「一体、どういうことだ…」

雨音鳴り響く街に一人困惑する少女ーーーーー
名は志摩リン。
キャンプ好きな祖父の影響を受けて一人キャンプが好きな女子高生。

(たしか、私は初日の出を見て、なでしこたちにあけおめのLINEを終えて、キャンプ場に戻っていたはず…)
先ほど述べた通り、ソロキャンプが好きなリンだが、本栖湖で遭難しかけた各務原 なでしこを助けた縁でなでしこを始め野外活動サークル略して野クルのメンバーとも関係が深まった。
LINEでの新年の挨拶を交わしキャンプ場に戻る最中、リンは映画館に招かれた。

「あれが、いわゆるボーイ・ミーツ・ガールというやつか…」
とりあえず、流されるままに上映された映画を鑑賞していた。
(凄く、気になるところで…あれだもんな…)
そして御覧の通り、クライマックスに近づいたらバトルロワイアルの開始が宣言された。

(てか…あれ、マジなのか?帆高…さんと天野さんが出会うと街は水没するって…)
(それに、首にある首輪…)
リンの脳裏に浮かぶのは御子柴と名乗るおばあちゃんによって薙刀を持った女性の首が爆発して飛んだスプラッタ映画も真っ青の場面ーーーーー

「うそだといってくれ~…」
頭を抱えるリン……

「あ…」
リンの視線の先にあるのはーーーーー
「私が乗っている原付と同じだ」
50㏄スクーター「Vino 」であった。

「てか、私のじゃん」
よく見ると自分の愛車だった。

(なんで、ここに…?あの、御子柴と名乗ったおばあちゃん…窃盗は犯罪だぞ?)
リンは御子柴に恨み節を吐く。

「…よし。鍵が付いているから、運転できるな…」
(とりあえず、バイクをこのままにはしておけないな…・)
リンは動くのを確認すると、愛車の扱いをどうするか悩んでいると…

ーーーーーバシャ
背後から水しぶきがはじけ飛ぶ音が聞こえた。
「ッ!?だれ」

☆彡 ☆彡 ☆彡


「………」

雨に打たれる老武将。

男の名は明智十兵衛光秀ーーーーー

戦国の麒麟(カリスマ)織田信長を本能寺にて討った正義と公正の神獣獬豸の精神を持つ信長の不動明王。

(…儂は落ち武者狩りに遭い、果てたはず…)
苦悩しつつも唐入りという魔道を突き進む敬愛なる主君を討った光秀だが、秀吉の【嘘】と【諫言】により光秀に味方する武将は数少なく…山崎の戦いで敗れ、落ち武者狩りに遭命を失ったーーーーー

「あの、御子柴なる老婆の秘術か」
光秀は先ほどの女人を蘇らせたことから御子柴が己を蘇らせたと推測する。

(それにしても、あの国は本当に日の本なのか…?)
光秀にとって先ほどの「天気の子」とやらの世界と人は吃驚仰天の連続であった。
(しかし、あの焼け爛れた戦国の世に比べれば、なんと愛愛しい国じゃ…)
それは、光秀が臨んだ誰もが飢えることなく、慈しみ溢れた微笑みの絶えぬ世に限りなく近づいている世界であったーーーーー

「…む?あそこに女子か…」
光秀はリンに気づいた。

「とりあえず、接触してみるか……」
光秀は少女に近づくーーーーー

☆彡 ☆彡 ☆彡

「儂の名前は明智十兵衛光秀と申す」
光秀は己の名を伝える。

「え!?明智光秀!」
(…明智光秀ってあの【明智光秀】?)

(おいおい、マジかよ)

リンは老人の名前に半信半疑。
「…よければ、そなたの名前を教えてはくれんか?」

「は、はい…志摩リンです」

(てか、明智光秀ってこんなに年がいっていたのか!?教科書に載っている肖像画と全然違うな…)
所謂、多くの一般に知られている明智光秀との違いにリンは衝撃を受ける。

「リン…!?」
(なんと…娘と同じ名とは…)
一方、光秀も少女の名が自分の娘と同じことに目を見張る。

「あの…私の名がどうしたのですか?」
(え…何…?なんか怒らせたか?)
ビクビクしながら光秀と名乗る老人に尋ねるリン。

「なに…儂の娘と同じ名に驚いてな…」
「そうなんですか…」
(え…光秀の娘ってガラシャだけじゃないのか…てか、同じ名前か~」
光秀の長女、倫は信長に謀反をすることとなった荒木村重の嫡男荒木村次に嫁いだ。

「それに、苗字があるとは!?志摩…リンは志州 の出身か?」
「え!?いや、山梨県です」
(いや、志州 ってどこだよ…)
リンは心の中でツッコみながら答える。

「山梨県…?」
考え込む光秀に…
「あの、もしかしたらですけど…」
(まるで、現代人が過去へタイムスリップの逆だな…)
リンは光秀に自分のことを含めて予想したことを説明する……

「なんと!?では、やはりあの、「天気の子」とやらのこの世界は日の本でリンは400年も未来の人間なんじゃな!?」
「はい、おそらくですが…」
(理解が早くて助かったぜ…)
聡明な光秀はリンの話を驚愕しつつも受け入れた。

「…リン。そなたのいる日の本は平和か?」
光秀はリンに尋ねる。

「え?…まぁ、他の国に比べたら十分平和だと思います」
(考えてみれば、女性一人でキャンプができるって平和な証だよな…)
リンは光秀に問われることで改めて今の自分の国(日本)が平和であることを知る。

「…そうか」
(儂の願いは400年の時を経て叶うのじゃな…)
リンの答えに光秀は微笑む。

「……」
(正直、主君に対して謀反を起こし、三日天下で終わった人のイメージだったけど、案外、違うのかな?)
リンは光秀の微笑む姿に距離を置く壁が少し壊れた。

☆彡 ☆彡 ☆彡


「さて、儂らがしなければならいことは2つ」
「火薬入りの首輪の対処と帆高じゃ」

「御子柴と申す老婆の企み、必ずや阻止する。無論、リン。そなたを守ることを儂は約束する」
「はい…光秀さん。よろしくお願いします」
光秀の申し出にリンは頭を下げる。

「さて…それでは、移動をするが、馬があれば、便利なのじゃが…」
光秀の呟きに……

「あの…もしよければ、後ろに乗ってください」
(本当はダメだけど、この状況じゃ仕方ないよな…)

※原付は二人乗りは禁止です。

「なんと!?リンはこの奇妙な馬の乗り物を扱うことができるのか!?」
リンの申し出に光秀は驚く。
(…そりゃ戦国時代の人間は、馬は乗れてもバイクは無理だよな…)
光秀の反応にリンは苦笑する。

「はい。移動は私がしますので、光秀さんは後ろに乗ってください」
(ノーヘルに二人乗り…あー、お巡りさんに出会いませんように)

心の中でリンは祈ると共に疑問にツッコむ。
「う…うむ。かたじけない」
心なしか、光秀はワクワクした少年のような顔つきになっていたーーーーー
光秀はリンの後ろに乗る。

ブロロロロロッーーーーー………

(とりあえず、いくつか調達しないとな…)
(ヘルメットに…やっぱりキャンプ道具も手元に置いておきたい…)
リンはまず、ホームセンターに向かい Vinoを走らすーーーーー

「……」
光秀は運転をリンに任せてケツイを新たにするーーーーー

(火薬入りの首輪に摩訶不思議な秘術を使う相手…戦況は明らかに不利…)
(しかし、戦を決するのは【兵法】なり。老婆よ、そなたの思う通りにはさせぬ…!!)

かくして、「麒麟」を討った獬豸 は「リン」と出会った。

獬豸はくる。

【明智十兵衛光秀@信長を殺した男】
[状態]:健康
[装備]:甲冑(兜はない) Vino (同乗)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:兵法を用いて老婆を討つ
1:リンを守る
2:爆発する首輪をどうにかできないか考える
3:帆高を探す
[備考]
参戦時期は落ち武者狩りに遭い、死後です。
自身は御子柴の手で蘇ったと考察しています。
リンとの会話で自身よりも未来の世界だということを認識しました。

【志摩リン@ゆるキャン△ 】
[状態]:健康
[装備]:Vino (運転中)
[道具]:基本支給品、ランダム支給品1~3
[思考・状況]
基本方針:生きて帰りたい
1:光秀と行動を共にする
2:とりあえず…この雨のままじゃ、まずいから、ホームセンターを目指す(ヘルメットやキャンプ道具など調達するため)
[備考]
参戦時期は【ゆるキャン△ 2期】第2話の初日の出を見終えてキャンプ場に戻る途中です。
最終更新:2021年01月27日 09:32