注:あるマンガのシーンがモロに含まれています。パロディが嫌いな方はご注意ください・・・。
  オリっぽい設定アリ。


まだゆっくりが出現してから1年も経っていない頃、すでに一部の科学者はゆっくりについて真剣に研究を行っていた。
その中で科学者たちは、ゆっくりが他のゆっくりを食べると、ゆっくりはその食べたゆっくりの分能力が向上する
ことを明らかにした。ゆっくりの能力など人間から見れば微々たるものだが、実際飢えから同族を食べたれいむは
他の平均的なれいむと比べ、僅かだが反射神経や移動速度が上がっていたのだ。
同族殺しはゆっくりの間では重罪であり、大抵は他のゆっくりを食べたゆっくりはその場でリンチを受け殺される。
『さぁ、お食べなさい!!!』宣言の場合は食べても罪には問われないらしいが・・・。
そこに目を付けたある科学者はその能力を最大限強化したゆっくりを生み出した。どこまで強くなるのか気になったのだ。
だが研究は失敗した。生み出したゆっくりれいむは1万以上のゆっくりを食べ続けた結果ドスに匹敵する力を手に入れ、
研究所を破壊し逃げ出してしまったのだ。必死に追跡したが想像以上に賢くなっていたため捕獲は困難であった。
その事件はニュースでも公開され、捕獲した人には賞金を出すという宣言から多くの人間が森を捜索した。

だが、当の強化れいむの寿命はすでに尽きかけていた。実験で無理やり生み出されたため他のゆっくりより寿命が
短くなっていたのだ。強化れいむは本能に従いひたすらゆっくりを食べ続けた。れみりゃもふらんも食べた。
らんもちぇんもぱちゅりーもまりさもありすもとにかく手当たり次第に食べ続けた。
だがれいむの体はその膨れ上がる力に耐えられなかった。所詮は失敗作、強化れいむは自分の死期を悟った。

「・・・れいむは・・・ゆっくり・・・できたの・・・かな・・・?ゆ・・・っくり・・・。」

強化れいむは死んだ直後、たまたまそこに人間が通りかかった。森の奥で山菜を探している最中に迷子になったのだ。

「何だ、ゆっくりが死んでやがる・・・。死因は何だろうな・・・。まぁいっか。腹減ってたし・・・。」

その人間は何を思ったか死んだ強化れいむを食べてしまった。何とも不思議な味がした・・・。
その後その人間は何とか家に帰れたが、それから数日経って自分の体に異常があることに気が付いた。
何故だか無性にゆっくりを見ると食べたくなったのだ。それから毎日森に行っては寄って来るゆっくりを食べた。
そして数ヶ月後、自分の身体能力が少しだが上昇していることに気が付いたのだ・・・。

「まさかあの時食べたゆっくり・・・ニュースでやってた研究室から逃げ出したゆっくりだったのか・・・!!?」

彼の予感は的中した。強化れいむを生み出した科学者に会って検査してもらったところ、強化れいむの能力が
そのまま受け継がれたことが判明したのだ。科学者はこの事実にかなり興奮していた。人の気も知らず・・・。

そして現在、彼は人からこう呼ばれるようになった・・・『食ゆ鬼意山』と・・・。



食ゆ鬼意山の罠


最近ドスまりさ率いる群れがあらゆる生き物の生活を圧迫していた。ドスたちはただゆっくりプレイスを求めて各地を移動しているだけ
なのだが、通った森の食べ物は全て群れのゆっくりが食べてしまい、そこに住んでいた野生動物たちは飢えてしまった。
その結果動物が人里に出没し人間に被害をもたらす様になったのだ。政府は早急に対策せねばならなかった。
ドスまりさは現在数個体しか発見されていないが、大きな被害を出したのは今に始まったことでは無い。
以前ドスに頼り切ったゆっくりが増長してゲス化し、人間に被害を出すという事件があった。
その事件はドスが悪さをしたゆっくりを人間の前で処刑したことで丸く収まったが、今回はそうはいかない。
その群れはかなり大きく、ドスも悪気があってやっている訳では無い。ただゆっくりしたいだけなのだ。
だがそのせいで多くの動物が被害を受けている。放っておく訳にはいかないのだ。

「あれだけの群れだ。全てのゆっくりがゆっくりできる場所など存在しないだろう・・・。」
「だが奴らはそんなこと考えない!いずれ全ての森や町の食料を食い尽すぞ!駆除すべきだ!!」
「あのドスとは何度か対談したが、まるで話を聞かなかった。話し合いは無理だ。」
「ゲスでは無いが、賢いドスでも無い。仕方が無いな・・・。」

政府が下した決断は『ドスも含めた群れの駆除』であった。だがあの大群をどう駆除するのかが問題だった。
それに、何よりドスは強い。口からはビームだがレーザーだか得体の知れない光線を吐き出すのだ。
軍隊を出動させる案もあったが、ゆっくり以外にも被害が出てしまうので却下となった。

「駆除せずとも、我々でゆっくりプレイスを提供すると言うのは・・・。」
「却下だ。あれだけの群れを賄うのに金がかかり過ぎる。それにさらに増えたらどうするのだ。」
「・・・こうなったら彼らに頼もう・・・。『ゆ虐七連星』に・・・。彼らならゆっくりに詳しいからな・・・。」


数日後、7人中時間が空いていたのは1人だけだった。残る6人は音信不通だったり仕事で忙しいと断られたり・・・。
とにかく早急に解決しなくてはならないこの状況で、1人でも許可が取れたことは役人たちを喜ばせた。

「いやいや良かった・・・。で、今回の件は如何だろうか・・・?食ゆ鬼意山・・・。」
「とりあえず交渉した際のビデオを見ましたが、ゆっくりは頑固なので話し合いは無理でしょう。」

ビデオの内容はドスに群れの数を調整してくれと交渉した時の映像だ。

「なあ、悪いことは言わん。これだけの群れが全員ゆっくりできる場所なんてありはしない。移動せずに数を減らしてはくれんか・・・?」
「ゆっ!?だめだよ!それってまびくってことでしょ!!ぜったいいやだよ!!みんなでゆっくりしたいんだよ!!」
「な・・・ならせめてこれ以上数が増えないように調整してくれないか?例えばすっきりを制限するとか・・・。」
「なにいってるの!!?あかちゃんやこどもがいるとゆっくりできるんだよ!!!すっきりはじゆうにおこなうべきだよ!!!」
「あまりいい気になるなよ饅頭め・・・!せっかくお前たちにチャンスを・・・あてっ!」

交渉役の人の頭に石が当たったのだ。投げたのは後ろで様子を見ていた群れのゆっくりたちだ。

「れいむたちをゆっくりさせてくれるドスにわるぐちいわないでね!!!」
「そんなにいうならにんげんさんがかずをへらせばいいんだぜ!!!」
「あなたのいうことはぜんぜんとかいはじゃないわ!!すっきりはとかいはのたしなみよ!!!」
「うめよふやせよなんだねー、わかるよー。」
「むきゅっ!じこちゅうなにんげんさんはさっさとかえってほしいわ!」

額に傷のあるぱちゅりーが先頭に立ちブーイングの嵐を浴びせた。このぱちゅりーは群れでもドスの次に偉いのだという。

「て・・・てめえら・・・!!くそっ交渉決裂だ!!!帰るぞ!!!」

このドスはあまりに欲に忠実であり過ぎた。鬼意山はもう駆除する以外に道は無いと考えた。

「問題はあれだけの数をどう駆除するかだ。力任せに駆除しても絶対何割かには逃げられてしまう・・・。」
「・・・ドスだけ駆除すればいいじゃないですか。」
「ダメだ。ドスを失った群れは最低限群れをまとめていたドスが消えたことで必ず人里に現れ被害をもたらすに違いない。
 ここで一気に叩くのがベストなのだ。」
「なら良い案があります。ただしそちらにも協力していただきますが・・・。」

鬼意山の作戦・・・それはゆっくりプレイスと偽って群れを大きな建物に幽閉し、一気に駆除するという作戦だ。
建物は政府が用意すること、この件は鬼意山に全て任せることを条件に鬼意山は協力した。

作戦は10日後に決定した。鬼意山は下準備のため例のドスの群れが現在暮らしている森に向かった・・・。
夜中の2時・・・ドスたちは全員寝ていた。洞窟を住み家にしているようだが、中から寝息が聞こえてくるのですぐ分かった。
寝ている間に駆除すれば・・・と思った者もいたが、それでは確実に全員駆除するのは不可能だと鬼意山は注意した。
鬼意山の今回の狙いはドスの補佐をしていたサブリーダー的存在のぱちゅりーだ。あのぱちゅりーの額には傷が付いていたのですぐ分かる。

「上手くいけばいいがな・・・。」

鬼意山の体がみるみる変化していく・・・!!数秒後にはそこに鬼意山の姿は無く、そこには1匹のれみりゃがいた。
そしてその日、群れからサブリーダーのぱちゅりーは消えた・・・。


10日後・・・作戦当日・・・朝

ドスの群れは大きく困惑していた。いくら探してもサブリーダーのぱちゅりーがいないのだ。ドスは半泣きでグズッていた・・・。

「いったいどこにいっちゃったのぉ~・・・。ゆぅぅぅぅぅぅぅ・・・!」
「ゆっだいじょうぶだよ!きっとフラッとかえってくるよ!!」
「げんきだしてドス!ぱちゅりーはきっとぶじよ!!!」
「ゆぅぅ・・・おなかへったんだぜ・・・。」

それともう1つの問題は食料が減ってきたことだ。周辺の食料を無計画に食べてしまいもう残り僅かだったのだ。
ドスは選択する必要があった。ぱちゅりーを待つか、それとも諦めて移動するか・・・。ドスは悩んだ。
そんな時・・・ドスの耳(?)に聞き慣れた声が・・・。

「やあドス、ゆっくりしていってね。」
「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!!だれかとおもったらまえにこうしょうにきたにんげんさんだね!!」
「いまドスはぱちゅりーがいなくなってそれどころじゃないんだよー、わかってねー。」
「そのことなんだが、前の話は私が悪かった。大切な仲間を切り捨てるなどできるはずが無いのに・・・。」
「ゆ!おじさんやっとわかったんだね!じゃあもうつきまとわないでね!!!」
「いや、是非とも形ある謝罪がしたい。実は君たち全員が一生ゆっくりできる素晴らしいゆっくりプレイスが見つかったんだが、
 そこに君たちを案内してあげたいと思ってね・・・。」

その発言に群れのゆっくり全員が色めきたった。もうあちこち移動することも食料に悩むことも無くなるのだ・・・。

「もちろん天敵もいない真の楽園だ。どうだね?ドス、君の判断を聞こうか・・・。」
「ドス!ぜったいいくべきだぜ!もうさまようのはいやなんだぜ!ずっとゆっくりしていたいぜ!!」
「れいむもゆっくりしたいよ!もうれみりゃにおそわれなくてすむんだよ!」

ドスはしばらく悩んだが、すぐに質問した。

「ゆぅ・・・。ぱちゅりーがかえってきてないよ・・・。いまいどうしたら・・・。」
「それなら心配いらん。傷のあるぱちゅりーなら我々で保護した。」
「ゆぅぅぅっ!!!ほんとにっぱちゅりーほんとにいきてるの!!?」
「ああ、先にゆっくりプレイスに案内してあげた。君たちのことを待っているぞ。」
「わかったよ!ならすぐにそのゆっくりプレイスにいくよ!むれのみんなにつたえてね!!!」
「「「えい、えい、ゆー!!!」」」

こうしてドスを含んだ300を超えるゆっくりの群れは大きなトラックの荷台に次々と乗せられ運ばれた。
そのまま加工場にでも連れて行けばあっさり駆除できるのではと交渉役の男は思ったが、鬼意山の指示なので仕方ない。

「きっとこいつらを虐待でもして遊ぶんだろ・・・。俺もやってみっかな~・・・。」
「ゆ~♪おかーしゃん!これからすごくゆっくりできるところにいくんでしょ?れいむたのしみだよ!!!」
「ちびちゃんはせっかちね♪ついたらみんなですりすりしようね♪」
「まりさははらいっぱいあまあまさんをたべたいんだぜ!!!」
「ありすはとかいはなおへやにすむわ!!」
「あたたかいところでぐっすりねたいよー。」
「ゆ~♪ドスもたのしみだよ!はやくぱちゅりーにあいたいよ!!!」

ドスにとってぱちゅりーは群れを作る前から一緒に苦楽を共にしてきた親友だ。的確な指示で群れの危機を何度も救ってきた。
そのぱちゅりーがゆっくりしている所ならきっとみんなもゆっくりできる・・・。ドスはワクワクしながら外を眺めた。

そして30分後・・・トラックは古びた倉庫に到着した。ドスでも入れる大きな倉庫だが、どう見てもゆっくりできそうに無い。
だがゆっくりプレイスの存在を信じて疑わないゆっくりたちは人間の案内を受けホイホイ倉庫に入っていった・・・。
群れ全員が入っても余裕がある程倉庫は広かった。だが食べ物も無く光も入らぬ倉庫は薄暗く肌寒かった・・・。
そして全員が入ったのを確認すると・・・人間は倉庫の入り口を閉ざした・・・。

「ゆっ!?うすぐらいよ!!はなしがちがうよ!!!ぜんぜんゆっくりできないよ!!!」
「たべものなんかないんだぜ・・・。おなかすいたんだぜぇっ!!!」
「ドス~・・・。わからないよー・・・。あたたかくないよー・・・。」

ドスは困惑した。確かに聞いた話と全然違う・・・。まさか自分たちは騙されたのでは・・・?ドスは不安になった。
だがいざとなればドススパークで壁を破壊して逃げれば済むことだ・・・もう少し様子を・・・。

「むきゅ!みんなおそすぎよ!ぱちゅりーまちくたびれたわ!!」
「そのこえは・・・ぱちゅりぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!あいたかったよぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

ドスの目線の先・・・そこには額に傷のある・・・親友のぱちゅりーがいた。ドスだけでなく群れ全員で感激した。

「ぱちゅりー!ゆっくりしていってね!!!」
「ねえ、ぱちゅりー・・・。ここはどうなってるんだぜ・・・?たべものなんかないんだぜ・・・。」
「むきゅ!それならしんぱいないわ!こっちにいっぱいあるわよ!!!みんなでたべましょ!!!」
「ゆゆ~♪おかーしゃんいっしょにむ~しゃむ~しゃしようね!!」
「そうだね!みんなでいっぱいたべようね~♪」

ぱちゅりーに言われるがまま空腹だったゆっくりたちは奥に移動した。だがドスも他のゆっくりも気付かなかった・・・。
食べ物があると教えた場所に、ぱちゅりー本人が近寄らなかったことを・・・。

「むきゅ!ゆっくりしんでね♪ポチッ!!!」

大多数のゆっくりが奥まで移動したことを確認すると・・・ぱちゅりーはこっそりボタンを押した・・・。
そして・・・次の瞬間・・・左右から鋭い針が凄まじい勢いで発射された・・・!

ズガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ・・・・・・!!!!

「ゆべひゅびびひひひっ!!!?」
「ぶじゅべぎっ!!!!」
「わきゃりゃべべべべべ・・・っ!!!!」
「どぼじびゃっ!!!!」

ドスや移動していなかったゆっくりは目を疑った・・・。目の前で起きた惨劇・・・ケタケタ笑うぱちゅりー・・・。
数秒後、針が全て撃ち出されたのか静かになった・・・。そこにはかつてゆっくりだったものが散乱していた・・・。

「ゆ・・・ゆ・・・ぎぃ・・・!!!」
「い・・・だ・・・い・・・。」
「お・・・が・・・じゃん・・・ゆ・・・。」
「ゆ・・・ゆあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!どぼじでぇぇぇぇ!!!?どうなっでるのぉぉぉぉぉぉっ!!!!」

ドスは理解できなかった。たった今起こった惨劇が・・・。今ので8割近い群れのゆっくりは針まみれになった。
面倒見が良くて皆から好かれていたありす、尻尾を器用に使って木の実を集めてくれたちぇん、虫さんを沢山集めてきてくれたまりさ、
そしてとても仲の良かったれいむの親子・・・。他にも大勢の群れの仲間が針だらけになり痙攣している・・・。

「ふん・・・!やっぱりこの口調は疲れる・・・。だがまんまと引っ掛かったようだな・・・くくく・・・!!!」
「ぱ・・・ぱちゅりー・・・?どうしちゃったの・・・?これ・・・ぱちゅりーがやったの・・・?」
「む・・・むきゅ!そうよ!でもこれはドスのためなのよ!!」
「ドスの・・・ため・・・?」
「こんなにゾロゾロつれていたらぜんぜんゆっくりできないわ!こんなやつらみなごろしにしてせいかいよ!
 これからはぱちゅりーとドスだけでゆっくりしましょ!!!」
「・・・・・・。」
「さぁ、のこりのゆっくりたちをころして!そうすればいっしょうゆっくりできるわよ♪」
「・・・ぱちゅりーじゃない・・・!!」
「むきゅ?なにいってるの?みて、このきずを!ぱちゅりーはぱちゅりー・・・。」
「こんなのぱちゅりーじゃない!ぱちゅりーは・・・!いつもみんなのことをかんがえてみんなでゆっくりできるように
 がんばってた!!ぱちゅりーがこんなこというはずがないよ!!!にせものはゆっくりしねぇぇぇぇぇぇっ!!!」

ドスはぱちゅりーに向け、口からドススパークを放射した。だが恐るべきスピードでぱちゅりーは回避した・・・!

「むきゅ!そのわざはみきっているわ!!なんねんいっしょにいたと・・・!」

ドススパークは倉庫の壁を破壊していた。そこから太陽の光が入ってくる・・・。ぱちゅりーはその光を浴び・・・!

「むぎゅ!!?しま・・・っ!!!ぐぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・っっっ!!!!」
「・・・・・・!!!!!!?」

ぱちゅりーは瞬く間にその体を歪め、変形していく・・・!数秒後、そこにはぱちゅりーでは無く人間が立っていた・・・!

「ち・・・っ!油断した・・・。この短所さえ無ければ無敵なのに・・・!!」
「ゆ・・・!?やっぱりぱちゅりーじゃない・・・!!にんげんさんだれなのぉぉっ!!!?」
「オレか?オレは食ゆ鬼意山だっ!!ちくしょう・・・。ゆっくり風情にしてやられたな・・・!!」
「ゆぐぅぅ!!だましたんだね!このにせものぉ!!ほんもののぱちゅりーをかえせぇぇぇぇ!!!」

鬼意山はふうっと息を整え、ドスとわずかに助かったゆっくりを睨んだ。

「お前・・・。オレのあの姿を見て偽者と言ったな・・・?」
「そ・・・そうだよ!!!にせものはほんものをだしてねっ!!!」
「違うぜ・・・。あれはにせものなんかじゃない・・・。」
「・・・!?ど・・・どういうこと・・・!!?」
「・・・オレはゆ虐七連星の中で唯一の普通の『鬼意山』だ・・・。」
「そ・・・それがなんなの!!?わかるようにいってね!!!」
「本来ならゆ虐七連星に入れるような実力も知識も無い・・・。だが事実オレはゆ虐七連星に入り、他の6人の『鬼異惨』と
 対等の扱いを受けている・・・。何故だか分かるか・・・!?」
「わ・・・わからないよー・・・。」
「ド・・・ドスだってそんなのしらないよ・・・。」

鬼意山は思いっきり息を吸い、一気に叫んだ。

「それは!オレは全ての人間の中で唯一!無限に進化する存在だからだ!!!
 この能力は本来!!研究所から逃げ出した改造ゆっくりの『ゆっくりを食うことで能力が増す』能力!!
 何故だか森の中で朽ち果てていたそいつの能力を・・・オレが食らって手に入れた!!!」
「く・・・くらって・・・!!?」
「そうだ・・・!オレが得た能力は『食ゆ』・・・。食ったゆっくりの能力を我がものとする力・・・。
 さっきのぱちゅりーの姿はオレがぱちゅりーをその体ごと食って手に入れた力だ・・・!!」
「ゆぎ・・・!そ・・・それじゃあ・・・!!!」
「そう!さっきの姿はお前が知っているぱちゅりーそのもの!!クリームには記憶が!皮には経験が!全てそのまま残っている!!!
 オレはその記憶と経験に従い行動していたまでのこと!!!」
「じゃ・・・じゃあぱちゅりーはもう・・・。」
「終わりだ・・・。見せてやろう・・・ゆ虐七連星の虐待というやつを・・・!」

鬼意山の体が再び変形していく・・・!下半身が異常に膨れ上がり、みるみるうちに巨大化していく・・・!!
上半身はそのままだが、腰から下はドスをも遥かに凌ぐ巨大なゆっくりの姿となった。
そのゆっくりはどの種類とも分からない醜悪な姿をしており、あらゆる種類の帽子や髪飾りが装着されていた・・・。
大きな倉庫の中でも狭いと感じるほどの大きさだ。軽く見積もっても10メートル以上ある。
さらにちぇんと思わしき巨大な尻尾が10本近く生えており不気味に蠢いており、れみりゃと思わしき牙や翼が無数に生えていた・・・!
もちろん変身した時、隙間から入ってくる光に当たらぬよう場所を調整して・・・。

「見ろ!!これが今までオレが食った全てのゆっくりの力の姿だ!!ゆ虐七連星の虐待をそこらの凡百な鬼意山のそれと同等と考えるな!!
 オレの食ゆは食ったゆっくりの力を全て同時に発動できる!!!」
「ゆ・・・ゆひぃ・・・!!!」
「今までオレが食ったゆっくりの数!!!およそ8万2千7百!!!ここから先の戦いは!8万を超えるゆっくりの軍勢と!!
 たった数匹で挑むのと同等だと思え!!!!」

変身した鬼意山は尻尾を振いながらドスに向かって前進してきた・・・。逃げようとしたゆっくりたちは次々と尻尾に捕まり
口に放り込まれ食われていった・・・。最早ドスに勝機は無かった・・・。だがドスは全力で挑んだ・・・!!


ぱちゅりー・・・。ドスはもうここまでみたいだよ・・・。ぱちゅりーがいつも頑張ってくれたおかげで立派な群れができたのに・・・。
ドスはそれすら守れなかったよ・・・。ゆっくりプレイスを見つけてぱちゅりーに存分にゆっくりしてもらおうと思ったのに・・・。
ぱちゅりーが入ったあの体に攻撃する力なんて・・・もうドスには残っていないよ・・・。

ごめんね・・・ごめんね・・・ごめ・・・


尻尾が激しくドスを殴打し、上空へ打ち上げる・・・!そして鬼意山の牙のように変形した巨大な右腕がドスを貫いた・・・!!

「あ・・・が・・・っ!!!」

ごめんね・・・さようなら・・・ぱちゅ・・・りー・・・

「ひゃははははははははははははははははははははははははははははははははははははっっっ!!!!」

歪んだ笑みを浮かべ笑い狂う鬼意山・・・それがドスの見た最期の光景だった・・・。




それから数時間後、鬼意山は平然と倉庫から出てきた。すぐに入口を見張っていた人間たちが中を確認したが、
そこにドスの姿は無かった・・・。

「任務遂行おめでとう。まさか本当に1人で全滅させてしまうとは・・・。」
「針にはゆっくりの中身を凝固させる毒を塗っておきましたからね。じゃあ私はこれで・・・。」
「ところで・・・ドスはどうしたのだ?あれだけでかい奴が跡形も無いなんて・・・。」
「詮索しない方がいいですよ。心配いりません。ちゃんと始末しましたから・・・。」

鬼意山の能力には欠点がある。それは陽の光がある所では何故か使えないというものだ。
どうやら鬼意山に能力が移った際にそうなったのだという。原因は今でも分かっていない。
だから鬼意山は光が入ってこない倉庫を最終的に駆除する場所に決定したのだ。他の候補の建物には目もくれず・・・。
ぱちゅりーを食う時間帯を夜中にしたのは、れみりゃに変身し簡単に目的を達成するためだったのだ。

「遂にドスの力を手に入れた・・・!これでオレの力は人間どころか軍隊や兵器に対抗できる程になったはずだ・・・!
 ゆっくりをいくら食っても微々たるパワーアップしかできなかったからな・・・。今回の収穫は大きいぞ・・・!!」

そう、最初からドスが狙いだったのだ。ドスは数が少なくまだ1度も食っていなかった。
今回の依頼は絶好のチャンスだったのだ。おかげでドスの桁外れの力を得ることができた。

「ドス・・・。オレの中でぱちゅりーや群れの奴らと再会できたんだ・・・。オレの力としてゆっくりしていけ・・・。」

鬼意山はこれからもゆっくりを食べ続けるだろう・・・。更なる力を得るために・・・。その欲望は止まることを知らない・・・。
だが鬼意山は気が付かない。その行為が最初に食べたあの強化れいむの本能であることを・・・。



過去作

2517 ちぇんマー投げ
2526 ゆンペルダウン
2550 痙攣鬼異惨の日曜日
2560 分からないだらけのゆん生
2570 馬鹿とゆっくりは使いよう
2585 ゆっくり飼育書

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最終更新:2022年05月03日 23:23