俺は今、モーレツに腹が減っている。
どれくらいモーレツかというと昼間は『地下鉄の風でスカートがめくれ上がったマリリン・モンローがノーパンだった』くらいだった。
しかし今は『マリリン・モンローのエロビデオが18歳未満のみ無料ダウンロードできるようになった』くらいへと跳ね上がった。
言葉の意味はやっぱり分からないが、とにかく空腹なことだけ伝わればいい。
申し遅れたが、俺の名前は日野洋二。洋食屋『ひだるまキッチン』の店主にして、料理人だ。上に『日本一』とか『天才』とかつけてくれると嬉しい。
そもそもなぜ俺がこんなに腹がすいているのかというと、今日の朝は胃の調子が悪く、朝飯をおにぎり一個で済ませたのが始まりだった。
昼くらいには普通に戻り、俺の腹が飯を食わせろと主張していたが、俺の作った料理はどういうわけかオキャクサマと名乗る者共に食われていく始末。
そんな理不尽に耐えてやっと午後九時。店の閉店時間となった。
ここから俺の俺による俺だけのディナータイムを始めようとしたが、米がなかった。
その直後、俺は映画を観ていた。
何を言ってるのかわからねーと思うが、俺も知らん。
それに空腹のせいで全く内容が入ってこない。せめてポップコーンとコーラがあれば話も違ったが、そんなものはない。
気付けば映画が終わり、代わりに居たのは知らんババア。
ババアがいきなり殺し合いをしろだのああだのこうだの言っていたが、俺はほぼ聞き流す。
流石にレディが殺されたと思ったら生き返るのはファンタスティックだが、俺の腹も負けじとファンタスティックだ。
そうこうしているうちに、俺はいつの間にか街中にいた。
鬱陶しく降り続く雨は俺の胃の悲鳴の代弁か。この雨を全て俺の口に入れれば多少空腹はマシになるだろうか。
そう思っていると、俺の視界にファミレスが入った。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
瞬間、俺は駆け出していた。
己の空腹を無理矢理力に変え全力疾走。そしてドアを開ける時間も惜しいので窓ガラスをガシャアアアアン! と突き破り突入。
その勢いのまま厨房へと飛び込んだ。
なお、この行いが世間一般から見れば強盗だとはさすがに気付いていたが、悪いのはあのババアだと思うので気にしないことにした。
俺は腹が減っているのにババアはいきなり攫って映画を見せた挙句、殺し合いをしろとのたまうのだ。
釘バットでボコボコにしても推定無罪だ。もし罪になったとしてもそれは法律が悪い。
「ゲェーハッハッハ! 食材どもよ、我が手によって美味しく調理されるがよい!!」
そして俺はトンカツ定食を調理していた。
正直、腹が減りすぎてこの辺りはほぼ何も覚えていない。
だがこの見事な揚げ加減のカツとキャベツの千切り、そして味噌汁とホカホカのご飯は間違いなく俺の料理だ。
俺は無心で料理を貪る。美味い、さすが俺の料理。
そして完食。正直、食材と調理器具が普段使っているのより少し程度が低いのが不満だが、とりあえずはスッキリした。
「で、これからどうしようか」
【日野洋二@クレイジー・キッチン】
[状態]健康、満腹
[装備]不明
[道具]基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:殺し合い? 知らん!!
1:とりあえず腹いっぱいになってスッキリ
※参戦時期は第一話「トンカツ」終了直後
※オープニングで上映された「天気の子」の内容をロクに覚えていません。
最終更新:2021年01月05日 23:57