(何で・・・何で俺と陽菜さんの関わりが盗撮されている上殺し合いに利用されてるんだよ!?)
この殺し合いにおける最重要人物、森嶋帆高は唖然としていた。おかしい、自分はほんの数分前まであの鳥居を通って陽菜さんに会いに行けるはずだった。気が付いたら映画館に入らされて自分の軌跡を見せられ目が覚めると見知らぬ森にいた
(もう少しで出会えるところだったのに!!何で!!何でここで足止めされるんだよ!!それに・・・!!)
説明書を見れば見るほど顔が青ざめていく事が自分の事ながら分かる。
①『森嶋帆高』が天野陽菜と出会えず制限時間が過ぎた場合、太陽光が会場中にくまなく差し込みゲーム終了。1時間後に森嶋帆高の首輪の爆破を合図に全員退去。
②『森嶋帆高』が陽菜と出会ったら数時間後にエリア全体が浸水し、『森嶋帆高』と陽菜を除く魚人のような溺死しない種族も含めて全員死亡する。
③帆高が死滅した場合、その時点でゲームは終了。残った者は帰還できる。
この文に書かれている事が原因である。この文から帆高が読み取れたことは一つ。『どうあがいても自分が陽菜さんと会う事は許されない事である』という意思だった。
(何で・・・何で他の人が死ななくちゃいけないんだ?全く関係ない人達が)
帆高は陽菜を救う為なら自分の命を投げ出すつもりでいた。死んでも構わなかった。そして東京の天気がずっと雨でも構わなかった。『ただ雨になるだけ』なのだから、勿論それでもすでに許されないだろうことなのは分かる。それでも取り戻したかった。その為なら銃まで撃って脅す事ぐらい造作もなかった。
だが今回は明確に死ぬと書かれている、この事からつまり自分に求められているのは一人の命を救う代わりに他の人を・・・いや、一人所じゃない。多くの人の命を本当に踏み台にしなければならない
そんな事を彼女は許すだろうか?ただでさえ銃で脅し撃ちをした事さえ酷く批判した彼女だ。絶縁どころか二度と顔を合わそうとはしないだろう。それで会おうとすることに意味があるのか?そもそもそんなに多くの人を殺した場合の自分を自分が許せるのか?許せないだろう、きっと自殺してしまうかもしれない
帆高(どうすれば・・・どうすればいいんだよ!?このままおとなしく他の参加者に殺されるのを待つことしかできないのか?多くの人達が生きる為に、そして陽菜さんもこのまま犠牲になれと?)
どうすればいいのか分からず、右往左往していた時だった。
誰かに声をかけられたのは
「森嶋帆高・・・お前だな?」
その声に反応して振り返って見たのは射殺すような視線で見つめてくる茶髪の青年だった。
容姿はあの映像で参加者全員にバレているだろう。絶対に誤魔化せないという事実が帆高を苦しめる
「あ、貴方は、誰ですか・・・?」
「・・・名乗るかどうかは俺が今からする質問にどう答えたかによって決める」
「どうしてですか?名乗るくらいなら別に」
「殺す奴に名前を教えても意味がない事ぐらいわかるだろう?・・・変身」
『バナナ』
『カモン!ナイトオブスピアー!』
その青年は謎の赤い騎士に身を変えて・・・槍を首元に突き付けてきた
ゾクっ!!
殺気が体に伝わる。本気だ、本気で俺の返答次第でこの人は俺を殺す気だ!!
「質問だ・・・これからお前はどっちの選択肢を取るつもりだ?」
「・・・選択肢を教えてください」
「一つ、このまま陽菜に会って俺達が死ぬ代わりに望みを果たす。もう一つは俺達の為に自分がこのまま俺に殺されて死ぬ、という選択肢だ」
先程まで自分が考えていた事そのものだった。それに今すぐ結論を出せと言われてしまった
「す、少し考えさせてください!!俺も今目が覚めたばかりで考えている途中d」
「ほう?考えている場合なのか?少しの時間が惜しい事ぐらいわかっているのか?お前の大切な人はたった今死にかけているんだぞ!!」
「俺だってわかってますよ!!だからって他の人まで俺に殺せというんですか!?」
「早く決断しろ!!俺にはやる事があった!!それを邪魔されて苛立っている!!1分で決めろ!!」
(1分!?無茶苦茶だ!!そんな短い時間で決めれるわけがない!!)
帆高は30秒必死に頭を回転して考えた・・・だが
(決めれる訳・・・ないじゃないか!!決めれないよこんなの!!)
流石に今回の選択肢は・・・帆高には・・・重すぎた
(殺されるんだな、俺・・・このまま・・・ごめんなさい・・・!!陽菜さん・・・!!)
帆高は諦めの境地で詫びていた・・・
(苛立っているという理由で殺されるなんてな・・・まぁ当然だよな、何かやっている途中に急に殺し合えって言わ・・・れ・・・?)
謎の男の気持ちになって自分が殺される理由を自分に納得できるように考えていた時の事だった
何故か違和感を感じたのである。
(・・・何で殺しあえって言われたんだ?この人が何かしたのか?俺は兎も角この人が何をしたのかなんて知らない、だがそれほどの悪い事をした極悪人ではないはずだ、もしそうだったら俺はいま生きていないし猶予もないはずだ、そしてこの殺し合いの参加者にも本当にそれ程の悪い事をした人はいたのか?いるとしてもそれが大半なのか?あの御子柴に挑みかかったあの人がとても悪い人とは全く思えないぞ?じゃあ何で招かれたんだ?そもそも悪い事をしたら警察のお世話になるはずなのに何で殺人までしなくちゃいけないんだ?何で罪に罪を重ねなくちゃいけないんだ?何で強いられているんだ俺達は?)
その瞬間頭に幾つも疑問符が湧いてくる。その自問自答を繰り返した果てに辿り着いた結論、それは・・・!!
「時間だ!!答えろ!!」
「・・・俺は」
一呼吸おいて・・・言い始めた。
「陽菜さんを助けに行きます」
「それは俺達に死ねって事か?」
槍先が首に少し刺さる。血が少しだけ流れていた。
「違います、貴方も、参加者の皆さんも生きてください」
「ほう、何を言っている?ルールでは何て書かれていたのか知っているはずだが?」
「・・・おかしいじゃないですか」
「は?」
「おかしいじゃないですか、何でこうも皆が命が握られなくちゃいけないんですか?何で俺が大切な人に会ったら皆死ななくちゃいけないんですか?何で関係ない皆さんの為に俺は死ななくちゃいけないんですか?おかしいじゃないですか!!この
ロワのルール、いや、この殺し合いそのものが!!俺はこんな殺し合い認めません!!」
最後になるほど声量が大きくなってしまっていた。だが仕方がないだろう。考えれば考えるほど怒りしか湧いてこなかったからだ。
「だから俺はこの殺し合いそのものに反逆します!!俺は何方の選択肢もとりません!!」
「・・・それがお前の答えか」
するとその男は・・・変身を解除した。
「合格だ、認めよう、お前も立派な強者だとな」
「駆紋戒斗さん・・・ですか、戒斗さんでいいですか?」
「・・・好きに言え、帆高」
今、帆高と戒斗は木影で雨を避けて食事しながら話している。
駆紋戒斗は帆高を運命に立ち向かうものとして認め、何故その答えを認めたのかを話し始めた
「あの、何故貴方は俺の答えを認めてくれたんですか?」
「単純だ、このロワイヤルにはまだ隠している事があると分かったからだ」
「隠している事?」
「この文を見ろ、おかしいと思わなかったのか?」
帆高が見た文、それは③の『帆高が死滅した場合、その時点でゲームは終了。残った者は帰還できる。』
何がおかしいのか・・・別におかしい所なんて、ん?死滅?死亡じゃなくて死滅?
「どういうことですかこれは?」
「死滅とは一匹残らず全てを滅ぼすことだ。普通複数いる害虫に対して使うのが当たり前だよな?じゃあ何でお前を殺した条件に使ったんだろうな?」
「・・・確かにおかしい、俺と何もかも同じ人なんて複数いる訳がない!!」
「一応平行世界のお前も連れてこられて殺す必要がある為に死滅と言ったのかもしれんがな、俺も連れていかれたことがあるからな、だがだったら説明すればいい話だ、平行世界を知る参加者ばかりいる訳がないからな・・・それを言わないという事は何かを隠している!!何かを隠して強気な態度で殺し合いをさせるような弱い奴に俺は屈するつもりはない!!」
帆高はこの人を本当に誇り高い人だと感じずにはいられなかった
「お前は良い選択をしていた。あの時お前は何方かを選んでいたらどちらだろうとこの殺し合いに屈した弱者として殺すつもりだったからな」
「は、はい・・・」
「そして、お前は先ほどの選択の為にどうするつもりだ?」
「・・・俺、陽菜さんの元に向かいます、そしてその途中に多くの参加者と会って話していきます!!そしてその話し合いの中で情報を得てどうすれば大量の雨が降ろうと皆が生きられるかの方法を考えてみせます!!」
「・・・いいだろう!!俺も同行してお前を守ってやろう、ただし時間制限がある以上全速力で走る必要があるようだな、覚悟はあるか?」
「はい!!絶対に御子柴には負けません!!」
「その戦い、僕達にも協力させてください!!戒斗さん!!帆高君!!」
「誰だ!?」
振り返って後ろを見るとそこには白衣を着た青年と戒斗と同じ茶髪の青年と大人の魅力を持つキセルを吸う女性とかなり身長が低い少年と背が高く一見チャラそうなギャルの風貌である女の子がいた。
「お前は誰だ?何故俺の名前を知っている?」
「僕、異世界の貴方に会ったことがあったんです。なので・・・ごめんなさい!!自己紹介を忘れてましたね、僕は宝条永夢です。小児科医をやってます」
「俺の事もこの人知ってて疑問に思ったんだんだけど、良い奴だから別に良いかなって、俺は剣崎一真、仮面ライダーブレイドだ」
「僕は広瀬康一です。あの、霊波紋というのを使えます、後で詳しく説明しますね」
「康一君気張りすぎじゃない~!?そんなにガチガチだと仲良くなれないよ?アタシ、宮下愛!!愛してくれると嬉しいな!!愛だけに!!」
「お主は緩すぎじゃ、あの男の性格を見るにお主のような女は嫌いかもしれんぞ?わっちは吉原の番人、死神大夫、月詠じゃ」
事の始まりはA-7に配置されていた剣崎が歩いていた時の事だった
(こんな殺し合い絶対に止めてやる!!・・・でもどうすればいいんだろうな、主催者がいる所なんて分からないし、探すしかないんだろうか)
すると後ろから話しかけられた
「剣崎さん!!剣崎さんですよね!?」
「え?・・・あんた誰だ?俺あんたのこと知らないんだけど・・・」
「何でですか!?かつて一緒に戦った仮面ライダーじゃないですか!?」
「一緒に?え?」
こうして話し合う中で幾つか矛盾が出てきた。かつて剣崎がゲームの中に入ってきてくれて助けてくれたという永夢に対してそんなことは全く知らないという剣崎、更に10年以上前にアンデットがアルビノジョーカーによって一斉再解放されてそれの対処をしたばっかりで本当にゲームに入った経験なんて無いと言うと、そもそも永夢が知る限りアンデッドが再解放されたということ自体起きたことがなかったという事実だった
「僕、貴方に会った後アンデッドについて興味をもって少しだけ調べてみたんです。ですがそんな事起きたという事実すら書かれていなかったです」
「そんな馬鹿な・・・?どういう事なんだ?」
「恐らくパラレルワールドというやつだろうな」
「誰だ!?」
「おっと、いきなり声をかけてすまんかったな、わっちは月詠、吉原の死神大夫・・・といっても分からんじゃろうな、わっちの江戸時代はお主たちとは違うからな」
「あなた江戸時代の人なんですか?となると過去の時代から人も呼ばれる事があるなんて・・・」
「そうわっちも考えていた・・・この二人の子供を保護するまではな」
「子供扱いは少し愛さんやだなぁ、こう見えて愛さん高校二年生だよ!!」
「・・・まぁ愛さんは納得出来ないかもしれませんが僕は認めています・・・この身長なので・・・」
「わっちから見れば主もどんなに背が高かろうと子供じゃ・・・この男の子、広瀬康一が宮下愛というこの女にいびられたのを保護して話を聞いてみたら驚くべき真相が分かったんじゃ」
「だから別にいびろうとしたわけじゃないってば!!誤解だよ!!確かに風貌はギャルっぽいけどアタシ皆と仲良くなりたいだけだからね!?」
「つ、月詠さん、本当に僕が勘違いしただけでこの人はいびっていたわけではありません。少し容姿がギャルっぽかったからビビってただけです・・・」
「愛ちゃんだっけ?皆と仲良くなりたいんだったら俺はその容姿は変えるべきじゃないかなって俺は思うよ、人は内面を見てもらう為にはまず外面が良い方が良いからな、誤解されると下手したら喧嘩になってしまうかもしれない、もっとも、外面ばかりじゃなく内面も見るべきだけどな」
このアドバイスは始との関わりを元にしている。始も本当は優しい心を持っているのに不器用&天音一筋だったために誤解され戦い合ったことがあった。やがてその果てに親友と言えるようになったが・・・その結末は結局始を封印するしか終われなかった・・・そして最後のアドバイスはアルピノジョーカーの時の嫌な思い出を反映して話している
「それで月詠さん、驚くべき真実とは何でしょうか?」
「わっちは自分の時代の事を話した、宇宙旅行が出来たり、アイドルが存在していたり、バイクや車が存在しているという事実を語ったらそんなことありえないと二人は否定してきたんじゃ、それから更に康一は霊波紋という良く分からないものを出してきた。もちろんうちも愛も知らんかったし聞いたことがなかった。まぁもっとも、霊波紋は珍しいからわっち達が知らなかっただけかもしれんがな、だがわっちの江戸時代の比較を基に考えてみた結論が先ほど言ったパラレルワールドじゃ、まぁわっちの中にパラレルワールドを知る者がいない以上確定とは言えんがな」
「成程・・・分かりました。確かに平行世界の方が納得できます。僕も平行世界の仮面ライダーと一緒に戦ったことがあるので、そして3人は何をしにここへ?」
「仮面ライダーという存在がいるのか・・・?後で詳しく話してもらうぞ?それはともかく、わっち達は帆高という少年がこの殺し合いのカギを狙っているのは分かっていて、その少年が何処にいるのか考えてみたんじゃ、そうしたら愛が目的地に一番遠い場所にいるんじゃないかと言ってきてな、簡単に辿り着かれたらつまらんだろうからなという考えのもとA-8に向かっている途中だったんじゃ」
「・・・あんた等は帆高という青年に会ってどうするつもりだ?」
「仲良くなりたいって思ったの!!あんなに純情で優しい男の子、仲良くなったら面白そうじゃん!!」
「僕も同意見でした。かなり過激な所もありましたけど悪い人ではないと思いました、だからこそ守らなければ、抑えなければいけないと思いまして」
「わっちも同じじゃ、あの男の子を見てある年寄りも思い出したしな、それで、逆に主らはどうするつもりだ?」
「僕はあの男の子を導いてあげたいと思いました。彼女・・陽菜ちゃんも含めて二人とも助けてあげたい。そして皆さんも救う道も考えたいと思っています、それが今僕がやりたい事です」
「俺も同じだ、俺もこの殺し合いに巻き込まれた人達全員を助けたい、人を守る事が俺の戦う理由だから」
「・・・わっち達と主等の考えは同じようじゃな、なら一緒に行動しよう」
そして歩きながら会話していくうちに様々な情報を交換し合った、スクールアイドル、侍、仮面ライダー、霊波紋・・・どれも未知の情報ばかりだった。
「成程、霊波紋は本来他の人には見えないはずの物なんですよね?」
「そうなんです、ですが何故か愛さんや月詠さんには見えていて・・・」
「俺にも見えてるから恐らく参加者全員に見えるようになっているんじゃないかな?どういう技術なのか知らないけど、恐らくこの首輪が関係しているんだろうけど」
「本当に計り知れん敵じゃな・・・わっち達はそれに対する対処も考える必要があるな」
「そうですね、まずは帆高君と合流・・・いました!!・・・って戒斗さん!?」
「エムっち知ってるの?」
「・・・静かに、いったん様子を見ましょう」
そして会話を一部始終聞いて・・・二人が出発しようとした瞬間に話しかけたという訳だ
「成程な・・・何か妙な気配がするかと思ったらお前達だったのか」
「本当に・・・俺に協力してくれるんですか?」
「うん!!君が持つ陽菜ちゃんへの愛の思い、愛さんすごくよく感じたよ!!愛だけに!!」
「だからって銃とか撃ったりすることはやりすぎではないかと僕は思うよ、でも、それでも相思相愛を断ち切るつもりは僕はない、僕にもそれくらい大切な人がいるしね、だから守ってあげたい、君も陽菜ちゃんも」
「何より、主の大切な人が何故天候の為に犠牲にならなきゃいけないともわっちは思ったしな、確かに雨になる事は良い事ではないし、わっち達もその為に犠牲になるつもりはない、そのどちらにも抗うというならわっちも協力しよう」
「僕も君が本気で運命を変えるつもりなら助けてあげたい。そうしなければきっと多くの人が死んでしまうだろうから」
「俺も同意見だ」
剣崎は詳しく言わなかった。何故かは後で説明しよう
「・・・ありがとうございます!!」
「・・・一つ言っておこう」
その時、黙っていた戒斗は協力を申し立ててきた五人の顔を見て・・・結論を出した
「宝条永夢、剣崎一真、広瀬康一、月詠、お前たちは闘ってきた、そういう目が告げている、何かを守る為にな、お前たちは良いだろう、協力してもらおう
だが宮下愛、貴様はダメだ」
「・・・え?」
唖然としたのは宮下愛本人だった、当然である。助けようとした善意が拒められたのは今まで初めてだったからだ。
「貴様の言葉は薄っぺらい、何も重みは感じられない!!」
「何で!?アタシ本気で助けたいって思ってるんだよ!?」
「何も戦いを経験したことがない貴様がこの場でそのような事を言っても意味がない!!」
「確かに戦いなんて知らないよ!!だからって助けようとする事っていけないの!?一応アタシもアンタと同じドライバー支給されてるし」
「たとえドライバーを持っていたとしてもだ!!貴様今こいつの立場分かっているのか!?こいつを殺せばこの殺し合いは終わると参加者に言われてる、更にこいつが目的を達成したら俺たち参加者全員が死ぬと伝えられているんだぞ!!それでこいつを殺そうとしない奴と殺そうとするやつどっちが参加者の中で多いと思うのか考えたのか?更にコイツはあえて参加者の元に行って話に行こうとしているんだぞ!?そんなこいつを守るという事が簡単にできると思っているのか!?その為にお前は死ぬかもしれないという覚悟があるのか!?だから中途半端な善意は足手まといだと言っている!!文句があるか!?言ってみろ!!」
愛は絶句した。当然である。成程、自分の善意は日常であれば歓迎される物であったのだろう、だが今この場は殺し合い、寧ろ邪魔になってしまう、そして何より・・・死ぬの言葉が頭に叩き込まれる
急に体が震えてきた。寒気がする、何でだろう、こんな気持ち味わったことがないや、そんなのに縁があるとは普段思わなかったから、確かに縁が無いわけじゃない、人はいずれ死ぬものだ、でも自分ならきっと長生きできるだろうとして考えたことはなかった。でも今、下手したら自分はこの瞬間死ぬかもしれないという恐怖が頭を支配しようとしている。
その様子を見た戒斗は吐き捨てるように言った
「失せろ、貴様のような弱者が立ちいっていい世界じゃない、誰かに保護でもしてもらえ」
「愛ちゃん・・・大丈夫?」
「・・・分かりました、僕が愛ちゃんは守ります、皆さんは帆高君を」
「おやおや、探す手間が省けて良かった、やはりこういう所でも私は運がいいかもしれないなぁ、マイティアクションX」
突然何処からか声が聞こえた、その声は永夢にとって聞いたことがある声だった、とても冷酷で感情を感じさせない冷たい声、そして何よりこの自分に対する呼び方は・・・!!
「どうして・・・どうしてあなたが蘇っているんですか!!檀正宗さん!!」
「ほう、その言い方はまるで私が死んだかのような言い方だなマイティアクションX、寧ろ死にかけていたのは君の方で私が見逃してあげた立場のはずだが」
「顔見知りですかい?社長さんよぉ、おや?俺の知り合いもいたようだなぁ」
そのそばにもう一人いかにも小物そうな帽子をかぶった男が現れる。その名前は・・・
「貴様もここに来ていたという訳か・・・シド!!」
「知り合いでしょうか?」
「恐らくな、だがとても仲がいいようには思えん」
「・・・何しに来たんですか」
「何しに来たか?こんな殺し合いに商品価値はない、だからさっさとこの殺し合いを終わらせる為にそこの少年を絶版しに来たんだが、文句があるのか?」
「俺も同じだ、俺には早く手に入れたい物があってねぇ、その為にもこんな殺し合い、ちゃっちゃと終わらせるためにそいつを殺しに来たんだ、それになぁ」
一呼吸おいて話し始めた
「・・・ムカつくんだよ、お前のようなガキは」
「え・・・?」
「あの映画見る限り、お前警察という大人に逆らい続けたよな!?ただの貧しいガキのくせに!!お前のようなガキを見るとあの男を思い出して本気でイライラしてくるんだよ!!ガキはおとなしく大人の言う事を聞いていればいいんだよ!!だからテメェのような大人に逆らうガキは一番消えるべき存在なんだよ!!テメェの方が陽菜より消えるべき存在だァ!!」
この言葉は・・・帆高の心に強く刺さった。
言うまでもない、自分の行動を全て否定されたからだ、その行動に罪悪感がなかった訳ではない為余計に響いてしまった、そして・・・
(・・・そうだよな、やっぱり俺は何もかも間違いだらけ、か・・・だったら俺はこのまま・・・)
心が壊れていく・・・その時だった
「ふん!!貴様達はこの殺し合いに従ったという訳か!!・・・とんだ弱者だな」
「何だと・・・!?駆紋戒斗、君はこの私を侮辱したのか?やがて全てを支配する会社の社長たる私を」
「すべてを支配する?笑えるな、そう言っている貴様はたった今この殺し合いのルールに支配され、従っている。こんな滑稽な事があるとはなぁ!!」
「貴様・・・!!」
「ガキガキガキ、うるさいです、確かに彼は逆らったかもしれません、大人に、それは許される事ではないかもしれない、ですが!!大切な命を救いたいという思いは抑えつけていいものではありません!!」
「何だお前、何でソイツを庇うんだ?ソイツは命一つの為に東京をずっと雨にしてもいいような奴なんだぜ?」
「確かにその事は簡単に許していい事ではない、でも、人を救いたいという想いは誰かの命を踏み台にしない限り誰にも侮辱する権利はない!!俺は信じる!!帆高の事を!!」
「皆さん・・・!!」
剣崎には皆に伏せていたい事である負い目があった、世界を救うために始を封印して、それが解放された後に自ら望んでバニティカードに封印されてそれを破壊し、完全に始を倒してしまったことだ。あの時のように救えないまま終わらせるという真似を・・・二度はしないと今ここに誓う。誰かが犠牲にならなくちゃいけない運命を今度こそ破壊してみせると
そして、その言葉もまた・・・仮面ライダー達の言葉は帆高を救っていた、今まで分かってくれない大人は説教だけしかしてくれなかった、だが、ここにいる分かってくれた人達は・・・肯定もしてくれた。自分の間違っている所はしっかり言うがそれでも肯定してくれる大人がいてくれた。その事は帆高にとって大きな救いになった。
『仮面ライダー』、人類の平和と自由を守る者である三人が帆高を庇うように立つ
「君は・・・いや君達は私に逆らうか・・・マイティアクションX、ならこちらも容赦はなく絶版にするまで、シド、探索までの縁だと思ったが付き合ってもらおうか・・・変身」
「はいはい、分かってますよ社長・・・やっぱお前とは仲良くやれないようだな駆紋戒斗、たった今ここで始末してやるよ、変身」
『仮面ライダークロニクル・・・!!』
『チェリーエナジー』
『バグルアップ! 天を掴めライダー!!刻めクロニクル!!今こそ時は、極まれりィィィィ!!』
『ロックオン、チェリーエナジーアームズ!!』
自分の意志で自分の為だけに戦う二人のダークライダー、シグルド、クロノスが立ちふさがる。
「戒斗さん・・・剣崎さん!!いきますよ!!」
三人はドライバーを腰に当てて、変身の為に構える。
今回永夢に支給されたのはエグゼイドに変身する為の基本装備だけだった。だが愛や康一に支給されていたガシャットを渡され、ある程度戦力は確保できた。そのガシャットのうち一つはゲキトツロボッツ、もう一つは・・・!!
『バナナ!』
『マイティブラザーズXX!!』
ブレイドへの変身の待機音がこの場にいる九人に響いてくる
「帆高と陽菜の運命は・・・!!この世界に招かれてしまった参加者の運命は!!俺達が変える!!」
「「「変身!!」」」
『マイティ!!ブラザーズ!!2人で1人!!マイティ!!ブラザーズ!!2人でビクトリー!!エーックス!!』
『バナナアームズ!!ナイトオブスピアー!!』
『Turn up』
ブレイド、バロンバナナアームズ、エグゼイドダブルアクションゲーマーレベルX、三人の仮面ライダーが姿を現す。更に
「だーーーーーい変身!!」
『ダブルアップ!!俺がお前で!お前が俺で!(ウィーアー!)マイティ!マイティ!ブラザーズ!(ヘイ!)ダブルエーックス!!』
エグゼイドはオレンジ色のレベルXX Rと青色のレベルXX Lに分かれ、三人は四人へと変わる。
「いけ、森嶋帆高!!覆してみせろ!!自分の運命を!!」
「・・・はいっ!!」
六人の仮面ライダーはそれぞれの武器を構え、戦いが開かれようとしていた。
その時―
「・・・せっかくの絶版対象が見つかったんだ、それを逃がすほど私が愚かだと思うのか?」
月詠、康一、帆高の三人が駆けだそうとした瞬間、
クロノスはバグスターウイルスをドライバーから出現させて―
「なっ!?」
「これは・・・!?」
「いけ、森嶋帆高を絶版にしろ」
バグスターウイルスの戦闘員で三人を囲んでしまった
「やめろ!!」
「オイオイ、お前達が助けようとするのを見逃すと思っているのかよ?」
シグルドはソニックアロー、クロノスはガシャコンバグヴァイザーⅡのチェンソーモードでエグゼイド、ブレイドに斬りかかる、対抗するためにオレンジのエグゼイドはガシャコンキースラッシャー、ブレイドラウザーでガードするが、何よりスペックが違う、抑えきれずに強烈な一撃を食らう
「「ぐあっ!!」」
すかさずエグゼイドはキースラッシャーをビームモードに変えて銃撃を放つがクロノスのこぶしの前に全て弾き飛ばされる。その隙にもう一人の青いエグゼイドがガシャコンブレイカー、ハンマーモードで殴り掛かるが、シグルドの弓の攻撃の前にハンマーを撃たれ弾き飛ばされる
(やっぱりクロノス相手にレベル20じゃ無理か!!)
このままでは救援なんてとても出来ない
一方で月詠や康一もどう対策すればいいのか考えていた・・・!!
(くっ!!今わっちが持っているクナイを使えば何とか道は切り開けるかもしれんがそうなると今後の戦いが危うくなる!!出来る限りクナイの使用量は増やさないでおきたいがどうすれば・・・!!)
(僕の霊波紋じゃ攻撃スピードが遅い!!これだけの人数を相手に仲間を庇いながら突破できるのか!?)
その時現れたのは―
少し時を遡り・・・
「ほう、やっかいな邪魔者を出してきたな・・・」
戒斗がどうやってあのバグスターの軍団を突破できるようにするべきか考えていた、その時
「・・・アタシにも戦わせて」
話しかけたのは宮下愛だった
「まだいたのか貴様、いったはずだ、本気で戦う覚悟はないような女に」
「覚悟は・・・できたよ、アタシ」
「・・・何?」
「確かにアタシは逃げた方が良いのかもしれない、戦いでも碌に活躍する事も出来ないかもしれない、そして、守る為に死んじゃうかもしれない、でも!!だからってそれでこのまま動かないでいるなんて、助けたい人を助けないまま無視するのはもっと嫌だよ!!愛さんが、愛さんである為にも、生きる為にもアタシは逃げない!!それがアタシの・・・未知だけど行きたい道だから!!」
宮下愛が所属するスクールアイドル同好会は「仲間でライバル、ライバルで仲間」の関係の集まりで、それぞれがなりたいスクールアイドルを目指して努力するグループである。故にそれぞれの道を往くのを互いに応援し続けるのが・・・仲間の証だ
(ねぇ皆、今のアタシが決めた道が愛さんらしいよね?・・・そうだよね?だってあたしが本当にやりたい事だもん!!)
宮下愛は恐怖を感じながらも考えたのだ、自分が生きたい道を、そして覚悟も決めた、たとえ死んでしまう事になろうと後悔はしないと
「・・・ふん、その目、本当に覚悟を決めたようだな?良いだろう!!」
バロンは自分に配られた支給品を投げ渡した、その支給品が手元に配られていた時、運命を感じずにはいられなかった。
(葛葉紘汰・・・この女に力を貸してやれ、この戦いの間だけでもな!!)
その渡された物を見て・・・宮下愛は進み始めた、本来、宮下愛に配られていたのはマツボックリロックシードであり、それで変身しようと考えていた、だが、今回渡されたロックシードをみて、使うロックシードを変えることにした。
「その覚悟をずっと胸に秘め続けて戦え!!そうあり続ける限りお前は強者でいられる!!」
その名前は・・・!!
二人のダークライダーは慢心していた、ただの少女だと侮っていたのだ、故に彼女が二人がいる道とは別の道を通って帆高達の救援に行った際に無視していたのだ。彼女が既に「変身」していたことを知らずに・・・!!
「皆大丈夫!?今すぐ助けるから!!」
「愛さん!?本当に大丈夫なんですか!?戦う覚悟は・・・!?」
「・・・愛さんにはまだ分からない、戦う事でどれくらい痛い思いをするのか、辛い思いをするのかなんて!!でも!!それでもアタシも同好会の皆が信じてくれているアタシである為に戦う!!帆高君という信じられる希望の為に!!」
今という風は何を愛に伝える為に吹いているのか、戦いによる英雄への変化か、戦いによる死の警告か、どちらを伝えているのか、
希望が溢れる未来が待っているのか、それとも何も守れない絶望の未来なのか、何処に向かうかはまだ分からない、だが、今言える事はただ一つ、宮下愛は闘う事に決して後悔していないという事だ。
(皆、アタシに力を貸して!!ここにいる人達を守る為の力を!!)
そう思いドライバーを腰に当ててロックシードを施錠する。そして鳴らした音は彼女を象徴する色たる『オレンジ』
『ロック・オン』
法螺笛が鳴り響く、そのほら貝の音声によって感情が高ぶっているのが分かる。そして数多の仮面ライダーが言ってきた言葉を言い放つ
「変身!!」
『ソイヤ!!オレンジアームズ、花道、オンステージ!!』
今、ここに『部室棟のヒーロー』は正真正銘の『ヒーロー』へと姿を変えた、そう、仮面ライダー鎧武へと
「これが、アタシの今の姿・・・!!」
そして宮下愛は決め台詞を考えた、どんな台詞にしよう?そんな時、同好会の大切な仲間がスクールアイドルフェスティバルでヒーローを演じた際の台詞を思い出した、今はその言葉を借りよう、本当のヒーローになる為に
「ここからは・・・ここからは愛さんのステージだ!!」
それが偶然本来の鎧武の変身者と同じセリフである事には気づいていない
「はあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
無双セイバー、大橙刀で次々とバグスターを斬り、時には銃撃もまじえてバグスターを倒していく鎧武!!
「愛・・・!!あっという間に強くなったな・・・!!これなら・・・!!」
月詠はバグスターの一掃を鎧武に任してクナイを握り近接攻撃でバグスターを倒していく
「その姿・・・!!まさかお前のようなガキがなるとはなぁ・・・!!イラつくんだよぉぉぉ!!」
シグルドは何度も打倒された忌まわしき記憶が脳裏に蘇りながら、帆高達の真上に弓を放つ、現れたのは巨大なサクランボ、内部には複数の矢が入っているのが分かる。
はっきり言おう、このままでは対処はとても無理だ。月詠がいくらクナイを放とうと全て折れるだろう、鎧武の刃でも守り切れる訳がない、次世代のライダーシステムが旧世代のライダーシステムより勝っているのが基本であり、仮面ライダーになったばかりの愛じゃ対処は難しすぎる。例え鎧武は鎧で耐えきっても他の三人は生身の人間、バグスターに生身で突っ込まなければ避けれないがその後帆高の安全を保護できるかは分からない
周りはバグスター、上空には無数の矢、帆高達が完全に無事なまま生き延びる道は・・・ない
たった一つの道を除いては・・・!!
「Act2!!」
康一はエコーズでピタっの文字を具現化、破裂する直前にさくらんぼにつける事で破裂することを阻止、そしてそのまま落ちていき何も影響を及ばさなかった
「何だと!?」
「どこを見ている!!」
よそ見をしていたシグルドをバロンがバナスピアーの突きが襲う、慌ててガードするが不意を突かれていた為抑えきれず攻撃を食らう
「ぐああっ!!」
「・・・使えんやつめ」
『ポーズ』
その瞬間、全ての時が静止する。
「森嶋帆高、君は私の仮面ライダークロニクルの繁栄の障害になってしまったことを悔いりながら絶版になるがいい」
『ガシャット!!キメワザ!!クリティカルサクリファイス』
キメワザを決めるべく、余裕磔磔に攻撃を構える。当たり前である。自分のポーズに時間制限はない、相手が無敵でもない限り確実に仕留める事が出来るのだ、ましてや相手は生身、余裕を持つことは当然だったと言えよう
「・・・何ぃ!?」
その余裕は致命的だったという事に気づかずに・・・!!
クロノスの行っていたポーズが急に解除され、周りの人達全員が普通に動き出してしまっていた。
その為、目前に近づいていたオレンジのエグゼイドがキメワザをこちらに叩き込もうと接近していたのに気が付いた時には遅すぎた
『キメワザ!!アクションロボッツクリティカルフィニッシュ!!』
「ぐぬぬぅ!!」
強烈な赤ピンクの拳骨を纏った斬撃がクロノスを襲う、勿論クロノスに対してこの攻撃は弱いのは勿論である。だが攻撃は中断せざる終えなかった
「ならもう一度ポーズして・・・!!」
再びポーズボタンを押すが・・・反応しない
「どういう事だ!?」
驚いていたクロノスに・・・何と先ほどシグルドが放っていたサクランボの実像が驚くべきスピードで迫ってきていた!!
鎧武はピタっで止められていたサクランボの実像を見て、何と相手に蹴飛ばすことで攻撃するというとんでもない方法で攻撃したのだ!!運動神経の高さを生かした強烈なけりで急速に接近し、クロノスに接触した瞬間に康一は文字を削除する。それによって複数の弓の攻撃が逆にシグルドとクロノスを襲う!!
「ぐあああ!!」
「がはぁ!!」
その瞬間にバロン、ブレイドは必殺の斬撃を放つ!!
『スラッシュ、サンダー、ライトニングスラッシュ』
『カモン!!バナナスカッシュ!!』
「ウェェイ!!」「ハァァ!!」
二つの斬撃がクロノスにダメージを負わせる。
「がぁぁぁ!!」
更にエコーズはバグスターの足元に『ビュオオオ』を投げつけてバグスターを吹っ飛ばす、そして・・・!!
『ロック・オン!!イチ・ジュウ・ヒャク・セン・マン!!』
鎧武はオレンジロックシードを無双セイバーに装着、ナギナタモードに変えて、バグスターをオレンジの巨像の中に閉じ込める
『オレンジチャージ!!』
「え、えーと、こういう時は・・・どうしよ・・・う、ウオリャー!!」
閉じ込められたバグスター、全てを切り裂いた先に・・・一つの道が出来た!!
「行くぞ帆高!!康一!!愛!!あの道がわっち達が進むべき道じゃ!!」
「「はい!!」」
「うん!!」
四人はその道めがけて一目散に逃げだした
「・・・行ったようだな、これから先大丈夫か?」
「大丈夫だと信じるしかない、きっと彼らの行く先は敵ばかりってことはないはずだから」
「・・・そういう話はこいつらをどうにかしてからにしろ」
クロノス、シグルドが立ち上がってくる・・・怒りを抱えながら
「貴様等・・・ここまでやって絶版になる運命から逃れる事が出来ると思うなぁ!!」
「お前らに大人を本気で怒らせた奴がどういう思いするか教えてやるよォォ!!」
相手はクロニクル最強のライダー、クロノス、そして変身者が弱かろうと次世代のライダーシステムを使ったライダー、シグルド
それに対する三人は能力的に分が悪い、このままでは勝てないだろう、その時
何処からかピンクの弓が・・・シグルドに命中した
「だ、誰だ!?」
「まさかここで会えると思わなかったわ・・・戒斗!!」
「あ、貴方は・・・湊さん!?」
青いエグゼイドが三度の知り合いとの邂逅に驚愕した
(・・・ここはどこかしら?周辺は森のようだけど)
湊耀子は戒斗の代わりに死んだ後にこの世界に呼ばれ、映像を見て、殺し合いの場で目が覚めた。
(・・・自分は死んだはず、それなのに何故今生きているのかは、まぁいいわ、それよりこの殺し合いどうしようかしら)
湊は考えた。あの映画を見て、帆高をどうするべきなのか・・・いや、考えて10秒で決まった
(助けるべきね、あの男の子を)
湊は帆高を戒斗と重ねていた。似ている気がしたからだ、何が何でも大切な者を追い求めようとする姿勢が、かつて、呉島貴虎という男の部下だったが、彼女にとって人々を助ける為に無欲だった貴虎はつまらない男だと感じたのだ、一方で面白いと思ったのは凌馬だったが彼には求める王の資格はなかった。そして最終的に見届けたいと思った男はただ一人、駆紋戒斗だけだったのだ。
そして、それに似ている帆高もまた面白い男の子だと感じていた。見届けたいと思ったのだ。彼の行く先を、そして愛もかなって欲しいと感じた、自分が叶えられなかった愛を
その為に彼女も一番遠いところにいるのではと考えたA-8に向かっており、辿り着いた先では既に激闘が始まっていた。その先に愛した男である戒斗がいた事にも驚いた。そしてその対戦相手は元同僚のシドもいた。
愛する男と元同僚、どちらに味方しようとするのかは・・・
『ピーチエナジー!!』
語る必要もないだろう
「・・・何で貴方は私を知っているのかしら?貴方みたいなライダー会ったことがないわよ?」
「後でそれは話す!!」
「あんたも知ってるの?二人とも似た容姿のライダーね・・・その事も話してもらうわ」
「貴様は協力してくれるようだな?だったらシドを任せた!!」
「・・・分かったわ!!」
耀子と呼ばない戒斗に少し違和感を感じたが手伝うのに文句はない、戒斗の横に並び立つ。
「湊、お前も俺の敵になるんだったら仕方がねぇな!!一緒に引導を渡してやるよ!!」
「相変わらず口だけはうるさいわね、ゲネシスドライバーの本当の戦い方を教えてあげるわよ!!シド!!」
【宝条永夢@仮面ライダーエグゼイド】
[状態]:軽度のダメージ、仮面ライダーエグゼイドに変身中
[装備]:ゲーマードライバー+マイティブラザーズXXガシャット、マイティアクションXガシャット、ゲキトツロボッツガシャット
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1
[青いエグゼイド、ダブルアクションゲーマーレベルXX Lの思考・状況]
基本方針:殺し合いに乗らずに参加者の運命を変える為に戦う
1:帆高君、愛ちゃん、月詠さん、康一君、どうか無事でいてください!!
2:この戦いが終わったら早く合流しなければ
3:湊さんにも戦いが終わったら説明する必要がありますね
4:これからクロノスを三人で倒せるんでしょうか?万が一の為に退却の手段があればいいんですけど・・・!!
5:飛彩さんや大我さんや貴利矢さんやパラドはここに来ているんでしょうか?
[オレンジのエグゼイド、ダブルアクションゲーマーレベルXX R、つまり天才ゲーマーMとしての思考・状況]
基本方針:殺し合いに乗らずに参加者の運命を変える為に戦う
1:帆高、愛、月詠、康一、無事でいてくれ!!(今は天才ゲーマーM状態なので呼び捨てです)
2:この戦いが終わったら合流しなくちゃな
3:湊にも戦いが終わったら説明する必要があるな
4:これからクロノスを三人でどう倒すべきか・・・!!燃えてきた!!
5:ブレイブやスナイプやレーザーやパラドはここに来ているんだろうか?
時系列としては平成ジェネレーションズFINALの後、仮面戦隊ゴライダーも経験してます。現在永夢は二人に分離しており、天才ゲーマーMと永夢に分かれてます
【駆紋戒斗@仮面ライダー鎧武】
[状態]:健康、仮面ライダーバロンに変身中
[装備]:戦極ドライバー+バナナロックシード
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:主催者を倒しこの殺し合いの秘密を暴く
1:殺し合いに乗るような弱い奴を倒す
2:この戦いをいかに切り抜けるか考える
3:終わったら帆高達を追う
4:耀子の返事が遅れたのが少し気になった
時系列としては鎧武外伝バロン編の後
【剣崎一真@仮面ライダー剣】
[状態]:軽度のダメージ、仮面ライダーブレイドに変身中
[装備]:ブレイバックル+ラウズカード、スペードの1~7
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:この殺し合いに巻き込まれた運命に仲間と共に戦う
1:とりあえずこの三人でクロノスを倒す
2:終わったら帆高達と合流したいがどう合流するか
3:他にも巻き込まれた参加者がいたら保護したい
4:他にもカードがあれば時間停止にも対抗できるが・・・!!
時系列は「劇場版 仮面ライダー剣 MISSING ACE」の後
【湊耀子@仮面ライダー鎧武】
[状態]:健康、仮面ライダーマリカに変身中
[装備]:ゲネシスドライバー+ピーチエナジー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1、ラウズアブソーバー、ラウズカード、スペードの10~12
[思考・状況]
基本方針:帆高の行く末を見届けたい
1:とりあえず真っ先にシドを倒し戒斗達の援助に向かう
2:そして戒斗達から話を聞く
3:耀子呼びしなかった事が少し気になった。
4:謎の仮面ライダーからなぜ自分の事を知っているのかも教えてもらう
時系列としては死亡後です
【檀正宗@仮面ライダーエグゼイド】
[状態]:軽度のダメージ、仮面ライダークロノスに変身中
[装備]:ガシャコンバグヴァイザーⅡ、仮面ライダークロニクルガシャット
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2
[思考・状況]
基本方針:殺し合いを早く終わらせる為に森嶋帆高を絶版する(つまり殺す)
1:それを阻むこの仮面ライダー達を絶版にする
2:シグルドがこれ以上役に立たないのならば切り捨てる
3:時間経過による願いをかなえる権利もいいかもしれない
4:他にも商品価値がある部下が欲しい
時系列は初めてクロノスに変身してCRライダーとバグスターライダーをまとめて倒した後です。
そしてポーズにも制限があります、時間停止は10秒のみで一度ポーズするとしばらくポーズは出来ません、この制限を把握しました。
【シド@仮面ライダー鎧武】
[状態]:少々のダメージ、仮面ライダーシグルドに変身中
[装備]:ゲネシスドライバー+チェリーエナジー
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2~3
[思考・状況]
基本方針:帆高を早く殺して黄金の果実を手に入れる
1:その邪魔をする奴には容赦しない
2:湊は俺が裏切ったから怒ってるんだろうが知ったこっちゃない
3:正宗の事もどう出し抜けばいいかこの戦いが終わったら考えなくちゃいけないな、このままずっと付き合ってられっか
4:鎧武に変身した女は俺が潰す
時系列は黄金の果実を目にした直後です。
「はぁっ・・・!!はぁっ・・・!!やっと抜け出せた!!」
愛は変身を解除し、生身の姿に戻った。
「さて、問題はこれからどうするかじゃな」
「・・皆さん、一応話は聞いていたんですよね?」
「うん、聞いてたよ、全力で走りながら参加者に会って話を聞いていくって」
「その為にはわっち達は多く参加者がいるだろう場所をめぐる必要がある、更にこれから走り続ける以上栄養も多く補給できる場所があると良いかもしれんな、また、走っている途中に休憩する場所も欲しい、それに、主の為の自衛手段も確保しなければいけないだろうな、何の偶然か分からんがわっち達それぞれの武器以外何も武装を持っていないのじゃ」
「・・・月詠さん!!俺達には休憩する時間なんて」
「たわけ!!主の焦る気持ちも分かる!!だから協力しているんじゃ、だが休憩なしに何も成し遂げる事はないぞ!!わっち達がもしへとへとの状態で主の命、いやわっち達の命を奪うような者と遭遇したらどう戦えるというんじゃ!!考えて動かなければ簡単に死ぬぞ!!」
本気の怒りの形相で怒ってきた月詠に帆高はたじろいでしまった
「ご、ごめんなさい・・・」
「反省すればいい、だがこれから人が多く集まる場所を考えてみるが何があるか?」
「愛さんが思いつくのは病院かな?他にもコンビニやスーパーや駅ターミナルかな?でもコンビニやスーパーに食品はあるのかな?」
「一切人いませんもんね、僕もエコーズAct1にして上から見ましたけど小人数しか見つける事が出来なかったです」
「一番集まりやすいのは病院かもしれんな、この殺し合い、負傷者が多い事は想像できる、だがそのような人物を待ち伏せする人もいるかもしれん、どうすればいいものか・・・」
「・・・深く考える必要はないんじゃない?」
「え?」
「愛さん、思ったんだけど取り合えず動かなくちゃ始まらないと思う、じっとしていても何も進まない、だから!!走りながら見つけた場所を皆で考えて入ろうよ!!」
「・・・主は楽観的じゃな、だがそれが良いかもしれん」
「ではその方針で行きましょう!!帆高君もそれで・・・帆高君?」
帆高の様子がおかしい、それでよく様子を見てみると・・・帆高は・・・
「う、うぅぅ、グスッ・・・!!」
…泣いていた
「どうしたんじゃ帆高?」
「・・・ありがとうございます!!」
「「「え?」」」
「こんな立場の俺の為に、こんなに危なっかしい俺の為に・・・皆・・・考えてくれて・・・!!助けてくれて・・・!!嬉しいんでず!!俺は・・・!うぅ・・・!!」
嬉しかったのだ、本来自分は真っ先に殺される立場であるはずの自分がここまで手を差し伸べてくれている事が、戒斗、剣崎、永夢、愛、康一、月詠、皆が助けてくれている、自分と陽菜の為に
思えば自分の記憶でもそうだった、凪や夏美さんや圭介さんも、皆助けてくれた、それが天気を雨に変えてしまうと分かっていたうえで
自分は多くの人達の優しさに救われている、それが実感できて本当に嬉しくて涙が止まらない
「もう、そんなに泣いてたら余計助けなくちゃいけないよね!!アタシ達!!」
「そうですね!!絶対に会わせてあげなくちゃってやる気が出ます!!」
「ずっと怖かったんじゃな・・・自分の行いが本当に正しいのかどうかが・・・安心してくれ、わっち達は・・・最後まで主の味方じゃ」
康一君が涙をぬぐうハンカチをくれた、その優しさは陽菜さんを思い出した。俺にとってとても大切な人を
(・・・今なら本当に出来るかもしれない、陽菜さんだけじゃない、天候も、晴れのまま助けれるかもしれない、だって俺は独りじゃないんだから!!多くの障害が立ち塞がってくる事は分かってる・・・それでも!!)
飛び込んでく 嵐の中
何も迷わずに ためらう瞬間 その闇に飲まれる
疑うより信じてみる 自分の可能性
目醒めて行く 未来の世界を
(諦めない!!)
【森嶋帆高@天気の子(映画)】
[状態]:健康(首からの極微量の出血は元々顔に会った絆創膏で止めた)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2~3
[思考・状況]
基本方針:天気も陽菜さんも何方とも絶対に救う
1:皆と一緒に走りながら行動する、単独行動はしないようにする
2:自分にも仮面ライダーのような力が欲しい
3:体力管理・・・そういえばあの時何で俺はしなくても走れたんだろうな、無我夢中だったからかな?
4:戒斗さん、永夢さん、剣崎さん、無事でいてください・・・!!
5:銃で脅すようなことはもうしないようにした方が良いんだな、やっぱり
時系列は鳥居をくぐろうとした瞬間です。
【宮下愛@ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~2、オレンジロックシード、マツボックリロックシード、戦極ドライバー
[思考・状況]
基本方針:帆高君はアタシ達で守る!!
1:とりあえず走りながら休憩&参加者と出会う。
2:人と仲良くなるのアタシ上手いからアタシが交渉しようかな?
3:ロックシードって他の使い方があるみたいだからそれで守るのもいいかもね!!
4:他のアタシの仲間は来てるのかな?来ないでいてくれたら嬉しい・・・
時系列は13話が終わった後です。
因みにロックシードの別の使い方とはインベスを開放して操る方法です。今作ではロックシードの持ち主は何も特別な手段を使わずに実体化したインベスを呼べます。現在愛の持っているロックシードでは、オレンジで等身大の姿で上級インベスを、マツボックリで小さな姿で初級インベスが召喚出来ます
【月詠@銀魂】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2つ、クナイ48本(2本バグスターとの戦いで折れました)
[思考・状況]
基本方針:唯一の大人として彼らをサポートする
1:皆と一緒に走りながら行動する、多くの人達と交渉していく必要があるだろう
2:自分の仲間も会えたら協力してもらうと嬉しいが・・・そう簡単に上手くいくかな?
3:体力管理の為にも美味しい料理が必要かもしれんがこの4人の中で料理が上手い人はいるのか?
4:あの3人・・・本当に大丈夫じゃろうか?少し不安じゃ
5:今後帆高が暴走してしまう可能性があった時は抑えなければいけないな
時系列は銀魂完結後です。
【広瀬康一@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態]:健康
[道具]:基本支給品、ランダム支給品2~3、霊波紋、エコーズ
[思考・状況]
基本方針:僕の霊波紋で皆を助けたい
1:皆と一緒に行動する
2:承太郎さんや仗助君がいたらいいんだけどなぁ、特に仗助君の能力は有効だと思う
3:僕のエコーズで参加者を探せば用心も交渉も出来るな、でも走りながら霊波紋は持つかな?
4:戒斗さん、永夢さん、剣崎さん!!無事でいてくださいね!!
5:僕の文字の「ポカポカ」で雨で濡れて冷えた体は暖めることできるな、後でやろう
時系列は第4部完結後です。故に霊波紋エコーズはAct1、2、3、全て自由に切り替え出来ます。
因みに私のssの参加者の服装は愛と康一除いていつも着ている服で、愛と康一は学生服です。
最終更新:2021年02月16日 03:24