「フフ…面倒なことになったものだ」
あるビルのオフィス内で1人の男がそう呟いた。
男の名はンドゥール、DIOに仕えるスタンド使い『エジプト9栄神』の一人である。
「これからジョースター達を殺しに行くところだったというのに…あの神子柴という老婆…余計なことを…」
ンドゥールはエジプトに到着したばかりのジョースター一行を襲う予定だったのだが、その直前にここに連れてこられた。
このままではンドゥールはDIOからの指令をこなせなくなってしまう。
それはつまりDIOを裏切るも同然なことである。
DIOへの忠誠心の高いンドゥールにとってそれはとても耐え難いことであった。
「ここから脱出するためには…森嶋帆高を殺すのが手っ取り早いか」
このゲームで殺す必要があるのはただ1人、森嶋帆高さえいなくなればこの戦いは終わる。
自分をこんな状況に陥れた神子柴の思い通りになるのは気に障る。
が、DIOのためにもンドゥールはすぐにでも元の場所へと戻らなければならなかった。
「心配なことがあるとすれば…この雨か……」
ンドゥールは全盲である。
それと同時に常人よりも優れた聴覚を持っている。
この聴力によりンドゥールはたとえ4km離れた場所にいる敵だろうと把握し、自分のスタンドの『ゲブ神』の能力で相手を殺すことができるのである。
しかしこの場では本来自分がいるはずだった砂漠とは違い、常に雨が降る環境となっている。
これでは雨音により森嶋帆高や他の参加者達が出す音がかき消されるのではないか。
そのことが唯一の懸念事項となる。
それに今手元には普段から使っている音を探知する杖もない。
ンドゥールはこの会場において自分の力を十分に発揮できないかもしれない。
「だが…小僧1人程度はおれの敵ではない」
ターゲットである森嶋帆高はスタンド使いでもなんでもない普通の人間である。
天気の巫女である天野陽菜と深い関わりがあるが、帆高自身には特殊な能力は何もない。
居場所さえ分かればゲブ神で始末することは容易いだろう。
ンドゥールは元々、数々のスタンド使いの刺客を退けてきたジョースター一行と戦うはずだったのだ。
たとえ自分に不利な環境であろうと彼らよりも大したことのないただの人間である少年1人殺せなくてはエジプト9栄神の名が廃る。
他の参加者の妨害があることも考えられるが、その時は先に排除すればいい。
こうして彼はその場を立ち、移動し始めた。
周りを確認するための杖の代わりとしては支給品の中にあった刀を用いることとした。
恐れることはない。
今はまだどこにいるのかも分からないが一たび見つければ自分の能力ですぐに殺すことができる。
ンドゥールは自分に絶対の自信を持って森嶋帆高殺害のために動き出した。
【ンドゥール@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康、全盲
[装備]:冨岡義勇の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]基本行動方針:速やかにエジプトに帰還する
1:森嶋帆高を探して殺す
※ジョースター一行に襲いかかる直前から参戦です。
【冨岡義勇の日輪刀@鬼滅の刃】
鬼殺隊の水柱、冨岡義勇が扱う日輪刀。
最終更新:2021年02月06日 06:51