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「雨……か……」

歯軋りをするように男は呟いた。

男の名はロイ・マスタング。
アメストリス国の国家錬金術師である。

だがーー

「まったく、これでは中尉に罵られてしまうな……」

「焔」の錬金術師であるが故にーー雨の中ではその錬金術を行使できない。
しかし錬金術は行使できなくとも、軽口とは裏腹にその怒りは内で燃え立っていた。

自分は人の上に立つ人間だ。
だからこそ、多くを救うためには犠牲を出さなければならないことがあることはわかっている。
事実、上からの命令とあれば非道と思われることもやらなければならないことはあった。

しかしーーこんな馬鹿げた催しで人の命を弄ぶことなど断じて間違っている。
森嶋帆高といった。彼が何をしたというのか。
ただ、青臭くも真っ直ぐな愛を貫いていただけではないか。


この催しの主催者が何をしたいのかはわからない。
だが、主催者の甘言に乗せられ、無辜の人間を殺害することなどあってはならない。
そうだ。それは青臭い理想だ。

しかしーーあのことを思い出さずにはいられない。

かつて自らが従軍したあの戦いを思い出す。
あの老人の言葉もーー

もし「神」などというものが本当にいるのであれば、今頃自分を指差して笑っているであろう。

あの動く画の中で「神」は年端もいかない少女を生贄に求めた。

あの戦いの名目上の火種は「神」だった。
かつて自分が仕えていた者は「神」など信じなかった。
あの存在は「神」の力を欲していた。

「いつの時代も、どの世界も『神』とは私たちを笑い飛ばすのだろうな」

そう吐き捨てた。

この催しの主催は自分たちが「神」だとでも思っているのかもしれない。
かつて戦ったあの存在のように。

ならば、一人の人間として、戦おう。


【ロイ・マスタング@鋼の錬金術師(原作)】
[状態]:健康
[装備]:不明
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:打倒主催
1:可能であれば帆高の保護。
2:協力者がいれば合流したい。

※参戦時期は本編終了後
最終更新:2021年01月04日 01:35