怪物と戦う者はその過程で自らが怪物と化さぬよう心せよ

お前が長く深淵を覗くならば深淵もまた等しくお前を見返すのだ


○ ○ ○


警察署の窓から覗かれる雨景色。朝日刺さぬ曇天の薄暗さ
その薄暗さの中に男はいた。柔道着を身に包み、窓の外よりは遠すぎて見えぬかの場所を、まるで殺人鬼の如き眼光で見据えている

「――度し難き」

男の言葉には神子柴への怒りだけではなく、森嶋帆高への怒りも含まれていた
理由は至極単純明快。神子柴も森嶋帆高も、彼にとっては『悪』に過ぎないのだから

犯罪者だけならまだしも何の罪のない無辜の民すら巻き込んでの殺し合いの開催。その時点で男の中での神子柴の評価は罪人一択
そして森嶋帆高。男が映画で認識しただけで森嶋帆高が『犯した罪』は軽いながらも数が多い。そして何よりも

「己が欲望のために東京を壊さんとするか、森嶋帆高」

これが一番の理由。天野陽奈が人柱となりて雨が止まる。逆に森嶋帆高が天野陽奈を連れ出すならば雨は止まず、東京は海に沈む
この催しに呼ばれた参加者が『自分を含めた』罪深き者達ならば兎も角、無辜の民すら巻き込んだ上でのこの所業はあまりにも許されることではない。否、もはや男にとっては森嶋帆高の関係者すらも男にとっては『悪の芽』に過ぎない。そもそも、東京が海に沈もうものなら東京だけでなく日本中が大混乱に陥ることは確定であろう

「貴様は俺がこの人生で出会った中で最悪の『悪』だ」

故に、最早贖罪の余地など与えない。元より贖罪すら許すつもりもない。神子柴も、森嶋帆高も、それに関わる者達も須らくして悪。正義執行の対象でしかない。東京を滅ぼそうとする悪は、断じて許すわけには行かない

「―――これより、正義執行を開始する」

男の名は阿古谷。警視庁所属警部。第44機動隊隊長。そして若桜生命所属の闘技者
―――通称「処刑人」


【阿古谷清秋@ケンガンアシュラ】
[状態]:健康、神子柴と森嶋帆高に対しての強い怒り
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:神子柴と森嶋帆高は必ず殺す
1:『悪』は殺す
最終更新:2021年02月14日 11:35