ゆっくりいじめ系2929 らっきー☆あいてむ



 ※ぬる虐めモノです。
 ※俺設定を多少含みます。
 ※超展開モノです。







 夕暮れ時、というよりも既に夕闇がすぐそこまで差し迫った時刻。
 制服を着た学生、スーツ姿のサラリーマン、夕食の買い物を済ませた主婦、様々な人影が
 家路を急いでいる。

 お兄さんもその中の一人だった。
 手にしたコンビニのビニール袋の中には、二人分の食べ物。
 ああ、きっと待ちくたびれているに違いない、そう思うと自然に彼の歩みは加速してゆく。

 「ただいま~」

 お兄さんが自分のアパートに帰宅し、ドアを開けると。

 「ゆっ!おにいさんおかえりなさい」

 既に玄関で待っていたゆっくりれいむが、待ち焦がれていたという気持ちをピョンピョン跳ねて全身で表す。
 ゆっくりという、喋って動き回る不思議饅頭の中でも、このれいむはまだ子供のサイズだった。
 ちなみにこのアパートはゆっくり可の物件だ。
 といっても大家さんが大のゆっくり好きで大目に見てくれているだけで、
 更に言えば、れいむが一緒に住むようになったのはお兄さんがここに住み始めてから
 少し後からの事だった。

 「今日の晩ゴハンは夕張メロンパンだ。甘いぞ~~~」
 「ゆんゆん♪メロンパンさんはゆっくりできるよ!」

 お兄さんが手から下げたコンビニの袋には、メロンパン以外にはノリ弁が入っている。
 一人と一匹がいつも食べるのは典型的なコンビニ飯。
 お兄さんが一人だった時と何も変わりはしない。
 しかし。

 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせ~~」
 「やっぱノリ弁サイコー、ほら、れいむ、ほっぺに欠片がつきまくってるぞ」
 「ゆ~~ん!おにいさんくすぐったいよ」

 一人と一匹で囲む賑やかな食卓は、何を食べてもしあわせー、だった。



 お兄さんは今年の春から、離れた場所に就職をして一人暮らしを始めた。
 慣れない土地で、慣れない仕事で疲れて帰宅しても誰も迎えてはくれず、食事も黙々と一人。
 しばらく寝るためだけに仕事場と家を往復する生活を繰り返すうちに、お兄さんの様子が暗くなり、仕事で些細なミスが
 連続して起こるようになったのも無理からぬ話だった。

 見かねた大家さんが「まあ、とにかく一緒に暮らしてみなさい」と一匹分けてくれたのがこのゆっくりれいむだった。

 「ゆっくちちていっちぇね!」
 「れいむはゆっくちしちぇるよ!おにーさんもゆっくちしちぇほしいよ!」

 初対面の挨拶のときに澄んだ目でそう宣言され、お兄さんは面食らう。
 お兄さんのおうちをゆっくりぷれいすとした後、れいむは宣言したとおりお兄さんをゆっくりさせるために行動を開始した。

 洗濯をしている時も
 「ゆっくちしちぇね!」

 掃除をしている時も
 「ゆっくちできりゅね!」

 仕事のミスで落ち込んでる時も
 「ゆっくち!ゆっくちしちぇいっちぇね!」

 その小さな体でよちよちとお兄さんが行く先へついて回り、ゆっくりしてほしいと願い、全身で叫ぶのだ。
 お兄さんは最初はあまり相手にしていなかったが、この純粋まっすぐかつ健気な姿にいつしか
 「ゆっくりしてるよ」
 「ゆっくりできてるよ」
 と答えるようになっていった。
 こうして暮らしていくうちに、お兄さんは次第に明るさを取り戻すことができた。

 今日もいつものように食事の後のお風呂、といってもれいむは風呂桶に入って湯船に浮かんでいるだけなのだが
 お兄さんと一緒にゆっくりポカポカした後は恒例のテレビタイム。
 お兄さんはTVの前に胡坐をかいて座り、指定席となったその上にれいむがちょこんと飛び乗る。

 今日のこの時間は、デブタレントが大食いタレントと二人で全国のおいしいものを食いまくるという番組だ。

 「ゆゆ!おにいさん、れいむあの『きゅうきょくたわーぱふぇ』をむーしゃむーしゃしてみたいよ!」
 「んー、やっぱりクルマが無いと遠出はしにくいなあ。またそのうちにな。
 あああ、クルマ欲しいよなあ。でも金無いしなあ…」

 そうこうしているうちに、深夜とよべる時間帯になってくるとれいむはもうねむねむ状態。
 いつもこのまま眠ってしまい、お兄さんがれいむの寝床にしているクッションまで運んでくれるのだ。
 うつらうつらと船を漕ぎながら、ああ、きょうこそちゃんとおにいさんにゆっくりおやすみなさい、をいいたかったよ、
 と思っていると。


 『今週もやーーってきました、ナウなヤングにバカウケ!!のコーナー。
 今回ご紹介する激アツでヤバイアイテムはこれ!

 ~ゆっくりれいむのモミアゲ~

 いやもう、持ってるだけで幸運がドッカンドッカン!ツいてくるという噂なんですが詳しくはVTRをどぞ~!

 「いやー、宝くじ当たってもうた!これもモミアゲのおかげですな~!」

 「もう持ってまーす!これ!ケータイのストラップにしてるもんね!
  効果バツグンでイケメンからメールがガンガンくるようになった!」
 「ワタシなんか2個もってるもんねー!」

 「俺なんか試合の時にお守りとしてモミアゲをリストバンドにしてたワケ。
 したらもうガンガンシュートが入るじゃん?もうこれは手放せんわ!」

 「身長が3cm伸びた!」 』

 画面に映し出される、喜色満面な人々の顔、顔。
 そして同時に、切り取られたゆっくりれいむ種のモミアゲの数々も。

 「ゆ?ゆゆーーーーーーっ!?」

 れいむにしてみれば同種の体の一部を自慢げに見せびらかされるというショッキングな映像に、眠気など一気に吹き飛んでしまう。
 そういえばお兄さんもこれを見てるんだ、と見上げると

 「れいむのモミアゲ…(ゴクリ)。
  幸せになれる…。
  ブツブツブツ……」

 何やら呟いているお兄さんと視線が合う。
 いや、違う。
 お兄さんはれいむを見ているのでは無く。
 れいむのモミアゲにねっとりとした視線を絡ませている。

 「ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛~~」

 そのあまりの異常さにれいむはつい否定のゆっくりを口走り、その両目にはじんわりと涙が滲む。
 今にも泣き出しそうな声にお兄さんは我に帰ると、れいむを膝の上からそっと下ろして布団を用意し始めた。

 「ああ、ごめんごめん。なんか考え事してた。
 もう遅い時間だしもう寝よう」

 すっかりいつもの優しいお兄さんに戻ったので、れいむの表情も柔らかなものになる。

 「おにいさん、ゆっくりおやすみなさい」

 皮肉にもれいむはこの日初めて、ちゃんと寝る前の挨拶が出来た。






 翌日。
 れいむは朝ゴハンをむーしゃむーしゃしている時に、何度も昨日と同じねっとり視線を感じるが
 お兄さんの方へ顔を向けるとサッと視線を逸らされてしまう。
 なんだかゆっくりできない感じだが、その場でれいむにはどうしようもなかった。


 果たして自分のモミアゲには、TVで人間さん達が言っていたようなチカラがあるんだろうか?
 お兄さんをお見送りした後、れいむは自分の左右に鎮座しているモミアゲをしげしげと見つめるのであった。





 その日の夕刻。
 食卓に並んだ自分の晩ゴハンを前に、れいむは絶句した。
 山盛りのヒジキの煮物。
 それに都こんぶ。

 「今現在のモミアゲでこの効果ってことは、更に成長すればもっとスゴイ事になるはずだ。
 ってなワケでモミアゲに良さそうなのをチョイスしてみた。
 れいむっ!俺と一緒にナミダ橋を渡ろうぜーーー!」


 お兄さんの脳内では既に、美女をはべらせて札束風呂に入る自分の姿がありありと浮かんでいるようだ。
 れいむと暮らし始めて仕事のミスが少なくなったり、なんだか職場の皆が親切になったりしたのも事実だったが
 それはひとえにお兄さんの表情と態度が明るくなり、人間関係が円滑になった事に他ならない。
 間接的ではあるがれいむのお陰ではあるのだろうが、お兄さんは昨夜のTVを完全に真に受けてしまったようだ。

 「むーしゃ、むーしゃ、それなり~……」

 れいむはそれでも残さず食べた。
 もしかしたら、もしかしたら本当にモミアゲがぎゅ~んと成長してお兄さんがしあわせー、になるかもしれない。
 そう信じて大量のヒジキと昆布をもぎゅもぎゅと飲み込んでいった。


 そして恒例のTVタイム。
 画面にはニュース番組が映し出される。

 『皆様こんばんは、今日の特集は「ゆっくりれいむのモミアゲ騒動」でお送りします。
 最近、幸運を招くとしてゆっくりれいむ種のモミアゲが持て囃されていますが、社会では様々な波紋が広まっているようです。
 詳しくはVTRをどうそ。


 どうも、こちらリポーターです。
 ここは最大手ゆっくりショップの前です。
 御覧下さい!ゆっくりれいむを購入しようと、こんなに大勢の人が並んでいる模様です。
 あ、たった今売切れてしまったようです!
 店員さんが次回入荷未定と書かれた紙を店頭に張り出しています。
 もう暴動にでもなりそうな雰囲気です!
 以上、現場でしたー!』


 その後もTVは全国で繰り広げられる騒動を映し出してゆく。

 『こちらは山中でモミアゲだけを切り取られたゆっくりれいむが、大量に捨てられている現場です!』

 モミアゲを失ったゆっくりれいむはまっすぐ跳ね進むことが出来ない。
 幼少時から絶妙な左右の体重バランスをモミアゲによってとっている為だ。
 画面の中には、山中のいかにもな空き地で延々その場でグルグルと回転しながら跳ねるれいむが見渡す限りに。
 母ゆっくりの元に向かおうとして、その場で円を描き続けてついにはその場にへたり込む子れいむがズームして映し出される。



 『お孫さんにモミアゲをねだられて、ゆっくりにあまり詳しくないご老人がニセモノを売りつけられる
 事件が多発している模様です』

 次に画面に現れたのは、禿げ上がった頭が特徴のお爺さん。
 「孫にモミアゲ頼まれたから探したんじゃが、どこにもありゃせん。
 そうしたら路地裏でガイジンにシャチョウサン、モミアゲアルアルヨ~って言われてな
 早速買って孫に見せたらこれ違う、って怒られてのう…」
 そのしわしわの手の平の上には、多分カラースプレーで黒く塗ったのであろうゆっくりまりさのおさげが。



 「これは…ひどいとしか言いようがないなあ」
 「ゆあああああああああああ」

 これ以上見ていても誰も得はしない。
 そう思ったお兄さんはチャンネルを変えた。
 映し出されたのはありきたりなお笑い番組だったが、一人と一匹は少しの間だったが嫌な事を忘れる事ができた。




 翌朝。
 れいむの左右のモミアゲは確実に伸びていた。

 「ゆっ!?ゆぅぅうううううう!!??」

 当のれいむが一番驚愕していたが、お兄さんは逆に実に満足げだ。

 「おお、こいつは更に効果を期待できるってことだなあ!」

 残さず全部食べておくんだよ、と言い残してお兄さんは仕事に出かけてしまった。
 山盛りのソフトこんぶ飴を残して。

 「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~」

 こんぶ飴は飴だけあってまだゆっくりできた。
 なかなか減らないソフトこんぶ飴の山を崩しながら、れいむは考えた。
 モミアゲさんが伸びたのならもっとお兄さんはゆっくりできるだろうか?
 しかし、お兄さんがもっとゆっくりできるというのは、やっぱりお金さんがたくさんあればいいのだろうか?
 モミアゲさん、スィーを買えるくらいのたくさんのお金さんがお兄さんの所にきますように。





 夕刻。
 いつものようにお兄さんを玄関で待つれいむ。
 バン、と勢い良く開け放たれるドア。

 「ゆ!おにいさんおかえりなさい!」

 れいむはいつものように元気に迎えの言葉を紡ぐが。
 ハアハアと荒い息をしたお兄さんは、ただいまも言わずにその目でれいむを視認すると

 「良かったーーーーーーー!無事だったんだな!モミアゲ様っ」

 手に持っていた複数の箱を脇に置くと、凄まじい勢いでれいむにヘッドスライディングをして
 キャッチし、モミアゲにほお擦りした。

 「心配したんだぞー、俺のモミアゲ様!。
 会社の同僚の人がさ、モミアゲの養殖目当てでたくさんれいむ飼ってたんだけど
 空き巣に入られてもうぜーーーんぶ盗まれたんだって、モミアゲが全部。
 それ聞いたら俺もう、いてもたってもいられなくて早めに切り上げて来ちゃった」

 れいむを持ったまま立ち上がり、奥の部屋に移動をしながら相変わらずモミアゲにほお擦りをし続けるお兄さん。
 食卓の上にれいむを載せ、先ほど置いた箱を持ってくる。

 「急に昇進と臨時ボーナスがあってさ。
 スゴイよなあ!モミアゲパワー。今日はお祝いだ」

 きれいに包装された箱からはほのかに甘い匂い。
 お兄さんがそれを開けると、中には白いクリームに彩られたホールケーキが。

 「ゆっ!ゆっ!ケーキさんだねお兄さん!
 れいむこんなに大きいのはじめてみたよ!」

 「ん?そうか?でもそれはモミアゲ様に差し上げたもんだから。
 お前はついでだ。つ・い・で」

 お兄さんはれいむと目すら合わさずに、自分の食事を電子レンジで温める準備をし始める。



 食事中お兄さんは、無言でれいむのモミアゲに視線を集中して、外から聞こえる些細な物音にもイチイチ
 びくっと反応していた。
 モミアゲを狙う、見えない略奪者を警戒しているのだった。
 お兄さんのそんな様子に、れいむは折角の甘くてとろけるような生クリームや、しっとりふわふわのスポンジを食べても
 ちっともしあわせー、にはならなかった。

 「よし、食べ終わったな」

 お兄さんはれいむがケーキの半分を食べたところで、もうお腹いっぱいという仕草をしたのを見計らって
 もう一つの箱を開け始める。
 ケーキの箱より一回り大きいそこから出てきたものは、鈍い光沢を放つ金属製の箱。

 「これから大事なモミアゲ様を泥棒どもから守る金庫だ。
 おまけに耐熱性もあるし、ゾウが踏んでも壊れない。
 食事の時以外はここに入っていてもらうからな」

 「ゆ!?ゆゆゆゆゆ!?お兄さ」

 有無を言わさずお兄さんはれいむを金庫に放り込む。
 中は丁度れいむがすっぽりとは入るが、自由に体の向きを変えたり出来るほどでも無い。

 「や゛め゛でね゛!や゛め゛でね゛!」
 「心配しなくても明日朝には一回出してあげるから、じゃっ」

 ガチャン、と重苦しい音と共に扉が閉められる。
 内部は外からの音も光も一切遮断され、暗闇と静寂がれいむを包み込む。

 「くらいよ!せまいよ!!ごわ゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!!!」

 ひんやりとした床の上で、じたじたと暴れ泣き叫ぶれいむの声もまた、お兄さんには一切届かなかった。







 それから数日間、モミアゲによさげな食べ物を与えられる時にだけれいむは金庫から出された。
 最初の時ほど勢いは無いが、れいむのモミアゲは少しずつ伸びて身長の3倍程になっていたのに
 しかし何故かそれとは逆に、せいぜいアイスがもう一本当たったりする位で以前ほどお兄さんに
 幸運な出来事は起きなくなっていた。
 お兄さんの期待は変に大きかったためにこの落差は焦りを呼び、この日ついに極端な行動を起こす事になる。

 「やっぱりさ、常に身に着けておくのが一番効果があるらしいんだ」

 深夜、食事以外で金庫のお外に出して貰えたれいむはもしかして優しいお兄さんに戻ってくれたのかと
 一瞬だけ思ったが、そのギラついた目を見てそうでは無いと理解した。

 「だからさ、片方だけでいいから、くれよ。モミアゲ」

 その手にはハサミ。
 ただならぬ恐怖を感じて逃げようとするが、モミアゲをずるずると引きずってしまい上手く跳ねる事が出来ない。
 それでもモミアゲを切り取られるという残酷な行為から少しでも離れたい。
 れいむの餡子の中では、いつか見たTVの無残な同族達の姿がフラッシュバックしていた。

 「ごな゛い゛でね゛!ごっぢに゛ごな゛い゛でね゛!」

 必死の形相で、ずりっボヨンと逃げ回るが、お兄さんはあっさり追いつく。
 れいむは頭のてっぺんの髪を背後から掴まれ、持ち上げられる。

 「いだいよ゛!や゛め゛でね゛お゛に゛い゛ざん゛」

 涙で頬を濡らし、いやいやをするように身をよじらせ抗議をするが無言で背後からハサミを突きつけられる。
 開いたハサミの刃と刃が、右側のモミアゲを今まさに切断しようと煌く。

 どうしてこんなことになったんだろう。
 おにいさんがしあわせー、になってほしかっただけなのに。
 れいむはれいむだよ。
 もみあげさんのおまけじゃないよ。
 こんなおにいさんきらいだよ。


 だかられいむは願ってしまった。


 おにいさんなんか、

 おにいさんなんかいなくなってしまえばいいのに。



 「ゆびゃっ!」

 突然の浮遊感。
 その直後に視界に火花が散る。
 万有引力の法則に従って落ちたのだ。
 床に底面をしたたかに打ちつけたれいむは、痛みが引いてからやっと自分の周辺を見渡す事が出来た。

 お兄さんが居ない。

 「ゆ…?お兄さん?」

 ブーーンという冷蔵庫が放つモーター音以外、何も聞こえてこない。

 「ゆ…?お兄さん、かくれてないででてきてね!」

 またもや静寂。

 「ゆああああああああああん!お゛に゛い゛さ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ん゛!!」

 れいむは大声を上げて泣いた。
 涙が、涎が床をベトベトに濡らすのも構わず泣いた。

 おにいさんがいなくなっちゃった。
 どうして?
 れいむがあんなことをおねがいしたから?
 ごめんなさい。
 ごめんなさいごめんなさい。
 モミアゲさん、おにいさんをかえしてください。
 これがさいごのおねがいになってもかまいません。
 モミアゲさん、どうかれいむのおねがいをかなえてください。

 そう願いながら、いつしかれいむは泣きつかれて眠りに落ちた。










 次にれいむが目覚めた時、何故かモミアゲの騒動が始まる前の日に戻っていた。
 もちろんお兄さんは元通りに戻ったが、ただ一つ変わっていたのは、れいむのモミアゲが
 極端に短くなってしまっていた事だった。

 いつものように朝ゴハンを一緒にむーしゃむーしゃして。
 いつものようにお仕事に行くお兄さんをお見送りして。
 いつものようにお仕事から帰ったお兄さんをお出迎えして。
 いつものように晩ゴハンをむ一緒にむーしゃむーしゃして。
 いつものように一緒にお風呂に入って。
 いつものようにお膝の上で眠くなるまでTVさんを一緒に見る。

 お兄さんとのゆっくりした生活。

 「お兄さん♪」

 「ん?なんだいれいむ?」

 「ゆんゆんっ♪お兄さんっ」

 「だからなんだよ、れいむ?」

 嬉しくて、何度も問いかける。
 もうモミアゲだなんて呼ばれない。
 お兄さんはれいむをれいむと呼んでくれる。
 こんなしあわせー、な生活がいつまでも続きますように。




 『本当はおいしい家庭の医学の時間がやってまいりました。
 今週は「ドキッ☆ナヲンにモテる食材」特集でお送りいたします。

 「ななな、なんと!ゆっくりのペニペニを生で食する事によって、モテモテフェロモンが
 大量に発生する事が明らかになったのじゃよ~?
 ゆっくりのペニペニはまたすぐ生えてくるから------」』



 「ゆっくりのペニペニ……(ゴクリ)
 モテモテフェロモン…
 ナヲンをゲット…」

 れいむは自分の顎の下に、ねっとりと絡みつくような、それでいて灼熱のアツさを伴った視線を感じた。
 お兄さんのマグマ視線は、確実にれいむのペニペニ部を捉えている。

 「もういやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」















 最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。
 おお、超展開超展開。



 ※これまでに書いたSS

          2467 週末の過ごし方
          2519 この世の終わり
          2584 UFOキャッチャー
          2728 おとうさんがんばる
          2794 赤ゆが好き過ぎて
      小ネタ 2795 赤ゆが好き過ぎて 番外編
          2833 れいむがんばる
          2894 日曜の朝に

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最終更新:2011年07月29日 18:20
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