「―――さて、お互いの紹介と事情の説明はこれぐらいで構わないかな?」
それは、まさに天より降り注いだ黄金の如く優美な顔立ちをした男だった
雨空の薄暗さすら掻き消さんとばかりに綺羅びやかな金髪を靡かせたあ、まるで神とも言わんばかりの威圧感と印象を与えかねないその男
「……ああ。そちらの事情も、大体わかった」
対するは、その両眼を黒の目隠しで覆った白髪の男。基本的な日本人成人男性を超える身長を持ち、その隠されてた両眼からは金髪の男を見定める鋭い眼光が目隠し越しに確認できる
今でこそこうして、ある建物の一室にて両者とも椅子に座りこうしてテーブルを挟んで会談出来ているが、実は出会った当初は一触即発の雰囲気であったのだ、その原因だったのが
「(……二人は気にしなくてもいいとは言ってくれたけど、なんというか一人省かれている感じが何とも)」
そう内心思いながらも二人の会話を座って見つめていた、黒のブレザーと白のチェックスカートを着込んだ紺色の艶髪をカチューシャで留めた少女――八雲学園二年生にして生徒会長こと陰陽師、神坂理央
理央の手元には、内に飲み干した跡が残る白いカップ。彼女もある程度自己紹介や事情の説明をしていたのだが、途中から二人の独壇場になってしまったため、淹れられていたホットコーヒーを飲み干してしまったわけだ
○
話は三人が出会った所までに遡る
まず金髪の男が理央と出会ったのだが、その時の理央の状態は兎に角酷かった
着ていたのは上半身のブレザーと黒のニーソックスのみ。しかもその唯一着ていた服というのが大量の白い液体で塗れ、異臭を放っていたのだ
口を含めたどの穴からも精液が溢れ落ち、股間からはジョロロロとアンモニア臭漂う黄色い液体を垂れ流す。ふくよかな乳房から乳汁が溢れこぼれ、その全身は甘い匂いと性の異臭の塊と化していたのだ
そこに運悪く遭わせたのが白髪の男だ。疑いの目だけであったが、状況が状況だけに理央がこのザマになっていた原因が目の前の金髪の男だと思った事もあり、二人は一つでも間違えば戦闘勃発の危機的状況
だが、幸運にも両者の殺意に近い睨み合いの余波で、一種の淫乱状態から脱却できた理央が事情を説明したことでその場は収まり、一時彼女が体を洗い着替えるのを待ってから、改めて3人で話し合う場となり、今に至る
余談であるが、理央のカチューシャ以外の今の服装は支給品に入っていた代物。ご丁寧に下着の類もあったので拝借させてもらい今の格好だ
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時間は戻り、お互いの自己紹介及び、状況の確認をした三名
理央は陰陽師として、白髪の男は呪術師として、そして金髪の男は魔術師としての意見を出し合い、それぞれある程度の考察を巡っていた
まずはルールにあったゲームが終わる条件
①『森嶋帆高』が天野陽菜と出会えず制限時間が過ぎた場合、太陽光が会場中にくまなく差し込みゲーム終了。1時間後に森嶋帆高の首輪の爆破を合図に全員退去。
②『森嶋帆高』が陽菜と出会ったら数時間後にエリア全体が浸水し、『森嶋帆高』と陽菜を除く魚人のような溺死しない種族も含めて全員死亡する。
③帆高が死滅した場合、その時点でゲームは終了。残った者は帰還できる。
まず目に付いたのは『死滅』という文言だ。これではまるで森嶋帆高という人間が複数いるような文言だ。本当に複数人いるのか、それとも認識上かあるいは実際に『森嶋帆高』にされるかは不明であるが、何にせよ森嶋帆高を殺してでも止めるという方法を取る事自体が主催の思惑の手のひらの上だろう
そして参加者毎に提示されたお題は3人共同じ内容。三者とも『自分にだけ与えられたお題』と考えてはいたが、そもそもの問題、参加者へ出されたお題は全て同じ内容なのでは?という予想が飛び交っていた
……最終的には、キーパーソンである森嶋帆高及び協力してくれそうな他参加者の捜索、首輪の解除を方針として三人は共に行動することとなったのだ
○ ○ ○
「……まさか、二度目の復活をするとは思わなかった」
金髪の男は思考する、元より自身は二度死んだ身。希望は既に別の者に託した
しかし、男の中に心残り――仲間とともに世界を救いたかったという思いがあったのも確か
「……神、か」
男は思う。かの二人に理不尽を齎した神の事を。かつて自身と盟を結んだ大神とは違いし神
かの神が何を思うてこうしたかなど男にはわからない。然し――
「こればかりは一度会って見なければ、わからないか」
自分は映画を介してしか森嶋帆高を知らない。故に彼と会い、理解しなければならない
例え、どのような結末になろうとも
かつて、最強の秘匿者であった青年はこれにて三度目の生を以ってこの地へと降り立った
彼が信じるは『人の可能性』『人の美しさ』。かつて彼は世界を救うために世界を敵に回した
その果て、彼は人類最後のマスターに希望を託し、この世を去った
人間は、誰であろうと頑張っている。天野陽奈を助けようと駆ける森嶋帆高を、そんな彼のために自ら人柱として捧げた天野陽奈も
もし、かの『マスター』ならどのような選択をするだろうか――
いや、それは愚問であった。彼ならば、森嶋帆高も、天野陽奈も、そして晴れ空をも取り戻す選択を掴み取ろうとするのだろうか
だからこそ、男は―――『キリシュタリア・ヴォーダイム』は、三度目の生を踏みしめ、歩み始める
○ ○ ○
(――さてと、一体誰がどうやって僕をここに連れ出したの、やら)
白髪の男、呪術師最強『五条悟』は思考する
新宿事変の折、彼は夏油傑の『皮を被ったナニカ』の罠に嵌り、獄門疆の中に封印された
封印されてしまった以上は後を教え子たちに託すしか無かったのだが、結果として今回のゲームに巻き込まれたお陰で外の空気を吸うことが出来ている
(あの神子柴とかいう婆さん……何かしら裏がありそうだ)
新宿事変にあの特急呪霊達を、夏油傑の皮を被ったナニカの目を掻い潜った上で自分をここに連れ出した存在。しかも獄門疆の封印から自分を解き放った上で、だ
いくらあの老婆がどうにか出来るほどの呪術師であったとしても、それを個人でするとなれば明らかな限界がある。会場の事といい、少なくとも協力者がいなければ始まらない
(でも、僕をここに呼んだって事は、それだけ自信があるってことだ)
仮にも呪術界最強と言われた自分をこんな催しに招待した輩だ。それだけの余裕と自信があるということである。だが、だからといって舐められたままでは気分が悪い
(その驕り、いつか後悔させてやるよ。神子柴)
故に、老婆の見え透いた余裕を打ち破らんと、最強の呪術師は密かに微笑んだ
○ ○ ○
(……早苗)
神坂理央は思う。あの時救うことが出来なかった友人の名を心の内に呟いて
自分は友人を救えなかった、かの極悪非道なる陰陽師、六道彰光の手から
情けなかった、助けたいと願っていたのに、等の自分は淫獄と化した学園で淫れよがっていた
友人を助けるなんて言い訳をして、情けないプライドだけ守って快楽に溺れいた自分が悔しかった
(……今度こそ、負けたくないよ)
だからこそ、悔しさも悲しみも全て飲み込み立ち上がるしか無い
今まで受けた陵辱の痕跡は身体にこれでもかと染み付いてしまっているが、だからといって立ち止まるわけには行かない
けれども今は、この『ゲーム』を終わらせないことには何も始まらない。おそらくあの彰光よりも強大な実力を持ったこのゲームの主催者たちを倒さない限りは
結果として自分を快楽の水底から引き上げてくれた結果となった出来事だが、だからといって許すつもりもない
(……待っててね、早苗。今度こそ、助けに行くから。もう、負けないから)
今だ癒えぬ快楽の傷を抱えながらも、少女はその決意と共に覚悟を決めた
【キリシュタリア・ヴォーダイム@Fate/Grand Order】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
基本方針:森嶋帆高と天野陽奈を助けた上で、晴れも取り戻し、このゲームを終わらせる
1:森嶋帆高の捜索。直接会ってみなければ詳しくはわからない
2:協力者の捜索。もしカルデアのマスターやその仲間がいれば……?
3:首輪の解除
※死亡後からの参戦
※理想魔術は使用不可能
【五条悟@呪術廻戦】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
基本方針:『ゲーム』を終わらせる
1:森嶋帆高の身柄の確保
2:協力者(いれば呪術校関係者)を探す
3:首輪の解除
※獄門疆に封印された後からの参戦
※無下限呪術に制限が掛されています
【神坂理央@陰陽生徒会 淫呪の鎖】
[状態]:健康
[装備]:虹ヶ咲学園の制服一式@ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本方針:『ゲーム』を終わらせて、元の世界に戻る
1:もう二度と負けたくない
2:森嶋帆高を探す
3:協力してくれる人がいてほしい
4:首輪の解除
5:もし早苗や彰光がいたなら、私は……
※第四章『淫式堕悦』終了後からの参戦
※理央に仕掛けられていた式や結界は解除されています
※調教・陵辱の痕跡は深く根付いており、男根の目撃等で激しく発情してしまう可能性があります
※精液塗れになったブレザーと黒ニーソックスは洗浄された上でデイバッグの中にしまわれています
最終更新:2021年02月04日 21:48