どこかの建物の最上階。雨除けの屋根に隠された空間の中にポツンと置かれている一脚のベンチ。そこに座り込んで物思いに耽る青年が一人

「天気の巫女、か……」

そう呟きながらも青年が見据える先には、エリアD-3に健在する神子柴らこのゲームを開き自分たちをここへ呼び込んだ、所謂『主催者』たちの本拠地

「本当に、カミサマのおひざもとだな」

青年は思う。天気の巫女を人柱として、神の意志により雨が振り続けるこの会場はまさに『神様のおひざもと』なのだろう

「……反吐が出る」

気に入らない。それが青年の思考である。青年の世界もまた『カミサマ』によって全てが支配された『カミサマのおひざもと』であった
ここもまた、神の手のひらの上。ならばあの神子柴なる老婆は、天野陽奈という巫女を手玉に取る神様気取りというべきか
青年にとって、あの映画を見る限りは、天野陽奈もまた生贄なのだろうと思っていた。ただ違うことは、その神様が機械仕掛けか、本物だったかの違いだ

主催者によって用意されたこのゲームの結末は二つ。天野陽奈と森嶋帆高が出会い、この会場が雨に呑まれて二人以外が死に絶える
もう一つは、天野陽奈が人柱となりこの世界から消え、森嶋帆高は無力感と絶望に苛まれたまま爆死する

「どこまでも、気に入らない」

どちらの結末も、気に入らない。まるであの老婆はこの二つの選択肢のみ取らせんがためにこのルールで自分たちを縛り付けたとも思える
青年にとって、森嶋帆高はある意味映し鏡でもあった。神の秩序への反逆、大切な人を助けるために無謀とも思える行動に取る
ただし青年にとっての森嶋帆高の初期印象はどちらかと言えばあの時の褐色少女の方だ。両親の仇を取るだけために無謀にもカミサマを倒そうとした。―――カミサマの被害者
後先考えず、ただ自分の感情の赴くままに向かおうとした彼女と、今の森嶋帆高は被って見えたのだ。それと同時に、あれはある意味自分自身のあり得た姿とも思えた
ただ、助ける相手が天野陽奈か、『妹』か、ただそれだけの違い―――

「……あんたは、どうなんだ? このゲーム」
「……そうね。アンタと同じで、気に入らないわ」

青年の呟きに答えたのは、その背後で同じベンチに座り空を見上げる一人の少女の姿。彼女の苛立ちと怒りが面に現れているかのごとく、その周囲には青い静電気のような物がピリピリと青白い光を雨粒に映している

「こんな訳のわからないのに巻き込まれただけでもご立腹だってのに、それでいて理不尽な二択迫られちゃあそりゃ苛つくったらありゃしないわよ」
「だったら、どうするんだ?」
「そりゃ助けるに決まってんでしょ? 森嶋帆高も天野陽奈も」

その苛つき混じりのセリフの中でも確固たる決意の言葉を言い放つ少女

「……なるほどな」
「そういうアンタこそどうすんのよ?」
「お前と同じだ。それに俺個人としてもあの神子柴とかいう老婆は気に食わない。どちらにしろあのカミサマ気取りのババアには一発お灸をすえてやるっていう意見は共通しているようだ」
「それを聞いて安心したわ」

少年の返答に、少女は安堵。何にせよ目的はある程度共通しているということが分かっただけでも価値はある

「それで、探しに行くのよね? 森嶋帆高」
「ああ、あいつには改めて天野陽奈の事も含めて色々と聞きたいことがある」
「はいはい。それにこれ、外す手段どうにかして探さないと」

と、少女が指を指したのが自身や少年にも装着させられた首輪。ここに来る前の少女が自身の能力で首輪を弄ろうとしたものの、警告アラートを鳴らされ敢え無く断念。結果として少年と出会う切欠となったために結果オーライというやつであるが

の恵みにして神の怒り。天気とは即ち天の気分。神が怒りにうち震えば雨は豪雨と代わり災害となりうる
かの老婆は神の気分を巫女を利用し己がものと驕り操る者。神の代行者。そしてその上にいるであろう真実の神

だが、ここにいるのは神への反逆者。架空に唾吐く者。科学の体現

―――少年の名前は麻生ケイスケ。少女の名前は御坂美琴

此度の舞台、ガラクタの天幕の外よりカミサマを討ち果たさんと二人は立ち上がる


【麻生ケイスケ@ガラクタノカミサマ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
基本方針:神子柴を倒して『ゲーム』を終わらせる
1:森嶋帆高を探し、彼から事情を聞き出す
2:首輪の解除方法を探す

※参戦時期はカミサマの本拠地突入前

【御坂美琴@とあるシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品0~3
[思考・状況]
基本方針:『ゲーム』を終わらせ、森嶋帆高も天野陽奈も救う
1:森嶋帆高を探す
2:首輪の解除方法を探す

※参戦時期は最低でも大覇星祭編終了後
最終更新:2021年02月05日 22:04