「ククク…唆るじゃねぇか」

雨音が鳴り響く東京ーーーーー

無数にあるとある喫茶店。
店内の椅子に腰を下ろし飲み物を飲むと少年は呟く。

「え?この【レモンミルクティー】が?」
向かい合わせに座っている少女はそう問い返した。

「ああ。普通、ミルクとレモンの組み合わせは店では出さねぇからな」
「?どうして?」

「まず、ミルクの中にはタンパク質が入っている。タンパク質は酸…レモン汁が交わると固まっちまうんだ。まぁ、料理は見た目も肝心っていうからな……人様に出せるようにできなくはないが、わざわざ、そんな手間をかけてレモンミルクティーを出すくらいならミルクティーもしくはレモンティーの方が合理的だ」

「ふ~ん。美味しいのにね」
少女は少年の言葉に耳を傾けながらレモンミルティーを口に運ぶ。

「それには同意するぜ。ま、チーズ作りには最適だがな」
「え?牛乳とレモンでチーズが作れるの?」
「ああ。固まったのを数十分こすりゃあ、カッテージチーズの出来上がりさ!……ククク」
「それにレモンは化学と相性が100億%合う果実だしな」
(店で出すレモンミルクティーの欠点にレモン電気を知らない…どうやら、このファラの話は真実(マジ)のようだな…)

「へー……そうなんだ」
(千空って物知りなんだね…う~ん、男の子にしては細い体…キールみたいだわ)

少年の名は石神千空。
科学部部長の根っからの科学オタク。
ある日、地球上の人間が石化してしまった石の世界(ストーンワールド)にて文明を復活させようと科学王国を建立させた。
ついに、石化の爆心地に辿り着いた千空はこの悪趣味な催しに巻き込まれた。

少女の名はファラ・エルステッド。
インフェリアのラシュアン村の前村長ノリスの娘。
幼馴染のリッドと暮らしている日々に少女…メルディと出会った物語は二つの世界全体を巻き込む大問題に発展し、最後は【神】ネレイドを討った。
その後、インフェリアへ戻ったファラは仲間と離れ離れになったキール・メルディに会うために船で移動する直前、お土産を残して千空同様巻き込まれた。

☆彡 ☆彡 ☆彡

「それしても、千空のいた世界…全人類が石になるなんて、驚きだよ」
「こっちも、二つの世界が平行に向かい合っている世界に晶霊術…聞いただけで唆るぜ」

神子柴により会場へ移動された2人は目に留まった喫茶店で自己紹介も兼ねて情報を交換していた。

「どうやら、神子柴は別世界の生き物を集める力を持っているみてぇだな」
「うん。そうみたいだね」

「あの、映画は西暦2021年…俺らの世界が石化したのは2019年。明らかに辻褄が合わねぇ」
「それにファラが住んでいるインフェリアやセレスティアの世界も悪いが今の今まで聞いたことがねぇ」

「私の住むインフェリアやセレスティアにはホダカの東京のような文明はないわ」
「それに、千空の言う人類が石化したなんて聞いたのはここが初めてよ」
千空の仮説にファラも納得する。

千空はデイバッグの中に入っていたルールを確認する……

「帆高を殲滅…か。こりゃ、裏があると見て間違いねぇわな」

「どういうこと?」

千空の言葉にファラは首を傾げる。

「ただ、帆高の殺害が目的なら【死亡】でいいはずだ。死滅ってわざわざ書いてあるからには帆高が複数いんのか、他の参加者を帆高と認識するシステムがあるのか…」
(一番の最悪は、俺らの体が帆高に変化しちまう…だ)

「ま、生死を問わず帆高を食い止めろというわりにゃ食い止める気がない参加者も集めてバトルロワイアルを始めるなんて死ぬほど合理的じゃねぇ」
「必ず、 神子柴には別の狙いがあるはずだ」

「そうだね…少なくとも私はホダカを殺すのに乗るつもりはないもの」
千空の言葉に頷くファラ。

「それに、死者を蘇らせるなんて【ファンタジー】を披露した癖に俺らを脅すのは爆弾首輪という【科学】これには必ず意図がある」

「首輪も神子柴の力も科学的に突き止めてやるよ」
「……それは、神様と戦うことになっても?」
かつて【神】を討った一人は千空の覚悟を試す。

「安心しろ、100億年も前から科学の世界では【神】は留守だ」

「……」

「千空は覚悟ができているんだね。……うん。決めた!」
「あ……?」
千空の言葉を聞き、確信したファラは椅子から立ち上がると!

「頭を使うのは千空にまかせるよ!体を使うことは私にまかせてね!」

ファラの言葉は、親友がかつて口に出した言葉ーーーーー

「……充分だ。ファラ、お前の武力は期待100億%だ」

「うん♪私たちならイケる、イケる!」
ファラの言葉に千空は笑みを浮かべーーーーー

「この雨足鳴りやまぬ世界(天気の子)のアダムとイヴになってやる!唆るぜこれは!」

これは、ファンタジーに挑む科学の物語ーーーーー


【石神千空@Dr.STONE】
[状態]:健康
[装備]:石化装置
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:科学の力でファンタジー(神子柴 )に勝つ
1:まずは、首輪の対処を講じる。(試して試して試しまくる)
2:病院・ホームセンターで材料確保
3:帆高に出会ったら、保護
[備考]
参戦時期は180話からです。
※ファラとの会話でインフェリア(エターニア)の知識を得ました
※首輪には盗聴器が仕掛けられていると想定し、大事な会話は紙とペンで行います。

千空の首輪解除仮説
①石化装置及び石化復活薬を使っての首輪解除
かつて司による死を乗り越えた方法。
まずは石化復活液(硝酸とエタノール)の入手。
しかし、失敗は死。バトルロワイアルに乗った人物を捕らえて試す

②分解
電気回路をいじる。まずは、工具の入手

③液体窒素
爆弾ごと凍らせる。凍傷を防ぐ手段がないと不可

④ファンタジーと科学の融合
ファンタジーと科学を融合させる。…ま、あまりこの手段は使いたくはねえな。

いずれもまずは試す。科学はそういうものだ。

【支給品紹介】

【石化装置@Dr.STONE】
複数の輪が重なり合ったような不可思議な形状をした人工物。
至近距離で石化の範囲及び石化するまでの残り時間を武器に向かって唱えることで効果が発動する。なお、石化した部分を引き千切れば石化の連鎖が止まるといった特徴がある。
残りエネルギーが少なくなると指定した範囲よりも狭い範囲しか石化できなくなり、やがて使用不能になる。

【ファラ・エルステッド@テイルズ オブ エターニア 】
[状態]:健康  称号アイアンフィスト
[装備]:不明
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:千空のサポート・ 皆を守りたい
1:千空を守る(第一優先)
2:帆高に出会ったら守る
[備考]
参戦時期はED後
※治療功 解毒功 は制限により効果減少 回生功は使用不可
最終更新:2021年02月07日 17:09