ぴちゃり ぴちゃり。
降りしきる雨音とは別の、水の跳ねる音が鳴る。
公園に設置された公衆トイレ。
雨風を凌げるその一室に一組の男女の姿があった。

「はむっ...んっ...おっちゃんの大きいなあ...ワタシの胸でも入りきらへんわ」

便座に跨りその豊満なる胸を寄せ、谷間から顔を覗かせる逸物に舌を這わせ唾液を滴らせる金髪碧眼の美女。名をカチュア・ラストルグエヴァ。
日本人の乳とロシア人の母を両親に持つハーフである。

「おぉ、その調子だ。いまから貴様のおマ〇コに入るモノだ。たっぷりと味わうがいい」

下半身を曝け出し、カチュアの胸に奉仕させているこの金剛力士像に酷似したハゲ頭は金剛様。
彼岸島という島に生息する吸血鬼、その中でも特別な混血種『アマルガム』にして、吸血鬼の首領"雅"の側近の一人である。

「言っておくが口で時間稼ぎをしようなどとは思うなよ。先の遊具のようになりたくなければな」
「そんな脅さんでも大丈夫や。ワタシもおっちゃんのみたいなご立派様が好きやからなあ」

彼らがこの殺し合いという状況下において、トイレで行為に至っているのには経緯がある。
金剛は性欲を持て余していた。
崩れゆく明治屋ホテルの652号室。そこで数多の女を強姦している最中に彼は呼び出された。
流れる映像の冒頭だけで金剛の息子様は萎び、乱交を邪魔された怒りをぶつけようとするも、須賀夏美と天野陽菜が出てきてからは一転。
彼女たちを犯してやりたいと思えば、むくむくと息子様は勃ち上がり気が付けば己の手でシゴいていた。
もう少しでイケる―――その瞬間、神子柴なる老婆が現れ再び息子は萎び。しかし昂る性欲は抑えきれず。
首輪を嵌められ会場に飛ばされた彼が真っ先に求めたのは女だった。とにかく性欲を解消したかった。
ほどなくして遭遇したのがカチュアだった。
彼女が何を言うでもなく、金剛は傍にあった滑り台へととバ ァ ンと掌を叩きつけ破壊。
そのあまりの威力に腰を抜かすカチュアに金剛は「私のチンコを受け入れろ」と迫る。
断れば死、というのを理解したカチュアは金剛に従い、傍にあった公衆トイレでことに至っているのである。



「はっ...はっ...」

肉棒を舐めながらカチュアは思う。
この男、今まで味わってきたモノの中でも1・2を争う大きさであると。

(難波のにも勝るとも劣らん...まさかこんなとこでまたアレ並のを味わえるとは思わんかったわ)

ゴクリ、と生唾を飲み込む。かつて抱かれたヤクザの難波輝の男根の感触を思い出す。
カチュアは中学の頃に実の父に強姦され、家を出て以降、男女問わず数多の人間と身体の関係を持ってきた。俗にいうヤリマンである。
その彼女ですら初物の如く挿入に手間取り信仰心を抱きそうになったのが難波の鬼魔羅である。
金剛のソレは難波のモノに匹敵する。ならばそれに見惚れてしまうのも無理はないというものだ。

(アカン...もう股間疼いてきたわ...)
「ああチクショウ!もう辛抱たまらねえ!」

カチュアの股座が湿り気を帯びるのとほぼ同時、金剛は背中でトイレのドアを押し、カチュアの髪を乱雑に掴み乱暴に連れ出した。
反論を聞く間もなく、今後はカチュアの顔を床に押し付け倒し、己は背後から尻を掴み股座を押し付ける。

「あんな狭い個室でやってられるか!ここでぶち込んでやる!」
「ちょ、他の参加者が」

ズ ブ リ。
カチュアの制止も聞かず金剛が侵入する。
そもそも個室で事に及んでいたのは雨を凌ぐだけでなく他の参加者への警戒も兼ねてである。
その辺りは金剛にも説明し同意を得たはずなのだが、金剛はそれをすっかり忘れていた。
そんな性欲バカへの怒りをかき消すほどの快楽を齎されたカチュアはだらしなく開口し涎が垂れ、涙すら頬を伝う。

「ぁ...かん...ッ」

思考は白く染まり、言葉もしどろもどろになる。

「ガハハハハハハ!気持ちええ!女の肉の内(なか)は最高だァァァ!!」

己の金剛棒を包む温かさと絡みつくような肉圧に金剛は歓喜の叫びを挙げる。

「ガハハハハハ!!どうだ私のチンコの味はァ!!」
「ぁっ...んっ、あっ、すごっ」
「そうかそうか!ならば崇め讃えるがいい!!金剛様の男根様と言えェ!!」
「こ、金剛様の男根様ァァァァ!!!」

パンパンと打ちつける音とぐちゅぐちゅとかき回すような音。
男の歓喜の嗤い声と女の嬌声。漂う生臭く淫靡な臭い。
老若男女も利用する公衆トイレはもはやただ一組による支配空間となっていた。


「ガハハハハ!!気持ちええ!!超気持ちええ!!!」
「もっ、だめ」
「ガハハハハ!!マジでこの女名器だぜ!!」
「あっあっあっ」

もはや思考が彼方へとトびかけているカチュア。
そんな彼女を眺めつつ、金剛は腰を振りながらニタリと笑みを深める。

「女よ。最高の快楽とはどんな時に生まれるか知っているか?」
「はぇ?」
「こういう時だ」

金剛の掌がカチュアの頭を上から押さえつける。
そして

「あがっ!?」
「ガハハハ!めちゃくちゃ締め上げてきやがる!」

加えられる万力の如き力にカチュアの頭蓋骨は悲鳴を上げ、締まりが強くなる感覚に金剛は歓喜の叫びを挙げる。

「最高だ!マジでこの女の肉の内最高だぜ!!このまま頭蓋骨ぶっつぶしてやる!!」
「は、はなしがちが...」
「ガハハハハ!!混血種の私が人間如きの願いなぞ律義に聞く必要はないだろうが!!ましてやこれは殺し合い!!このまま最強の締まりを生んで死にやがれ!!」

徐々に、徐々に痛みを増していく頭部にカチュアの脳も危機感を取り戻し、思考を取り戻していく。

「ま、まってくれや...!あんっあっあっお願いやからあっ」
「待てねェよ!もう待てねェよ!!ああイクッ!出ちまうっ!!」

カチュアの懇願ももはや金剛には届かない。
ピンと伸ばされたカチュアの腕にも目をくれず、腰の速さは増していき、頭部に込める力も増していく。
カチュアの額からは血が流れ始め、涎と涙と血が混じった液体が床を濡らしていく。
彼女は理解する。この男がイクのと同時、己の頭は粉砕されるだろうと。

「イクぞォォォォォォォォォォォ!!!」

快楽が頂点に達し、金剛袋から灼熱の如き熱さと共にこみあげてくる。


『ターゲット確認』

刹那。

金剛の背後より響く声。
金剛はそれに気づかない。否。気づけたとしてももう遅い。

『エネルギーチャージ』

ソレは己に搭載されたロケットエンジンを起動させターゲットへと狙いを定めた。
頭上に聳え立つ無防備にさらされた金剛の臀部へと。

そして。

『GO・TO・HELL!!!!』

ソイツの魂の叫びと同時、金剛の臀部に未曽有の衝撃が走った。

「ハガアアアアアアアア!!!!!?」

唐突な臀部の激痛に、カチュアの頭部へと込められていた力は吹き飛び、衝撃で腰を通じて金剛の溜め込んでいたモノがカチュアへと放出される。

「アッ、来とる、あついのきとるぅぅぅぅぅ」
「ガアアアア!ガアアアアアア!!」

先ほどまでとは一転、恍惚の表情を浮かべるカチュアと悶え苦しむ金剛。
ドクドクと粘ついた液が床へと滴り落ちていく。

「はあぁ~、気持ちええわぁ...」
「肛門があああァァァ!アナルがあああァァァ!!」
「くははっ、むき出しのアナルにはよう効くやろ」

肉棒を引き抜き、伸し掛かってくる金剛の身体から這い出る。

「キッ、貴様なにをした」

憎々し気に睨みつける視線を他所に、カチュアは金剛のデイバックを探る。
そこから見つけたナイフを取り出してからようやくカチュアは金剛へと視線をやり、ニヤリと笑みを浮かべた。



「ダイレクトカンチョー君や」


「カ、カンチョー...!?」

慌てて己の尻をまさぐり原因を取り除こうとする金剛。その無防備になる瞬間を彼女は見逃さなかった。
ひゅっ、と空気の音が鳴り、金剛の頸に一筋の線が走る。

「ガッ!?」
「堪忍なあ。おっちゃんのチンポ結構好きやったし、ディルドー代わりに連れて歩いてもええかなと思っとったんやけどな」

けど、と言葉を切ると同時に、息を吐くようにカチュアは金剛へと幾度もナイフを振るう。

「おっちゃんが悪いんやで?欲張ってあんなプレイするからこうするしかなかったんや」

カチュアの一振り一振りが金剛の頸を断ち、両目を断ち、的確に人体の急所を裂いていく。

カチュアはただのヤリマンではない。
彼女は実在の殺人鬼の人格を脳に刷り込まれた"メデューサ"という人工的な殺人者である。
彼女のモデルはかの殺人鬼アンドレイ・チカチーロ、別名『ロストフの赤い切裂き魔』。
彼―――チカチーロは主にナイフを使い52人もの少年少女を殺害した。
故に。
彼は、カチュアは、ナイフを使わせれば右に出る者はいないのである。

「ぐ、この程度で私を倒せると思うなァ!」

だが、金剛も、元の金剛から分離し弱体化したとはいえ腐っても吸血鬼―――それも強力な力を手に入れた混血種。
人間ならば既に瀕死となるほどの斬撃を受けても致命傷には至らず、カチュアのナイフを掴み止める。
思わぬ反撃に動きが止まるカチュアへと拳を振りぬこうとする金剛。

が、しかし。

「ぐあっ!?」

肛門の痛みとは別の、強力な痺れが身体を襲い、為すすべもなく床に倒れ込む。

「あ、あが、がが、が」

痙攣し始めた金剛に疑問を抱きつつも、カチュアは金剛のデイバックを探り説明書を取り出す。

「なになに...『ベンズナイフ、0.1mで鯨も動けなくなる毒が塗ってあります』か...いやはや、おっちゃんついてないなあ」
「ふ、ふざけ...」
「せやけど」

カチュアが仰向けに倒れる金剛へと馬乗りになり、そそり立つ棒を体内に受け入れる。

「気持ちよく逝かせたるから喜びや」


カチュアが腰を動かし、ナイフを身体に突き立てる度に、中に這入っているものが硬さを増し、熱を帯びていく。

「おっちゃんの言った通りやで。命ってモンは今から死ぬって時に子孫残そうと必死にガチガチになるんよなあ」
「はがっ、がっ」

ぴゅーっ

先端から液が漏れ始め、カチュアの中を侵食していく。

「あっ、また出とる、いいっ、これいいっ」

まるで命の最後の輝きだと言わんばかりに、金剛の中から液が絞り出されドクドクとカチュアに注がれる。
その度にカチュアの背筋に快感による寒気が走り、ぴくぴくと痙攣し始める。

「ぞくぞくするっ、すっ、すごいのきそうやっ」

そして、金剛に溜まっていたモノが最後まで吐き出されるのと同時。

「イっくうううう!!!」

カチュアは涙を滲ませ恍惚な表情を浮かべながら仰け反った。

「...女」

下半身から全てが抜け出て、痛みも快感も感じられぬほど脱力し、両目が斬られもうなにも見えぬ暗闇の中。
金剛は最後の力で言葉を紡ぐ。

「お前のマ〇コは...緩かったが、最高の名器だ...ぜ...」

そして、金剛の心臓は鼓動を止め―――もう彼が動くことはなかった。

「......」

ぬぽり、と身体の中から金剛を引き抜き、彼の尻からぬぽり、と抜き取る。
その手に収まるのは、カチュアに配られた支給品。彼女を救った勇者である。

カチュアの掌に収まるそれは、横長の球体に手足と4つの排気孔がくっついた奇妙な玩具のようなものだった。
カンチョー君はその名の通り、相手の臀部の付近に置けば強烈なカンチョーをお見舞いしてくれる生物だ。
金剛に頭を潰されかけた時にダメもとで放ったものだったが、効果は絶大であった。

「助かったでカンチョーく...」

恩人へと礼を言い労おうとするカチュアだが、しかし目を見開き絶句する。

「コイツ...死んどる...」

―――カンチョー君は一撃のカンチョーに己の全パワーを費やすのである。
よって人生に一度のカンチョーを終えると共に命を散らすのであった...
ああ...さらばおしりの革命児カンチョー君―――

カンチョー君と金剛の亡骸を交互に見やり、カチュアはぽつりと漏らす。

「...凄い漢たちや」




【エロ金剛@彼岸島 死亡】
【ところ天の助の尻を刺したカンチョー君@ボボボーボ・ボーボボ(カチュアの支給品) 暁に散る】



「けぷっ、腹ぁ一杯や」

満たされた下腹部をさすりつつ、金剛から回収した首輪を眺めながら、カチュアは己の方針を考える。
見せられた映画や帆高たちのことは今は置いておく。
彼女が引っ掛かるのはこの催しそのものについてだ。

(殺し合えってのは別にええ。けど、あの婆は確かにバトルロワイアルと言った...ならこのルールはなんや?)

カチュアは理不尽に強いられる殺し合いを既に経験している身である。
故に、殺し合いそのものにはさほど忌避感を抱いていない。
だからこそ、このルールと神子柴の言葉の祖語が気になった。

(参加者がたくさんおる中で、狙うのが森嶋帆高だけでいい?そいつはバトルロワイアルやなくて狩り【ハンティング】やろ)

あの映画を見る限り、陽菜はともかく帆高の方には特殊な体質や相応の実力があるようには思えなかった。
少々攻撃的な子供、程度である。もしも先の金剛と帆高が出会えばおそらく銃を使用しても帆高に勝ち目はないだろう。
かくいう自分も彼に負ける要素はない、と考える。剣技や高い身体能力を有する巴あやや怪力のカレンではなく、直接戦闘を苦手とする自分がだ。

金剛と自分を照らし合わせれば、参加者も全員ではないにしろ戦いや殺しに秀でる者はそれなりにいるはずだ。
そんな中で帆高と【殺し合い】が成立するとは思えなかった。
いくらあの老婆が横文字に弱そうでも流石にロワイアルとハンティングを間違える方が不自然だ。
あの老婆はこれがバトルロワイアルだという余程の自負があるのだろう。


それに、終了条件の『帆高の死滅』というルールも引っ掛かる。
帆高を『殺す』のではなく『死滅させる』とわざわざ書くということは、帆高は一人ではないのではないか。
同姓同名の人間も参加しているのか、あるいは―――『森嶋帆高』が増えるのか。

「なんにせよ、帆高を殺さんと話にならんか」

『森嶋帆高を消せば皆が助かる』というこのルールは、言い換えれば『森嶋帆高は皆の生殺与奪を握っている』ということになる。
参加者は逃げたいと思っても帆高が消えなければ逃げられないが、帆高はゴールさえわかっていれば逃げられるのだ。
であれば、ひとまずは帆高を殺し、神子柴からの反応を伺うしかない。

(首輪が外れれば状況はだいぶマシになるけどなぁ)

この殺し合いでの最大の問題点はやはり主催に管理されている首輪である。
幸いにも首輪のサンプルは手に入れてある。自分はさほど機械に詳しくないが、参加者の中に機械に詳しいものがいれば解析を頼むのも一つの手かもしれない。
さっきの金剛のような男はごめん被りたいが。

(人はしっかり見極めて選ばんとなあ。ワタシもいつまで薬が効くかわからんからな)

メデューサは常時その戦闘力を発揮できるわけではない。
メデューサを生み出す羽黒の研究医が作った発火薬が無ければその本質を発揮できない。そしてその薬の効果も永続ではない。
まだ身体のダメージは消えていないが、できれば薬が切れる前に事を終えたいものだ。

「さぁて、と。ボチボチ動くとしよか」

雨に濡れてはかなわないと毛皮の帽子をデイバックに仕舞い、カチュアは雨の中へと駆け出した。


【カチュア・ラストルグエヴァ@サタノファニ】
[状態]疲労(中)、出血(小~中)、頭部にダメージ
[装備]ケープコート
[道具]基本支給品、エロ金剛の首輪、エロ金剛の支給品(ランダム支給品0~2)、クロロのベンズナイフ@HUNTER×HUNTER、闇皇帝編のカンチョー君@ボボボーボ・ボーボボ、三世の尻を突き刺したカンチョー君@真説ボボボーボ・ボーボボ
[行動方針]
基本方針:森嶋帆高を殺す。
0:人を見極めながら行動する。
1:メデューサになる為の発火薬も欲しいが...

※参戦時期は堂島姉妹を逃がした後です。
※メデューサの薬がいつまで続くかは他の書き手にお任せします。
最終更新:2021年01月18日 23:25