「一体、どういうことなんだよッ!?」
雨音がBGMとなる街に大きな声を上げた少年。
少年の名は森嶋帆高。
離島から東京へと家出した少年。
それだけならただの家出少年で終わるが、100%の晴れ女と称される天野陽菜と出会い帆高の運命は大きく動きだした。
(俺が家出したクルーザーから陽菜さんが消えるまで、ずっと盗撮されていたっていうのか!?)
陽菜さんが消えた朝。
両親が行方不明届を出したこと。陽菜さんを救うため一度だけ発砲したために銃器・爆発物不法所持容疑がかけられた帆高は警察に羽交い絞めにされて取調室に連行された。
(それに、俺が陽菜さんに出会うのを阻止するだって!?)
もう一度彼女に会いたいーーーーー思いが爆発して警察署から飛び出した突如、視界が暗転し気がつくと映画館の席に座ったいたーーーーー
そして、見せられたのは【天気の子】というタイトルに自分と陽菜さんが主演に見えるように撮られた映像だった。
「夢じゃないんだよな…?」
陽菜さんが人柱として消えたところまで映像が流されると、後は神子柴 と名乗るお婆さんが自分を標的にしたバトルロワイアルを宣言した。
「ッ!?そうだ!早く陽菜さんの元へ行かなくちゃ!」
(俺はもう一度あの人に!会いたいんだ!)
帆高は地図を見て陽菜が囚われているあの廃ビル…E-1へ走り出そうとするーーーーー
スッーーーーー
突如、少女が目の前に現れた。
「わっ!?」
帆高は驚き尻もちをつく。
「いけない、いけない、驚かせちゃったよ」
少女はそう言いながらくすくす笑いを続けた。
「い…いつからいたんだ!?」
(まさか!?俺を狙う参加者!?)
「ルールは簡単。天野陽菜を連れ戻そうとする『森嶋帆高』を制限時間まで食い止めよ。『森嶋帆高』の生死は問わん。如何な手段をもってしても『森嶋帆高』を食い止めればそれでこのゲームは終わりじゃ」
映画館でのお婆さんの言葉を思い出した帆高は【死】を連想するが少女は…
「…去年から」
笑いながら答えたーーーーー
☆彡 ☆彡 ☆彡
「去年から…って」
(嘘だろ!?)
少女の答えに懐疑の視線を向ける帆高。
……チリチリチリチリ。
「うッ!?」
(何だ…この…「粒?」脳を駆け巡る感覚は…?)
感じたことがない感覚に頭を抑えた帆高にーーーーー
「月島瑠璃子」
「え?」
「私の名前」
目の前の少女は淡々と自己紹介をした。
「……ああ。僕はも」
少女の自己紹介に帆高も同じく自己紹介しようとするがーーーーー
「知ってる。森嶋帆高君でしょ?観てたから」
「じゃあ、君も参加者なんだね」
(やっぱり。じゃあこの子は俺が陽菜さんの元へ行くのに反対なのかな?)
少女ーーーーー瑠璃子が予想通りバトルロワイアルの参加者だと知ると、帆高は身構える。
(何だろう…陽菜さんとはまた違う…新窓のお嬢様…手を触れたら壊れてしまうガラス細工…)
身構えつつも瑠璃子を見た帆高はそんなイメージを抱いたーーーーー
「瑠璃子でいいよ。帆高ちゃん」
初対面のはずだが、この少女にはそう呼ばれた方がしっくりとくるように感じた。
「じゃあ…瑠璃子さんで」
陽菜さんと違い自分と同学年にように思えた帆高は瑠璃子の呼び名をそう決めた。
☆彡 ☆彡 ☆彡
「…瑠璃子さん。俺、行かなきゃ」
帆高は一刻も陽菜の元へ向かいたい一心から瑠璃子との会話を断ち切ると再び走りだそうとするがーーーーー
「まって…私も付いていくわ」
帆高を制止する声。
「どうして…?」
帆高の疑問に瑠璃子は答える。
「そこなら、電波を集められると思うから」
瑠璃子は帆高と行動を共にしたい理由を述べた……
「……」
(はぁ!?電波!?この子何を言っているんだ…?)
「普通の電波を集めるときは金属のアンテナを使うけど…」
何を言っているのかさっぱり分からない。
「でも、私の電波は金属のアンテナじゃ集められないから、身体を使うの。私がアンテナになるの」
……チリチリチリチリ。
脳髄と頭蓋骨の隙間を跳ね回る粒子の焦燥感。
(…なんか、この子と話すたびに扉が開くような感じがする……)
その扉が何なのかはまだ帆高にはわからないがーーーーー
(瑠璃子さんは…扉を開いてしまった?)
確証は持てないが帆高は瑠璃子が「壊れた」・「開いた」者だと瞳を見つめて感じた。
「帆高君も……私とおんなじだよね?」
「え?」
「帆高君もできるんでしょ?」
「…何が?」
「電波の受信」
瑠璃子と名乗る少女はその綺麗で澄んだ瞳で僕を見つめたーーーーー
「…正直、電波とか全然意味がわからないんだけど…」
正直に瑠璃子に返答するがーーーーー
「いいの、そのうち気づくから」
「いや、だから…」
「大丈夫。そのうち、教えてあげる」
無邪気に微笑んだ。
「天野さんの元へ行きたいんでしょ?」
心の中を見据えたかのように
「届いたの電波が。帆高ちゃんを助けろって」
「帆高ちゃんを助けてあげるよ」
瑠璃子は帆高に向かって手を伸ばしそう答えたーーーーー
……チリチリチリチリ。
「……」
(正直、電波とか意味が分からないことを言っている。なんか危ない薬でもやってるんじゃないのかな…?)
帆高にとって瑠璃子は明らかに異質ーーーーーしかし、その微妙に焦点がずれた、星のない月夜に見た湖のような瞳に帆高はーーーーー
「…よろしくお願いします」
帆高は瑠璃子の手を握っていた。
天野陽菜に会いたいーーーーー謝りたいーーーーーその一心がーーーーーー
狂気の扉を開きかけているのかもしれないーーーーー
【A-8/住宅街】
【森嶋帆高@天気の子(映画版)】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:鳥居がある廃ビル屋上へ行き、陽菜を連れ戻す
1:陽菜さんを取り戻す!
2:瑠璃子と行動を共にする
3:頭が…ちりちりする……
※参戦時期は警察署から飛び出した直後
※瑠璃子との接点で頭に電波が届くようになりました。
【月島瑠璃子@雫 オリジナル版】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:鳥居がある廃ビル屋上で電波を集める
1:鳥居がある廃ビル屋上へ行き、電波を受信する
2:森嶋帆高と行動を共にする。
※参戦時期は太田香奈子が発狂した数日後
※瑠璃子の周囲に電波が集まります。電波に触れ続けると…狂気の扉が開くかもしれません。
(………)
帆高と瑠璃子のやり取りを路地裏から覗く影……
影の正体は、北条時行。
鎌倉幕府第14代執権北条高時の遺児。
信頼していた御家人(足利高氏)が裏切り、時行は全てを失ったーーーーー
時行は生きることに絶望した。
しかし、燃え盛る葛西ケ谷東勝寺 から突如、謎の建物の座布団らしきものに座り、奇天烈なのを見せられた。
(…あれって、帆高…と申す者…)
老婆によるバトルロワイアルが宣言され、時行は先ほどまで自分がいた鎌倉とは比べられないほど進んだ街に佇んでいた。
とりあえず、雨をしのごうと移動すると、件の人物が女の人と話しているのを目撃した。
(…どうしよう)
2人の前に姿を見せるか悩んでいると歩きだしたので、時行もとりあえず、隠れながら跡をつける。
(本当なら、私も父上と…皆と一緒に腹を切ろうと思っていた…)
潔く死ぬのが当たり前の時代に生きた少年がーーーーー
(帆高と陽菜…二人のおかげで【生きる悦び】にときめいてしまった)
時行は【天気の子】の住人に、とりわけ2人の笑顔に希望をみたのだ。
(帆高殿…責任は取ってもらうぞ)
多くの参加者が帆高を殺そうと行動を起こすであろう中、誰よりも生き延びる才能を持つ時行が帆高を守ろうとする。
生存本能の怪物は目覚めたーーーーー
【A-8/住宅街】
【北条時行@逃げ上手の若君】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:隠れながら逃げながら帆高のサポートをする。
1:帆高が死なないようにサポートする(隠れながら)
2:首輪の対処も考慮する
3:あの女の人は誰だろう…?
※参戦時期は1話の燃え盛る寺から
最終更新:2021年02月02日 07:03