家電量販店のマッサージチェアに座る男。
肩の凝りが十分に解れる……どころではない。
身体全体がもうぶるんぶるんと震える。
その男、(元)毛狩り隊Aブロック隊長『ところ天の助』。
その天の助の前には眼鏡をかけた地味な見た目の少女が一人座っている。
「だからさ、俺ところてんだから、わかるかい、お嬢ちゃん?
こういうイベントはやっぱり事務所を通してもらわないとね」
「天の助さんは芸能人……なんですか……?」
「ノーコメントだ!」
「…………」
声全体を震わしながら答える天の助。
しかし、目の前の少女は座したまま大人しくしている。
ツッコミなど入れる様子など微塵もない。
「あのう……天の助さん、あなたの首輪は?」
「ここにあるだろ?」
天の助の体内をよく見ると首輪らしきものが見える
現在の天の助の身体を構成するものは『ところてん:94% ゼリー:5% 首輪:1%』である。
天の助の場合、首輪が首に巻かれてもすぐに取れる可能性がある主催者側の配慮だろうか? 知らんけども。
「それ、簡単に取れるのでは?」
「実はな、お嬢ちゃん、簡単に取れないんだ」
「はぁ……そうなんですか……」
「取ろうとすると俺の身体自体が爆発するらしい」
ところてんが爆発する。
少女は目の前のところてんがちょっと何言ってるかわからなかった。
だが、少女――――『鳰原令王那』が思うことは一つ。
――――ああ、この夢は私に与えられた『罰』なのだろうか?
大切な人に自身の存在意義を否定された。
自分を暗闇の中から見つけて、大切な人に。
ならば、もう自分は必要ないのだろう。
ライブも自分がいなくても大丈夫そうだった。
だから、彼女は『鳰原令王那』に戻った。
そして、次に思い出すのがあの映画に、あの神子柴という老婆が言っていた殺し合い。
普通の平和な日本の東京都という国で殺し合い。わけがわからなかった。
自分に支給されたものが「さつまいも」。わけがわからなかった。
極めつけは目の前の喋る人型のところてん。本当にわけがわからなかった。
これが質の悪い夢でなければなんなのだろうか?
「ところで、お嬢ちゃん、ところてんには何を付けて食べる派?」
「ポン酢です」
「ポン酢!?」
「意外に美味しいですよ」
こんな無茶苦茶な夢は早く終わらせたい。
なら、『森嶋帆高』という人を探すべきだろう。
そして、彼を…………果たして、ちゃんと殺せるのだろうか?
さつまいもを握る手が自然と震える。
先ほど、天の助の持っていた『大根』(本人曰く『魔剣大根ブレード』)を叩き折った。
支給された『さつまいも』で、だ。
だから、令王那は天の助にもの凄く怒られた。
だが、ちゃんと謝ったら許してくれた、なんなのだろうか、このところてんは?
「で、令王那ちゃんは何がしたいんだい?」
「それは……まだわかりません……」
「そうか……(あれ、ここギャグ出来ないシリアスな空間なのか!?)」
少女は悩む。
一体、どうすればいいのか。
一体、何をしたらいいのか。
答えは誰もところてんも答えてはくれない。
一方、ところてんは震える。
この震えはマッサージチェアによるものではない。
これはあの老婆に対する怒りだ。
『ふざけやがって、俺の『ぬのハンカチ』を取り上げやがって!』
だが、それを決して口には出さない。
今、そういう空気ではないのだから。
【鳰原令王那@BanG Dream!】
[状態]:健康
[装備]:さつまいも@テイルズオブデスティニー(リメイク版)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本方針:夢から覚める
1:森嶋帆高を殺す……?
2:この喋るところてんは一体なんなのだろうか?
[備考]
- 参戦時期はアニメ3rd Season11話冒頭から
- この殺し合いを夢だと思っています。
【ところ天の助@ボボボーボ・ボーボボ】
[状態]:健康
[装備]:折れた大根@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2(ぬのハンカチはない)
[思考・状況]基本行動方針:主催者はボーボボとかが倒すだろうし、自分は好きにやる(殺し合いには乗らない)
1:目の前のお嬢ちゃん(鳰原令王那)が危なっかしいので一緒にいる
2:ぬのハンカチを探す
[備考]
- 参戦時期は少なくともボーボボに10円で買われた後
- 首輪が体内に埋め込まれています、他人からの目視も可能です(無理やり外そうとすると天の助が爆発します)
さつまいも@テイルズオブデスティニー(リメイク版)
斧です。
多分、人体とか切断できます。斧ですので。
大根@現実
野菜です。
多分、人体とか切断はできません。野菜ですので。
最終更新:2021年02月11日 11:48