ここはとあるビルのエントランス部、そこでは異様な光景が広がっていた。

なんととぐろを巻いた頭をした男が、胸元からへそのあたりまで開いた衣装をまとった、妖精のような風貌の少女に押し倒されているのだ。

男の名はソフトン、バビロン真拳の使い手兼ソフトクリーム屋のバイトをしている男である。

そんな彼は今、自分より明らかに非力と言える少女によって押し倒されてしまっていた。

「(な……か、身体がうまく動かない……!)」

それは、目の前にいる少女が彼に『動きを制限する魔法』をかけたからだった。

そして彼に魔法をかけた少女の顔は異様なほどに紅潮しており、明らかに異常と言える状態であった。

それ故にソフトンは彼女に対して、全力で相手するのをためらってしまったのも原因だった。

「やっと大人しくなったナ、これからたっぷりと愛し合おうナ」

また、彼を押し倒している女性の名前はナナナナ、『道化のアリス』の二つ名を持つ、悪戯好きな少女である。

「ふふふ……ナナナナ、これが欲しかったのナ……でもぉ……まだフニャフニャで柔らかいのナ……」

「だから……"奉仕"してあげるのナ」

そういうと彼女はソフトンのズボンに手をかけ、無理やりはぎ取ろうとしていた。

このままでは健全な青少年に到底お見せできない光景が広がろうとしていたが、そこに救いの手が現れた。

突如としてガラス張りの壁が砕け散り、何者かが飛び込んできたのだ。

「公然ワイセツ!」

その声が聞こえるとともに、ソフトンのズボンを下ろそうとしていた痴女の頭に強烈な一撃が加えられたのである。

「こんな場所でそんないかがわしいことするなんて、先生許さないわよ!」

彼女の頭を殴ったのは、魚雷に女性の顔と手足が生えたような姿をした謎の生命体だった。

彼女の名前は魚雷ガール、伝説のボケ殺しの一人である。

「……ってソフトン様!一体何があったんです!!というか、その女は誰ですか!?」

そして、ソフトンにゾッコンLOVEな乙女でもある。

そんな彼女は今、凄まじく混乱していた。

何故ならば先ほど少女を全力で殴ったせいで、気絶した少女の顔がソフトンの股間に押し付けた姿になったからである。

……まあ要するに、どう見てもアレをしているようにしか見えない状態になったからである。

「ああ……魚雷殿、身動きが取れなくなって襲われそうになっていたんだ。助けてくれて感謝する」

しかし当のソフトンについては、自分がいまどういう状態になっているのかを意に介することなく、普通に彼女に感謝の言葉を述べた。

「……無事で何よりですソフトン様!」

それに対して魚雷ガールは、ソフトンの一切迷いのない言葉から追及するのをやめることにしたのだった。

「しかし……無理やり襲おうとするなんて、とんでもない女ですねコイツは!」

しかしそれでも、魚雷ガールとしては先ほどの少女に対する怒りは収まってはいなかった。

「いや……先ほど戦ってみて感じたことなのだが、どうやら彼女は『何か別の意志に操られていた』らしい」

「おそらく先ほどの行為は、彼女の意志ではないはずだ。まずは彼女が目覚めるまで、待つとしよう」

ただしソフトンは、そんな彼女の怒りに反して少女のことをフォローした。

彼女は何か別の人に操られていたのではないか、とそう言ったのだ。

「承知しましたわソフトン様!それなら彼女に非はありませんわね!」

そしてその言葉を受けた魚雷ガールは、あっさりと手のひらを返した。

こうして二人は、まずは彼女が目覚めるまで待ち、その後話を伺うことにしたのだった……。


そして数分後……

「あいたたた……とんでもない一撃を食らったナ……」

先ほど魚雷ガールに全力で殴られた少女が、頭を押さえながら目を覚ました。

またその姿は先ほどの妖精風の姿とは打って変わって、頭から猫耳が生えた姿に変わっていた。

更に言うと上はビキニ風の衣装、下はホットパンツと、割と煽情的な衣装になっていたのである。

「……やっと目覚めたようね、いきなりで済まないのだけれど、さっきのことについて説明してくれないかしら?」

「まだ頭が痛む中頼むのも申し訳ないが、説明してくれると助かる」

そして彼女が目覚めたのを確認した魚雷ガールと、やっと動けるようになったソフトンが彼女に対して質問をしていた。

それに対して彼女は、とても申し訳なさそうに説明を行った。

「……ああ、さっきのレ〇プ未遂のことについてだナ……あれは本当に済まなかったナ……」

「イデア…さっき妖精風の見た目に変わっていたけれども、ナナナナはそういった力を使えるのナ……」

「強大な力を得られるけれども、元になった誰かの影響を必ず受けることになって……あの姿の場合は、ずっとムラムラして、止まらなくなってしまうのナ……」

「必死に我慢すればするほど、余計にひどくなっていって……あんなことをしてしまったのナ……」

「……でも、先ほどの一撃でイデアが解除されたから、今はもう大丈夫ナ!普段のナナナナは、絶対そんなことしないから、安心してほしいのナ!」

先ほどのあの行為は、自分がその時使っていた力による影響を受けたものであって、自分の意志でやったわけではないと、そう説明をしたのだ。

「そうか、やはりアレは、自分自身の意志ではなかったという事か……」

「……仕方ないわね。やったことはあまり許されることじゃないけど、ソフトン様は許しているみたいだし仕方ないわね」
「でも次同じことやったら、さっきのアレだけじゃすまさないわよ!気を付けなさい!」

そして彼女の説明を受けた二人は、一応は彼女のことを許すことにしたのだった。

その後、一通り説明を終えたナナナナはあることをしていないことに気づき、急いでそれを行った。

「……そういえば名乗り忘れていたのナ。ナナナナの名前は、ナナナナというのナ」

それは、まだ自己紹介をしていなかったということだった。

「私はソフトン、普段はソフトクリーム屋のバイトをしている」

「私は魚雷ガール、絶対におふざけは許さないわよ!」

それに対して、二人とも自己紹介を行った。

「ソフトンに魚雷ガールなのナ、分かったナ!……ところで"もう一人"いる気がするんだけれども、気のせいかナ?」

しかしナナナナは、それに対して少し釈然としない様子で返していた。

"もう一人、誰かがいる"……彼女はそう感じているのだ。

「……確かにもう一人いるにはいるけど、私がここにいる限り出てくることはないわよ」

そしてナナナナの疑問に答えたのは、魚雷ガールだった。

彼女は少し驚きながらも、"もう一人の存在は、自分がいる限り現れることがないこと"を彼女に説明したのだ。

「……分かったのナ、そちらにもいろいろと事情があるみたいだし、詮索するのはやめるのナ!」

それに対してナナナナは、魚雷ガールのその言葉を受けてこれ以上詮索するのはやめることにした。

そうして一通り話をした後、唐突にナナナナは彼らにある質問をした。

「……ところで二人は、これからどうするつもりナ?ナナナナは主催者のことが気に入らないから、あいつらをぎゃふんと言わせるつもりナ」

自分は主催者に立ち向かうつもりだけど、二人はどうするつもりなのかと、そう質問をしたのだ。

「私はバビロン神の意思に従い、主催者たちに裁きを下すために戦うつもりだ」
「私も同じで、あの主催者たちをボコボコにぶちのめす予定よ」

そして彼女の質問に対して、ソフトンと魚雷ガールは自分たちも主催者たちに立ち向かうつもりだと、そう答えた。

「……どうやら君も私たちも目的は同じらしい。ならばともに戦うべきだと思うのだが、君はどうしたい?」

こうしてお互いの目的が同じだとわかったところで、ソフトンがナナナナに対してともに行動しないかと提案をしてきた。

それを受けてナナナナは強く頷き、同意を示していた。

……なおその提案に対して魚雷ガールは先ほどの件を含めて少し難色を示していたが、ひとまず納得することにしたのは完全に余談である。


そして行動を共にするという事が決まった彼らだったが、突如としてナナナナから衝撃の一言が送られることとなった。

「ナナナナも、心強い仲間が欲しいと思っていたところナ!じゃあ、これからよろしくなのナ!ソフトン……いや、"パパ"!」

……この後、魚雷ガールから「ソフトン様のことをパパと呼ぶなんてふざけすぎ!」という言葉とともに強烈な一撃をお見舞いされたのは言うまでもない……。


【ソフトン@ボボボーボ・ボーボボ】
[状態]:健康
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:主催者たちに、バビロン神の裁きを下す。
1:バビロン神の意思に従い、帆高と陽菜を含む参加者を救う。
2:愛を踏みにじり、あまつでさえ殺し合いを始める主催者たちに裁きを下す。
3:この少女(ナナナナ)の持つ力が気になる。
[備考]
参戦時期は無印終了後から真説までの間。
頭の色は、アニメ版と同じくピンク色です。
その他、制限により黒太陽の力は使えず、またバビロン神の召喚は行えません。
ナナナナの説明から彼女を「別の人間の魂を憑依させる」真拳使いだと思っています。

【魚雷ガール@ボボボーボ・ボーボボ】
[状態]:健康
[装備]:―
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×3
[思考・状況]基本行動方針:帆高と陽菜を救った上で、主催者たちをぶちのめす。
1:帆高ちゃん、何か辛いことがあったの?!先生に話してごらんなさい!
2:陽菜ちゃん、あなたはもっと自分を大切にしなさい!
3:ソフトン様を襲ったこの女(ナナナナ)を監視する。
[備考]
制限により『OVER』に変化できません。
また飛行能力が著しく制限されています。

【ナナナナ@Alice Re:Code】
[状態]:健康
[装備]:『色欲の妖精』のイデア・レコード@Alice Re:Code
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:打倒主催
1:このイデア……やっぱりいろんな意味でアブナイナ……。
2:このソフトンという人、とてつもない力を宿しているナ、とても気になるナ!
3:魚雷ガールの中にいる人が、すこし気になるナ……。
[備考]
ソフトンおよび魚雷ガールを『イデアの元となった誰か』と認識しています。
また、魚雷ガールの中にいる『OVER』の存在に気づいています。

【『色欲の妖精』のイデア・レコード@Alice Re:Code】
アリスにのみ引き出せるとされる、異なる次元に存在する力であり、
想像力を働かせながら使うことでそれに合わせた姿に変身できるとされている。

なお、この『色欲の妖精』については「夏の夜の夢」に登場する妖精の女王がモチーフになっており、
相手の動きを鈍くするなどの能力があるがその代償として、
『とてつもなくエッチな気持ちになる』というデメリットが存在する。
最終更新:2021年02月07日 07:26