『おいおい、今時デスゲームものなんてありきたりすぎるぜ。
 第一そういうのはジャンプじゃなくてマガジンでやるものだろ?』

 殺し合いの会場にあるビルの一室で、ヘラヘラと笑いながらという、とても異常事態の渦中とは思えない態度で少年が文句を言う。
 上半身は無地の白Tシャツ、下半身は学ランのズボンというファッション以外に特徴のない外見をしている彼の名前は球磨川禊。
 つい先日、高校を卒業したばかりの無職である。
 そんな彼はさっきまでアイドル、須木奈佐木咲のライブ会場に居て、ライブが終わったのでネジで出来た花束を置いて出ていくところだった。
 のだが、気づけば映画を見せられ、神子柴と呼ばれた老婆に殺し合いを命じられている。

 もっとも、球磨川は神子柴に従うつもりは全くない。
 確かに彼女が見せた力は驚異だ。
 死者蘇生は7932兆1354億4152万3222個の異常性(アブノーマル)と、4925兆9165億2611万0643個の過負荷(マイナス)を持つ安心院なじみにも出来ない。
 にも関わらず神子柴は事もなげに成し遂げたのだ。流石の彼もちょっとだけビックリした。

 だからと言って球磨川は怯みはしない。
 相手が強いから、凄いから、得体が知れないからと言って、ひれ伏すような生き方は過負荷(マイナス)ですらない。
 それに

『決めてるんだ。こういう状況では一番弱い子の味方をするって』

 球磨川禊は弱者の味方だ。故に争いが起こるなら一番弱い者につく。
 そしてこの殺し合いで一番の弱者は森嶋帆高しかいない。
 ひょっとしたら彼の後輩である黒神めだかや人吉善吉のような人間がいて、帆高の味方をするかもしれない。
 だがそうでなかったとしても球磨川は揺るがない。
 例え自分以外の全員が森嶋帆高の妨害をしたとしても、球磨川だけは殺し合いの中でで生きている限り帆高の応援(バックアップ)をする。

 そう決めたなら進むのみ。球磨川はビルから出ていくべく、エレベーターへと向かっていく。

「僕は逃げないぜ、咲ちゃん」

 その過程で歩きながら球磨川は小さく呟く。それは彼なりの宣戦布告であり、決意表明
 彼はこの殺し合いに呼ばれる直前、友達に勝ち負けの世界から降りてしまうのではないかと危惧されていた。
 決して勝てない筈の負完全が、よりにもよって黒神めだかに勝ってしまったのだ。
 その充足感を胸に敗北から逃げ出すのではないかと。
 だから彼は友達にこう言われた。「敗北を恐れず敗北を愛して、潔く負けやがれ」と。

 『GOOD LOSER GOOD LUCK』と。

 だから彼は戦う。二度目の勝利を目指して。
 次の相手は殺し合いの主催者である神子柴と、天野陽菜に犠牲を強いる神様そのもの。
 そんな強敵相手でも、彼の歩みは揺るがない。


 グッドルーザー球磨川 蛇足編、ここに開幕。



【球磨川禊@めだかボックス】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:『帆高ちゃんを全面的に応援(バックアップ)する』
1:『決めてるんだ。こういう状況では一番弱い子の味方をするって』

※参戦時期はグッドルーザー球磨川 完結編終了後です。
※首輪を『なかったこと』にはできません。
その他の制限は当選した場合、次の人にお任せします。
最終更新:2021年02月06日 17:19