ゆっくりいじめ系605 ゆっくりのいる街2

※前回(fuku2012)の続きです。


前回のあらすじ

家にゆっくり二匹が押しかけてきた

第二話



とりあえず俺は朝飯の準備をする。
流石に二食続けてピザまんを食う気にはなれん。
普通にシリアルを食う。
一方、それを見ていたゆっくり達はというと

「「おにいさん、ゆっくりしていってね!!!」」

これだよ。
普通のゆっくりならここで図々しく飯をねだるだろう。
だがこいつらは「スタンダード型」。自分の飯より俺がゆっくりする方が大事なようだ。
…っつっても何も食わせないというのもアレだし、シリアルをちょっとバラ撒いてやる。
不思議そうに見つめていたが、
「お前らの飯だ、食え」
と言うと

「「ゆっくりいただきます!!!」」

と一目散に飯に食らいついた。やっぱ腹は減ってたんだな。

「「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせ~♪」」

何度聞いても殺してやりたくなる声だ。
以前虐待兄貴の家の留守番をかって出た時、兄貴の虐待用のゆっくりに飯を与えるとこの言葉を発し、あまりのウザさにうっかり手が出てしまった。
そのせいで俺は兄貴にこれでもかとボコボコにされた。あれ以来俺は「忍耐」というものを身につけたような気がする。
…というか「それ」ってスタンダード型でも言うのか?それとも人里に降りて何か影響でも受けたのか?
だがそんなことはどうでもいい。既にこいつらの虐待プランは決めてある。
前にも言ったが俺にとって全てのゆっくりは俺に快感を与えるだけの道具に過ぎないのだ。
こいつらだって例外じゃない。
このまま何も与えず放置するという手もアリだろうが、俺にはどうしても「やってみたいこと」があった。
放置プレイは次の機会にでもやればいい。ゆっくりが蔓延したこの時代、代わりはいくらでもいるのだから。


「おにいさん!!!おかげでゆっくりできたよ!!!」
「こんどはまりさたちがおにいさんをゆっくりさせてあげるね!!!」

具体的にどうすると言うんだ。
お前らがいなくても俺は好きな時にゆっくりできる。
とりあえず朝のワイドショーを見ることにする。

「おにいさん、ゆっくりしてる?」

してるだろどう見ても。

「ゆっくりしていってね!!!」

はいはい。



「おにいさん、ゆっくりできてる?」

いちいち聞くんじゃねーよ。

「できてないなら、まりさたちがゆっくりさせてあげるね!!!」

あーもーウザいウザい。
お前らが騒いでるせいで俺はゆっくりできませんよ。
予定より大分早いが計画を実行に移すことにする。
また虐待兄貴に「君は我慢が足りない」とか言われそうだが知ったことじゃない。
俺は自室に戻り「あるもの」を取ってくる。

スケルトンボックス~♪
虐待グッズの定番中の定番である。
この中に入れられたゆっくりはもれなくゆっくりできなくなる魔法の箱なのだ。
俺は二匹を二つある箱の中に一匹ずつ詰める。俺を信頼しているのか何の疑問もなく入った。
ガタガタ震える程度のスペースくらいはありそうだ。
俺はまたTVを見てゆっくりする。






「「おにいさーん、ゆっくりしてる?」」
無視。



「「ゆっくりしようね!!!」
無視。



「「おにいさーん??」」
…少々変化が出始めたようだ。


「「ゆーゆーゆー」」
唸り声を上げ始めた、もうすぐだろう。


「「ねーあそぼうよー」」
言葉に大きな変化が。無視を続ける。


「「ゆー…」」
シカト。


「「ねえ、なにかしゃべってよ」」
もう一押しだ。







「「おにいさん!!!ここからだして!!!おなかすいたよ!!!おうちかえる!!!」」(ガタガタ)


思い通り!
やはりスケルトンボックスの力は素晴らしい!
どんなゆっくりもゆっくり出来なくなる、その言葉に偽りなし!
箱の中は小さな空気穴からわずかな酸素が入ってくる程度。
おそらくゆっくりはその環境のせいで極限状態まで追い込まれるのだろう。
また、動き回るスペースが無いことも原因の一つなのかもしれない。
自由だった最初とはえらい反応の違いがそれを証明している。
箱に目をやるとゆっくりたちは涙目になっている。
俺は箱に語りかける。

「腹減ったのか?」

「「おなかすいたよ!!!おうちかえる!!!」」(ガタガタ)

さっき食わせたとはいえ微量のシリアルだったからな。
二時間くらい経過したし、それじゃまぁ足りないのも当然か。
俺はお菓子を取り出し、ゆっくり達に見せつけるように食べる。

「「…!…!!!」」(あーんしてこちらを見つめている)

ぱくり

「「ゆー……」」(落胆の表情でこちらを見つめている)

随分わかりやすい反応をしてくれる。
面白かったのでお菓子を恵んでやることにする。
俺は食べ終わったお菓子袋の粉を箱の空気穴の中に入れてやった。

「「あ…!ぺーろ、ぺーろ、しあわせ~…」」

与えたのはハッピーターンの粉だ。美味くて当然。
反応が悪かったのは所詮微量の粉だったからだろう。
だがゆっくり共には腹の足しになったはず。
俺はもう一度語りかける。

「家に帰りたいか?」

「おにいさんはゆっくりしてるよ、だからおうちかえりたいよ」
「まりさもおにいさんみたいにゆっくりしたいよ、だからおうちにかえるよ」

どうやら俺がゆっくりしていることがちゃんと理解でき、羨ましく思っているようだ。
ここが自分の家とか言い出さないあたりまだスタンダード型の意識が残っているようだ。
俺はとりあえずこいつらを「おうち」に連れて行ってやることにする。
連れて行った後どうするかはまだ秘密にしておく。


「おにいさん、こっちだよ」

俺はゆっくり達を箱に入れたまま道案内をさせている。
その声からは元気がなくなっている。当然だ。
辿り着いたのは近所の山の中。仲良く二本並んで立っている枯れ木だ。
その根っこ部分には大きな穴が開いている。ゆっくりならあの中で生活できるだろう。
また、この辺りには他のゆっくりがいる気配もないし、人間だって滅多なことじゃ近寄らない。
だからスタンダードなゆっくりが育つのだろう。

「おにいさん、あれがれいむのおうちだよ」
「となりのきはまりさのおうちだよ」

説明どうも。
とりあえず遠くから様子をうかがってみることにする。

「「ゆっくりしていってね!!!」」
「「「「「ゆっくいちていっちぇね!!!」」」」」

片方の木かられいむの一家が現れた。
家族構成は親二匹、子供五匹。
大きさから見るに箱のれいむは長女だったのだろう。

「「ゆっくりしていってね!!!」」
「「「「「ゆっくちちていっちぇね!!!」」」」」

もう片方からはまりさの一家が。
家族構成はれいむと同じ。
これまた同じく箱まりさは長女のようだ。
この二組の家族は仲のいいお隣さんという関係だろう。
何というか親近感を覚える。
…いかんいかん、饅頭ごときにそんな感情を抱いてどうする。

「「「「みんな!!!おしょくじのじかんだよ!!!ゆっくりたべようね!!!」」」」
「「「「「「「「「「ゆっくいたべりゅよ!!!」」」」」」」」」」

そう言うと親ゆっくり達は木の実をぶち撒け、それを子ゆっくりたちが貪るように食っている。

「ゆっくり!!!」「ゆっくい!!!」「ゆっくち!!!」

…むーしゃむーしゃとは言わない。やはり人里の影響だったか。またどうでもいい謎が増えてしまった。
その家族の姿は幸せそのものだった。愛護派の奴ならこのまま傍観を続けるだろう。
だが俺は虐待派だ。こんな光景を見るとこれでもかというくらいぶっ壊したくなる。でも今はその時ではない。

「みんなゆっくりしてるね!!!」
「まりさたちもゆっくりしたいね!!!」

箱の中のゆっくり共がわめきだした。自分達もあの中に混ざりたいのだろう。
…考えてみるとあんなゆっくりした家族がいるのに人里に降りるっておかしくないか?
もしかしたらこいつらはもう独り立ちしていたのかもしれない。大きさも成体と遜色ないサイズだ。
それでもう一度家族の元に戻りたいと言い出すとは。よっぽど箱の中がイヤだったんだな。
まぁそんなことはどうでもいい。こいつらがこの楽しい「お食事会」を終えたときが計画実行の時だ。

「「「「みんな!!!ゆっくりできたね!!!」」」」
「「「「「「「「「「ゆっくちできたよ!!!」」」」」」」」」」
「「「「それじゃまりさ(れいむ)たちにばいばいして、おうちにはいろうね!!!」」」」
「「「「「「「「「「まりしゃ!!!(れいみゅ!!!)あしたもゆっくいちようね!!!」」」」」」」」」」

そう言ってゆっくり共は自分の家に入っていった。
なんだかんだで一時間ぐらい騒いでやがったなあいつら。
会話から察するにこの時間の間しか隣の家族と交流していないようだ。
それ以外の時は自分の家で自分の家族とゆっくりしているのだろう。これなら他のゆっくりからの悪影響も受けることはない。
この習慣を繰り返すことが「スタンダード」でいられる秘訣なのだと俺は思った。
箱の中のゆっくりに目をやる。

「れいむもゆっくりしたかったよ!!!」
「みんなとゆっくりしたかったね!!!」

不満の声を上げる。ブーたれて俺に文句を言わないあたりがゆっくりずむとの違いだ。
さーて、そろそろ始めるか。
俺は枯れ木のそばに向かう。
そしてリュックの中からスコップを取り出し、土を入り口にかけていく。
言うまでもないだろうが入り口を封鎖しているのだ。
箱の中のゆっくりは不思議そうに見つめている。何をやっているのか理解できないのだろう。
二つの家の入り口を封鎖し、リュックからさらに管のようなものを取り出し、土の壁に突き刺す。
これは空気穴…ではなくゆっくり達の声が聞こえるようにするための仕掛けだ。
準備完了。俺はリュックからアレを取り出す。
昨日、三匹のうーパックを死に追いやったあの道具だ。
俺は心の中で謝罪した。………枯れ木に。


ゴオオオオオオオ…………

枯れ木は激しく燃え上がった。
周りに落ち葉は見あたらないし、半径十数メートルには他の木が存在しない。そもそもこの枯れ木自体大して大きくはない。
まるで「この木だけ燃やしてください」と言わんばかりの都合のいい土地だ。
不審火だと騒がれるだろうが、言い訳ならいくらでも考えてある。
「悪いゆっくりを駆除した」とでも言えばいい。現に俺は大人の頼みで二、三度同じ手でゆっくりの住処を滅ぼした。
無意味な放火でしょっぴかれたら人生がエンジョイできないじゃん。

「ゆっ!!!なんだかゆっくりできないきがするよ!!!」
「なかのみんながゆっくりできないよ!!!」

箱詰め共も危険性に気づいたらしい。火を恐れるのは生物としての本能だ。コイツらはナマモノだがな。
木がそれほど大きくない為か炎上が早い。そろそろかな?

「ゆうううっ!!!なんだかあちゅいよおおおおおおお!!!」
「ゆっくちできないよおおおおおお!!!」
「おかあしゃーーーーーーーーーん!!!」

差し込んでおいた管から子れいむ共の声が聞こえてきた。

「ゆっ!!!みんなおちついて!!!ゆっくりおそとにでようね!!!」
ゆっくりしたら死んじゃうだろー。

「おそとにでて、みんなでゆっくりしようね!!!」
「おそとなら、ゆっくりできるよ!!!だからゆっくりでようね!!!」
スタンダードはやたらゆっくりという単語を使いたがるようだ。

「ゆっ!!?これじゃおそとにでれないよ!!!」
「これじゃゆっくりできないよおおおおおおおおおお!!!」
入り口が塞がっていることに気付いたらしい。
一応念入りに土を固めてあるので炎上までに脱出することは絶対に不可能である。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!ま゛り゛じゃの゛ぼう゛じがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
子まりさの帽子に火がついたようだ。

「あ゛ぢゅい゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!ま゛り゛ぢゃの゛あ゛だま゛あ゛じゅい゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
まりさ種はダサい山高帽なんかかぶっているから燃え移りが早いんだな。

「あ゛ぢゅあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!れ゛い゛み゛ゅの゛お゛り゛ぼん゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
れいむの方にも火がついたらしい。やっぱ最初は装飾品から燃えるのね。

「ゆ゛ぎゅあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ま゛、ま゛り゛ぢゃの゛っ!!!ま゛り゛じゃの゛あ゛だま゛も゛え゛でる゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
ロングヘアーのまりさは髪にも燃え移ったようだ。どんなファイヤーヘッドになっているか見たかった。

「み゛、み゛ん゛な゛っ!!!お゛ぢづい゛でっ!!!ゆ゛っぐり゛じよ゛う゛ね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
スタンダードな親ゆっくりはやや取り乱してはいるが子供達をなだめようとしている。でもゆっくりしてる場合じゃねーだろ。

枯れ木ハウスはゴウゴウと音を立てて燃えまくっている。
消すのが大変そうだが、今日はこれから雨が降るらしいし、小さい木だから燃え尽きりゃ自然消火するだろ。全部計算のうちだ。
箱詰め共に目をやる。

「み゛ん゛な゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ゆ゛っぐり゛じでい゛っでね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
「ばや゛ぐっ!!!ばや゛ぐゆ゛っぐり゛じでね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」

漏れ出す悲鳴から何が起こっているのかを理解したらしく大絶叫。
これスタンダードだってこと知らなかったら家族に死ねと言ってるようにしか聞こえんな。

「あ゛ぢゅっ…ゆ゛っぎゅり゛…じ…だげっ……」
「ぢびぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!」
「も゛っどゆ゛っぐり゛じだがっだよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
末っ子まりさが燃え尽きたようだ。
最後「ゆっくりした結果がこれだよ」って言おうとしたのか。スタンダード固有の断末魔だそうだ。

「ちびちゃん!!!ちびちゃん!!!ゆっくいちていっちぇね!!!」
「ちびちゃん!!!ゆっくりしてね!!!」
「ゅ…ゅ…ゅ…」
「ち゛びち゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!」
末っ子れいむの方も絶命したらしい。
やはり小さいとすぐに燃え尽きてしまうな。

…ここまで来ると親ゆっくりの取るべき行動は大抵決まっている。

「み゛ん゛な゛っ!!!お゛どう゛ざん゛゛の゛お゛ぐぢの゛な゛がに゛ゆ゛っ゛ぐり゛ばい゛っでね゛!!!」
「お゛どう゛ざん゛が、み゛ん゛な゛を゛ゆ゛っぐり゛ま゛も゛っであ゛げる゛がら゛ね゛!!!」

そう、ゆっくりは危険になると自分の口の中に子供達を避難させるのだ。
それはスタンダードでも例外では無かった。いや、極限状態で思いついた苦肉の策と言ったところか。
父ゆっくりは生き残った子供達を口の中に入れた。母がそうしないのはアレか。父の仕事だと決めつけているからか。

「ゆっ!!!おとうしゃんのなかしゅじゅしいよ!!!」
「これでみんなゆっきゅりできるね!!!」
「あついのなくなるまで、ゆっくいちようね!!!」

補足しておくと、親ゆっくりにも火は少々燃え移っている。子ゆっくり達の火はのたうち回ってローリングすることで
収まっている。…完全にではないが。
ちなみにファイヤーヘッドまりさは手遅れだったらしく、まりさ側には三匹しか残っていない。
炎の勢いは強まっていき、とうとう巣の中は火の海となった。

「あ゛ぢゅっ…!でも゛ゆ゛っぐり゛ごども゛だぢを゛ま゛も゛る゛よ゛!!!」

「お゛どう゛ざん゛だち゛がだめ゛でも゛、ごども゛だぢだげばゆ゛っぐり゛ざぜであ゛げる゛よ゛!!!」

泣ける親子愛だ。だが饅頭だと三文芝居の喜劇にしか聞こえない。それに俺はお涙頂戴は嫌いなんだ。

それに中に入れている子供達も安全なわけがない。
親が燃え尽きてしまえば中の子供達も当然助かるわけがない。それでも子供達が助かると信じて踏ん張っている。実におめでたい奴らだ。
その子供達によって、自分達の寿命が縮まるということも知らずに。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!ま゛だあ゛ぢゅぐな゛っでぎだよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
「ぢびぢゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!どお゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」
「あ゛ぢゅい゛の゛ぎえ゛だばずな゛の゛に゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」

子ゆっくり達の叫び。
鎮火したと思っていた体の火が再び燃え広がったのだ。「完全に」消えていたわけではないので当然だ。

「さっきみたいに、ゆっきゅりごろごろして、けそうね!!!」

「ごろごろして、またゆっくちしようね!!!」

姉の助言を受け再びローリングする妹ゆっくり。
今自分達が「何の」中にいるのかも忘れて…

「あ゛ぶっ!!!む゛む゛む゛む゛む゛む゛む゛む゛む゛む゛む゛む゛む゛む゛」

唸り声を上げる父ゆっくり達。口を開けずに踏ん張っている。口を開ければ再び子供達を地獄に落としてしまうからだ。
原因は言うまでもない。舌の上で火付き子ゆっくりがローリングしているのだから当然の結果だ。
ゆっくりごろごろするのやめてね、と言いたいだろうが言葉を発するわけにはいかない。
それに子供達が苦しんでいるのだ。親子の絆の強いスタンダードだ。そんなこと言えるわけがない。
一方子供達はというと

「どう゛じでぎえ゛な゛い゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
「も゛っど、も゛っどゆ゛っぐり゛ぐる゛ぐる゛ずれ゛ばぎえ゛る゛よ゛!!!」
「ぢびぢゃん゛、ゆ゛っぐい゛がん゛ばっでね゛!!!」

いや、消したいならゆっくりするべきではないだろう。
ここは土の上ではなく父の口内なのだ。ローリングするたび父の舌に火が燃え移り勢いを増していく。
早く転がればなんとかなったかもしれないがスローが信条のゆっくりでは勢いが増す一方である。

「も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛」

「でい゛む!!!ゆ゛っぐり゛がん゛ばっでね゛!!!」
「ばり゛ざ!!!ゆ゛っぐり゛じよ゛う゛ね゛!!!」

不気味な音を出す父ゆっくりと涙目になりながら応援することしかできない母ゆっくり。
双方の家族はほとんど同じ状態であった。
先程も言ったが両親共に既に火がついている。
内から外から焼かれて父は非常に苦しそうである。
出来ればその光景を見たかったが入り口を封鎖してしまったので見られないのが残念だ。
それにしても母ゆっくりは無能だなと考えていると

「れ゛い゛ぶ!!!い゛ま゛ゆ゛っぐり゛ざぜであ゛げる゛がら゛ね゛!!!」
「ま゛り゛ざがべろ゛べろ゛じで、あ゛づい゛の゛げじであ゛げる゛がら゛ね゛!!!」

言動からして父ゆっくりの火を舐めて消すつもりのようだ。無能を超越したバカ発言に思わず笑いをこらえきれなくなった。

「あ゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」
「ばり゛ざの゛べろ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!

当然の結果です本当にありがとうございました。
舌に火が燃え移りのたうち回る双方の母ゆっくり。
俺もあまりのバカっぷりに爆笑しながら転げ回る。
それにしてもゆっくりの全身燃えやすすぎだろ。ダンボールのうーパック程ではないが。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぢゅいよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」
「ゆ゛っぎゅり゛じだげっががごれ゛だよ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!!」
「も゛っどゆ゛っぐい゛ぢだがっだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」
「い゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ゆ゛っぐぢぢだい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!!!」

思い思いの断末魔を上げる子ゆっくり。
巣の中口の中にいるというのにここまでキンキン響く声で叫んでいる。
ゆっくりの基本音量は高いのだ。だから管を差し込んだだけで全部筒抜けなのである。

「ぼっぼっぼっぼっぼっぼっぼっぼっぼっぼっぼっぼっぼっ」

口の中から聞こえた断末魔に滝のような涙を流しながら奇怪な音を発し続ける双方の父ゆっくり。
それでも声を上げないのはまだ子供達が助かると信じているのだろう。
自分自身も半分火ダルマになりつつあるというのに。
母ゆっくりはというと燃え上がった舌を出したまま白目を剥いて気絶…いや、もう死んでいるのかもしれない。
炎が全てを飲み込むまでそれほど時間はかからなかった。
箱詰め共はというと。

「「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっ」」

…あまりのことに失神しているようですね。










ザー

通り雨だ。傘を持ってきているので濡れる心配はない。
雨が上がる頃にはあれほど派手に燃え上がっていた火は完全に消え、目の前に立っていた木は倒れ、燃え尽きていた。
さっそく巣の様子を見る。木がないので上から簡単にのぞくことができる。
当然箱詰め共も一緒だ。


中には二匹セットの黒ずんだ「何か」があった。
もう一本の木の中も同じであった。
言うまでもないがこれは親ゆっくり達の亡骸である。
真っ黒で見づらいが、表面は焼けただれ、開けまいと必死だった口は溶けて癒着している。白目を剥き、絶望と苦痛の表情だった。
母ゆっくりの方はアホみたいに口を開けたまま死んでいた。舌は完全に燃え尽きて炭になっている。
ちなみに全員装飾と髪が燃え尽きハゲ饅頭と化していた。

「ゆっ?おにいさん、これなに?」
「ゆっくりできるもの?」

脳天気に俺に問いかける箱詰め。

「お前らのお父さんとお母さんだよ」

「「!!!!!!!!」」

俺は正直に答えた。
箱詰め共は驚愕の表情で固まった。
ゆっくりはその装飾で個体を見分けると聞く。装飾の無いゆっくりは迫害の対象になるらしい。
だがそれはゆっくりずむにそまった個体間での話だ。スタンダードは装飾など問題ではなくちゃんとした仲間内での認識ができる。
だからこいつらは理解できた。目の前のこれらが自分達の両親だということを。

「お゛があ゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!お゛どう゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!!!」
「ゆ゛っぐり゛じでっ!!!ゆ゛っぐり゛じでい゛っでね゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」

全身から体液を撒き散らしながら絶叫する箱詰め。箱の中に水溜まりが出来はじめている。
とりあえず収まるまで待つことにする。


「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ…おとうさん、おかあさん、おそらのうえでゆっくりしていってね…」
「まりさたちが、おとうさんたちのぶんまでゆっくりしてあげるね…」

両親との別れは済ませたらしい。

「これからは、れいむがちびちゃんたちのめんどうをみてあげなくちゃね…」
「ゆ…まりさもちびちゃんをゆっくりしたこにそだててあげなくちゃ…」

…………
俺は双方の父の亡骸の後頭部に蹴りを入れる。
すると蹴った部分が崩れ、中から同じく黒ハゲ饅頭と化した妹達が出てきた。

「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」
「ぞん゛な゛っ…!!!ぢびぢゃん゛…!!!どお゛じでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!!」

今度は一発で認識できたらしい。
父の守護の甲斐あってか妹達は両親より表情がはっきりと見えた。言うまでもなく全員がこの世のものとは思えない苦痛に歪んだ表情だった。





れいむとまりさは先程の光景を思い出していた。
双方の家族が、楽しくお食事会をしていた時のこと。
自分の妹達が楽しくはしゃぎ回っていたこと。両親達が楽しくおしゃべりをしていたこと。
美味しそうに木の実を頬張っていたこと。名残惜しそうにお別れの挨拶をしたこと。
さらに記憶をさかのぼっていった。
れいむとまりさはそれぞれの両親から人間型出産で生まれた。
その後両親からたくさんの愛を受けゆっくりと育っていった。毎日れいむ(まりさ)と遊べる時間を楽しみにしていた。
生まれて一ヶ月が過ぎて、両親が植物型出産で双方五匹の妹たちを授かった。
一緒にいられたのはほんのわずかな時間だった。「独り立ち」する時期だったから。
でもその間めいっぱい妹達をかわいがった。「おねーしゃん」と呼ばれたのが嬉しかった。
いつの日かおうちでまた一緒にゆっくりしようねと約束した。

















「これで君達の「おうち」は無くなっちゃったね!!!これからはお兄さんと一緒にゆっくりしようね!!!」

「「う…うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!」」

なのに、全て失ってしまった。
ただおにいさんもゆっくりしてほしかっただけなのに。

両親の言いつけを破って人里に降りた結果がこれだよ。

「あっちのほうにいっちゃいけないよ!!!ゆっくりできなくなるよ!!!」
「「どうして?」」
「ゆっくりできないのがいっぱいいるんだよ!!!」「まりさたちのおともだちはみんなゆっくりできなくなっちゃったよ!!!」
「「ゆっくりはゆっくりどうしでゆっくりしてるのがいちばんだよ!!!」」

「おかあさんたちはあんなこといってたけど、きめつけるのはよくないよね!!!」
「もしほんとうにゆっくりできないのなら、まりさたちがゆっくりさせてあげようね!!!」



…両親の言うことは正しかった。
「あっちのほう」にはゆっくりできないのが、ほんとにいた。
















その後、不審火の通報を受けた警察がやってきた。
俺は「悪いゆっくりを駆除するためにやった」と言った。
巣の中の亡骸を確認した警察は納得してくれ、おとがめなしとなった。
日頃の行いってやつは大事だね。

俺は完全に放心しているゆっくり共を連れ帰った。当然箱の中だ。
ゆっくりずむに染まったゆっくりなら精神崩壊を起こすか俺に復讐心を剥き出しにするだろう。
だがこいつらは「ゆっくり」していた「スタンダード」だ。どちらも起こりはしない。…今は。

とりあえずプランの第一段階はクリアした。
さてと、次のステップに移るとするか。












作:TOSSY

前回が割と好評っぽかったので調子に乗って第二弾です。
火なんて扱ったことはあまりないのでいろいろおかしい部分があるかと思われます。
じゃあなんでこんな話にしたのかというと「おうち」を眼前で消し去る様を書きたかったからです。
また、れいむとまりさの一家がそれぞれ別の巣(お隣)に住んでいるという表現がうまくできませんでした。

fuku2016で前回のネタを絵にしてくれた方、ありがとうございます。
あの絵を見て「もっと痛めつけておけば良かった」と後悔してますw

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  • 死ねヨダニゴミ人間
    -- (名無しさん) 2019-08-05 04:26:03

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最終更新:2022年08月01日 17:23
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