。

「ゆげっ!!!にがいっ!!!」

口の中に恐ろしく苦い液体が入って来る。これはきっと毒だ。まりさは慌てて吐き出そうとした。
しかし、バケモノはまりさの口を押さえ、無理やり飲み込ませようとする。

「む、むぐ!むぐぐぐぐぐぐぐ!!!!!」

ゴクン!

飲んでしまった!もう駄目だ。体内の餡子と完全に混ざってしまった。
一旦飲み込んでしまったら、もう吐き出す事はできない。
いやだ!死にたくない!死にたくない!死にたくない!


バケモノに怪しげな物を飲まされたまりさだったが、それでもまだ生きていた。毒ではなかったのだろうか。
しかし、生きている事を神に感謝できる様な状況ではなかった。
未だ囚われの身であったし、その後まりさの受けた苦痛は「死んだ方がマシ」と思える程のものだったからだ。

まず最初にまりさは命の次に大切な「すてきなおぼうし」を盗られた。
そして、あろう事かバケモノはまりさの自慢の金髪に手を触れたのだ。
まりさのみつあみがバケモノの手によって解かれる。
まりさの髪が、皆が「すてきなかみがただね!」と褒めてくれた自慢の髪が、バケモノによって汚されていく。

「やめてね!なにするの!まりさのかみにさわらないでね!」

まりさの言う事には一切耳を貸さず、黙々と作業を続けるバケモノ。
後ろに髪を纏めると髪に何かを付けた。きっとまりさを辱める為に何か変な物を付けたのだろう。
周りに群れの仲間達がいないので誰にも見られる心配は無いが、
そんな事は何の慰めにもならなかった。悔しさのあまりまりさは大粒の涙をぽろぽろとこぼす。


次にバケモノはまりさを持ち上げると、自分の顔の横にまりさを持ってきた。
何をするつもりなのだろう?最早抵抗する気も起きない。まりさは諦めて身を委ねる。
バケモノは無抵抗のまりさの頬に自分の頬を重ねる。まさか・・・まさか・・・

「いやっ!いやっ!!いやああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」

「やめて!やめて!おねがい!はなしてええええええええええええええええええ!!!!!!」

バケモノが何をする気なのかを理解したまりさ。死に物狂いで抵抗する。
犯される!いやだ!こんな奴とすっきりなんかしたくない!

ざらざらとした物がまりさの肌に触れ、上下に動かされる度にジョリジョリと気味の悪い音を立てる。
気持ち悪い。大好きなありすのすべすべの肌とは比べ物にならない不快感。当然すっきりなどできる筈も無い。
泣き、叫び、必死に懇願するが、凌辱は止まらない。結局バケモノが満足するまで続けられた。


バケモノによる凌辱が終わった後、帽子を返されどこか別の場所に運ばれたが良く覚えていない。
もう涙も出ない。まりさは放心状態で「あ、あ、あ」と低く呟き続けていた。

目的地に到着したのだろうか。柔らかい物の上に座らせられ、上に何かを被せられた。
今度は何?何をするつもり?もう嫌だ。疲れた。何も考えられない。考えたくない。
まりさは疲れ切っていた。休みたい。眠りたい。ゆっくりしたい。

その時、カチッと音がすると一瞬で辺りが暗くなった。
どんな魔法を使ったのかは知らないが夜になった様だ。夜になったのだからバケモノも眠るだろう。
ああ、やっと終わった。これでゆっくりできる・・・
まりさは安堵の息をつき、静かに目を閉じ眠ろうとしたが・・・

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・・」

「ゆっ!?」

「ギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリギリ・・・」

「ゆゆっ!?」

すぐ横でバケモノが唸り声を上げている。恐ろしい唸り声。怖くてちっともゆっくりできない。
しばらくすると音は止むが、まりさがウトウトして眠りに落ちようとするとまた唸りだす。
まりさはその度にビクッとして目が覚める。眠る事も許されない長い長い夜が続く・・・



(逃亡)
どの位時間が経ったのだろうだろうか。一睡もしていないせいで意識が朦朧とする。それにお腹も空いた。
何か食べたい。ああ、やっぱりバケモノもお腹が空くんだろうか。そしてまりさは食べられてしまうんだろうか。
そうだ。きっとそうに違いない。後で食べるためにまりさは生かされているんだ。

そういえば暫く前からバケモノの唸り声を聞いていない。どうして?どこかへ行ったのか?
体の上に被せられた物からモゾモゾと這い出す。そして、まりさの目に飛び込んできたのは・・・

「ゆ!もりだ!もりがみえる!」

森の中に入る事さえできればきっと逃げ切れる。森の草木はまりさの姿を隠してくれる。
バケモノは?バケモノはどこにいる?辺りを見回すがアイツはいない。どこかへ行ってしまった様だ。
何という好機。逃げるなら今しか無い。まりさは喜び勇んで森へ向け跳ねて行く。しかし・・・

「ゆ゛っ!!!」

何かにぶつかった。後ろに弾き飛ばされるまりさ。え?なんで?どうして?
目の前には何も無い。気を取り直してもう一度跳ねるが、結果は同じ。
見えない何かにぶつかって、それ以上前へと進めない。

まさか、アイツが魔法を掛けたのか?まりさが逃げられない様に。
まりさは焦りだした。早く逃げないといけないのに。今が、今がチャンスなのに。
何度も何度も挑戦するが、その度まりさは弾かれる。一歩も前に進めずに、顔が真っ赤に腫れただけ。

ガチャ!聞き覚えのある音。まりさは恐る恐る振り返る。するとそこにいたのはやっぱりアイツ。
逃げられないまりさを嘲笑う様な不気味な笑顔。恐怖に足が竦み動けない。
バケモノの長い腕がまりさを掴む。持ち上げられたまりさにバケモノの口が近付いてくる。

あああ!食べられる!食べられちゃう!助けて!誰か、誰か助けて!!!
身をよじり何とか逃げ出そうとするまりさ。しかし、必死の抵抗も虚しく、口はもう目の前。

「いやああああああああああああああああああああああああ!!!!!」


end

作者名 ツェ

今まで書いたもの 「ゆっくりTVショッピング」 「消えたゆっくり」 「飛蝗」 「街」 「童謡」
         「ある研究者の日記」 「短編集」 「嘘」 「こんな台詞を聞くと・・・」
         「七匹のゆっくり」 「はじめてのひとりぐらし」  「狂気」 「ヤブ」
         「ゆ狩りー1」 「ゆ狩りー2」 「母をたずねて三里」 「水夫と学者とゆっくりと」
         「泣きゆっくり」 「ふゅーじょんしましょっ♪」 「ゆっくり理髪店」
         「ずっと・・・(前)」 「ずっと・・・(後)」 「シャッターチャンス」
         「座敷ゆっくり」 「○ぶ」 「夢」 「悪食の姫」 「中学生のゆっくりいじめ(前編)」
         「中学生のゆっくりいじめ(後編)」 「ゆっくりできないあいつ」 「とかいはルール」
         「まりさまりさまりさ・・・」  「餡子の記憶」






(蛇足)
ぶっちゅーーーーーーーー

「おいーっす。おはよ・・・って、おま、何やってんの!」

「え?何ってちょっとキスを・・・」

「んな事見りゃわかるよ!何でゆっくり相手にキスしてんのかって聞いてんだよ!」

「何でって・・・かわいいじゃん、ゆっくり。かわいい子にはキスしたくならない?」

「ならねーよ。はぁ・・・まあいいや。ところで、そいつか?一昨日森から連れて来たゆっくりってのは。」

「そう。一月くらい前だったかな?森の中で新しいコロニーを見つけたんだ。
 定期的に観察しようって事になってさ、それで一昨日見に行った訳よ。もう、ビックリしたよ。
 群れに感染症が発生してたんだ。そんで慌てて連れて来てさ、治療したって訳。
 最初に見つけて健康チェックした時は特に問題無かったんだけどなあ。」

「?治療が終わったなら何でここにいるの?放してやればいいじゃん。
 つーか、まず下に置いてやれ。嫌がってんだろ。かわいそうに・・・」

「え?嫌がってる?」

「ほら見ろよ。離した途端に逃げ出した。あーあー、怯えちゃって。
 窓ガラスにも気付かずに逃げようとしてるじゃねえか。お前一体何したんだよ。」

「何って、髪型変えてあげたりとか・・・」

「あ!ホントだ。今気付いた。何でポニーテールになってんだよ。」

「いや、だって俺、ポニテ萌えだし・・・」

「はぁ・・・」

「それから頬ずりしたり。ああ、あと夜は同じベッドで一緒に寝たよ。」

「ひげ面の男に頬ずりされたあげく、一晩中イビキと歯軋りを聞かされた訳か。
 そりゃ、怯えもするわ。ゆっくりに同情するよ・・・」

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最終更新:2011年07月30日 01:18
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