ここは会場内にあるアパートの一室、そこには野戦服を着た軍人風の男がいた。

「ふむ……先ほどの説明を聞く限り、『森嶋帆高』という少年を『天野陽菜』という少女に会わせないようにすればいいのだな?」

「幸い、さっき上映された映画で二人の顔は把握している。後は、彼らがどこにいるかを突き止めれば問題はない」

この男の名はコンバット・ブルース。元の世界では、ある皇帝の側近を勤め続けていた男である。

そんな彼は、先ほどの映画で得た情報を基にこの殺し合いを生き残るための作戦を立てていた。

「そして突き止めた後はどちらかを拉致監禁し、タイムリミットまで誰とも接触させなければそれでクリアーとなるはずだ」

そして彼が導き出した結論は、『どちらかを拉致監禁する』というものだった。

(それに……そのための仲間もついさっき見つけられたし、彼女ももうそろそろ戻ってくる頃だろう)

また、どうやら彼はこの会場内で仲間を作っていたようだ。

そして彼の考えた通り、誰かが扉をノックする音が聞こえてきた。

「入っていいぞ」と彼が返事をすると、扉が静かに開かれた。

そこに現れたのは……


「ご主人様、命令通りこの周辺にある建物や地形について調査いたしました」

左手に黄金の斧を持ち、血に濡れた衣服をまとった、人形のような雰囲気をした女性だった。

そして彼女が部屋に入るとともに全身が光に包まれ、その姿はクラシカルなメイド服を着こんだものに変わっていた。

「次の命令はなんでしょうか?タマモにできることであれば、何なりとお申しつけください」

そういうと彼女は、ブルースの目の前でうやうやしく礼をした。

彼女の名はタマモ。『隷属のアリス』の二つ名を持ち、周囲の人間を"ご主人様"と呼んで付き従う女性である。

そんな彼女がこの男と知り合ったのは、数分前にさかのぼる……



数分前、メイド喫茶にて……

『ん……はぁはぁ、貴方様が望んでいるのは、こういうことですね……?』

『よく分かってるじゃないか。そうだよ、その無駄にデカい胸で、俺を楽しませてくれよ』

「……いいな、このエロ本。大事に保管して持って帰ろう」

ここで、コンバット・ブルースは人目もはばからずにエロ本を読んでいた。

実を言うとこの男、この会場に飛ばされてからというもの、ずっとここで支給品にあったエロ本を読んでいたのである。

そうしてこのエロガッパ、もといコンバットがエロ本に夢中になっているといきなり、厨房の中で何かが動く音がした。

せっかくいい気持ちに浸っていたのに敵襲か?、と思いつつも厨房の中に入っていくと、
そこにはメイド服を着た女性が料理を作る準備をしている姿があった。

「……貴様、何者だ?ここで何をしている?」

コンバットが指鉄砲を向けながら質問をすると、そのメイドは感情のこもっていない目で彼を見てこう言ったのだ。

「あなたも、私のご主人様になっていただけますか?」と……。

彼はメイドからの異様な問いかけに一瞬面食らったものの、すぐに言葉を返した。

「ああ……このコンバット・ブルースが、お前の新しいご主人様だ」

いかにも自分が新しいご主人様だと、渋い感じで返していた。

そしてそれを受けて、メイドの方も自分の名を名乗り、彼に深く礼をした。

「畏まりましたご主人様。タマモにできることであれば、何なりとお申しつけください」

「そうか、では、これからよろしく頼む」

またコンバットも彼女に対し、礼を返したのだった。




早い話が、メイド喫茶でエロ本を読んでいる最中に彼女と出会い、そして彼女の問いかけに答えた結果どういうわけか仲間に加わったのである…。

そして周辺の調査を終えて戻ってきた彼女に対しコンバットは、新しい命令を下した。

「そうか、では次は……膝枕をしてください♥」
「畏まりました。おやすみなさい、ご主人様」

彼はタマモに膝枕を命じ、そしてタマモは眉一つ動かさずにその命令を受け入れるのだった……。


…なお彼はタマモの問いかけに答える時、内心こんなことを思っていた。

(この店ではこういうプレイをしているのか?なら、全力で楽しむとしよう)

……はっきり言おう、この男はただのお間抜けヘンタイ野郎であると。


……そして、こんな男とそれに付き従うメイドは、今後一体どうなるのだろうか……?


【コンバット・ブルース@ボボボーボ・ボーボボ】
[状態]:健康、膝枕を堪能中
[装備]:エロ本@現実
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:(会場内に他のエロ本がないか探しつつ)生還を目指す。
1:『森嶋帆高』もしくは『天野陽菜』のどちらかを拉致し、制限時間まで監禁する。
2:メイドさん……いいなぁ……♥
3:エロ本エロ本エロ本(以下エンドレス)
[備考]
タマモのことを、「コスチュームを変えることで何かしらの力を得る」タイプの真拳使いだと思っています。


【タマモ@Alice Re:Code】
[状態]:健康
[装備]:『不信の女神』のイデア・レコード@Alice Re:Code
[道具]:基本支給品、ランダム支給品×2
[思考・状況]基本行動方針:ご主人様の意のままに
1:ご主人様の命令に従います。
2:タマモはご主人様の所有物です。何をしたっていいんですよ?
3:今日は貴方様が、私のご主人様です。
[備考]
自分のことを「ご主人様」と言った人に付き従い、どのような命令にも従います。
(現在はコンバット・ブルースが対象となっている)

【エロ本@現実】
 書いて字のごとく、18歳未満が読んではいけない本のこと。


【『不信の女神』のイデア・レコード@Alice Re:Code】
 アリスにのみ引き出せるとされる、異なる次元に存在する力であり、
 想像力を働かせながら使うことでそれに合わせた姿に変身できるとされている。

 なお、この『不信の女神』のイデアについては諸説あるものの
 「金の斧」という童話がモチーフになっているらしく、黄金の斧を取り出す能力のほかに、
 『嘘』や『裏切り』に対して過剰な反応を返すようになるという性格の変化が現れる。
最終更新:2021年01月27日 09:25