ゆっくりいじめ系559 ゆさくや3

※わりとオリ設定満載気味です
※あんまり虐待されないゆっくりが居ます
※原作キャラが登場します
fuku1867.txt,fuku1814.txtが一応シリーズになっています






「さくや、とかいはのありすのためにしょくじをよういしなさい!」
「かしこまりましたですわ、おくさま!」
「さくや、まりさのためにふかふかのねどこをよういするんだぜ!」
「かしこまりましたですわ、だんなさま!」
「しゃくや!かわいいありしゅのために(ry」
「かしこまりましたですわ、おぜうさま!」
ここはゆっくりの間でも下種一家として蔑まれ、忌み嫌われているゆっくりファミリーの巣。
家族構成は父まりさに母ありす。子どもは双方の小さいのが2匹ずつ。
不運にもそこに迷い込んだまだ幼いゆっくりさくやは下種一家に散々こきつかわれる羽目になった。

「これだけしかとってこれなかったの?ほんとうにさくやはつかえないわね!」
「なんでしょうかですわ、おくさま!」
「なまえをよぶとすぐにはんのうするし、ほんとうにばかだぜ!」
「「ばかだぜ!」」「「ばかないなかものね!」」
さくやの取って来た食料にケチを付けながら食い漁る下種一家。
しかし、さくやの取って来る食料はゆっくりにとっては破格の量であり、普通に節制の出来るゆっくりならば家族全員がその日食べる分より貯蔵に回す分のほうが多いくらいである。
それをこの一家は一食で平らげる。その甲斐あって父まりさも母ありすも不健康なほどの太っていてゆっくりとさえも動けない。
もちろん、子どもたちも年齢のわりに非常に大きく、しかも当然のように酷い下膨れ顔になっている。
ただ1匹、さくやを除いては。
「あなたのぶんはこれだけよ!ゆっくりたべなさい!」
母ありすはさくやの取り分を投げつける。
その量はありすたちの一食分の1/50にも満たず、この一家以外のゆっくりでもこれでは次の食事まで持たないような量だった。
「あ、ありがとうございますですわ!」
けれど、さくやは文句ひとつ言うことなく与えられた食事を口にする。
正確に言えば文句を言ったところで聞き入れてもらえないし、下手をすれば暴力を受けるからなのだが。
「む~しゃむ~しゃ、しあわせですわー!」
少量の食事をゆっくり味わうさくやを尻目に一家は大量の食料にがっつく。
「うっめ、めっちゃうめ!」
「ふんっ!ま、まあまあね!」
「このはとさんまじやべぇ!」
「とかいはじゃないけど、わるくないわね!」
くっちゃくっちゃと食べかすを撒き散らしながら貪り食うその姿のどこが都会派なのかはさっぱりわからない。
結局、さくやと一家はほぼ同時にご飯を食べ終えた。

「さくや、ゆっくりいそいで朝ごはんをとってきてね!」
「かしこまりましたですわ、おくさま!」
言うが早いか家を飛び出していったさくやはきょろきょろとあたりを見回す。
しかし、家の近くにはゆっくりの食料になりそうなものは全くと言っていいほど見当たらない。
それもそのはず。食料集めをさくやに押し付けられるようになった下種一家は際限なく食べ物を欲しがり、考えなしにさくやに命令を出していた。
その結果、近場の食べられる植物はあらかた取り尽くし、さくやでも捕獲可能な小型の動物たちは家の周辺に寄り付かなくなった。
「・・・」
従者モードのさくやは淡々と職務を遂行する。ため息を漏らすこともなく、ただひたすら食料を探して当てもなく歩き始めた。
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・」
しばらく北に歩き続けているとどこからか肉まんの匂いが漂ってきた。
そして、匂いを追っていくと、その先には瀕死のゆっくりゃが1匹。
右腕がもげ、両脚は根元まで完全になくなっていた。しかも、時間をかけて徐々に千切られたらしく、足だったと思しき肉片がそこら中に散乱していた。
普段の思わずぶん殴りたくなるような愛らしいアホ面は幾度となく執拗な攻撃を受けたせいか、冗談のように腫れあがって、少しはまともに見れる顔になってしまっている。
他にも胸に3本ほど木の棒が突き刺さっていたり、人間の女性器に似た器官がへそまで裂かれていたが、顔の惨状と比べればたいしたことのないもののように思えた。
「・・・しょくりょうですわ」
そう呟くと、体中の傷や損傷に目もくれず、四肢の中で唯一残っていた左腕を引っ張って巣に持ち帰ろうとする。
「・・・う、うぅ・・・さく、やぁ・・・たすげでぇ・・・」
引っ張られたことで意識を取り戻したゆっくりゃは本能に従って生き延びようと、視界に入ったそれに必死に絞り出した声で助けを求めた。
そして、従者モードにスイッチの入ったさくやは確かにその命令を聞き届けた。
「かしこまりましたですわ、おぜうさま!」

「さくや、おそいんだぜ!どれだけまたせるつもりなんだ!?」
実際には30分と待たせていないのだが、下種というのは常識が通じないからこそ下種なのだ。
自分たちが遅いといえばそれが即真理になると思い込んでいる身の程知らずの傲慢。
「なんでしょうかですわ、おくさま!」
普通のゆっくりならこの時点で無駄な反論を試みるのだが、名前を呼ばれてしまった手前、さくやには従者モードへの移行以外の選択肢はなかった。
「おそいっていってるんだぜ、このグズ!すましたかおしてないで・・・ゆ?」
従者モードになったせいか、非常に澄ました表情をしているさくやにお仕置きをしようと近づいていったまりさはさくやの後ろにいたものを見て、驚いた。
「ゆ!ゆっくりゃ!?」
とっさに飛びのくと一目散に(といっても肥え太ったせいで非常に鈍足なのだが)家の奥へと逃げ込む。
「ゆ!ゆっくりゃ!?」
「なんで、ゆっくりゃがいるのよ!?」
「まりさはおいしくないんだぜーっ!!」
ゆっくりゃへの恐怖から必死になってこの一家にとっては狭い家を逃げ惑う。
しかし、現金なもので、室内に放り込まれたゆっくりゃの状態を見ると、すぐに強気になった。
「おぜうさまをたすけてですわ!」
「ぼろぼろ、だぜ?」
「な、なによ!ありすはれみりゃなんてぜんぜんこわくなかったんだから!」
「まったくだぜ!いみもなくおどろかせやがってだぜ!」
「まってくださいですわ!おぜうさまをたすけてですわ!」
そういって、相手が瀕死と見るや否や家族総出でゆっくりゃを暴行し始めた一家を止めて必死に助けを求めるさくや。
「じゃましないでね!」
「じゃまするんなら、おまえもゆっくりしねだぜ!」
案の定そんなさくやなんてお構いなしに、寧ろさくやごと暴行する子どもたち。
しかし、その暴力は母ありすによって制止された。
「わかったわよ。そんなにいうならたすけてあげるわ!ただし、永久に食料としてよ!いいわね、さくや!」
あまりにおぞましい命令だったが、名前を呼ばれてしまい従者モードになったさくやは、抗議することもままならなかった。

「ぶばぁ!?いばいいいいい!!?あぶばーーーーーっ!?」
おそらく「うぎゃ!?いだいいいいいいい!!?さくやーーーーーっ!?」だろう。
しかし、さくやは日課の食料集めに行っているのでそこにはいないし、いたところですぐに従者モードにされてしまうので何の役にも立たないだろう。
「ゆっくりできないいなかものね!」
そう罵倒しながら昨日ここに来たときには無かったはずの右腕に齧り付くのは子ありす。
ゆっくりゃの再生能力はすさまじく、一晩置いておけば大抵の傷は癒えてしまう。
ただし、傷口が壁などに押し付けられていると、新しいものの生える余地がなくなってしまい、再生することなく傷口が癒着し、ずっとそのままになってしまう。
昨晩、母ありすがゆっくりゃを殺さなかったのはそういう理由である。
つまり、現在ゆっくりゃの両脚は壁に押さえつけられてしまっていて、失った脚は再生することなく傷口がふさがってしまった。
さらに、へそまで裂けていた性器から重石をねじ込まれ、それを孕んだまま傷が再生してしまったので、それを取り出すことも出来ない。
加えて、念入りなことに羽までももぎとった上に脚と同様に再生出来ない状態で癒着させ、一切の移動手段を奪い取ってしまっていた。
他にも猿轡、うつ伏せにしたうえで両肩に重石、胸に刺さっていた木の枝は全部そのままという死んだほうがマシな状態でゆっくりゃは生かされていた。
「むーしゃ、むーしゃ・・・ゆ、ゆっくりゃのくせになかなかおいしいわね・・・」
一体誰に対してツンデレっ気を出しているのか。そんなことを気にするものは一家にはいないし、読者だってそのネタは食傷気味である。
「うっめ、めっちゃうめぇ!」
がつがつと身動きの取れないゆっくりゃの両腕を貪る一家。
「ぶばああああああああああああ!?」
「いなかものっぽいひめいね!」
「ありす、それはちがうんだぜ!こういうのはぶたのなきごえっていうんだぜ!」
痛みでもがいては刺さっている木の枝や胎内の重石で自分を傷つけて悲鳴を上げるゆっくりゃを尻目に容赦ない罵倒を浴びせる。
「こうやって、まりささまたちにたべてもらえるだけでもありがたいとおもうんだぜ!?」
「もが・・・もがっ・・・!?」
「いなかものにここまでいしてあげてるんだから、かんしゃしなさい!」
「ぶばあああ!ばぶばああああ!!ばぶべえーーーーっ!!」
暴れた拍子に広がった木の枝の周囲の穴から肉まんの香りが広がり、部屋中に充満する。
しかし、一家の食欲が満たされることはない。両腕がなくなればそこで終わるのだけど、そんなものは何の慰みにもならない。
ゆっくりゃに出来ることは、さくやが少しでも早く食料を持ち帰ってくることを願うことだけだった。

その頃、さくやは始めて出会う強敵(とも)と血沸き肉躍る戦いを繰り広げていた。
まだ幼いとは言え、ゆっくりゃ相手でも必殺級に殺傷力を誇る捻転を加えた頭突きを両腕でガードし、いくら加速しても追いすがって来る眼前の脅威。
その名はゆふらん。主に同じ捕食種であるゆっくりゃ食し、数いるゆっくり種の中でも最強と謳われ、敵対するゆっくりを嬲り殺すことに生きがいを覚える残忍な種族だ。
「ゆっくりしね!」
さくやめがけて一直線に突っ込んできたゆふらんは下段突きに近い攻撃を仕掛けるが、僅かなスウェイバックでたやすくかわされてしまう。
が、そこで怒りながらも我を忘れないのが最強種たるゆえん。こいつを倒したいという欲望だけをたぎらせて、突きを放ったばかりの右手でさくやに裏拳に似た打撃を放つ。
かわしきれなかったさくやは自ら後ろに飛ぶと、背後にあった木を蹴って一気に反攻に打って出る。
カウンター気味に放たれた体当たり。しかし、攻撃に使わず遊ばせていた左手によってたやすく受け止められ、握りつぶしてやるとばかりに圧力をかけてくる。
しかし、さくやとてその攻撃は予測済み。体をねじってゆふらんの手から抜け出すと着地と同時にさっきの木の後ろに隠れる。
「ゆっくりしね!」
当然のように追いかけるゆふらん。しかしすでにさくやはどこかに逃げていた。
きょろきょろと辺りを見回し、さくやを見つけたゆふらんは再びさくやを追いかけるが、投石でひるまされた隙にまた逃げられる。
そんな追いかけっこを7,8回繰り返した後になって、ゆふらんは自分の失策に気付いた。
「ゆ!?」
そこは木と木の間があまりに狭く、うっそうと生い茂る葉が空へ飛ぶことを遮る。
ここでは体のあるゆふらんのほうが不利だ。ここでの戦闘を避けるべきだと判断したゆふらんはおとなしくその場を立ち去っていった。
そうしてゆふらんをまいたさくやは適当に食料を集めると一家のもとへ急いだ。

さくやが下種一家のもとに来て2週間が経ったある日。
今日もいつもと同じように食料を探していたさくやの耳にどこかで聞いたことのある人間の声が聞こえてきた。
その作業はもはや日課になってしまっていたので、今となっては命令されるより先に朝一で家を飛び出し、一家が目覚める前に食料を集めてしまっている。
つまり、今のさくやは従者モードではない。
「おーい、ゆくやー!ここにいるのかー!?」
「・・・ゆ、ですわ?」
さくやは何故か「ゆくや」というのが自分のことのような気がした。
勿論、自分が「さくや」であることは理解している。しかし、「ゆくや」という言葉がどうしても気になった。
幸いにも従者モードでなかったさくやは強い好奇心に流されて、その人間のほうへ向かっていく。
すると、あっさりとお兄さんと目が合った。それから、その人間が自分に向かって微笑んだ。
「本当にこんなところにいたのか、ゆくや。こんなに痩せ細って、みすぼらしくなって・・・」
そういってお兄さんはさくやの頭をなでる。けれど、2週間前に別れた上に当時あまりにも幼かったさくやはその人間のことが思い出せないでいた。
「ゆっくりしていってくださいですわ!」
そしてどう対処すれば良いのか分からなくなったさくやは特に意味もなくお約束の台詞を口にしてみた。
「・・・おまえ、本当に忘れてるのな」
と、お兄さんは眉間に人差し指を当てて呆れるが、すぐに立ち直って、さくやに命令を下した。
「さくや、一緒に家に帰るぞ!家に帰ったら風呂に入るぞ!それからちゃんと飯も食うんだぞ!で、れいむにちゃんとあやまるんだぞ!」
「かしこまりましたですわ、だんなさま!」
勿論、従者モードになった時点で下種一家のことやゆっくりゃのことは記憶から無くなってしまっていた。

さくやが帰って来ないまま一夜を明かした下種一家は我慢の限界に達していた。
それでも、まだゆっくりゃにはせっかくの永久食料だから、と手をつけていなかったけれど、そろそろ我慢できなくなりそうだった。
そんな、一家の葛藤など露知らず、気のふれてしまったゆっくりゃは「あえー」などと虚空を見つめながら鳴いている。
「こんなにおそいってことはきっとどこかでのたれじんだんだぜ!」
「そうね!ほんとうにつかえないいなかものね!」
「しかたないからまりさたちがかりにいくんだぜ!」
この一家が下種と呼ばれながらも退治されなかったのは両親が圧倒的に強かったからだ。
喧嘩はもとより、狩りの腕前にも相当な自信があったし、その上、いざとなれば同属を捕食する猟奇性も持ち合わせていた。
しかし、それはさくやが来るまでの話だ。さくやが来てからの2週間ろくに運動をしていない。
それに加えて、本人たちは気付いていないが、過食と運動不足のせいでゆっくりではなく、でっぷりとでも言うべき醜い塊になってしまっていた。
当時のように俊敏に動き回ることは間違いなく不可能だろう。もっとも、本人たちがそれに気付く気配は全く無いけれど。
意気揚々と家を出て行った一家はまず家の周りの状況を見て愕然とした。
全く食べれそうなものが無い。
「これはいったいなんなんだぜ!?」
「しらないわよ!」
「どぼぢでまりざだちのいえのまわりがごんなにぼどぼどなんだぜ?」
少なくとも家から出る前はもう少しきれいな場所だったし、適当に食べれるものもあったはず。
「きっとさくやのせいよ!」
そう叫んだのは子どもありす。その言葉にほかの家族も追従する。
「せっかくだいじにしてあげたのに、これだからいなかものは!」
「「まったくだぜ!」」
そうやってしばらく口々に文句を言っていたが、いい加減不毛だと悟った一家はゆっくりぽっちゃり歩き始めた。

ようやくいつもの狩場に到着した一家は、再び愕然とする羽目になった。
せっかくしんどい思いをして、今まで以上に時間をかけて来たのに、そこさえも半ば不毛の地と化していたからだ。
勿論、まりさたちの際限の無い食欲が原因ではあるのだが、そんなことを理解できる餡子は持ち合わせていない。
ただひとつだけ分かることは、こうなってしまって今まで行ったことのない場所に行くしかないということ。
ここまで歩いてきただけなのにもう息が上がっている、足が思うように動かない。
「おとーさん、はやくいくんだぜ?」
「おかーさん、とかいはらしくいそいでね!」
まだ体重の軽い子どもたちは余裕があるのだが、それが妙に腹立たしい。
「わかってるよ!ゆっくりだまっててね!!」
苛立ちに任せて怒鳴り散らすまりさ。けれど、そんなことをしても余計に疲れるだけだった。
「ゆぅ・・・ゆぅ・・・どぼぢでごんなのがらだがおおいのおおおお!!」
その重さに耐え切れなくなったまりさはついに泣き出してしまった。
そして、その泣き声に呼応するかのように、雨が降り始めた。
そのことに気付いたまりさは急いで自分をどこか安全な場所に避難させるように誰かに命令しようとする。
が、子どもたち4匹はさっきの怒鳴り声に怯えて先に行ってしまっていた。
そして、ありすは何故かどこを探しても見当たらない。
「ゆ!?ゆぅ!?どぼぢでみんないないのおおおおお!!?」
必死に泣き叫ぶが助けなんて来るはずがない。しかし、自力で移動する体力も無い。
まりさに出来ることは一番頼りになりそうな相手の名前を呼ぶことしか残されていなかった。
「ざぐやああああああああああ!!ざぐやああああああああああああ!!どごなのおおおおおお!!」
けれど、さくやは人間の家で母親と再会し、妹のれいむたちに囲まれて、優しい人間の愛情を受けて幸せに生活している。まりさの叫びが届くはずもない。
徐々に雨足が激しくなる。そして、まりさの足元にちょっとした水溜りを作って行く。
「ざぐやあああああああああああああああああああああああああ!!」
しかし、そんなことを知る由もないまりさは必死に助けを求める。
徐々に帽子が湿気で萎れて行く。体に雨が容赦なくぶつかってくる。
やがて・・・体の一部が水によって破けてしまった。
しかし、雨は一向に止む気配を見せない。
「ゆっぐ!ゆううううぅぅうぅう・・・!ぢにだぐないよおおおお!」
それでも、死を恐れたまりさはじっとしていたことで僅かに回復した体力で木の下への移動を試みた。
「ゆぎゃぶ!?」
が、それは事態を悪化させるだけだった。自分の周囲にあった水溜りの底が妙にぬかるんでいて、まりさの重い体がめり込んでしまった。
「ゆがっ・・・がぶっ!?」
口から水が浸入してくる。呼吸が出来ない。
雨が自分を溶かしていく。はげた皮の下の餡子に直接打ちつける雨が痛い。
「じゃぶばあああああああああああああ!!」
最後まで散々こき使ってきたゆっくりの名を叫びながら、まりさは水溜りへと溶けて行った。

子どもたちはこの世全ての支配者にでもなったような気分だった。
他のゆっくりから恐れられる親を置いていく自分たちはよほど凄いのだろう。そんな万能感に浸っていたさなか、雨が降ってきた。
子どもたちは木陰に隠れて雨を凌ぐことができたけれど、そこにはちょうどゆっくりゃが雨宿りしていた。
「おい、ゆっくりゃ!ここはまりさたちのゆっくりプレイスだぜ!」
「いなかもののゆっくりゃはゆっくりでてってね!」
そして、不運なことに子どもたちは、散々ゆっくりゃを食い続けてきた経験から、勝てる相手だと確信して逃げることをせずに喧嘩を売ってしまった。
「う?」
その挑発を聞いてようやくまりさたちの存在を認めたゆっくりゃはぬぱ~っと笑顔を浮かべる。
「おやづだど~♪」
信じられないほど無防備にまりさに近づいたゆっくりゃは、おもむろに手を伸ばして一匹を抱えあげ、そして・・・
「な、なにするんだぜ!?」
「いただきま~す♪」
身の程知らずなまりさに元気良く齧り付いた。
「ゆぎゃあああああああああああああ!!?」
手始めに脚をかじられたまりさの悲鳴がこだまする。
「うーっ!まじゅいどーっ!」
「ゆげっ!!ゆぎぃいいいい!!」
白目を剥きながらもまりさは必死に抵抗するが、健康なゆっくりゃの腕力から抜け出すのは至難。
「まじゅいの、ぽいっ!だど~♪」
抜け出す前に放り投げられ、まりさは傷口から大量の餡子を垂れ流して気を失った。
「おまえ、おねーちゃんになにするんだぜ!」
「いなかもののくせに!」
「あんたなんてありすたちがゆっくりできなくさせてやるわ!」
一方、食われずに済んだ子供たちは身の程をわきまえずにゆっくりゃに体当たりを仕掛けている
「う~?」
しかし、幸か不幸かゆっくりゃの関心は子どもたちに向いていなかった。
ゆっくりゃの視線は雨の中、傘を差して歩いてくる一人の女性、紅魔館のメイド長に向けられていた。
「あ、しゃくや~♪」
嬉しそうに満面の笑みを浮かべ、ばたばたと手を振るゆっくりゃ。
「あら、ゆっくりゃ。そんなところにいたのね」
「さ、さくやっ!?」
ゆっくりゃの言葉に反応した子どもたちがゆっくりゃの視線の先を見ると、そこにはさくやに似た人間の女性。
勿論、あのゆっくりさくやとは別物だろう。しかし、子どもたちたちはその女性に一縷の望みを託した。
「さくや!あのゆっくりゃをゆっくりやっつけてね!」
もっとも、相手が人間でもゆっくりさくやと同じように対応するあたりは所詮ゆっくりか。
「あら?」
自分の足元にまとわり着いて命令をしてくる見たこともないゆっくりたちに咲夜は首をかしげる。
「しゃくや~、そいつらまじゅいの!ぽいっなの~!」
「それはあまり恐怖を感じていないからですわ。きっと甘やかされて育ったのね」
咲夜は笑顔を崩さずに子どもたちを抱き上げると木陰に入り、シートを広げ、そこに腰掛けた。
「本当、丸々と太って・・・可愛らしいわ」
見かけ上の変化はなったが、内に秘めたる感情はいつの間にかまったく別のものになっていることに気付かない子どもたちは・・・
「とかいはのありすをおこらせたつみはおもいのよ!」
「まりさのほんきをみせてやるんだぜ!」
などなど・・・のんきにゆっくりゃを罵倒していた。
まず、咲夜は気を失っているまりさを抱えあげ、その傷口丹念に調べる。
「なるほど、大きさは・・・・。傷が歯形になっているのは・・・」
その様子を訝しげに見ている子どもたちはいらいらしている。
「ねえ、おばさん!ゆっくりしないであのゆっくりゃをやっつけてね!」
次の瞬間、その言葉を口にしたありすは投げナイフによって脚に当たる部分を完全にそぎ落とされていた。
「・・・?ゆぎょあああああああああああああ!!」
「うるさいわよ。ちょっと黙っていてね?」
ナイフを投げた張本人はずっと笑顔のままなのだけれど、何故か怒っているようにも見えた。
それから、まりさのほうも脚の部分をそぎ落としそこを、さっきのありすの脚の部分とくっつける。
最後に、雨水で2匹の皮の一部を少し溶かしてから伸ばし、癒着させるとあら不思議、結合ゆっくりが出来上がりました!
さらに残りの2匹にも同様の処置を施し、先ほどの2匹に結合させる。
この過程の間、ずっとゆっくりたちは阿鼻叫喚のさなかに居たことは言うまでもないだろう。
こうして脚の部分が癒着してしまって全く移動できない、四つ葉のクローバーのような格好のゆっくりが完成した。
「なにこれええええええええ!!」「ひどすぎるぜええええ!!」
「こんなのどがいはじゃないいいいい!!」「ありすのあしがあああ!!」
どのゆっくりも他のゆっくりから離れられないことや、一切移動ができないことに強い恐怖を覚えている。
それから咲夜は全員の目を抉り出し、耳に当たるとされる部分を破壊した。
「「「「・・・~~~~~~~ッ!!?!?!」」」」
感覚は共有しているが、意識は分離している4匹は目と耳を8つ抉られるという通常体験し得ない衝撃に悲鳴すら上げられない。
その痛みから必死で逃げようとするが、足がないのだから動けるはずがない。
しかし、ゆっくりの移動は全身を用いて行われるものであり、移動しようとすればそのために脚以外の部分は動くし、それにつられて中身も動く。
4匹は同時に逃げようとしたのだから、4匹の中身がほぼ同時に上下したことになる。
その、上下した中身が、皮の癒着した場所で衝突するとどうなるのか?
ゆっくりにとって餡子は血であり、内臓であり、脳でもある。
そんなものを歩くという全ての生物にとってもっともパワフルな行動に際に生まれるエネルギーを用いてぶつけ合うとどうなるのか?
「「「「ゆっ・・・!!!ゆぎょうぎぃおえああああああああああああああ!!」」」」
答えは実に簡単。ものすごく痛い。
しかも、4匹は感覚を共有しているせいか、全員の痛めに総和を全員が引き受ける。
しかし、音も光も失っているせいで何故痛いのか、その理由を確認することもままならない。
その痛みで反射的に脚に当たる部分を動かそうとしてしまい、また中身同士をぶつけ合う。
「「「「ゆぐひぃあああああああああああああああああああ!!!?」」」」
奇天烈な悲鳴を上げながらのた打ち回る。しかし、その上げているはずの悲鳴が聞こえないことはまた恐怖を増幅させる。
「「「「だ、だれか、っぎゅおあああああああ!!?」」」」
その恐怖に負けてがむしゃらに助けを求めようと動いた結果、またしても中身同士を衝突させてしまう。
そんな愚考を延々と繰り返すゆっくりたちを眺めながら咲夜は柔和な笑顔を作った。
「ゆっくりゃ。あと5分もすれば、甘くて美味しいゆっくりが食べられるわよ」

母ありすは1匹だけ引き返していた。最初からそれが狙いだった。
雨の中で連中がくたばってくれればゆっくりゃを独り占めできる。
万一、生き延びた奴がいたところで適当に「ここにいれば帰ってくると思った」とでも言えば大丈夫だろう。
そう、彼女だけは今の自分には狩りが出来ないことを冷静に把握していたのだ。
「みんなばかないなかものね・・・!」
ようやく重い体を引きずって家の前に到着したありすが扉を開けると、家の中にはゆふらんがいて、ゆっくりゃを食い尽くしていた。
ありすは知る由もないが、そのゆふらんは以前さくやと戦ったゆふらんだった。
実はこの一家が監禁していたゆっくりゃはこのゆふらんが捕獲したもので、あそこに置いていただけだった。
そして、さくやを襲ったのはゆっくりゃの匂いが染み付いていたから。
このゆふらんは食料を探してあちこちを徘徊していたさくやの匂いと、染み付いたゆっくりゃの匂いをたどって今しがたこの家に到着したところだった。
「ゆ・・・!?ゆ、ゆゆゆゆ、ゆふらんっ!?」
一人大きな部屋でずっとゆっくりしよう。
食料も少し物足りないかもしれないけれど自分ひとりで毎日ゆっくりゃの両腕を食べられるなら大丈夫。
すっきりしたくなったらゆっくりゃとすっきりしよう。それから子ゆっくりゃも親と同じようにしてやろう。
子ありすは居ても仕方ないからおやつ代わりに食べれば良い。
そうやって徐々に子ゆっくりゃを増やしていけばやがては満足するまで食べられ、したいときにすっきり出来る最高の環境が出来る。
自分はなんて抜かりがないんだろう。ゆっくりでこれだけのことを考えられるのはきっとありすぐらいよ。
など、先ほどまでずっと脳裏を駆け巡っていた自画自賛の言葉の数々は目の前の最強の捕食者の存在によって粉々に打ち砕かれた。
「ど、どぼぢでゆぶらんがごごにいるのおおおおお!!」
まさか、自分がゆっくりゃを監禁したせいだとは露知らず、悲鳴を上げた。
「ゆ?・・・ゆっくり、しね!」
最悪なことにそのゆふらんはゆっくりゃを食べた後でお腹いっぱいだった。
つまり・・・ゆふらんの目的はありすを嬲り殺すこと、ただそれだけ。
ゆふらんはでっぷりと肥えて殴り甲斐のありそうなありすにのしかかると、手始めに両目を抉り出した。
「ゆっくりしね!」
「ゆぎゃああああああああああああああああ!!ありずのありずのおめめがあああああ!!」
叫ぶありすの右の頬を殴打する。
「ゆぎっ!!やべでえええええええええ!!どがいはのあぢすをばぐらないでええええ!!」
ありすは必死に許しを請うがそれで手の止まるゆふらんではない。
「ゆっくりしね!」
それから左の頬を。
「ゆっぐ!!?だべで!!おべえんばばい!!あばばるがらゆるぢでえええ!!」
それでもまだ命乞いをする。何に対して謝っているのかさっぱり理解できないがそれはゆふらんの気持ちを昂らせているに過ぎない。
「ゆっくりしね!」
「ゆぎゃふ!?」
もう一度、右の頬を。
「ゆあ゛あ゛あああ゛ああ゛ああ゛あ゛あああ゛ああああ゛あ!!」
もはや命乞いをする気も失せたありすは泣き叫ぶ。
「ゆっくりしね!」
更に左の頬を。
「ゆぎゃん!ゆ、ゆぐああああああああああああ!!あぢずのぢろいばが、ばがああああ!!」
殴られた拍子に歯が一本折れ、その痛みで悲鳴を上げた。
それでも、いやだからこそゆふらんはありすを何度も、何度も執拗に殴り続けた。
本人は意図していないのだろうが、その間隔はきっちり5秒に1発。
殴られた直後は痛みが襲ってきて、その後には「また殴られる」という恐怖がありすを容赦なく痛めつける。
殴られ続けたありすはついに吐血、もとい吐カスタードまで流し始め、そこでゆふらんの手が止まった。
もともとぶっくりと膨らんでいたその体は殴られ続けた結果、見るも無残に腫れ上がり、いまや頬の周辺だけが殴られる前の2倍ほどに膨らんでいた。
その体のあちこちが破けてカスタードがはみ出していた。しかし、ゆふらんが手を止めたのは良心の呵責によるものではない。
もっとゆっくり殺さないとつまらない。
そう判断したゆふらんは傷口に土や石をねじ込んで半ば強引に止血を施す。
その際ありすが「ゆぎいいいいいい!!」「ゆぐえぇ!!」「ゆぎぃ!!」などと喚くが当然気にしない。
手当てが終わった頃には、ありすの顔はどこかのゼル○ディ○みたいな感じになってしまっていた。
それでも、ゆふらんの拷問は終わらない。
いったんありすから降りると、もはや空洞だけになっていた目に足を突っ込み、人間で言うところの眉間に腰掛ける。
「ゆっ!?!?っぎゃあああああああああああああああああああああああ!!!」
もう終わったと油断していたのが災いし、予想外の痛みに絶叫を上げるありす。
ゆふらんはそれを煩わしいと思ったので散々殴られ続け、そのダメージと折れた歯によって外側以上にぐちゃぐちゃの口の中に腕を突っ込んだ。
「むぐっ!!?」
そして、そのカスタードまみれの口の中を腕で思いっきりかき回す。
「ゆっく~りし~ね~!」
「ぶばああああああああああ!!ぶばば!!ぶばぶぼおおおおお!!!!」
元々、ありすの中のカスタードは両脚と詰め込まれた石ころ分の圧迫を受けていた。
そして、その状態で口の中を強引にかき回された結果、逃げ道を失ったカスタードは止血処置を施されていない口内に流れていく。
「あば!?あばい!?あばいおおおおおお!!?」
せっかくの甘みも自分のカスタードでは流石に喜べない。
「うぼあああ!!ばべえええええ!!」
しかし、ゆふらんはお構いなしに腕で口内をかき回す。
「ぶぼおおおお!!」
どんどん流れ込んでくるカスタード。
「あぶふうううううう!!」
徐々に激しさを増して行くゆふらんの腕。
「ば・・・ばあ・・・」
それらはありすの口から呼吸をする機能を奪い取り、そのままありすを窒息させた。
「ゆっくりしね!」
ゆふらんがその遊びに飽きた頃には、口内にカスタードを溜め込みすぎたありすはすでに死んでいた。

その頃、ゆっくりさくや、もといゆくやは飼い主と一緒に風呂に入っていた。
勿論、湯船に使っているわけではない。桶に入って湯船の上にぷかぷか浮かんでいるだけだ。
2週間分の汚れを落としてさっぱりしたゆくやは実にゆっくりしたひと時をすごしている。
湯船に使っている飼い主はゆくやの本能レベルでイラッと来る笑顔が湯船を漂うのを見ていると、なんともいえない感情がこみ上げてきた。
「えいっ!」
「ゆっ!?なにをするんですわ!?」
デコピンをかました飼い主はゆっくりさくやの抗議を聞き流しつつ湯船か出ると、桶ごとゆくやを抱えあげて風呂場を後にした。

※ゆっくりさくやを迂闊に野生のゆっくりの中に放り込むと他のゆっくりに怠惰が染み付き脆弱化します。
 また、ゆくやが過労死することが多々あるので他の種と一緒に買うときは十分に注意してください。

---あとがき?---
調子に乗ってゆっくりさくや第3弾。
とりあえず「ですわ」と“従者モード”さえあればもうゆくやでしょう。
戦闘能力が高いのは著者が最初にやったPC版東方が妖々夢だから(後に東方と知らずに夢、怪、幻をやっていた)。
従者モード時の記憶の有無は不明。個体差があるとか、しらを切っているとか、諸説あります。

あと、この作品で登場したゆくやと飼い主は1作目の子ゆくやと飼い主です。

byゆっくりボールマン


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最終更新:2009年03月06日 01:22
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