降り止まない雨の中、二人の剣士は相対する。
片方は柄の悪い黒髪の青年で名を獪岳と云い、もう片方は金髪の青年で名を我妻善逸と云う。

仲こそ悪かったものの、二人は同じ雷の呼吸を学んだ兄弟子と弟弟子の関係であった。
しかし獪岳は、任務の最中に十二鬼月の上弦の壱「黒死牟」に運悪く遭遇。その場で殺されるか、鬼となって生き延びるかの二択を迫られた末に彼はーーーー「生きてさえいればいつかは勝てる」という思いと恐怖心から死を拒み、鬼となりそして…弟弟子である善逸に討たれた。
故に、善逸からすれば…獪岳は自分の手で殺した、二度と会う事のない相手だった。だが、目の前に居るのは確かに兄弟子で…しかも、新たな上弦の陸「獪岳」では無く、人間であり鬼殺隊隊士である「獪岳」の姿であったのだ。
それが原因で、善逸は警戒心を持ちながらも、混乱を隠せずにいた。

一方の獪岳はというと、彼も彼で現状に困惑していた。
彼からすれば善逸は、出来の悪いカスな弟弟子であり、どうしようもないヘタレで…そのくせ自分がどれだけ修練しても会得出来ない雷の呼吸の壱ノ型だけを使える、気に食わない相手であった。
しかし今目前にいる善逸は…険しい雰囲気を纏い、顔つきも険しくなっていて、心なしか焦っている様にも見える。
それ故か、自分が知っている善逸との差に若干の戸惑いを感じていたのだ。そして彼は、その事に苛立ちを抱いた。

暫くして二人は、ほぼ同時に口を切る。

「久しぶりだなァ、善逸。…いつ見ても貧相な風体しやがって、テメェはよ…」
「…獪岳。お前は…本当に獪岳なのか…?」

違う時系列から呼ばれた二人の行く末がどうなるのかは、まだ誰も知らない。

【獪岳@鬼滅の刃】
[状態]:健康、警戒、若干の困惑と苛立ち
[装備]:獪岳の刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:何が何でも生き延びる。生きてさえいればいつかは勝てる。…その筈なんだよ。
1:…どういうこったよ、これは。
2:あの森嶋ってガキは放っておいても他の参加者が殺すなり止めるなりするだろ。それより生き延びる事が優先だ。
3:…この刀は…?
[備考]
※鬼化する前のどこかからの参戦です。詳細な時期は後続にお任せします。

【我妻善逸@鬼滅の刃】
[状態]:健康、警戒、混乱、若干の焦燥
[装備]:善逸の日輪刀@鬼滅の刃
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:元の世界に戻って炭治郎を止めたい
1:…どうしてアンタが…兄貴がその姿で、ここに居るんだよ…!? 
2:帆高にも陽菜ちゃんにも死んで欲しくなんてない…けどこのままじゃ炭治郎が人を…!
3:なんで足が治ってるんだろう。
[備考]
※炭治郎が鬼化した後元に戻される前からの参戦です。ただしそれまでに負った足の負傷は治っています。

【獪岳の刀@鬼滅の刃】
善逸の日輪刀と同じく色が黄色であり、鎬には稲妻のような文様が入っていて、彼の雷の呼吸への高い適性を表している。
ただしこの刀は、鬼と化した獪岳が自らの血肉から作り出したものである。その為、日輪刀なのは外見だけだと思われる。

【善逸の日輪刀@鬼滅の刃】
色が黄色で、鎬に稲妻のような文様が入っている日輪刀。善逸の雷の呼吸への高い適性を、この日輪刀は表している。
日輪刀とは、太陽に一番近い、一年中陽が射しているという陽光山で採れる猩々緋砂鉄と、猩々緋鉱石と云う、日光を吸収した特殊な鉄を使って打たれた日本刀である。その性質故か、鬼の頸をこの刀で斬れば基本的に不死身な鬼を殺す事ができる。
最終更新:2021年02月13日 05:39