雨の降り続ける、何処かの公園。
そこでは冷たい雨の中、一人の男性がこの状況を打開すべくその足を動かしていた。
名前はシードル・レインボウ。
物質プレーン、或いは物質界と呼ばれる世界にある、コヴォマカ大国の魔法学校ウィル・オ・ウィスプの卒業生である“美”の魔法使いであり、芸術家でもある。
彼はゲームには乗らず、他に巻き込まれた参加者達を助ける為に、スタート地点で目覚めるや否や、近くにあった木で手早く支給品の確認を行い、すぐさま動き始めたのであった。
嘗て、雪山で遭難していた所を助けてくれた救助隊の人々や、臨海学校中の事件に巻き込まれていた所を助けてくれたクラスの皆の様に。
◆◆◆
シードルは2歳の頃、母親に見習って絵を描く様になり、10歳の頃に初めての個展を開いた時には神童とも呼ばれる様になっていた。
従妹のスフレにも、絵を教えていた。
しかし、シードルには過去のトラウマもあった。
それは両親と共に、芸術祭の準備ををする為に、パナシェ山に行った時の出来事だった。
母親が氷の彫刻作りに熱中している時、外は吹雪になった。
吹雪は4日間も続き、食糧も底を尽きた。
母親は助けを呼びに行くと言って外へ出たのだが、戻って来なかった。
その次の日に彼と父親は救助隊の人々に助け出されたのだが、母親は二度と戻って来る事は無かった。
臨海学校中の事件の時も、遭難事件の事を思い返して氷山に向かう事を一度は拒否したものの、戻っ
て来なかった、助けられなかった母親が居た、自分の境遇と重ね合わせて、氷山へ単身向かう事を決めた。
氷山の奥地で、ピンチに陥っていたクラスメイト達を自身の魔法で救い、彼等と合流。
その後も、事件に巻き込まれていた残りのクラスメイト達を次々と助け出し、最終的には事件の元凶たる存在を討ち取るまでに至った。
◆◆◆
そして時が経ち、シードル達は魔法学校を卒業した。
卒業後も、シードルは芸術家としての活動を続け、臨海学校での出来事を何枚も絵に描き、世に送り出した。
そして、また臨海学校での出来事を絵に描いている途中にこのゲームに巻き込まれた。
嘗ては他者に助けられていたのだが、今度は自分が助けに行く番。
この場所に一人で投げ出された彼は、この悪趣味な催しを食い止める為に、走り出すのであった。
【シードル・レインボウ@マジカルバケーション】
[状態]:体温低下(小)、雨に濡れている
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:ゲームには乗らず、他の参加者達を助ける。
1:帆高も陽菜も参加者達も助ける。
※本編終了後からの参戦となります。
最終更新:2021年02月12日 21:10