「この本によれば、普通の高校生『常磐ソウゴ』…彼には魔王にして時の王者、オーマジオウとなる未来が待っていた。
彼はアナザーディケイドとの決戦において、遂にオーマジオウへの覚醒を果たす。
その圧倒的な力を振るい、愚かにも世界を支配しようと目論んだスウォルツを見事撃破しました。
…その代償として、2人の仲間…いえ、友を失う結果となってしまいましたが…」
「本来の歴史ではこの後、崩壊した世界は常磐ソウゴによって再構築され、新たな物語が始まるはずでした。
しかし、これより語られるのは常磐ソウゴが巻き込まれた新たな戦いの記録。
天気の巫女と平凡な少年。この一組の男女を巡るバトルロワイアル」
「…どうやら、神子柴によって私の介入も禁じられているようだ。
私がこの先の物語を語ることは、残念ながら不可能なようです。
果たして常磐ソウゴがどんな結末を迎えるのか、それは皆さんの目で確かめてください」
「私は君を信じているよ、我が魔王……」
○●○
「……」
雨が体に降りかかる。
常磐ソウゴは肌に感じる冷たさを無視し、俯き立ち尽くしていた。
「ゲイツ……ツクヨミ……」
未来からやって来たレジスタンスの戦士たち。
ソウゴにとっては一緒に生活し、戦ってきた大切な友。
彼らと共に王としての道を歩んでいくのだと思っていた。
そう思っていたのに、スウォルツとの戦いで2人の命は失われてしまった。
「俺は……」
『どんな願いでも叶える』という、神子柴が放った言葉。
事実、首輪の爆発で死亡した女性を生き返らせるのを、この目ではっきりと見た。
ならば、神子柴が与えるお題とやらを達成すれば、自分の願いも叶うのだろうか。
もう一度ゲイツとツクヨミに会えるのだろうか。
自然と右手に力が籠る。
その手にあるのはジクウドライバー。
1年前の夏、ウォズによって与えられた王の力。
確かにこの力があれば、一般人の森嶋帆高を捕えるなど容易いだろう。
しかし、本当にそれでいいのかと自問する。
ジオウの力を、友を生き返らせるという己の欲望の為に使う。
自分の願いの為に、他者の願いを踏みにじる。
そんな暴君のようなものが、幼い頃より目指していた王の姿なのか?
映画の中で帆高は必死だった。
無鉄砲で、考え足らずで、一時の感情に身を任せる姿はお世辞にも良いとは言えない。
けれど、天野陽菜への想いはブレることがなかった。
彼女が人柱として捧げられる運命に抗い、今も陽菜に会う為に会場のどこかを走り続けているのだろう。
なら自分は?
最低最悪の魔王になる運命を覆し、最高最善の王になる為に戦って来たのではないのか?
今の不甲斐ない様が、ゲイツとツクヨミが信じてくれた『常磐ソウゴ』の姿なのか?
――そんな訳があるかっ!!
「……民が困ってるなら…」
ゆっくりと顔を上げる。
そこには既に迷いや悲しみは消え失せていた。
代わりに浮かんでいるのは、燃えるような決意に満ちた表情。
「助けるのが王様の役目、だよね」
神様が帆高と陽菜を引き裂こうと言うのなら、自分は王様としてそれに立ち向かう。
2人が再会する事で自分達が死んでしまうと言うのなら、そうならない方法を探すまで。
決意を新たに、ソウゴは雨の降りしきる街を歩き出した。
【常磐ソウゴ@仮面ライダージオウ】
[状態]:健康
[装備]:ジクウドライバー+ジオウライドウォッチ@仮面ライダージオウ
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2
[思考・状況]
基本方針:帆高を守り、主催者を倒す
1:帆高を探して陽菜に会う手助けをしてやりたい
2:1の為に会場の浸水を防ぐ方法、又は会場から参加者が脱出口を探す
[備考]
※参戦時期は最終話でアナザーディケイドを倒した直後。
※ジクウドライバーは通常に戻っている為オーマジオウへは変身不可能ですが、何かのきっかけで再変身が可能になるかもしれません。
【ジクウドライバー@仮面ライダージオウ】
腕時計をモチーフにした変身ドライバー。
各種ライドウォッチを装填し回転させる事で、仮面ライダーに変身する。
ソウゴはウォズによって献上されたものを使っていたが、一度自らの意思でベルトを捨てゲイツに破壊された。
その後は紆余曲折を経て、ゲイツがオーマジオウから盗んだジクウドライバーを使い、再びジオウに変身し戦い続けた。
【ジオウライドウォッチ@仮面ライダージオウ】
仮面ライダージオウに変身する為のウォッチデバイス。
元々はライダーの力が宿っていないブランクウォッチだったが、ソウゴがジオウへの変身を決意したことで現在の姿に変化した。
最終更新:2021年01月29日 12:50