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 雨が降り注ぐ街中を走る女性の姿がある。
 緑の装束に身を包み、ポニーテールを揺らし走る姿は可愛らしい。
 可愛らしさとは裏腹にその両腕は鋼の腕で、顔も険しい表情だ。
 帝都の特殊警察『イェーガーズ』が一人、セリュー・ユビキタス。
 悪を許さない正義の味方を体現する少女……ではある。
 嘘ではない。余りに行き過ぎた正義と言う点を除けば。

 彼女のするべきことは一つ、正義執行。
 なのだが、帆高の存在で複雑な事情になっている。
 彼はあの映像の中で銃を撃ったりといった犯罪行為をしてる。
 セリューとしてはこれも十分に悪であり、裁くべき対象に変わらない。
 彼女の一方的な正義は、相手がどんな事情があろうと捌いてしまう。
 人のためと言ったところで、盗みでも相手を殺すほどの行き過ぎた正義感。
 では彼女は帆高を殺す側なのかと言われると、はいと同時にいいえである。
 確かに裁くべき悪だが、この殺し合いを実行した神子柴と言う悪。
 彼女こそ悪の権化であり、殺し合いを強要する彼女を裁くべきである。
 帆高を殺せば裁く前に元の場所へ戻ってしまうのだから殺すわけにはいかない。
 そして願いを目当てに他人を私利私欲で殺そうとする輩も悪であり、
 殺し合いが終わり次第帆高自身も悪として裁く、
 ものの見事に彼女には敵が多い。

(私を生き返らせたこと、その命をもって後悔させてやる。)

 セリューは一度死んだ身だ。
 殺し屋集団ナイトレイドの一人であるマインとの戦いにより。
 あの時に自爆したはずだし、両断された下半身も戻っている。
 大方あの映像の中のように自分も復活させたことは予想できることだ。
 だからと言って、神子柴が正義などとは微塵も思いはしない。
 人を復活させながら殺し合いを望む奴のどこが正義か。
 生き返らせたことを免罪符とするつもりなど毛頭ない。

「!」

 雨の中か走っていると、
 近くのビルから出てきた一人の青年を発見。
 自分と同じく緑色の服装に身を包んでおり、
 相手もこちらに気付いて顔を向ける。

「そこの君! ちょっと聞きたいことが……?」

 顔を此方へ向けた瞬間、
 彼女を見やる青年の表情は普通ではない。
 あり得ないものを見たかのような状態だ。

「あの、どうしたんですか?」





 時は少し遡る。

「これも帝具、なわけないよな。」

 ビルの自動ドアから姿を見せる、ゴーグルを首から下げる緑髪の青年。
 緑のジャンパーも相まって、現代日本のこの場でも馴染んだ格好をしている。
 名前はラバック。暗殺を主とした殺し屋集団。ナイトレイドが一人。
 殺し屋と聞くと物騒だが、帝都も腐った人間のバーゲンセールだ。
 そんな帝都を終わらせるための革命軍の暗殺部隊、それがナイトレイド。
 自分たちの行為が綺麗なものとは言えないが、彼らにも信念と言うものがある。
 もっとも、ラバックはその結末を見ることなく退場してしまった死人。
 此処に生きているはずがないし、死者を生き返らせる帝具があるわけがない。

(次から次へとわけがわかんねえよ!)

 自分を生き返らせた手段は何か。
 自分を生き返らせた意味は何か。
 頭に入ってる『これ』は何か。
 神子柴の目的と言うのは何か。
 そもそもこの殺し合いの理由が何か。
 いいとこ育ちなので学自体はあるものの、
 この状況は不可解なことから帝具を超えた技術と、
 とてもじゃないが彼だって頭を抱えたくなるものだ。

 いや、一つだけわかることはあるにはある。
 頭に入ってる『これ』の説明書はちゃんと読んだ。
 読んだからこそ頭に入れて使って、使い方も理解した。

「ま、何にしてもやることは変わらないんだけどな。」

 首輪で強制されてると言うことは、
 強制しなければ行動しない奴がいると言うこと。
 事実ラバックも進んで帆高を狙いたいとは思わない。
 別に女の子といちゃついていて羨ましいわけではないが、
 無関係な人間が巻き込まれてるなら、放っておくわけにもいかないだろう。
 生是からして名前も知らない女性を助ける彼なら、ある意味必然とも言うべき道。
 アカメも、タツミも、ナイトレイドの皆もきっとその道を選ぶだろう。
 無辜の民を犠牲にし続ける帝国のように、無関係な人間を巻き込む老婆。
 どちらも同じ。許すわけには行かない存在だ。

(相棒の代替え、とまではいかないにしても頼らせてもらうぜ。)

 自分を支え続けた帝具は自分の手にはない。
 代わりに、自分との相性のよさげなものを寄越してきた。
 頭に入ってるのは、守護霊を宿すとされるスタンドディスク。
 帝具と言うオーバーテクノロジー待ったなしのものがあったのと、
 元々手先が器用なお陰で、理解も飲み込みも非常にすんなりと入った。
 戦える手段の確立。次にいるとするならやはり協力者の必要性。
 主に彼は索敵など裏方担当で、首輪をどうこうしたりとかはできないし、
 いくらクローステールの代替えになる武器があるとしても違いもある。
 正面戦闘はブラートやアカメの水準が求められる可能性もある中で、
 一人で何とかしようと言う考えは、余り賢い選択ではない。
 まずは協力者を探すべく、街中を歩きだそうとビルを出た。

 ビルを出た瞬間早速、出会った。
 出会ってしまったと言うべきか。
 面識はない。しかし組織の因縁深い相手が。




「あの、どうしたんですか?」

(ヤベエヤベエヤベエヤベエ!?)

 純粋な疑問であるセリューに対して、
 ラバックは内心物凄く焦りまくっている。
 自分だって死者だ。死人が参加してる可能性もあるだろう。
 だがよりにもよって、何故とんでもない人物を復活させたのか。
 エスデスよりかはましだとしてもナイトレイドである彼と、
 帝都のイェーガーズは完全な敵対関係にある状態だ。
 しかもセリューの人物像はマインや情報収集で知っている。
 自分の行為が善あると信じて疑わないぐらいの狂気じみた正義。
 これがまだイェーガーズでもランとかウェイブ辺りならマシだと言えた。
 あの辺りなら状況が状況だから共闘を持ち掛ければすんなり受け入れてくれる。
 自分の正体が露呈すると索敵要因として困るが、そもそも表舞台から退場した存在。
 神子柴を倒した後自分が生きていられるかも怪しいし、そこまで困るものでもなく。
 だがセリューはぶっちぎりの論外。こんな状況だろうと悪であれば絶対に殺す。
 生きて戻れる可能性が低いとしても悪なら殺す。共通の敵がいても悪だと断定したら殺す。
 正体がばれてはいけないと言う一番胃にダメージがでかい相手である。

「い、いや。ちょっと険しい表情してたんでびっくりしたもんで。」

「あ、そうですよね。怖がらせてはいけないですよね!
私はセリュー・ユビキタス、正義の味方です!」

 誤魔化すべく適当な言い訳をしておく。
 彼女は行き過ぎた正義感を持っているものの、
 悪と認識されなければ普通に接してくれる。
 一先ずその第一段階はクリアできた。
 指名手配で顔が割れてないことに喜んだのは、
 恐らくこれが今までの中で一番いいと思えることだろう。

「どうも、ラバック……です。えっと、セリュー、さんは何処へ急いでて?」

 彼女も死んだ身である。
 ある程度自分を省みた可能性もあるのでは、
 と思って彼女の目的をそれとなく尋ねるも、

「悪を裁き、人を守るのが私の仕事です!
神子柴と言う悪を倒すことに変わりはありません!」

(死んでも根本変わってねえ!!)

 全く意味のない内容に涙が流れる。
 莫迦は死ななきゃ治らないとは言うが、
 価値観は死んだって直りはしない。
 これはナイトレイドだとばれたら確実に殺しに来る。
 余計なことは言わないでおくのが正解だ。

(とは言え、考えは一緒なんだよなぁ。)

 完全に敵対組織だが、此処は帝都ではない。
 帝都を守り、ナイトレイドを倒すのがイェーガーズの仕事。
 だから本来は仲良くなんてできるはずのない相手だが、
 此処では一先ず共通の敵ができていて、此方に気付いてない。

「よかったら俺も同行していいですか。それなりに戦える身ではあるんで。」

 戦力としては申し分がない。
 人物に難ありと言うことを差し引いても。
 シェーレの仇であると言うことには変わらないし、
 彼自身としても許せるかどうかと言われたら別だ。
 だが、今その私怨に囚われて先を忘れてはならない。
 その結果どれだけの参加者が危険な目に遭うのか。
 ……彼女を生かすリスクも大概ではあるが。

「もちろん、大歓迎ですよ! 共に悪を滅ぼしましょう!」

 満面の笑みで手を差し伸べる。
 その手を、一先ずラバックは苦笑気味に取ることにした。



 ナイトレイドとイェーガーズ。
 組織としての因縁自体はあるものの、
 個人の因縁は比較的薄いと言う奇妙な二人。
 彼女は気づいてないが故でもあるが、予想外な共同戦線が成立する。



(そういえば、あのスタンドって奴には名前とかあるのか?)

 生物型の帝具ではないものの、
 何かしら名前を付けたいと思う。
 クローステールみたいに愛着も湧くかもしれない。
 名前を思いつくため辺りを適当に見渡す。
 灰色のビルが立ち並ぶ、東京の街並みを。

(そうだな……)

 石のような世界から解放されたい。
 故に、彼はそれを『ストーン・フリー』と名付けた。

【セリュー・ユビキタス@アカメが斬る!】
[状態]:濡れてる
[装備]:五道転輪炉
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~3
[思考・状況]
基本方針:神子柴と帆高、そして帆高を私利私欲で狙う悪を裁く。
1:ラバックさんと行動。
2:一般人を保護、悪は裁く。

※参戦時期は死亡後です
※腕と口の銃に弾があるかは現時点では不明です(少なくとも頭の五道転輪炉はあり)



【ラバック@アカメが斬る!】
[状態]:不安(大)
[装備]:ストーン・フリーのDISC@ジョジョの奇妙な冒険
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~2(確認済み)
[思考・状況]
基本方針:神子柴に従うつもりはない
1:セリューと同行……でいいんかねぇ。
2:暇があればもう少しスタンドを理解したい。

※参戦時期は死亡後です。
原作、アニメで最期が少し違いますが、
どちらでも問題ありません(採用次第)
※スタンドの使い方は概ね把握してます。

【ストーン・フリーのDISC@ジョジョの奇妙な冒険】
破壊力:A スピード:B 射程距離:E 持続力:A 精密動作性:C 成長性:A 糸で構成された人型のスタンド。人型故に大概のことはできるが、
元々が糸なので手錠、防弾チョッキ、糸電話、分解して細い隙間に入れるなど器用
本体を糸状に変化させたり、他人も糸状に変化させることが可能
これを応用して、致命傷を自分の身体を糸状に分解して避けるなどの芸当も可能
ただし糸状に変化させる間は本体の肉体も物理的に消費していきかなり危ない(戻せば戻る)
此処にクローステールでの経験で更に改変が可能
(ただ糸の強度はクローステール程ではないので限度はある)
最終更新:2021年02月14日 07:31