※虐待成分皆無? 酷い目にはあいますが、はっきり言ってぬるま湯です
※某有名ホラーアクションゲームの4のパロディです ネタバレが嫌な人はご遠慮ください
※台詞が読み難いので、漢字表記です
※各ゆっくりの喋り方がよく分からないので変な所があるかもしれません
※不完全なスペイン語表記あり
※登場する人物は全てゆっくりです 便宜上、村人等の表現をします





【ばぁいおぅはざぁど ゆっくりぃ ふぉうぅ…】

           ②

“カタカタカタ、チーン!”

「何でこんな所にレジが置いてあるのか…。 不思議な村だみょん」

誘拐された合衆国の長の娘を探しに来たミョン。
娘の行方を尋ねると、突然村人達(ゆっくり)に襲われた為、
ここに娘がいるという可能性が高まった。
村人の襲撃を警戒しながら、村への小道を急ぐ事にする。



小屋を出て直ぐに、道の脇にある不気味な標識が目に入った。
ゆっくりの死骸を杭に刺して、斜めに組み合わせた棒で大きなバツ印を模っている。

「この標識は一体何なんだみょん?
近くにいたカラスさんと何か関係があるのかみょん?」

以前の様に突付かれるのは嫌なので、予め銃で追い払ってから近づいている。
すると一羽のカラスが緑色の果物の様な物を落としていった。
思わず噛り付いたのだが、とても硬くて不味かったので、
まだ熟していないのだと判断し、食べるのを止めておいたのだ。

その時だった。 直ぐ近くの草むらから何かの鳴き声が聞こえるではないか。
何かに苦しむ様な、悲痛な鳴き声である。 その声の主は…。

「イヌだーーーっ!」

下水道に蟻でも現れたかのような声を上げ驚くミョン。
どうやらミョンの中のトラウマが蘇ってしまった様だ。
実はミョンは7年前に犬に襲われて酷い目にあった事があるのだ。
集団で現れては波状攻撃を仕掛け、陽動しながら徐々に体力を奪う手ごわい相手である。
ミョンは反射的に身構えたが、しかし、一向に犬はこちらに向かってこなかった。
それもその筈。 犬の足はトラバサミに挟まれ、身動きが取れなかったのだ。
恐らく村人達が仕掛けた罠であろう。

「痛そうだみょん…。 何とかしてあげたいけど…」

物を持つ事が出来る部分が口しかなく、残念な出来の餡子脳では、
獲物を強固に捕らえて離さないトラバサミには打つ手が無い。

「せめてもの情けだみょん…。 今楽にしてあげるみょん…」

木の実を撃ちだす銃を構えて、苦痛を終わらせてやろうとした。 すると…。

“ガチャン!”

「みょんっ!?」

どういう事かトラバサミの歯が開き、犬は戒めから解き放たれた。
よほど長い間囚われていたのだろう。
犬は口から涎を垂らし、目の前の獲物を見つめている。
そして、自らを痛めつけていたトラバサミへの怒り、
自らを傷つけようとしたミョンへの怒りに満ちている。
犬の唸り声に怯え、ミョンは咄嗟に逃げ出したが…。

「ベニスッ!」

何と言うことだろうか!
犬に追われながら逃げ回っている内に、その場に残っていたトラバサミに
今度は自分が引っ掛かってしまったのだ!
逃げ出す事も出来ず、もがけばもがくほど肌に食い込むトラバサミ!
後ろからは飢えた怒れる野獣が迫り来る!
そして二つの牙がミョンの身を襲い…!

ざんねん!
ミョンのぼうけんはこれでおわってしまった!

You Are Dead ...



“カタカタカタ、チーン!”

気がつくと、ミョンはタイプライターの置いてある小屋の中にいた。
いくら楽観主義の餡子脳といっても、死んだらやり直しという事に
何の疑問も持たないのは如何なものだろうか…?

「みょん…。 可哀想だけど、今度は犬さんは無視して行くみょん…」

流石に完全無視は良心が咎めるので、
近くで見つけた赤い草(即行で食べようとしたが不味かったので止めた)を
小屋にあった箱に入っていたもう一つの緑の草と一緒に置いて行った。
後でミョンも気付くのだが、緑と赤の草を一緒に食べるととても美味しくなり、
体力が大きく回復する効果があるのだ。
その為、後に犬は自力でトラバサミから何とか脱出する事が出来たが、
それはまた別のお話である…。



犬の場所からほんの少し進んだ場所にミョンは奇妙な物を見つけた。
木の幹に何か赤い物が付いている。
それだけならば林檎だと判断して跳びつく所だが、
赤く点滅している上に、よく見れば近くの木に紐が伸びている。
7年前は重要な物は自ら光って存在を知らせてくれていたので、
何か特別な林檎で格別に美味しいかもしれないという思いと、
先程のトラバサミの様に何かの罠かもしれないという思いがミョンの中に渦巻いていた。
食欲と猜疑心の板挟みにどうするべきか悩んで唸っていると、
その声を聞きつけて近くにいた村人がミョンに襲い掛かってきた。

「Agarralo!(アガラロ! = 捕まえろ!)」
「みょ!? こっち来ないでね!!」

不意を突かれて慌てて慌てて逃げ出すミョン。
だが、突然ミョンの後方で爆発が起こった!
何事が起きたのかと振向くと、そこには村人の姿は無かった。
そして木の幹にあった筈の光る林檎も無かった。

「驚いたみょん…。 食べると爆発する林檎だったみょんね…」

誤解を防ぐ為に解説すると、これはワイヤー爆弾である。
赤く光る爆弾本体かワイヤー部分に触れるか攻撃すると爆発する罠である。
ミョンを追いかけた村人は自分達で仕掛けたバレバレの罠に自分で引っ掛かったのだ。
流石、ゆっくり。 『太った男』の爪の垢でも煎じて飲むべきである。



ミョンは恐る恐る木の間を抜けて先へ進んでいった。
暫くするとまた小さな小屋があった。
中には緑の草が生えていたので回収しておいた。
この村に来てから、村人が落としたり、置いてあったりで度々手に入るのだが、
ピカピカ光る丸くて平たい石も何かの役に立つかもしれないので拾っておいた。
硬くて食べられないのは残念だが、綺麗なので宝物にしても良いだろう。



その先に小さな吊り橋が見えてきた。
その手前には村人が二体待ち受けていた。
硬い木の枝を磨いだ簡単な鎌を投げてきたりもしたが、ミョンの敵ではなかった。
足に当たる下半身を撃たれて体勢を崩したところを体当たりされ、
吊り橋から落とされてしまったのだ。

「ッア―――!!」

微妙な叫び声を上げて谷底に落下していった。
その吊り橋を渡ろうとした時、目の前の崖の上から村人の声が聞こえた。
見上げてみると口々に叫びながら去っていった。

「ウンコダ ステーロー!」
「アニサマ ノテマス!」
「ヘコキ!」

「みょ!? ミョンはうんうんでも屁こきでもないみょん!
それに一人っ子だみょん! ぷんぷん!!」

恐らくその様な意味ではないだろうが、
ミョンは言葉通りの意味に捉えて勝手に怒っていた。
なぜ日本語で考えるのかは永遠の謎である。



吊り橋を渡った先にまた小さな小屋が見える。
また何か置いてあるのだろうと思って小屋の中に跳び込む。
次の瞬間、ミョンは小屋の中に待ち伏せていた村人に正面衝突していた。
登校時に朝食のパンを咥えながら走り、「遅刻する~!」と言いつつ、
角を曲がった時に美少女とぶつかれば、実は転校生で隣の席に…、
という王道パターンだが、残念ながら相手はパンではなく斧を持っている。
ミョンは泣きながら銃を撃って倒しましたとさ…。

「あ、あんたなんて好きじゃないんだからみょんねっ!!」



ともあれ、何とか村への入り口に辿り着いた。
失ったものは大きいが、それは確実にこの先のゆん生に活かされる事だろう。
村の入り口の門を通ると、合衆国からの通信が入る。
一体どこから監視しているのやら、タイミングは完璧である。

「ハニガン、村の入り口に着いたみょん」
「そう。 プレイングマニュアルを送るから見ておいて」
「一体何の話だみょん?」

よく分からないので無視して進む事にする。
村の中を観察してみると、中央で何かを焼いている様だ。
近くの木に身を隠しながら望遠鏡で覗いてみる。
勿論、にとり製のガラクタで作られた粗末な物である。

村人達が牛に干草を奪われたり、台車を押したりしている。
鶏に追い掛け回されている村人もいる。虐め過ぎたのだろう。
「ヘーイ、アッガーイ!」という奇妙な掛け声も聞こえる。
至って平和な日常に見える村の中心に、非日常的な光景があった。

「みょん!? あれはっ!?」

そこには案内役のれいむがいた。
体の中心を杭で貫かれ、そのまま焚き火にくべられている。
その様子はどう見ても生きてはいなかった…。

「この村はちっともゆっくりしてないみょん!
ゆっくりしないで逃げるみょん!!」

恐れをなして逃げ出すミョン。
しかし、門を開けようとしたところで通信が入る。
ユユコ・ハニガンからのお叱りの通信だ。

「ミョン、どこへ行こうというの?」
「こんな所にいたらミョンは殺されてしまうみょん!
お家に帰りたいみょんーっ!!」
「つべこべ言わずにさっさと進みなさい」

問答無用で通信を切られてしまった。
その上、さっき通ったばかりなのに門が開かない。
まさか門の向こうでハニガンが押さえているのでは…?
泣く泣くミョンは村を通り抜けることにする。

「うう…、ハニガンは鬼だみょん…。 いや、妖怪かみょん…?」
「何か言ったかしら、ミョン?」
「なっ、何も言ってないみょん!!」
「ミョン、潜入の基本はカモフラージュよ!」
「かもふらーじゅ…?」
「そう! 迷彩服を着て、フェイスペイントを施し、匍匐して進むのよ!」
「分かったみょん! 草を被り、土を塗って、身を屈めて進むみょん!!」
「そうよ! そして声高らかに叫ぶのよ!!」

「「そろーり! そろーり!! そろーり!!!」」

「「「「「Ahi esta!(アイ エスタ! = そこだ!)」」」」」
「何で見つかるのーっ!!?」
「カモフラージュが甘かったようね。 健闘を祈るわ」



何故ばれたのかが全く分からないミョンは慌てて村中を逃げ惑う。
四方八方から鎌や斧が飛び交い、息つく暇も無く逃げ続ける。
必死で走って手近の民家に跳び込み、急いで扉を閉めて近くにあった棚で塞いでおく。
やっと一息つけると思った途端、外から何かの唸る様な音が聞こえた。
恐る恐る窓から外を覗いて見ると、頭から袋を被った大きな村人がいた。
袋に開いた穴から、狂気を帯びた目で口に持った武器を見つめている。

「か、かみ殺しだみょーんっ!!?」

このままでは直ぐに扉を破られて進入を許す事になる。
急いで階段を駆け上がり、二階からの脱出を図る。

「みょ!? これは!!」

何と、その家の二階にはにとり製の銃が飾ってあった!
何故こんな所にあるのかは分からないが、それは一度に複数の木の実を撃ちだす
人間の武器で言えばショットガンの様な物であった。
これを使えば村人の集団もゴッドキラー持ちも倒す事が出来るかもしれない!
しかし、ゆっくりしてはいられない!
既に一階の扉は破られ、二階の窓も壊されようとしている!
ミョンは意を決して入り口側の窓から飛び出す事にした。
二階の窓から梯子を使って侵入しようとしていた村人達を梯子を倒して落とし、
彼らをクッションにして無事に着地する事が出来た。
村人達の進路を限定する為、目の前の別の民家に跳び込むミョン。
逃げて回っている時に気付いたのだが、この家には入り口が一つしかないのだ!
この中で篭城すれば、敵は前から来るので対処しやすい筈!



しかし、それは追い込まれた時に逃げ場が無いという事でもある。

「ゆがーんっ!!」

奥の部屋へと続く鉄製の扉には錠前が掛けられていた!

「開け! 早く開くんだみょん!!」

慌ててナイフ(自分で作った磨いだ木の棒)で壊そうとするが、中々壊れない!
全力で体当たりしても殆ど効果が無い!
後ろからは死を告げる音、GKの駆動音が近づいてくる!

「うわあああああっ! 来るな!! 来るなぁあああっ!!!」

滅茶苦茶に銃を撃つが狙いが定まらず上手く当たらない!
ショットガンで吹き飛ばしても効き目が無いかの如く立ち上がる袋覆面!
目前にまで迫る死神の刃! そして…!

“カチ…ッ! カチ…ッ!”

「た、弾切れだみょん…!」
「Te voy a matar!(テ ボイ ア マタル! = ぶっ殺す!)」



「ミョン!? 応答して!!
ミョン! ミョーン!!」

You Are Dead ...



……………。

ここでミョンとの通信が途切れた。
ミョンのレポートはまだ終わらないが、如何にしてこの難局を乗り切るのか?
村に教会の鐘の音が不気味に木魂していた…。






【ゲームだとあっと言う間なのに文章にすると全く進まない…。
ゲームの恐怖の迫力を表現し切れていない…。虐めらしい虐めが見当たらない…。
それでもこんな駄文にお付き合いいただけたなら幸いです】

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最終更新:2022年05月21日 21:43